有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、多くの企業に収益回復が見られ、また設備投資も持続的に増加傾向にあることなどから、デフレ経済の終焉を感じさせる景況となった。一方、世界経済については、米国では、当初懸念された大型ハリケーンの被害の影響も限定的なものとなり、個人消費と設備投資の伸びにより、景気は堅調に推移した。欧州経済も回復の兆しが見えてきている。またアジア圏においては、中国を中心に国内消費や輸入等が活発な状況で、力強い経済成長を続けている。

当社グループの関連する自動車業界は、米国のビッグスリーが苦戦している中、日本の自動車メーカーの2005年での、海外生産台数が初めて1,000万台を超えて、2006年には国内生産を逆転する見通しとなるなど、日本車メーカーの堅調さが目立っている。米国の2005年での乗用車販売台数は対前年比で1%増加した。また、中国においては、2005年での乗用車販売台数が対前年比で21.4%増加するなど、アジアでも堅調に推移している。

日本においては、2005年の国内自動車生産台数は1,080万台で前年比2.7%増となったが、国内販売台数は小型乗用車や軽自動車が伸びる一方で普通自動車が減少したことから、全体では585万2千台で、ほぼ横這いとなった。

このような経営環境の中で当社グループは、グローバルな自動車内装メーカーとしての地位を確立すべく、構造改革を積極的に推進するとともに、製品開発力・技術力の強化を図り、海外を含む新規取引先への拡販を積極的に進めてきた。

その結果、当期の連結売上高は1,357億58百万円と前期比135億58百万円(+11.1%)の増収となった。

一方、利益面については、売上増に加え、グループをあげての合理化努力により、連結営業利益は45億75百万円と前期比11億39百万円(+33.2%)、連結経常利益は41億91百万円と前期比11億51百万円(+37.9%)、連結当期純利益は17億27百万円と前期比1億62百万円(+10.4%)の増益となった。

 

事業の種類別セグメントの業績は、自動車内装部品事業が前期及び当期とも全セグメントの売上高の90%を超えているので記載を省略している。

 

所在地別セグメントの業績は次のとおりである。

①日本

 軽自動車志向に伴う普通車販売の減少により、売上高は580億18百万円と前期比2億69百万円(−0.5%)の減収となり、営業利益は設計開発の先行費用増等により12億53百万円と前期比4億99百万円(−28.5%)の減益となった。

 

②北米

 原油高を背景とした日本車への需要増と新車効果により、売上高は638億70百万円と前期比100億54百万円(+18.7%)の増収となり、営業利益は売上増と合理化効果等により、26億10百万円と前期比11億49百万円(+78.6%)の増益となった。

 

③欧州

 市場の回復と新車効果により、売上高は123億59百万円と前期比24億32百万円(+24.5%)の増収となり、営業利益は2億93百万円と前期比1百万円(+0.6%)の微増益となった。

 

④その他の地域

 中国地域において、2004年度に資本参加した広州河西汽車内飾件㈲の本格的な操業効果により、売上高は15億9百万円と前期比13億41百万円の大幅増収となり、営業利益は2億58百万円(前期は営業損失37百万円)となった。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の連結ベースの現金及び現金同等物は、当連結会計年度期首に比べ64百万円増加し、4億12百万円となった。また、フリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー及び投資活動によるキャッシュ・フロー)は、34百万円のマイナスとなった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、104億56百万円(対前期比10億97百万円収入の増加)の収入となった。これは主に、税金等調整前当期純利益39億30百万円、減価償却費54億5百万円によるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、104億90百万円(対前期比48億79百万円支出の増加)の支出となった。これは主に、河西テック㈱、岩手河西㈱の新設、M-TEK INC.アラバマ工場の増強等に係る有形固定資産の取得による支出96億69百万円、及びKIプロジェクト(河西版短縮プロセスの構築)関連ソフトウェア等の無形固定資産取得による支出11億57百万円によるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1億66百万円(対前期比58億92百万円支出の減少)の支出となった。これは主に、海外子会社等における借入金返済66億69百万円並びに新設国内子会社等に係る借入金増加64億34百万円によるものである。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりである。

 

事業部門の名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

自動車内装部品事業

133,766

+11.8

その他の事業

2,196

−8.6

合計

135,962

+11.4

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去している。

2 金額は販売価格によっている。

3 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績を事業部門別に示すと、次のとおりである。

 

事業部門の名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

自動車内装部品事業

133,441

+2.3

10,497

−1.1

その他の事業

2,165

−16.4

159

−16.0

合計

135,607

+2.0

10,656

−1.4

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりである。

 

事業部門の名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

自動車内装部品事業

133,562

+11.5

その他の事業

2,196

−8.6

合計

135,758

+11.1

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去している。

2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

日産自動車株式会社

76,189

62.3

85,269

62.8

本田技研工業株式会社

30,667

25.1

35,953

26.5

4 上記の日産自動車株式会社の販売高には、同社の子会社(NISSAN NORTH AMERICA,INC.、NISSAN MEXICANA,S.A.DE C.V.、NISSAN MOTOR MANUFACTURING(UK)LTD.、日産車体株式会社、東風汽車有限公司の5社)向けの販売高を含めている。

5 上記の本田技研工業株式会社の販売高には、同社の子会社(Honda of America Mfg.,Inc.、Honda Canada.,Inc.、Honda of the UK Manufacturing Ltd.、Honda Manufacturing of Alabama,LLCの4社)向けの販売高を含めている。

6 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

3 【対処すべき課題】

 今後の自動車業界においては、原油高等のエネルギー問題の深刻化とそれがもたらす世界経済への影響が懸念される中、世界的な自動車メーカーの再編の進行と国内自動車メーカーの海外への生産シフトが加速し、グローバルでのシェア獲得競争と生産現地化対応等の経営戦略が益々求められてくる。

このような中で、当社グループは、長期ビジョンとして、『エクセレントカンパニーの確立』の理念のもと、グローバル市場での自動車内装部品企業の地位を確立すべく、長期計画を策定し、諸施策を実施している。

特に、省燃費に寄与する軽量化技術の開発と顧客への提案、製品品質力の強化と自動車メーカー品質賞受賞への挑戦、自動車メーカーの車両開発期間短縮への対応をめざしたKIプロジェクトの推進、総原価低減活動によるコスト競争力の強化等の諸施策を実行中である。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業等に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりである。

なお、将来に関する事項は有価証券報告書提出日(平成18年6月29日)現在において判断したものである。

 

(1)有利子負債依存度について

当社グループは、事業のグローバル化に対応するための資金調達を主に金融機関からの借入金に依存しており、当連結会計年度末現在における連結総資産に占める有利子負債依存度は26.5%である。そのため、借入金利の上昇による支払利息の増加から、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

 

第71期

平成14年3月期

第72期

平成15年3月期

第73期

平成16年3月期

第74期

平成17年3月期

第75期

平成18年3月期

総資産額(百万円)

64,150

65,057

70,217

66,768

76,425

有利子負債額(百万円)

19,893

21,946

24,672

19,666

20,280

有利子負債依存度(%)

31.0

33.7

35.1

29.5

26.5

売上高(百万円)

82,323

97,052

109,389

122,199

135,758

支払利息(百万円)

556

429

407

464

616

支払利息/売上高(%)

0.7

0.4

0.4

0.4

0.5

 

(2)特定の取引先への依存度について

当社グループの主な販売先は、日産自動車㈱グループと本田技研工業㈱グループであり、当連結会計年度における連結売上高に占める割合は89.3%となっている。そのため、今後、両社の自動車販売動向により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。

(3)為替変動による影響について

当社グループの連結売上高に占める海外売上高比率は、当連結会計年度で57.6%(前連結会計年度52.5%)となっており、今後もこの比率が上昇する見込みのため、換算時の為替レートにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(4)事業のグローバル化について

当社グループの連結売上高は、今日までの積極的な海外展開により、その海外比率が年々上昇してきている。従って、当社グループの自動車関連製品の需要は、進出先の国及び地域の経済状況の影響を受ける。特に、北米地域の連結売上高に占めるシェアが高く、同地域の自動車市場の景気後退や需要変動は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。

また、当社グループは、グローバルな事業展開により、進出先の国及び諸地域における予期しない自然災害等により、原材料の調達や生産、納品等に関し、遅延や停止が起きることが想定される。場合によっては、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、当社グループで経営上の重要な契約等は行われていない。

6 【研究開発活動】

当社グループは、自動車内装部品専門メーカーとして、カーインテリアのトータルコーディネートをテーマに、時代をリードする魅力ある商品群の創造を目指し、積極的な研究開発活動を行っている。

研究開発は当社の技術・開発センターを中心に実施しており、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は554百万円であり、主な成果は次のとおりである。

 

当社グループは確固たる内装ティア1メーカー(1次サプライヤー)の地位を築くため、得意先ニーズ、お客様の要求、社会環境要求に応えるため、材料・工法の開発にとどまらず、魅力ある商品開発も進めてきた。それらの成果に基づき、得意先からのシステム受注への拡大、新規得意先への拡販と、積極的かつ着実に事業を展開している。

具体的には、開発競争に勝つためのアイテム…軽量化・コストダウン、社会環境要請…脱溶剤・脱PVC(塩化ビニール)、次世代アイテム…モジュール・衝突安全解析等に加えお客様にとっての付加価値の創造に重点をおいて研究開発活動を行っている。

1 技術力

  省燃費に寄与する軽量化技術としてKSP(カサイ・シンクロ・プレス)工法を開発し、量産車ドア内装品への採用提案を果たした。この工法は従来工法によるドア内装品の重量を約半減させる可能性を秘めており、超軽量内装品を具現化する画期的な工法である。また、射出成形工法、KPM(カサイ・プレス・モールディング)工法の応用技術として、発泡成形でも塗装を必要とせず、良好な外観品質を確保できる技術を開発した。天井内装品についても軽量化技術として、発泡基材を実用化した。

2 安全性

   車室内の安全性に寄与するエネルギー吸収部品を、特徴ある設計構造を有する射出成形品にて実現し、量産車に採用された。また、CAE(コンピュータ・シミュレーション)を駆使した側面衝突解析技術は台上実験での検証を裏付けに実用精度に到達し、量産車の安全性確保に寄与している。

3 地球環境保全

   接着剤、洗浄剤等に含まれるVOC(揮発性有機化学物質)の削減のため、粘着剤、水溶性接着剤への変更及び各種材料の脱VOCを推進している。また、塩化ビニール材については、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)、TPU(ウレタン系熱可塑性エラストマー)への変更を推進している。天井内装品の脱ガラス繊維についても鉱物繊維への代替を開発し、量産車への採用提案を果たした。

4 快適車内空間

   内装品の防音性能の更なる向上を狙い、自由度の高い形状設計、多面的材料選択、高精度、高品質の製品開発にCAEを導入した。利便性装備品についてもベンチマーク活動を基にした開発企画を得意先に提案している。

5 品質

   プラスチック成形品の外観品質を安定化させる応用技術を開発し、工程不良の防止、削減を達成し収益性にも寄与している。また、得意先ニーズによるシャープな形状にも対応出来るように外観品質の向上に努めている。

 

 6 付加価値の創造

   お客様にとって魅力的な内装を創造する一つとして、ドアウエストオーナメントに代表されるような加飾部品についても、新規意匠塗装、加飾技術の開発を進めている。更には、車室内空間をお客様のもてなしの空間として捉え、間接照明と加飾部品を組み合わせながら、内装部品の新しい付加価値を創造していく取り組みも進めていく予定である。

  なお、上記金額には消費税等は含まれていない。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績は、原油高を背景とした日本車への需要増と新車効果により、北米地域の売上高が前連結会計年度に比べ100億54百万円(+18.7%)増加したことなどから、連結売上高は1,357億58百万円と135億58百万円(+11.1%)の増収となった。

売上原価は、売上高の増加に伴い前連結会計年度に比べ116億56百万円増加し、1,198億67百万円となった。

利益面については、売上増に加え、グループをあげての合理化により、連結営業利益は45億75百万円と前連結会計年度に比べ11億39百万円(+33.2%)の増益となった。また、当期純利益は、経常利益及び特別損益の改善により17億27百万円(+10.4%)の増益となった。

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは前連結会計年度より10億97百万円多い104億56百万円の資金を獲得した。前連結会計年度に比べ増加したのは主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費が増加したためである。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より48億79百万円多い104億90百万円の資金を使用した。前連結会計年度に比べ資金の使用が増加したのは主に河西テック㈱、岩手河西㈱の新設、M-TEK INC.アラバマ工場の増強等に係る有形固定資産の取得による支出、及びKIプロジェクト関連ソフトウエア等の無形固定資産取得による支出によるものである。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より58億92百万円少ない1億66百万円の資金を使用した。前連結会計年度に比べ資金の使用が減少したのは主に借入金の増加によるものである。

これらの活動の結果、当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は4億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ64百万円(+18.4%)増加した。

 

(3) 競争力向上への取り組み

今後の経済見通しについては、中国経済や米国経済の堅調な推移による輸出増と、国内民間需要の好循環に支えられることが見込まれるが、日銀の量的緩和策解除による金利上昇、素材・原油価格の高止まりの影響など不安定材料から、景気の先行きの見通しは依然として不透明であり、楽観できない状況にある。

自動車部品業界においては、一層の価格競争力並びに品質水準・技術水準をも含めた総合的開発力に基づくグローバル供給体制が求められており、完成車メーカー同様、勝ち残りをかけた競争が益々激化していくものと予測している。

当連結会計年度における競争力向上への主要な取り組みは次のとおりである。

① トヨタ自動車㈱グループの「関東自動車工業㈱」(岩手工場)との新規取引開始に伴い、平成17年6月に岩手県北上市に「岩手河西㈱」を設立した。

② 自動車メーカー車両開発期間の短縮ニーズへの対応と開発費用の低減に向けた「KIプロジェト」を推進中である。当該プロジェクトの一環として、金型費用のコストダウンを目的とし

金型製作会社「河西テック㈱」を平成17年4月に静岡県富士宮市に設立した。

③ 将来の設計・開発需要の拡大への対応と人材確保をめざした合弁会社を設立した。

 ・㈱東原河西TECHNO(平成16年12月 韓国ソウル市 韓国の㈱東原テックとの合弁会社)

 ・㈱ネオテック(平成17年7月 神奈川県藤沢市 韓国の㈱ネオードとの合弁会社)

・カサイシーガルテックインド(平成18年3月 インド国チェンナイ市 ㈱シーガルコーポ

レーションとの合弁会社)

④ 米国における第4の生産拠点として、平成17年12月に部品仕入取引先の既存工場を買い取り、

M-TEK INC.アラバマ工場として増強した。

⑤ 拡大する中国市場に対応すべく、平成16年6月に資本参加した「広州河西汽車内飾件有限公司」において、更なる業容拡大を狙い新本社工場を建設、平成18年3月より操業を開始した。

 

なお、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成18年6月29日)現在において当社グループが判断したものである。

 





出典: 河西工業株式会社、2006-03-31 期 有価証券報告書