有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、東日本大震災及びタイ大洪水といった大きな自然災害によるサプライチェーン寸断の影響を受け大きく落ち込みましたが、その後の挽回は順調に進みました。しかし中国経済の成長性鈍化や欧州金融不安など世界経済は大きな不安要因を抱えたままであり、為替変動リスクや原油価格高騰など、厳しい状況も続いています。

当社グループの事業の中心である自動車部品の需要も震災以降大きく落ち込みましたが、その後は国内のサプライチェーンの復旧とエコカー補助金再開による自動車生産の回復や海外の旺盛な需要に伴う海外関連会社への応援供給など受注が増加しました。

しかしながら、原価面においては急激な受注回復に対応するための輸送コストの増加や当期に稼働を開始した子会社である富士气門(広東)有限公司の立上ロスによる諸費用の増加等のコストアップ要因がありました。そのため売上高は増加しましたが営業利益、経常利益、当期純利益は減少いたしました。

これにより、売上高につきましては、16,200百万円(前期比137百万円増)、営業利益は1,452百万円(前期比352百万円減)、経常利益は1,594百万円(前期比170百万円減)、当期純利益は781百万円(前期比156百万円減)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

①自動車部品製造

主力のエンジンバルブを含む当セグメントは、東日本大震災による落ち込みがありましたが、サプライチェーンの復旧とエコカー補助金再開による自動車生産は回復と、海外についてもアジア地域を中心とした旺盛な需要から売上高は前年度とほぼ横ばいの15,317百万円(前期比185百万円増)、セグメント利益(営業利益)は1,342百万円(前期比259百万円減)となりました。

②流通

当セグメントにおきましては、売上高は883百万円(前期比48百万円減)、セグメント損失(営業損失)は5百万円(前期はセグメント利益89百万円)に留まりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ399百万円減少し、8,149百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、498百万円(前連結会計年度比78.7%減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,301百万円、減価償却費645百万円、仕入債務の増加215百万円であり、支出の主な内訳は売上債権の増加550百万円、たな卸資産の増加105百万円、法人税等の支払額1,012百万円であります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は692百万円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出638百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は206百万円(前連結会計年度は62百万円の獲得)となりました。これは、主に配当金の支払額205百万円によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
自動車部品製造
14,675,062
100.6

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
仕入高(千円)
前年同期比(%)
自動車部品製造
319,316
80.4

(注)1 金額は、仕入価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
自動車部品製造
15,694,010
105.9
1,282,794
141.6
流通
882,989
94.8
合計
16,576,999
105.2
1,282,794
141.6

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
自動車部品製造
15,316,843
101.2
流通
882,989
94.8
合計
16,199,832
100.9

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
日産自動車㈱
2,798,474
17.4
2,975,935
18.4

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1) 事業の収益力の強化

今後の見通しとしましては、電力供給問題、欧州金融不安や原油価格及び原材料価格の高騰、為替動向など不透明な状況が継続する中で自動車業界においては海外現地生産化の更なる加速による国内生産の空洞化が想定され、当社にとっては依然として厳しい状況が継続すると予想されます。

このような厳しい経済環境の中、2012年度の基本方針はスローガンを「やり遂げる! 変化を先取る意識と行動」とし、(1)品質競争力の強化と安全職場の確立(2)静岡工場再構築計画の具現化(3)富士气門(広東)有限公司の拡充と次なる海外展開の実行(4)魅力ある製品の確立と事業拡大を4つの柱とし、積極的に自ら行動することで更なる成長を目指し、収益の向上に努めてまいります。

 

(2) 海外事業戦略

海外については、中国広東省の富士气門(広東)有限公司の早期事業化に加え、新たな海外事業基地展開の検討を進め、経営基盤の強化、収益の確保、顧客のグローバル展開への対応などを推進してまいります。

 

(3) CSR経営の取組み

お客様、株主の方々、従業員、取引先パートナー、地域や社会の期待に応えていくために企業不祥事などを未然に防止する法令遵守を徹底するだけでなく、環境保護、安全職場の確保や地域貢献などに積極的に取り組み、CSR活動の実践を図ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

①世界市場について

現在の自動車産業は海外での販売が大きなウエイトを占めていることから世界不況等のあおりで自動車産業に影響が出た場合には生産台数が落ち込み、これに比例し大きく当社の売上高も減少する可能性があります。

 

②国内市場への依存について

自動車メーカー各社は海外での現地生産・現地調達を進めており、国内での生産は将来的に漸減するとの予測もあります。これに伴い当社グループの国内顧客への売上高が同じような傾向で漸減するのと併せて、生産設備の余剰等が発生する可能性もあります。

 

③競合について

当社グループが事業を展開する自動車メーカーのエンジン市場は、メーカーのグローバル調達が拡大し、国内の競合ばかりでなく全世界の規模で競合状態となっております。これに加えて、自動車メーカーの合従連衡に伴い同一エンジンが大量に作られることになり、ひとつの受注を失することが生産面・販売面へ深刻な圧力となって作用しており、当社グループの販売量や収益力を悪化させる可能性があります。

 

④原材料等の調達について

当社グループ製品の原材料は、国際市場価格に大きく左右される金属元素を多く含んでおり、これらの金属元素価格が高騰することにより入手する原材料価格が上昇し、製品価格へ転嫁できない部分で業績が悪化する可能性があります。

 

⑤為替のリスクについて

当社グループの製品事業において一部外貨建て取引があり、急激な円高は売上高・収益に悪影響を与える可能性があります。

 

⑥地震等のリスクについて

当社グループの主要な事業であるエンジン用小型バルブ・コッタ・アルミリテーナの生産拠点は静岡県西部を拠点としております。

静岡県西部はマグニチュード8クラスの巨大地震である東海地震の防災対策強化地域となっております。

当社グループは将来予測される大地震の発生に備え人的安全を第一に考え、なおかつ建物、生産設備、仕掛品、製品などの資産が地震により損傷・損失しないよう対策を講じるなど充分配慮しておりますが、その対応には限界があります。また大地震発生後は一時的に生産活動が停止する可能性があります。

このように、当社グループの主要な事業拠点である静岡県西部において大地震等の自然災害や火災等の事故等、重大な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループが受ける影響は甚大なものになるおそれがあります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 技術相互援助契約(提出会社)

提携先
国籍
契約品目
契約の内容
契約期間
対価の算定
TRW Automotive
U.S.LLC
アメリカ
エンジンバルブ
製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾
平成8年1月1日から自動延長制
毎年一定額の相互支払
TRW Automotive
GmbH.
ドイツ
エンジンバルブ
製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾
平成8年1月1日から自動延長制
毎年一定額の相互支払

 

(2) 技術供与契約(提出会社)

提携先
国籍
契約品目
契約の内容
契約期間
対価の算定
新韓バルブ工業
株式会社
韓国
エンジンバルブ
製造、販売の独占的実施権の許諾
自平成23年9月29日
至平成26年9月28日
契約品目の純売上高につき一定の比率
TRW Fuji Serina
Co.,Ltd.
タイ
エンジンバルブ
製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾
自平成23年1月1日
至平成27年12月31日
契約品目の純売上高につき一定の比率
TRW Fuji Valve
Inc.
アメリカ
エンジンバルブ、バルブアジャスタ、コッタ、弁座
製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾
自昭和63年9月15日からJV解消まで
契約品目の純売上高につき一定の比率
Shriram Pistons &
Rings Limited
インド
エンジンバルブ
製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾
自平成17年12月5日
至平成24年12月4日
契約品目の純売上高につき一定の比率
富士气門(広東)
有限公司
中国
エンジンバルブ、コッタ、リテーナ
製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾
自平成22年10月1日
至平成25年9月30日
契約品目の純売上高につき一定の比率

 

(3) 販売の提携(提出会社)

提携先
国籍
契約品目
契約の内容
契約期間
対価の算定
TRW Automotive
U.S.LLC
アメリカ
エンジンバルブ
その他
アメリカにおける販売権の許諾
昭和62年4月1日から自動延長制
純売上高の一定の比率
TRW Automotive
U.S.LLC
アメリカ
エンジンバルブ
その他
日本における販売権の受諾
平成2年4月1日から自動延長制
純売上高の一定の比率
TRW Automotive
GmbH.
ドイツ
エンジンバルブ
その他
ヨーロッパ(17ヵ所)における販売権の許諾
平成2年4月1日から自動延長制
純売上高の一定の比率
TRW Automotive
GmbH.
ドイツ
エンジンバルブ
その他
ヨーロッパの日本自動車メーカーに対する販売支援
平成5年1月1日から自動延長制
純売上高の一定の比率

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、自動車部品製造セグメントのみが行っており、その活動内容は以下の通りであります。

自動車部品製造セグメントでは自動車用、汎用を主とし、陸用、舶用を含む動弁系部品専門メーカーとして、新製品、新技術の研究開発を通じてエンジンの進歩発展に寄与することにより、社会に貢献すべく活動を続けております。

特に自動車産業界は近年の車社会における環境にやさしく、エネルギー消費の少ないエンジン開発を強力に進めており、当社もこれに応えるべく、今まで以上に積極的にエンジンバルブを主体とした動弁系部品の軽量化、高温強度及び耐摩耗性の向上と言った内容に関し、お客様のニーズに対し迅速的確に信頼性の高い製品を提供すべく、各種の研究開発に努力しております。

この様な背景を踏まえつつ当連結会計年度は研究体制の強化とともに、軽量かつ高い耐熱性を有するエンジンバルブの設計開発や製造技術確立及び高耐摩耗材料の研究開発を進めております。

当連結会計年度における研究開発費は170百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付引当金等の各引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。ただし見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、16,200百万円と前期に比べ137百万円の増収となりました。セグメントごとの増減要因については、「1.業績等の概要」に記載しております。

原価面においては急激な受注回復に対応するための輸送コストの増加や当期に稼働を開始した子会社である富士气門(広東)有限公司の立上ロスによる諸費用の増加等のコストアップ要因がありました。これにより、売上高は増加しましたが損益面については営業利益1,452百万円(前期比19.5%減)、経常利益1,594百万円(前期比9.7%減)、当期純利益は781百万円(前期比16.7%減)となりました。

 

 

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、22,973百万円と前期末に比べ231百万円の増加となりました。

(流動資産)

当連結会計年度における流動資産は14,708百万円 と前期末に比べ556百万円の増加となりました。

主な要因は以下の通りであります。

・現金及び預金については配当金の支払、有形固定資産の取得、法人税等の支払から373百万円減少しております。

・売上高の増加により受取手形及び売掛金が550百万円増加しております。

・生産量の増加により、たな卸資産が105百万円増加しております。

・未収法人税(還付税金)により流動資産(その他)に含まれている未収入金が211百万円増加しております。

 

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産は8,266百万円と前期末に比べ325百万円減少しております。

主な要因は以下の通りであります。

・為替変動等により投資有価証券が62百万円減少しております。

・前連結会計年度より繰り延べられていた子会社の清算結了、退職年金制度移行により繰延税金資産が138百万円減少しております。

・退職年金制度移行に伴い、前払年金費用が127百万円減少しております。

 

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債は2,796百万円と前期末に比べ316百万円減少しております。

主な要因は以下の通りであります。

・子会社の清算結了、退職年金制度移行による課税所得の減少も加わり未払法人税等が548百万円減少しております。

・生産量の増加に伴い買掛金が215百万円増加しております。

 

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債は243百万円と前期末に比べ78百万円の増加しております。

主な要因は以下の通りであります。

・前連結会計年度末に当社で繰延税金資産(固定)が285百万円計上されておりましたが当連結会計年度末には子会社の清算結了及び退職年金制度移行から繰延税金資産(固定)に関する将来減算一時差異が解消され、対応する繰延税金資産(固定)を取り崩しております。

この結果、当連結会計年度末に繰延税金負債102百万円が計上されております。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産の残高は、19,935百万円と前期末に比べ470百万円増加しております。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 1「業績等の概要」(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。





出典: フジオーゼックス株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書