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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の業績につきましては、連結売上高は、2兆2,053億円(前年度比1,722億円増、8.5%増)となりました。営業損益は539億円の利益(前年度は387億円の損失)、経常損益は331億円の利益(前年度は368億円の損失)、当期純損益は343億円の利益(前年度は1,077億円の損失)となりました。 

車両売上高は、台数・車種構成の改善等により1兆7,539億円(前年度比2,431億円増、16.1%増)となりました。また、海外生産用部品売上高は、中国向けの出荷が減少したこと等により559億円(前年度比372億円減、39.9%減)、部品売上高は1,897億円(前年度比104億円減、5.2%減)となり、その他売上高は2,057億円(前年度比233億円減、10.2%減)となりました。 

 

セグメントの業績は次のとおりです。

①日本

当セグメントにおきましては、売上高は1兆8,936億円(前年度比1,486億円増、8.5%増)となり、セグメント利益(営業利益)は1,084億円(前年度は184億円の損失)となりました。これは主に、輸出台数の増加に加え、車種構成の改善やコスト改善等によるものです。 

②北米

当セグメントにおきましては、売上高は6,500億円(前年度比783億円増、13.7%増)となり、セグメント損失(営業損失)は489億円(前年度は403億円の損失)となりました。これは主に、連結出荷台数は増加したものの、為替の円高影響等によるものです。 

③欧州

当セグメントにおきましては、売上高は3,548億円(前年度比57億円減、1.6%減)となり、セグメント利益(営業利益)は31億円(前年度比25億円減益)となりました。これは主に、連結出荷台数の減少等によるものです。 

④その他の地域

当セグメントにおきましては、売上高は4,187億円(前年度比1,244億円増、42.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は168億円(前年度比68億円増益)となりました。これは主に、連結出荷台数の増加等によるものです。 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ324億円減少(前年度比6.8%減)し、4,449億円となりました。これは、営業活動における490億円の資金増加に対し、投資活動での資金使用403億円、財務活動において社債の償還及び長期借入金の返済による支出等により572億円の資金支出となったことによるものです。 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果、資金は490億円増加(前年度は91億円減少)しました。これは、税金等調整前当期純利益391億円及び減価償却費600億円に対し、たな卸資産の増加による運転資金の減少や法人税等の支払等があったことによるものです。 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は403億円(前年度は703億円)となりました。これは主に、メキシコ新工場建設を含む製造設備投資等による有形固定資産の取得による支出699億円や、子会社株式及び固定資産の売却による収入359億円等があったことによるものです。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果、資金は572億円減少(前年度は2,365億円増加)しました。これは主に、社債の償還及び長期借入金の返済による支出によるものです。 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称
台数(台)
前期比(%)
 
乗 用 車
863,626
3.9
日本
トラック
15,503
△0.3
 
合計
879,129
3.8

(注) 生産実績には、フォード モーター カンパニーとの合弁会社である以下の製造会社(持分法適用関連会社)の生産
台数(マツダブランド車)は含まれておりません。

 

 
当連結会計年度(台)
前期比(%)
オートアライアンス
インターナショナル,Inc.
37,563
△5.0
オートアライアンス
(タイランド)Co.,Ltd.
115,815
53.1

 

(2) 受注状況

当社グループは、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画をたて、見込生産を行っております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
日本
795,919
△3.5
北米
647,382
13.9
欧州
344,434
△0.8
その他の地域
417,535
42.5
合計
2,205,270
8.5

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、平成24年2月、厳しい外部環境への対応と将来への成長を確実にするために、「中長期施策の枠組み」を強化する「構造改革プラン」を発表いたしました。発表以来、SKYACTIV(スカイアクティブ)を梃子とした構造改革を強力に推進しています。

今後も厳しい外部環境が続くと予想されますが、これまでのモメンタムを継続し、更に一つ上のステージに上がれるよう「構造改革プラン」を更に前進、加速させてまいります。

「構造改革プラン」の主要施策及び進捗状況は、以下のとおりです。

 

(1) SKYACTIVによるビジネス革新

当社は、自動車の基本性能である「ベース技術」を徹底的に向上させた新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブテクノロジー)」(以下「SKYACTIV技術」という。)を搭載した商品を順次導入するとともに、この「ベース技術」の上に段階的に電気デバイス技術を組み合わせていく「ビルディングブロック戦略」を推進しています。

「SKYACTIV技術」は、市場への導入以来、各方面から大きな反響と高い評価を獲得しており、ブランド価値も引き続き向上しています。「SKYACTIV技術」を初めて全面的に採用した「マツダ CX-5」は、力強い走りと優れた燃費性能の高次元での両立、新デザインテーマ「魂動(こどう)」によるスタイリングに高い評価をいただき、昨年11月には「2012-2013 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。販売面でも、グローバルで販売台数を伸ばしており、高い商品力を背景にインセンティブの抑制や残価改善など、収益面でも大きな貢献をしています。また、「SKYACTIV技術」と新デザインテーマ「魂動」を全面的に採用した新世代商品群の第2弾として、新型「マツダ アテンザ(海外名:Mazda6)」を日本を始めとしてグローバルに導入しました。発売以来、当初の予想を上回る好調な販売が続き、特にクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」が「CX-5」と同様に高い評価を受け、国内において新しいディーゼル市場を創出しています。

SKYACTIVは、商品力・ブランド・デザインと、円高環境でも対応できるコスト構造を両立させ、技術面の変革だけではなく、マツダのビジネスそのものの構造改革を牽引してまいります。

 

(2) 「モノ造り革新」による更なるコスト改善の加速

当社グループは、「モノ造り革新」によるコスト改善を着実に実施するとともに、車両の性能アップとの両立に努めています。 

「CX-5」からはじまった新世代商品でのコスト改善は、新型「アテンザ」でも期待通りの成果をあげており、商品力の改善とあわせ、円高環境下でも利益の出るクルマ造りも着実に前進しています。また、グローバルでの最適調達や外貨建て調達拡大活動の推進による為替変動への耐性強化にも、引き続き取り組んでまいります。

 

 

(3) 新興国事業強化とグローバル生産体制の再構築

新興国での販売拡大を目指し、販売強化と生産拠点の拡充など新興国事業強化に取り組み、着実な成果をあげるとともに、グローバル生産体制の再構築を進めています。

ロシアでは、ソラーズ社と合弁会社を設立し、昨年10月からの「CX-5」に続き、新型「Mazda6」の現地生産を開始しました。中国では、市場ニーズに迅速に対応し、事業構造と運営体制の最適化によるビジネス強化を図ることを目的に、現地合弁会社の存続分立を行い、事業再編を実施しました。タイでは、車両工場の生産能力の増強を行うとともに、SKYACTIV車の需要増への対応と、より強固なグローバル生産体制の確立を目指し、新たなトランスミッション工場の建設を決定しました。マレーシアでは、マツダ車の現地生産事業と販売事業を統括するためベルマツモーター社と合弁会社を設立し、「Mazda3(日本名:マツダ アクセラ)」に続き「CX-5」の現地生産(委託生産)を開始しました。メキシコ工場の建設も順調に進んでおり、トヨタブランド車の生産とグローバルで販売が好調なSKYACTIV車の販売増に対応するため、生産能力を当初の14万台から23万台へ増強することを決定しました。

国内の生産規模を維持しつつ、グローバルでバランスのとれた供給体制の構築を確実に推進してまいります。

 

(4) グローバルアライアンスの推進

マツダブランドを強化するため、商品、技術、地域ごとに最適な補完を行う提携戦略を推進しています。

トヨタ自動車株式会社とは、ハイブリッド技術のライセンスを受けることに続き、メキシコ工場で平成27年夏よりトヨタブランド車の生産を開始します。フィアット社とは、協業に関する事業契約を締結し、オープン2シータースポーツカーを本社工場で生産する予定です。日産自動車株式会社へは「SKYACTIV技術」搭載車をOEM供給し、ビジネス効率の向上を目指してまいります。また、スズキ株式会社より3列シート小型車の供給を受け、インドネシアで販売を開始する予定です。

 

「中長期施策の枠組み」を強化する「構造改革プラン」で発表しました平成28年3月期での経営指標は、以下のとおりです。

 

平成28年3月期  経営指標の見通し

・グローバル販売台数
170万台
・連結営業利益
1,500億円
・ROS(連結売上高営業利益率)
6%以上

 

なお、文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主として以下のようなものがあります。

以下に記載する事項は、当連結会計年度末現在において予想される主なリスクを記載したものであり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。なお、文中における将来に関する事項につきましては当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業を取り巻く経済情勢

当社グループは、日本を始め北米、欧州、アジアを含む世界各地域に製品を販売しており、それぞれの市場における景気動向や需要変動に強い影響を受けております。従いまして、景況感の悪化が懸念される欧州及び中国に代表される新興市場を含む当社グループの主要市場において、景気の減速または後退、需要構造の変化、需要減少、価格競争の激化等が進むことにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レート、特に米ドルとユーロの円との為替レート

当社グループは、日本から世界各地域に製品を輸出しているため、為替レートの変動は当社グループの経営成績と財政状態に影響を与えます。特に米ドルとユーロに対する円高は、利益率と価格競争力を低下させる可能性があります。加えて、海外の現地通貨建ての資産・負債等を円換算しているため、為替レート変動により、為替換算調整勘定を通じて自己資本に悪影響を及ぼす可能性があります。また、為替レート変動リスクを最小限にするために一部取引において為替予約等を行っておりますが、為替レートが円安方向に変動することにより機会損失が発生する可能性があります。

 

(3) 他社との提携、合弁の成否

当社グループは、商品の開発、生産、販売に関し、技術提携や合弁等の形で、他社と共同活動を実施、もしくは検討を行っております。これにより経営資源の最適化、集中化及び相乗効果を期待しています。しかしながら、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、あるいは、提携や合弁の変更または解消等により、期待される結果を生まなかった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図しない提携や合弁の変更または解消が、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 環境等に関する法的規制

当社グループは、事業展開する各国において、燃費及び排ガス、車両の安全性、製造工場からの汚染物質排出レベルに関する規制などの環境規制のほか、労働規制など、様々な法的規制を受けております。今後、法的規制の強化によるコストの増加などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 市場競争力

当社グループが製品を販売している世界各地域の自動車市場においては、多様な競合相手が存在しております。ブランド価値の維持発展を含む市場での競争力の維持強化は当社グループの成長にとって非常に重要であり、そのために開発・製造・販売等において競争力の強化に向けた取り組みを進めております。しかしながら、市場の予測が十分でなかった場合、あるいは技術力や生産上の問題等により、魅力ある製品を適切な時期に投入することが出来なかった場合、あるいはお客様の価値観または変化に対応した流通網、販売手法を効果的に展開できなかった場合、販売シェアの低下や製品価格の低下を含め、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料、部品の調達

当社グループは、原材料及び部品の購入を複数のグループ外のサプライヤーに依存しております。従って、これらの供給元企業が災害等により被災した場合等の供給能力の制約や物流機能の低下、また需給の逼迫や契約条件の変更または破棄等により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になる場合、あるいは当社グループが調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や価格への転嫁などによりその影響を吸収できない場合や、調達した原材料または部品の品質が不十分であった場合には、製品の生産状況の悪化やコスト上昇を招く可能性があり、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 国際的な事業活動に伴うリスク

当社グループは、日本を始め世界各地域に製品を販売しており、米国、欧州及び発展途上市場や新興市場を含む海外市場において事業活動を行っております。これらの海外市場での事業展開には以下のようなリスクが内在しており、当該リスクの顕在化により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・不利な政治、経済要因

・法律または規則の変更による障害

・関税などの輸出入規制、不利な税制及びその他の規制

・人材の採用と確保の難しさ

・未整備のインフラ

・ストライキ等の労働争議

・テロ、戦争あるいは疾病その他の要因による社会的混乱

 

(8) 知的財産権による保護

当社グループは、事業の優位性を確保するために他社製品と区別化できる技術とノウハウの蓄積、それらの保護並びに、第三者の知的財産権に対する侵害予防に努めています。それにもかかわらず、認識または見解相違により、第三者からその知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要となった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特定の地域では当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があります。第三者が当社グループの知的財産権を無断使用して類似した製品を製造した場合、多額の訴訟費用のみならず製品区別化が図れないことによる販売減少により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製品の品質

当社グループは、市場の要求に応えるべく品質改善に努める一方で、製品の安全性の確保にも最善の努力を注いでいます。しかしながら予測できない原因により製品に欠陥が生じ、大規模なリコール等が発生した場合には、多額のコストの発生、ブランドイメージの低下、市場信頼性の失墜などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害や事故に関するリスク

当社グループは、製造設備等の主要施設に関して、防火、耐震対策などを実施すると共に、財務リスクを最小化すべく災害保険加入等の対策を行っております。しかしながら大規模な地震、台風、洪水等の自然災害及び火災等の事故の発生により製品供給に重大な支障を来たした場合、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 財務会計リスク

当社グループの資産及び負債は、経営状況等に対する財務会計上の評価により、影響を受ける可能性があります。当社グループは将来減算一時差異等に対して、将来の課税所得に関する予想等に基づく回収可能性の評価により繰延税金資産を計上しておりますが、経営状況の悪化により回収できないと判断された場合や、税率変更を含む税制改正等があった場合には、評価性引当額の計上などにより、貸借対照表に計上する繰延税金資産の額が減額され、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、固定資産について、経営状況の悪化等により帳簿価額を回収できないと判断された場合には、対象資産の帳簿価額に対する減損損失の計上により当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  これらを含む資産及び負債への財務会計上の評価や会計基準の変更及び新たな適用が、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12) 資金調達環境の変化と金利の変動等

当社グループは、銀行からの借入に加え、株式及び社債の発行等により資金調達を行っております。しかしながら、今後、金融市場が混乱した場合、税制改正や政府系金融機関の制度変更等がなされた場合、もしくは当社グループの信用格付けが引き下げられた場合等においては、資金調達コストの増加や必要とする金額の資金調達が困難となること等により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの有利子負債には金利変動の影響を受けるものが含まれており、金利上昇により金融コストが上昇した場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの財務内容の悪化が一部借入金等の財務制限条項に抵触し期限の利益を喪失することとなった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) コンプライアンス、レピュテーション

当社グループは、個人情報や機密情報の保護のための情報セキュリティの取り組みをはじめとして、法令等の遵守については未然防止の対策を講じています。さらに、コンプライアンスに係る案件を察知した場合には速やかに対応する体制も整備しており、当社グループの社会的信用や評判に与える影響を防いでいます。しかしながら、将来にわたって法令違反が発生する可能性は皆無ではありません。法令違反の事実、あるいは対応の内容や迅速性等が不十分な場合には当社グループの社会的信用や評判に悪い影響を及ぼし、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 将来の見通し等

当社グループは、歴史的な円高の定着やグローバルでの自動車需要の変化など大幅に悪化した事業環境に対応すべく、平成24年2月に「中長期施策の枠組み」を強化する「構造改革プラン」(①SKYACTIVによるビジネス革新、②「モノ造り革新」による更なるコスト改善の加速、③新興国事業強化とグローバル生産体制の再構築、④グローバルアライアンスの推進、を主要施策とする)を発表し、為替抵抗力強化を始めとする各施策を実施しております。しかしながら、構造改革費用の発生や、計画どおりに進捗しない場合など、期待される効果が実現しないことにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、昭和54年、フォード モーター カンパニーとの間にグローバルなパートナーシップを構築し、その後も、両社は提携関係を一層発展、強化させてきました。平成8年には、提携関係を一段と強化する旨合意し、同社は当社の発行済株式総数の33.4%を所有することとなりました。平成20年11月19日、同社は、その所有する当社株式の一部を売却し、当社の発行済株式総数の13.8%を所有することとなりました。その後、当社が、平成21年10月21日を払込期日とする一般募集による増資及び同年11月12日を払込期日とする第三者割当増資を行ったことにより、同社は、当社の発行済株式総数の11.0%を所有することとなりました。また、平成22年11月19日、同社は、その所有する当社株式の一部を売却し、当社の発行済株式総数の3.5%を所有することとなりました。さらに、当社が、平成24年3月12日を払込期日とする一般募集による増資及び同年3月27日を払込期日とする第三者割当増資を行ったことにより、同社は、当社の発行済株式総数の2.1%を所有することとなりましたが、同社は引き続き当社の大株主として、戦略的提携関係を継続することで合意しております。両社は、今後も主要な合弁事業や技術情報の交換など、双方がメリットを得られる分野で協力していきます。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、「“Zoom−Zoom”(ズーム・ズーム:子供の時に感じた動くことへの感動)」に体現されるマツダのブランド価値を、さらに進化・向上して行く技術開発長期ビジョンとして平成19年に「サステイナブル“Zoom−Zoom”宣言」を策定しました。これは「走る歓び」と「優れた環境安全性能」を、限られたマーケットや限られたお客様だけでなく、すべてのお客様に提供することを宣言したものです。

また、お客様のニーズに応えるための「多様化」と、効率化のための「共通化」という相反する課題を、単にベストバランスを探るのではなく、ブレークスルーによって高次元で両立させることを狙いとする「モノ造り革新」により、商品競争力の向上と開発・生産効率の向上の高い次元での両立に取り組んでいます。

セグメントごとの研究開発体制は、日本では「本社R&D部門」と「マツダR&Dセンター横浜」にて新商品の企画・デザイン・設計・実験研究、並びに新技術の先行研究を行っています。海外では、北米は米国の「マツダモーターオブアメリカ,Inc.」、欧州はドイツの「マツダモーターヨーロッパGmbH」、その他の地域は中国の「マツダ(中国)企業管理有限公司」の各R&D部門と連携し、それぞれの市場特性に適合した商品の研究開発に取り組んでいます。

当連結会計年度の新商品は、新型「マツダ アテンザ」、新型「マツダ プレマシー(海外名:Mazda5)」、新型「マツダ CX-9」及び新型「デミオEV」です。 

新型「アテンザ」は、マツダの新世代技術「SKYACTIV技術」(*1)と新デザインテーマ「魂動」を採用したフラッグシップモデルです。高効率かつパワフルな新世代クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」を設定するなど、SKYACTIV技術を全面的に採用し、力強く気持ちのよい走り、快適かつ上質な乗り心地を実現しました。また、マツダ独自のアイドリングストップ機構「i-stop(アイ・ストップ)」や減速エネルギー回生システム「i-ELOOP(アイ・イーループ)」を全車に搭載。クリーンディーゼルエンジン搭載車は、3ナンバーのセダン・ワゴンとしてトップの優れた燃費性能(*2)(ハイブリッド車除く)を実現しています。さらに、ミリ波レーダーやカメラなどにより、障害物を検知し、安全運転をサポートする先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」(*3)を採用しており、自動ブレーキを作動させるシステムや、車線はみ出し時の警報、AT車でのペダルの踏み間違いによる誤発進を防ぐシステムなどを用意しました。

新型「プレマシー」では、高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」と高効率6速オートマチックトランスミッション「SKYACTIV-DRIVE」の2つの「SKYACTIV技術」を2WD車の主力機種に搭載し、上質で気持ちのよい走りをさらに進化させ、ミニバンクラス(*4)トップとなる16.2km/L(*5)の低燃費を実現しています。また、デザインでは、新たに設定した最上級機種に、ハーフレザーシートやピアノブラックで加飾したセンターパネルなどを装備し、上質な内外装としています。また、「SKYACTIV技術」搭載車には、TFTカラー液晶を採用した「SKYACTIV」専用メーターを設定し、インテリアの質感を高めました。装備では、アンダートランクの容量を拡大し、荷室の使いやすさを向上させました。また、「SKYACTIV技術」搭載車及び4WD車に乗降しやすい大開口の電動スライドドアを標準装備(*6)し、ミニバンとしての機能性を高めています。

上記、新型「アテンザ」、新型「プレマシー」に搭載された「SKYACTIV技術」は昨年度より発売中の「CX-5」から本格的に展開され、市場で高い評価を受けておりますと同時に、新世代高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」が「平成25年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」を受賞するなど、数多くの技術賞を受賞しております。

新型「CX-9」では、現行モデルの高い実用性や、ダイナミックかつ上質な走りを継承しながら、マツダの新しいデザインテーマ「魂動」の要素をフロントとリアに取り入れ、従来に増してスポーティで力強い存在感を放つスタイリングへ進化しました。さらに、クラフトマンシップを強化し、インテリアをより質感高く、洗練させています。パワートレインは、現行モデルに引き続き、MZI 3.7L V6エンジンと6速オートマチックトランスミッションを組み合わせ、力強く洗練された走りの楽しさを提供しています。

新型「デミオEV」は、「マツダ デミオ」をベースに開発したリース販売用の電気自動車です。高効率なリチウムイオンバッテリーや独自のモーターの採用により、優れた走行性能と200kmの航続距離(JC08モード/社内測定値)を両立し、ベース車と同じ居住空間・荷室容量も確保した高性能なゼロ・エミッション車です。中国地方の地方自治体や法人顧客を中心にリース販売を開始しています。

新世代商品に向けて、自動車の基本性能でもある「ベース技術」を優先的に改良した上で、電気デバイスを段階的に導入していく「ビルディングブロック戦略」を今後も継続して進めてまいります。その中で、現在SKYACTIV搭載のハイブリッド車(*7)を開発しております。

当連結会計年度の研究開発費の総額は899億円で、セグメントごとの研究開発費は、日本は882億円、欧州は13億円、その他の地域は4億円であります。なお、当社のセグメントは、生産・販売の管理体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、研究開発活動の大部分を日本セグメントで行っているため、セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては、記載を省略しております。

 

(*1)「SKYACTIV技術」とは、「サステイナブル”Zoom-Zoom”宣言」に基づいて、「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を高次元で両立することを目標に、開発しているエンジン(ガソリン・ディーゼル)、トランスミッション、ボディ、シャシーなどの新世代技術の総称。

(*2)平成24年11月1日現在 マツダ調べ。

(*3)「i-ACTIVSENSE」は、ミリ波レーダーやカメラなどの検知デバイスを用いたマツダの先進安全技術の総称。

(*4)2.0Lクラス乗用ミニバン(ハイブリッド車除く)。平成25年1月現在 マツダ調べ。

(*5)JC08モード燃費(国土交通省審査値)。15インチタイヤ装着車に限る。

(*6)「20S-SKYACTIV Lパッケージ」は両側、その他の機種は助手席側のみ標準装備。

(*7)ハイブリッドシステムはトヨタ自動車株式会社からライセンスを取得。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境は、全体として景気の停滞感が強まりました。米国の景気は回復基調にあるもののそのテンポは鈍く、欧州の景気低迷は長期化の様相を呈しております。また、新興国では景気の拡大テンポに一部持ち直しの動きが見られたものの、鈍化傾向が続きました。国内では、震災復興需要による景気の下支えや、円高修正に伴う輸出環境の改善による景気回復が期待されますが、海外景気の下振れ懸念などにより先行き不透明な状況で推移しました。 

このような状況の中、当社グループは「構造改革プラン」で策定した主要施策を着実に実行するとともに、自動車の基本性能であるベース技術を徹底的に向上させた新世代技術「SKYACTIV技術」搭載車を順次市場に導入するなど、収益構造の改善に努めてまいりました。 

当期の市場別販売台数は、国内では「CX-5」や新型「アテンザ」の好調な販売などにより、前期比5.2%増の216千台となりました。一方、海外では、北米は前期並みの販売を維持し372千台となりました。欧州は前期比6.2%減の172千台となりましたが、「CX-5」の販売は引き続き好調を維持しております。中国は前期比21.5%減の175千台でしたが、販売は回復傾向にあります。その他の市場は、オーストラリアやアセアン地域で好調な販売を維持し、前期比13.5%増の300千台となりました。これらを合計したグローバル販売台数は、前期比1.0%減の1,235千台となりました。 

売上高は、出荷台数の増加や車種構成の改善などにより、前期比1,722億円増加の2兆2,053億円(前期比8.5%増)となりました。営業損益は、台数・車種構成の改善やコスト改善などにより、539億円の利益(前期は387億円の損失)となりました。また、経常損益は、331億円の利益(前期は368億円の損失)となりました。当期純損益は、343億円の利益(前期は1,077億円の損失)となりました。 

 

(2) 財政状態

当期末の総資産は、現金及び預金、たな卸資産などの増加により、前期末から626億円増加し、1兆9,786億円となりました。負債合計は、有利子負債が前期末から591億円減少しましたが、仕入債務などの増加により前期末から238億円増加し、1兆4,653億円となりました。

純資産は、前期末から388億円増加し、5,132億円となりました。自己資本比率は、前期末から0.6ポイント増加し、25.1%(劣後特約付ローンの資本性を考慮した自己資本比率は26.9%)となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

営業活動によるキャッシュ・フローは、490億円の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出760億円や、子会社株式及び固定資産の売却による収入359億円などにより403億円の減少となりました。これらの結果、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、87億円の増加となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還及び長期借入金の返済による支出などにより572億円の減少となりました。

有利子負債から現金及び現金同等物の期末残高を除いた純有利子負債は2,741億円となり、純有利子負債自己資本比率は55.2%(劣後特約付ローンの資本性考慮後45.0%)となりました。

 

 





出典: マツダ株式会社、2013-03-31 期 有価証券報告書