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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の業績につきましては、連結売上高は、2兆6,922億円(前年度比4,870億円増、22.1%増)となりました。営業利益は1,821億円(前年度比1,282億円増、237.7%増)、経常利益は1,407億円(前年度比1,076億円増、325.1%増)、当期純利益は1,357億円(前年度比1,014億円増、295.6%増)となりました。 

車両売上高は、台数・車種構成の改善等により2兆1,807億円(前年度比4,269億円増、24.3%増)となりました。また、海外生産用部品売上高は、中国向けの出荷が増加したこと等により704億円(前年度比145億円増、25.8%増)、部品売上高は2,065億円(前年度比168億円増、8.8%増)となり、その他売上高は2,346億円(前年度比288億円増、14.0%増)となりました。 

 

セグメントの業績は次のとおりです。

①日本

当セグメントにおきましては、売上高は2兆2,633億円(前年度比3,697億円増、19.5%増)となり、セグメント利益(営業利益)は1,735億円(前年度比651億円増、60.1%増)となりました。これは主に、台数・車種構成の改善やコスト改善に加え、為替影響があったことによるものです。

②北米

当セグメントにおきましては、売上高は8,436億円(前年度比1,937億円増、29.8%増)となり、セグメント利益(営業利益)は13億円(前年度は489億円の損失)となりました。これは主に、メキシコ新工場の立ち上げ費用があった一方で、台数・車種構成の改善や為替影響等により米国子会社が黒字化したことによるものです。

③欧州

当セグメントにおきましては、売上高は5,405億円(前年度比1,858億円増、52.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は85億円(前年度比53億円増、171.2%増)となりました。これは主に、台数・車種構成の改善によるものです。 

④その他の地域

当セグメントにおきましては、売上高は4,142億円(前年度比45億円減、1.1%減)となり、セグメント利益(営業利益)は58億円(前年度比110億円減、65.5%減)となりました。これは主に、需要が低迷したタイでの販売減少によるものです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ349億円増加(前年度比7.8%増)し、4,798億円となりました。これは、営業活動における資金増加1,364億円、投資活動における資金使用1,201億円、財務活動における資金増加105億円となったことによるものです。 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果、資金は1,364億円増加(前年度は490億円の増加)しました。これは、税金等調整前当期純利益974億円及び減価償却費577億円に対し、法人税等の支払147億円等があったことによるものです。 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は1,201億円(前年度は403億円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,108億円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果、資金は105億円増加(前年度は572億円の減少)しました。これは主に、長期借入による収入1,160億円に対し、長期借入金の返済及び社債の償還による支出があったことによるものです。 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における車両生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

台数(台)

前期比(%)

日本

972,533

10.6

北米

10,007

合計

982,540

11.8

 

 

(2) 受注状況

当社グループは、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画をたて、見込生産を行っております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

925,638

16.3

北米

832,105

28.5

欧州

529,100

53.6

その他の地域

405,395

△2.9

合計

2,692,238

22.1

 

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、平成24年2月、厳しい外部環境への対応と将来への成長を確実にするために、「中長期施策の枠組み」を強化する「構造改革プラン」を発表し、SKYACTIV(スカイアクティブ)を梃子とした構造改革を強力に推進しています。

「構造改革プラン」の主要施策及び進捗状況は、以下のとおりです。

 

(1) SKYACTIVによるビジネス革新

当社は、自動車の基本性能である「ベース技術」を徹底的に向上させた新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブテクノロジー)」(以下「SKYACTIV技術」という。)を搭載した商品を順次導入するとともに、この「ベース技術」の上に段階的に電気デバイス技術を組み合わせていく「ビルディングブロック戦略」を推進しています。

「SKYACTIV技術」は、市場への導入以来、各方面からの大きな反響と高い評価を獲得しており、ブランド価値の向上にも寄与してきました。販売面でも、グローバルで販売台数を伸ばしており、また、高い商品力に基づいた正価販売によるインセンティブ抑制で、収益面でも大きな貢献をしています。
 「SKYACTIV技術」と新デザインテーマ「魂動(こどう)」を採用した新世代商品群の第2弾である「マツダ アテンザ(海外名:Mazda6)」は、力強く気持ちの良い走り、快適かつ上質な乗り心地を評価いただき、昨年11月に「2014年次RJCカーオブザイヤー」を受賞しました。また、昨年秋に北米より導入を開始した新世代商品群の第3弾である新型「マツダ アクセラ(海外名:Mazda3)」もグローバルで高い評価をいただいています。「マツダ CX-5」は2年連続でSUV国内販売台数第1位を獲得し、国内クリーンディーゼル乗用車市場の拡大を牽引しています。

SKYACTIVにより、商品力・ブランド・デザインと、高い収益構造を両立させ、技術面だけではなく、マツダのビジネスそのものの構造改革を牽引してまいります。

 

(2) 「モノ造り革新」による更なるコスト改善の加速

当社グループは、車種・車格やセグメントを超えて一括企画することで、共通の開発方法や生産プロセスを実現し、より効率的に多品種の商品を開発・生産する「モノ造り革新」に取り組んでまいりました。この「モノ造り革新」を全面的に取り入れた最初のモデルである「CX-5」は、走行性能と燃費性能だけでなく、高いコスト競争力を備えており、続いて導入した新世代商品群第2弾の「アテンザ」及び第3弾の新型「アクセラ」も期待どおりの成果をあげています。
 今後、更なる新型車の導入により「SKYACTIV技術」搭載車両の比率が増加するに従い、「モノ造り革新」の効果は一層拡大する見込みです。また、グローバルでの最適調達の推進による為替変動への耐性強化にも、引き続き取り組んでまいります。

 

 

(3) 新興国事業強化とグローバル生産体制の再構築

新興国での販売拡大を目指し、生産拠点の拡充や販売力強化など新興国事業強化に取り組み、着実な成果をあげるとともに、グローバル生産体制の再構築を進めています。

メキシコ新工場は本年1月に北米向け新型「Mazda3」の生産を予定どおり開始し、今後、中南米や欧州向け車両を順次生産する予定です。また、同工場で生産を予定している「Mazda2(日本名:マツダ デミオ)」と、新型「Mazda3」に搭載する「SKYACTIV技術」のエンジンを生産するため、平成26年10月の操業開始を目指し、新たなエンジン機械加工工場の建設を決定いたしました。マレーシアでは、現地生産体制を強化するため、車両組立工場を建設しているほか、タイでは、平成27年度上半期の稼働に向け、新トランスミッション工場の建設が順調に進んでいます。一方、国内では、グローバルにおける「SKYACTIV技術」搭載車の販売拡大に対応するため、本社エンジン工場の「SKYACTIV-G」と「SKYACTIV-D」の年間生産能力を、平成26年末までに現在の80万基から100万基に増強すること及び防府工場の「SKYACTIV技術」のトランスミッションの年間生産能力を平成26年7月までに現在の75万基から114万基に増強することを計画しています。
 国内の生産規模を維持しつつ、グローバルでバランスのとれた供給体制の構築を確実に推進してまいります。
 販売面では、台湾、南アフリカ及びコロンビアに新たな販売統括会社を設立いたしました。これらの販売統括会社を通じ、同市場におけるマツダブランド及び販売体制の更なる強化・拡大を目指してまいります。

 

(4) グローバルアライアンスの推進

マツダブランドを強化するため、商品、技術、地域ごとに最適な補完を行う提携戦略を推進しています。
 トヨタ自動車株式会社からは、ハイブリッドシステムの技術ライセンスを受け、これをベースに「SKYACTIV-HYBRID」を開発、新型「アクセラ」に搭載し国内で販売いたしました。そのほか、メキシコ新工場では平成27年夏よりトヨタブランド車の生産を開始します。フィアット社とは、協業に関する事業契約を締結し、オープン2シータースポーツカーを本社工場で生産する予定です。日産自動車株式会社へは「SKYACTIV技術」を搭載したOEM車の供給を実施しており、スズキ株式会社からは昨年5月より3列シート小型車「マツダ VX-1」の供給を受け、インドネシアで販売を開始しました。

 

平成26年4月に発表しました、平成28年3月期の経営指標は、以下のとおりです。

 

平成28年3月期  経営指標の見通し

・グローバル販売台数

152万台

・連結営業利益

2,300億円

・ROS(連結売上高営業利益率)

7%以上

(前提為替レート:1米ドル100円、1ユーロ135円)

 

 

当社グループは「構造改革プラン」の4つの施策を着実に実施し、ブランド価値に焦点を当てた経営を推進してまいります。「SKYACTIV技術」を搭載した、走る歓びを感じられる商品のラインナップを拡充し、マツダらしい魅力ある商品とサービスを通じたお客様満足の最大化に努め、正価販売の実現とともに台数の成長を図ります。こうした取り組みにより、将来への成長投資の継続、安定的な収益構造の実現、そして株主還元の着実な向上へとつなげてまいります。

 

なお、文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主として以下のようなものがあります。

以下に記載する事項は、当連結会計年度末現在において予想される主なリスクを記載したものであり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。なお、文中における将来に関する事項につきましては当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業を取り巻く経済情勢

当社グループは、日本を始め北米、欧州、アジアを含む世界各地域に製品を販売しており、それぞれの市場における景気動向や需要変動に強い影響を受けております。従いまして、当社グループの主要市場において、景気の減速または後退、需要構造の変化、需要減少、価格競争の激化等が進むことにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レート、特に米ドルとユーロの円との為替レート

当社グループは、日本から世界各地域に製品を輸出しているため、為替レートの変動は当社グループの経営成績と財政状態に影響を与えます。特に米ドルとユーロに対する円高は、利益率と価格競争力を低下させる可能性があります。加えて、海外の現地通貨建ての資産・負債等を円換算しているため、為替レート変動により、為替換算調整勘定を通じて自己資本に悪影響を及ぼす可能性があります。また、為替レート変動リスクを最小限にするために一部輸出取引において為替予約を行っておりますが、為替レートが円安方向に変動することにより機会損失が発生する可能性があります。

 

(3) 他社との提携、合弁の成否

当社グループは、商品の開発、生産、販売に関し、技術提携や合弁等の形で、他社と共同活動を実施、もしくは検討を行っております。これにより経営資源の最適化、集中化及び相乗効果を期待しています。しかしながら、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、あるいは、提携や合弁の変更または解消等により、期待される結果を生まなかった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図しない提携や合弁の変更または解消が、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 環境等に関する法的規制

当社グループは、事業展開する各国において、燃費及び排ガス、車両の安全性、製造工場からの汚染物質排出レベルに関する規制などの環境規制のほか、労働規制など、様々な法的規制を受けております。今後、法的規制の強化によるコストの増加などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 市場競争力

当社グループが製品を販売している世界各地域の自動車市場においては、多様な競合相手が存在しております。ブランド価値の維持発展を含む市場での競争力の維持強化は当社グループの成長にとって非常に重要であり、そのために開発・製造・販売等において競争力の強化に向けた取り組みを進めております。しかしながら、市場の予測が十分でなかった場合、あるいは技術力や生産上の問題等により、魅力ある製品を適切な時期に投入することが出来なかった場合、あるいはお客様の価値観または変化に対応した流通網、販売手法を効果的に展開できなかった場合、販売シェアの低下や製品価格の低下を含め、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料、部品の調達

当社グループは、原材料及び部品の購入を複数のグループ外のサプライヤーに依存しております。従って、これらの供給元企業が災害等により被災した場合等の供給能力の制約や物流機能の低下、また需給の逼迫や契約条件の変更または破棄等により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になる場合、あるいは当社グループが調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や価格への転嫁などによりその影響を吸収できない場合や、調達した原材料または部品の品質が不十分であった場合には、製品の生産状況の悪化やコスト上昇を招く可能性があり、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 国際的な事業活動に伴うリスク

当社グループは、日本を始め世界各地域に製品を販売しており、米国、欧州及び発展途上市場や新興市場を含む海外市場において事業活動を行っております。これらの海外市場での事業展開には以下のようなリスクが内在しており、当該リスクの顕在化により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・不利な政治、経済要因

・法律または規則の変更による障害

・関税などの輸出入規制、不利な税制及びその他の規制

・人材の採用と確保の難しさ

・未整備のインフラ

・ストライキ等の労働争議

・テロ、戦争あるいは疾病その他の要因による社会的混乱

 

(8) 知的財産権による保護

当社グループは、事業の優位性を確保するために他社製品と区別化できる技術とノウハウの蓄積、それらの保護並びに、第三者の知的財産権に対する侵害予防に努めています。それにもかかわらず、認識または見解相違により、第三者からその知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要となった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特定の地域では当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があります。第三者が当社グループの知的財産権を無断使用して類似した製品を製造した場合、多額の訴訟費用のみならず製品区別化が図れないことによる販売減少により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製品の品質

当社グループは、市場の要求に応えるべく品質改善に努める一方で、製品の安全性の確保にも最善の努力を注いでいます。しかしながら予測できない原因により製品に欠陥が生じ、大規模なリコール等が発生した場合には、多額のコストの発生、ブランドイメージの低下、市場信頼性の失墜などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害や事故に関するリスク

当社グループは、製造設備等の主要施設に関して、防火、耐震対策などを実施すると共に、財務リスクを最小化すべく災害保険加入等の対策を行っております。しかしながら大規模な地震、台風、洪水等の自然災害及び火災等の事故の発生により製品供給に重大な支障を来たした場合、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 財務会計リスク

当社グループの経営成績及び財政状態は、以下の財務会計的な要因を含む、資産及び負債への財務会計上の評価や、会計基準の変更及び新たな適用により、影響を受ける可能性があります。

①繰延税金資産

繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して、将来の課税所得に関する予想等に基づく回収可能性を評価することにより計上されておりますが、経営状況の悪化により回収できないと判断された場合や、税率変更を含む税制改正等があった場合には、評価性引当額の計上などにより、繰延税金資産の額が減額され、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

②固定資産の減損

固定資産について、経営状況の悪化等により帳簿価額を回収できないと判断された場合には、対象資産の帳簿価額に対する減損損失の計上により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

③退職給付関係

退職給付に係る負債は、退職給付債務と年金資産の動向によって変動しますが、数理計算上の前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合などには、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12) 資金調達環境の変化と金利の変動等

当社グループは、銀行からの借入に加え、株式及び社債の発行等により資金調達を行っております。しかしながら、今後、金融市場が混乱した場合、税制改正や政府系金融機関の制度変更等がなされた場合、もしくは当社グループの信用格付けが引き下げられた場合等においては、資金調達コストの増加や必要とする金額の資金調達が困難となること等により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの有利子負債には金利変動の影響を受けるものが含まれており、金利上昇により金融コストが上昇した場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの財務内容の悪化が一部借入金等の財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失することとなった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) コンプライアンス、レピュテーション

当社グループは、個人情報や機密情報の保護のための情報セキュリティの取り組みをはじめとして、法令等の遵守については未然防止の対策を講じています。さらに、コンプライアンスに係る案件を察知した場合には速やかに対応する体制も整備しており、当社グループの社会的信用や評判に与える影響を防いでいます。しかしながら、将来にわたって法令違反が発生する可能性は皆無ではありません。法令違反の事実、あるいは対応の内容や迅速性等が不十分な場合には当社グループの社会的信用や評判に悪い影響を及ぼし、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 将来の見通し等

当社グループは、平成24年2月、厳しい外部環境への対応と将来への成長を確実にするために、「中長期施策の枠組み」を強化する「構造改革プラン」を発表し、SKYACTIVを梃子とした構造改革を推進しています。しかしながら、想定とは大きく異なる環境変化の発生や、計画どおりに進捗しない場合など、期待される効果が実現しないことにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、昭和54年、フォード モーター カンパニーとの間にグローバルなパートナーシップを構築し、その後も、両社は提携関係を一層発展、強化させてきました。平成8年には、提携関係を一段と強化する旨合意し、同社は当社の発行済株式総数の33.4%を所有することとなりました。平成20年11月19日、同社は、その所有する当社株式の一部を売却し、当社の発行済株式総数の13.8%を所有することとなりました。その後、当社が、平成21年10月21日を払込期日とする一般募集による増資及び同年11月12日を払込期日とする第三者割当増資を行ったことにより、同社は、当社の発行済株式総数の11.0%を所有することとなりました。また、平成22年11月19日、同社は、その所有する当社株式の一部を売却し、当社の発行済株式総数の3.5%を所有することとなりました。さらに、当社が、平成24年3月12日を払込期日とする一般募集による増資及び同年3月27日を払込期日とする第三者割当増資を行ったことにより、同社は、当社の発行済株式総数の2.1%を所有することとなりましたが、同社は引き続き当社の大株主として、戦略的提携関係を継続することで合意しております。両社は、今後も主要な合弁事業や技術情報の交換など、双方がメリットを得られる分野で協力していきます。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、「“Zoom−Zoom”(ズーム・ズーム:子供の時に感じた動くことへの感動)」に体現されるマツダのブランド価値を、さらに進化・向上して行く技術開発長期ビジョンとして平成19年に「サステイナブル“Zoom−Zoom”宣言」を策定しました。これは「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を、限られたマーケットや限られたお客様だけでなく、すべてのお客様に提供することを宣言したものです。

また、お客様のニーズに応えるための「多様化」と、効率化のための「共通化」という相反する課題を、単にベストバランスを探るのではなく、ブレークスルーによって高次元で両立させることを狙いとする「モノ造り革新」により、商品競争力の向上と開発・生産効率の向上の高い次元での両立に取り組んでいます。

セグメントごとの研究開発体制は、日本では「本社R&D部門」と「マツダR&Dセンター横浜」にて新商品の企画・デザイン・設計・実験研究、並びに新技術の先行研究を行っています。海外では、北米は米国の「マツダモーターオブアメリカ, Inc.」、欧州はドイツの「マツダモーターヨーロッパGmbH」、その他の地域は中国の「マツダ(中国)企業管理有限公司」の各R&D部門と連携し、それぞれの市場特性に適合した商品の研究開発に取り組んでいます。

当連結会計年度の新商品は、新型「アクセラ」及び新型「マツダ ビアンテ」です。

新型「アクセラ」は、「CX-5」、「アテンザ」に引き続き、「SKYACTIV技術」(*1)と新デザインテーマ「魂動(こどう)」を全面的に採用した、新世代商品群の第3弾です。新型「アクセラ」は、初代モデルの発売から2代に渡り、エモーショナルなデザイン、レスポンスの良い楽しい走り、高いクラフトマンシップや優れた環境・安全性能など、常に時代やお客様の期待を超える新しい価値を提供してきました。3代目となる新型「アクセラ」は魂動デザインの躍動表現により、ひと目で走りへの期待感を高めるエクステリアデザインと、洗練されたインテリア空間をつくり上げました。また、乗るほどになじむような人馬一体の意のままの走りを生み出すために、「SKYACTIV技術」に加えて、ドライバーの危険認知・判断をサポートする先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を広く搭載し、マツダが追求する走る歓びを高い次元で実現しています。搭載するエンジンは、グローバルに異なる幅広いニーズに対応するため、新開発のガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.5」を含む、1.5L〜2.5Lのガソリンエンジンと、2.2Lのディーゼルエンジンを市場ごとに適切なラインナップで展開しています。また日本市場には、ハイブリッドシステムをセダンモデルに搭載しています。

新型「ビアンテ」は、2WD全機種に高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」と高効率オートマチックトランスミッション「SKYACTIV-DRIVE」を搭載、走行性能と燃費性能の向上を実現しました。これにより、実用域から高回転域まで力強さがあり、さらに変速制御の最適化によって、運転しやすく、快適で楽しい走りを実現しました。また、燃費性能は14.8km/L(JC08モード、SKYACTIV-G 2.0搭載車)に向上し、クラス(*2)唯一のエコカー減税(*3)の免税対象車となっております。更に、人気の高い電動両側スライドドアを全車に標準装備としながら、室内や荷室の収納スペースを増やすなど、日常の使い勝手も向上させています。

当連結会計年度の研究開発活動では、先進の安全運転支援システムを搭載した「アテンザASV-5(エーエスブイ・ファイブ)」を開発し、産学官共同で研究・実現化が進められるITS(高度道路交通システム)を活用した安全運転支援システムの公道実証実験を昨年9月より開始しました。マツダは、ドライバーが安全に運転できる状態を最大限に確保し、事故のリスクを最小限に抑制することを目的とする「Mazda Proactive Safety(マツダ プロアクティブ セーフティ)」という安全思想に基づき、さまざまな安全技術の研究・開発を行っております。新型「アクセラ」には、スマートフォンなどの新しい通信技術の利便性や楽しさを、自動車に適した形で安全に提供する新世代カーコネクティビティシステム「Mazda Connect(マツダ コネクト)」を初搭載しました。同時に、正しい姿勢で運転に集中するための独自コンセプト「Heads-Up Cockpit(ヘッズアップ コクピット)」に基づく新世代ヒューマンマシンインターフェースを採用し、多くの情報を扱いながらも、安全に運転できる環境づくりを目指しました。

本年3月に開催されたジュネーブモーターショーでは、「マツダ 跳(HAZUMI)」を世界初公開しました。「マツダ 跳」は、マツダの車づくりの柱である「SKYACTIV技術」、デザインテーマ「魂動」、安全思想「マツダ プロアクティブ セーフティ」、新世代カーコネクティビティシステム「マツダ コネクト」に基づき、これらを妥協することなく反映させたコンセプトモデルで、マツダの次世代コンパクトカーを示唆しています。

当連結会計年度の研究開発費の総額は994億円で、セグメントごとの研究開発費は、日本は953億円、北米は15億円、欧州は20億円、その他の地域は6億円であります。なお、当社のセグメントは、生産・販売の管理体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、研究開発活動の大部分を日本セグメントで行っているため、セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては、記載を省略しております。

 

(*1)「SKYACTIV技術」とは、「サステイナブル”Zoom-Zoom”宣言」に基づいて、「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を高次元で両立することを目標に開発している、エンジン(ガソリン・ディーゼル)、トランスミッション、ボディ、シャシーなどの新世代技術の総称。

(*2)2.0Lクラス、全高1,800mm以上のミニバン、ハイブリッド車を除く。平成25年4月現在 マツダ調べ。

(*3)環境対応車普及促進税制

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境は、新興国経済の先行きに不透明感があったものの、全体的に景気は緩やかな回復基調が続きました。海外では、米国の景気が引き続き緩やかに改善し、欧州経済にも持ち直しの動きが見受けられました。国内は、政府・日銀による財政・金融政策により景気回復の足取りは確かなものになりつつあり、足下では消費税増税に向けた駆け込み需要が見られました。

このような状況の中、当社グループは「構造改革プラン」で策定した主要施策を着実に実行するとともに、自動車の基本性能であるベース技術を徹底的に向上させた新世代技術「SKYACTIV技術」搭載車の販売拡大をグローバルに推し進め、正価販売によるインセンティブ抑制等を通じ、収益構造の改善に努めてまいりました。 

グローバル販売台数は、前期比7.8%増の1,331千台となりました。グローバルで好調な「CX-5」と「アテンザ」が販売を牽引し、当期導入した新型「アクセラ」の販売も順調に推移しております。

市場別の販売台数は、国内は、新型「アクセラ」が計画を大幅に上回る受注を獲得したほか、「アテンザ」、「CX-5」も引き続き好調を維持したことで、前期比12.6%増の244千台となりました。一方、海外では、北米は、「Mazda6」、「CX-5」が好調な米国の販売が増加したほか、メキシコでは過去最高の販売を記録するなど、前期比4.9%増の391千台となりました。欧州は、需要が前年並みにとどまる中、主要国であるドイツ、ロシア、英国の販売が好調であったことにより、前期比20.5%増の207千台となりました。中国は、現地生産の「CX-5」が販売を牽引し、前期比12.5%増の196千台となりました。その他の市場は、オーストラリアの販売が好調を維持したものの、需要が低迷したタイでの販売減少等により、前期比2.0%減の293千台となりました。

売上高は、「SKYACTIV技術」搭載車のグローバルでの販売拡大により、前期比4,870億円増加の2兆6,922億円(前期比22.1%増)となりました。営業利益は、1,821億円(前期比1,282億円増、237.7%増)となりました。これは、開発費やメキシコ新工場立ち上げ費用等、将来に向けた成長投資による費用の増加があったものの、「SKYACTIV技術」搭載車の寄与による販売台数増加及び車種構成の改善、為替変動の影響並びにコスト改善等の成果によるものです。経常利益は、為替差損422億円の発生等により、1,407億円(前期比1,076億円増、325.1%増)となりました。当期純利益は、関係会社事業損失引当金繰入額366億円及び海外連結子会社での繰延税金資産計上401億円などにより、1,357億円(前期比1,014億円増、295.6%増)となりました。 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金、たな卸資産及び有形固定資産などの増加により前連結会計年度末から2,675億円増加し、2兆2,460億円となりました。有形固定資産の増加は、新興国事業強化とグローバル生産体制の再構築のための、メキシコ新工場及びタイの新トランスミッション工場への投資等によるものです。

負債合計は、仕入債務の増加に加え、有利子負債が238億円増加したことなどにより、前連結会計年度末から1,039億円増加し、1兆5,692億円となりました。有利子負債から現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高を除いた純有利子負債は、前連結会計年度末から111億円減少し、2,630億円となりました。純有利子負債自己資本比率は、前連結会計年度末から15.4ポイント改善し39.8%(劣後特約付ローンの資本性考慮後32.8%)となりました。

純資産は、当期純利益1,357億円などにより前連結会計年度末から1,636億円増加し、6,768億円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末から4.3ポイント増加し、29.4%(劣後特約付ローンの資本性考慮後31.0%)となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ349億円増加し、4,798億円となりました。
 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益974億円及び減価償却費577億円に対し、法人税等の支払147億円があったことなどにより、1,364億円の増加(前期は490億円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、メキシコ新工場への設備投資など、有形固定資産の取得による支出1,108億円等により1,201億円の減少(前期は403億円の減少)となりました。これらの結果、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、163億円の増加(前期は87億円の増加)となりました。将来への成長投資を継続しておりますが、黒字のフリー・キャッシュ・フローを確保しております。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入1,160億円に対し、長期借入金の返済及び社債の償還による支出等があり、105億円の増加(前期は572億円の減少)となりました。

 





出典: マツダ株式会社、2014-03-31 期 有価証券報告書