第2 【事業の状況】
1 【業績等の概要】
(1) 業績
当連結会計年度における経済環境を顧みますと、原油高騰の影響などが懸念される中、日本経済は、企業収益の改善が進み、設備投資が増加するなど景気は緩やかな回復傾向が続きました。また、海外では、米国や中国を中心に景気は拡大し世界の景気は着実に回復しました。
その中にあって、当社グループが属する写真関連市場におきましては、デジタル化の進展が世界的規模で市場に大きな変革をもたらしており、消費者の価値観に変化を与え、写真に対するニーズが多様化してきております。デジタルカメラの普及によるデジタルプリント需要は増加しているものの、フィルムからのプリントは大幅に減少しており、プリント需要全体としては厳しい状況が続いております。
当社としましては、こうした環境変化にいち早く対応するために、デジタルプリントの更なる需要拡大をキーとして、基盤事業である写真関連事業をあらゆる角度から徹底的に追求してまいりました。具体的には、ミニラボ店の活性化支援、重点市場への販売力強化、迅速処理や付加価値を提供できる製品開発、アライアンスを活用した新たな販売チャネルへの拡大など、事業基盤の改善・強化に努めてまいりました。また、前連結会計年度よりグループをあげて取り組んでいる構造改革を通じて、雇用調整や遊休資産等の売却などスリムで強靭な企業体質の構築に努めてまいりました。
当連結会計年度の売上高につきましては、BRICs諸国における戦略的な営業体制の確立など、地域戦略を積極的に展開したことで、インド、ロシア市場の販売は堅調に推移しました。しかし、最重点地域である北米市場において大手顧客向けの販売が減少し、ヨーロッパ及びアジア市場の需要が低迷したことに加え、当社グループの主力であるミニラボシステム機器の販売が高付加価値製品から普及型低価格製品にシフトしていることなどにより、売上高は588億63百万円(前期比14.8%減)となりました。
利益面につきましては、売上高が大幅に減少する中、固定費の削減や生産性の向上に取り組みコスト削減を強化して利益確保に努めてまいりました。売上総利益は売上高の大幅な減少により310億57百万円(前期比7.0%減)となりましたが、構造改革によりコスト改善が進展し売上原価率は前期の51.7%から4.5ポイント改善し47.2%となりました。また、販売費及び一般管理費につきましては、固定費が削減され総額としては前期に比べ12億91百万円減少し280億6百万円(前期比4.4%減)となりました。
これらの結果、営業利益は30億50百万円(前期比25.6%減)となりました。これに営業外収益及び営業外費用を加減した結果、経常利益は43億72百万円(前期比12.3%減)となりました。
更に特別損益項目としてノーリツ・アメリカの土地、建物の一部売却による固定資産売却益6億33百万円等を含む特別利益7億18百万円を計上し、遊休福利厚生施設等の減損損失10億30百万円等を含む特別損失11億55百万円を計上したことから税金等調整前当期純利益は39億35百万円(前期は税金等調整前当期純損失28億69百万円)となり、法人税等20億15百万円を控除して当期純利益は19億20百万円(前期は当期純損失73億18百万円)となりました。
なお、当期純利益が前期に比べ大幅に改善(前期比92億38百万円増)した要因としましては、前連結会計年度の特別損益項目で、厚生年金基金代行返上益28億67百万円、役員退職慰労引当金戻入額7億48百万円等を特別利益に計上し、構造改革費用91億22百万円、減損損失20億81百万円等を特別損失に計上したことに加え、法人税等で繰延税金資産の取崩しが生じた結果、法人税等調整額が大幅に増加したことなどによるものです。
主要地域別の販売状況は以下のとおりであります。
(日本)
国内におきましては、基盤事業である写真関連事業においては、新製品のデジタルミニラボ「QSS-35型」等を中心とした販売展開を行いましたが、ミニラボ本体の販売台数では前期を下回り、依然厳しい状況で推移しました。一方、コニカミノルタ社からサービスメンテナンス業務を受託したことによる受託収入などが増加したことと新規事業である医療関連機器などの販売が増加したことにより、売上高は96億53百万円(前期比10.7%増)と前期を上回りました。
(北米)
北米におきましては、連結売上高の約30%を占める最重点地域であり、特に大手顧客が積極的にデジタルミニラボの導入を展開しているため、顧客に応じた営業戦略を展開し、市場ニーズへの対応を積極的に図ってまいりました。主要製品としましては、高処理能力機からコンパクト普及タイプ機まで幅広く提案してまいりましたが、本格的に製品が出荷されたのが第2四半期後半からとなりましたので、受注が好調であった前期と比較しますとミニラボ本体の販売台数は減少し、大手顧客の動向による影響を受け、売上高は194億0百万円(前期比21.0%減)と前期を大きく下回りました。
(ヨーロッパ)
ヨーロッパにおきましては、市場としてのポテンシャルが高い東欧では国別に販売戦略を展開し、営業体制の強化に取り組んでおり、特に注力しているロシア市場での販売は堅調に伸ばすことができました。しかしながら、西欧においては、為替が円安水準であったものの、前期に比べ販売を伸ばすことができず、特にドイツやイギリスでの販売が大幅に減少したことなどにより、売上高は100億87百万円(前期比22.7%減)と前期を下回りました。
(アジア・オセアニア)
アジア・オセアニアにおきましては、重点地域であるインド市場では「QSS-32型」等の販売が好調に推移し前期に比べ19.2%増と大きく増加し、今後が期待できる市場展開となりました。しかしながら、これまで拡大路線を辿っていた中国では、株式や不動産投資等への抑制策として金融が引き締められた影響などによりミニラボに対する投資意欲が減退し、前期に比べ50.7%減と大きく減少したことなどから、売上高は120億7百万円(前期比16.6%減)と前期を下回りました。
(その他)
その他の地域におきましては、デジタル化が浸透してきた中南米のうち、メキシコ等の販売は堅調に推移したものの、これまで好調であったブラジルでの販売が減少に転じ、中南米全体としては減少となりました。加えて、中近東での販売も減少したことから、売上高は77億13百万円(前期比7.3%減)と前期を下回りました。
この結果、当社グループの海外売上高は492億9百万円(前期比18.5%減)となり、連結売上高全体に占める海外売上高比率は、前期の87.4%から3.8ポイント低下し83.6%となりました。
次に、品目別の販売状況は以下のとおりであります。
(ミニラボシステム機器)
主力のミニラボシステム機器の売上高につきましては、374億62百万円(前期比22.6%減)となりました。これは北米大手顧客への出荷が減少したことや主要販売機種が低価格機にシフトしたことなどにより売上高が減少したことによるものです。
(オプション及び補修用部品)
オプション及び補修用部品の売上高につきましては、106億12百万円(前期比4.9%減)となりました。これはミニラボ本体の販売が低迷したことによりオプション及び補修用部品の売上高が減少したことによるものです。
(その他)
その他の売上高につきましては、107億88百万円(前期比13.5%増)となりました。これはコニカミノルタ社からのサービスメンテナンス業務を受託したことによる受託収入などが増加したことと医療関連機器などの新規事業における売上高が増加したことによるものです。
所在地別セグメントの業績は次のとおりであります。
① 日本
売上高は415億70百万円と前連結会計年度と比較し、22億30百万円の増加となり、営業利益は40億23百万円と前連結会計年度と比較し、42億52百万円の増加となりました。
② 北米
売上高は200億96百万円と前連結会計年度と比較し、57億5百万円の減少となりましたが、営業利益は8億75百万円と前連結会計年度と比較し、2億32百万円の増加となりました。
③ ヨーロッパ
売上高は102億28百万円と前連結会計年度と比較し、31億18百万円の減少となり、利益面では8億76百万円の営業損失となりました。
④ アジア・オセアニア
売上高は62億4百万円と前連結会計年度と比較し、30億74百万円の減少となり、営業利益は5億55百万円と前連結会計年度と比較し、8百万円の減少となりました。
⑤ その他の地域
売上高は43億22百万円と前連結会計年度と比較し、10億69百万円の減少となり、利益面では1億78百万円の営業損失となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは38億25百万円の資金の増加となりました。資金の増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益39億35百万円、仕入債務の増加34億50百万円、減価償却費25億86百万円及び減損損失10億30百万円となっております。資金の減少の主な要因は、希望退職制度に伴う未払金の減少63億70百万円、法人税等の支払額10億44百万円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは23億98百万円の資金の減少となりました。資金の減少の主な要因は、設備投資7億59百万円、投資有価証券の取得22億14百万円、信託受益権等の純減額10億円となっております。資金の増加の主な要因は、有価証券の満期償還による純増額12億98百万円、有形固定資産の売却収入13億11百万円となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払いなどにより17億94百万円の資金の減少となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は363億91百万円となり、前連結会計年度末残高と比較して3億6百万円増加いたしました。
2 【生産、受注及び販売の状況】
(1) 生産実績
区分 |
当連結会計年度 (自 平成18年4月1日 至 平成19年3月31日) |
前期比 (%) |
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
||
ミニラボシステム機器 |
26,410 |
74.1 |
△14.9 |
オプション及び補修用部品 |
8,187 |
23.0 |
△3.4 |
その他 |
1,021 |
2.9 |
△8.5 |
合計 |
35,620 |
100.0 |
△12.4 |
(注) 1 金額は標準的販売価格にて算出しております。
2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当社グループのミニラボシステム機器は、計画生産方式を採用しており、大型ラボ機器(省力機器は含まず)は受注生産方式を採用しております。大型ラボ機器につきましては、少量のため記載を省略しております。
(3) 販売実績
区分 |
当連結会計年度 (自 平成18年4月1日 至 平成19年3月31日) |
前期比 (%) |
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
||
ミニラボシステム機器 |
37,462 |
63.7 |
△22.6 |
オプション及び補修用部品 |
10,612 |
18.0 |
△4.9 |
その他 |
10,788 |
18.3 |
13.5 |
合計 |
58,863 |
100.0 |
△14.8 |
(注) 1 前連結会計年度及び当連結会計年度において総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。
2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 【対処すべき課題】
当社グループを取り巻く市場環境は、世界的なデジタル化の進展で大きな変革にさらされておりフィルムの消費量は急激に減少しております。一方、デジタルカメラの使用機会の増加によりショット数が増え、デジタルプリントの出力機会は増加してきております。
このような状況のもと、当社グループは前連結会計年度より実施している構造改革の成果をより確実なものとするため、引き続きグループをあげてコスト削減、開発力強化、販売力強化等に取り組み、基盤事業である写真関連事業を徹底的に追求し、業界トップ企業としての体制を築き上げるとともに、新規事業を着実に育ててまいりたいと考えております。
具体的な取り組みは、以下のとおりであります。
① ミニラボ店の活性化を目指した活動の推進
② 重点市場の販売体制の構築と強化
③ サービス事業の収益性の向上
④ 買替需要を促進する革新的機器の開発
⑤ 高品質・低コスト生産体制の構築
⑥ 在庫圧縮による資産効率の向上
⑦ ビジネスコントロールの効率性向上
⑧ 経営ビジョン実現に向けた人材育成
⑨ 各種プリント事業領域への注力、新規参入
⑩ 医療・環境関連領域での事業拡大
⑪ 経営シナジーが発揮できる企業提携の発掘・拡大
当社グループは、これらの諸施策を推進し、業容の拡大と業績の向上に邁進していく所存であります。
4 【事業等のリスク】
(1) 当社の事業について
当社は写真処理機器の専業メーカーであり、当社の主力製品であるミニラボの販売ターゲットとなる市場は、一般消費者が撮影したデジタル画像の出力や銀塩フィルムを現像、焼付け処理する現像所(基幹ラボと呼ばれる規模のもの)から小規模写真処理店(ミニラボ店)に至る範囲のいわゆる写真処理市場であります。従いまして、写真処理市場は、一般消費者が撮影する写真(デジタル写真含む)の量、つまり、撮影量とそのプリント量に影響されます。
近年、銀塩フィルムの消費が減少を続け、銀塩写真のプリント量が減少しております。一方、デジタルカメラの急速な普及に伴い、デジタルプリントは着実に増加しております。このような環境は写真処理市場の設備投資に影響を与え、それが当社の業績に影響を与える可能性があります。
(2) 為替の影響について
当社の連結売上高に占める海外売上高の割合は、平成15年3月期76.1%、平成16年3月期85.5%、平成17年3月期84.0%、平成18年3月期87.4%、平成19年3月期83.6%と高い水準になっております。当社は、為替変動リスクをヘッジするために為替予約及び通貨オプション取引を行っておりますが、為替変動が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
|
第48期 |
第49期 |
第50期 |
第51期 |
第52期 |
||
平成15年3月期 |
平成16年3月期 |
平成17年3月期 |
平成18年3月期 |
平成19年3月期 |
|||
日本 |
(%) |
23.9 |
14.5 |
16.0 |
12.6 |
16.4 |
|
北米 |
(%) |
29.8 |
42.9 |
27.0 |
35.6 |
33.0 |
|
ヨーロッパ |
(%) |
18.2 |
17.9 |
21.0 |
18.9 |
17.1 |
|
アジア・オセアニア |
(%) |
19.7 |
16.4 |
23.8 |
20.8 |
20.4 |
|
その他 |
(%) |
8.4 |
8.3 |
12.2 |
12.1 |
13.1 |
|
海外全体 |
(%) |
76.1 |
85.5 |
84.0 |
87.4 |
83.6 |
|
合計 |
(%) |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
100.0 |
|
連結売上高 |
(百万円) |
78,602 |
90,734 |
73,808 |
69,078 |
58,863 |
|
(注) 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) カントリーリスクについて
当社は、世界に販路を拡大しており、現在では各国の現地法人21社などを通じて、180カ国以上に製品を供給しておりますが、当社が事業活動をしている様々な市場における景気後退やそれに伴う需要の縮小、あるいは海外各国における予期せぬ事故、法規制等の変更により、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
(4) 本社工場における集中生産について
当社グループの製品は、主に本社工場において集中生産を行っております。その為、天災や人災等により工場設備が著しい被害を受け、生産活動ができなくなる可能性も認識しております。当社グループでは、本社工場以外に中国・上海とブラジル・マナウスに工場を有しており、製品を生産できる体制をとっております。また、本社工場では部品製造の内製化率の見直しや部品の調達先及び外注先との関係強化により、新たなサプライチェーンの構築を図ることで、本社工場での部品の製造が困難になった場合でも、調達により海外工場に部品を供給できる体制も検討しております。
(5) 過去の業績変動について
第48期(平成15年3月期)連結業績は、主力製品がデジタルミニラボに替わり、販売が好調に推移したことによる売上高の増加と売上原価率の改善により、営業利益、経常利益、当期純利益とも、前期を大きく上回ることができました。
また、第48期(平成15年3月期)連結業績(経常利益及び当期純利益)が単体を下回っておりますのは、子会社との取引にかかる未実現利益の増加と海外子会社における為替差損の発生によるものであります。
第49期(平成16年3月期)連結業績は、北米において、イーストマンコダック社との全世界供給契約による販売効果に特需的な要因も加わり、海外売上高が大幅に増収となり、販売費及び一般管理費は増加したものの、継続的なコストダウン活動の実施と操業度の向上等により、営業利益、経常利益、当期純利益とも、大幅に増加いたしました。
第50期(平成17年3月期)連結業績は、北米では特需効果がなくなった影響が非常に大きく、海外売上高が大幅に減少し、中古アナログ製品の在庫の廃棄及び製品評価減を積極的に実施したことなどから、営業利益、経常利益、当期純利益とも、大幅に減少いたしました。
第51期(平成18年3月期)連結業績は売上高や利益などの業績が悪化傾向を辿っていることから、高コスト体質から脱却する必要があると判断し、構造改革に着手しました。その結果、営業利益、経常利益、当期純利益とも減少いたしました。
第52期(平成19年3月期)連結業績につきましては、「1 業績等の概要」の「(1) 業績」に記載のとおりであります。
|
第48期 |
第49期 |
第50期 |
第51期 |
第52期 |
||
平成15年3月期 |
平成16年3月期 |
平成17年3月期 |
平成18年3月期 |
平成19年3月期 |
|||
連結 |
売上高 |
(百万円) |
78,602 |
90,734 |
73,808 |
69,078 |
58,863 |
営業利益 |
(百万円) |
9,057 |
14,044 |
4,955 |
4,099 |
3,050 |
|
経常利益 |
(百万円) |
8,231 |
13,741 |
5,506 |
4,983 |
4,372 |
|
当期純利益又は 当期純損失(△) |
(百万円) |
3,861 |
8,323 |
3,494 |
△7,318 |
1,920 |
|
単体 |
売上高 |
(百万円) |
58,528 |
63,697 |
51,463 |
37,782 |
40,006 |
営業利益又は 営業損失(△) |
(百万円) |
8,697 |
8,180 |
2,754 |
△258 |
3,971 |
|
経常利益 |
(百万円) |
8,849 |
8,345 |
3,840 |
710 |
4,956 |
|
当期純利益又は 当期純損失(△) |
(百万円) |
4,283 |
5,117 |
2,618 |
△8,640 |
3,054 |
(注) 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(6) 関連当事者との取引について
当連結会計年度における関連当事者との取引につきましては、「第5 経理の状況」の「関連当事者との取引」に記載のとおりであります。
5 【経営上の重要な契約等】
特記すべき事項はありません。
6 【研究開発活動】
当社グループの研究開発活動は、当社において行っております。
当社は創業以来、「顧客最優先の開発経営」を経営理念とし、1枚の写真に込められた人々の想いに応えるため、常に顧客のニーズにそった研究開発活動に注力し、トータルイメージングの分野において映像に関するリーディングテクノロジーの研究開発に取り組んでおります。
当社グループの当連結会計年度の研究開発に係る総額は32億71百万円(当連結会計年度の総製造費用に計上した試験研究費9億71百万円を含む)となっております。また、当連結会計年度末における研究開発活動に携わった人員は215名となっております。
研究開発内容については次のとおりであります。
当社グループは、“創造、挑戦、協創”の3つの指針に基づき、先進的な新製品の開発を行い、ミニラボシステム機器のラインナップを充実させております。
当連結会計年度において当社グループは、下記新製品を開発し、発売を開始いたしました。
「QSS-35シリーズ」 ………………… |
大手顧客向け超小型・低コストデジタルミニラボ。 富士フイルム社の超迅速ケミカルにも対応。 |
「QSF-T15/S1-Ⅱ連結ユニット」…… |
フィルム現像機(QSF-T15)とスキャナー(S1-Ⅱ)を接続し、フィルム現像からのプリントまでをフルオート化するシステム。お店の省力化が図れる。 |
「EZ-Lab」 …………………………… |
マルチ入力、マルチプリンターの機器構成の中で、注文データの管理やプリント先の振り分けを行うソフトウェア。中大規模のミニラボ店において省力化が図れる。 |
「LPS-24PRO」………………………… |
レーザーエンジンを搭載し、ワイドフォーマットに対応した幅広銀塩プリンター。 ペーパー幅は5inchから24.5inchまで対応。プリントサイズは、最大24.5inch×100inch(※オプション装着時)まで対応。 |
「QSF-T15F」 ………………………… |
富士フイルム社の超迅速ケミカルに対応した低能力フィルムプロセサー。 |
「QSS-32F」…………………………… |
富士フイルム社の超迅速ケミカルに対応したQSS-32シリーズ。 |
また、下記製品を当社ホームページやPMA2007で発表し、発売に向けて開発を進めております。
「QSS-35PLUSシリーズ」 …………… |
超小型・低価格でトータルコスト・オブ・オーナーシップに優れたネットワークプリンター。PCを本体から分離することで、周辺機器の増設等にもフレキシブルな対応が可能。 |
「LS-600」 …………………………… |
S1-Ⅱのリソースを使ったさらに低能力/低価格のフィルムスキャナー。 |
「LS-1100」…………………………… |
S1-Ⅱと同等の能力を確保したUSBインターフェイス対応のフィルムスキャナー。 |
「HS-1800」…………………………… |
S-4の同等の能力を確保したUSBインターフェイス対応のフィルムスキャナー。 |
「EZ Controller」…………………… |
入力機器と出力機器をレイアウトフリー、かつ簡単に組み合わせてシステム構成可能なソフトウェア。 |
「M300」 ……………………………… |
接床面積 約0.42㎡のコンパクトデジタルドライプリンター。プリントサイズ254㎜×305mmの処理能力が約70枚/時、小型ながらも高能力なため写真スタジオなどに最適。また、拡張性に優れたネットワークシステム構成にも対応可能。 |
「EZ Order Dispenser」 …………… |
お店で仕上がったデジタルプリント(DP袋)を保管し、消費者が受付時にもらっている引換証のバーコードを読み込ませることにより、自動でデジタルプリント(DP袋)を消費者に渡す装置。 |
7 【財政状態及び経営成績の分析】
(1) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は1,195億14百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億24百万円減少しました。
流動資産は、10億74百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金が7億67百万円、受取手形及び売掛金が8億30百万円それぞれ増加したことと、繰延税金資産が4億63百万円減少したことによるものです。
固定資産は、19億98百万円の減少となりました。これは主に有形固定資産が減価償却や減損損失、除売却等により29億32百万円減少したことと、投資有価証券が7億41百万円増加したことによるものです。
負債の部は、23億94百万円の減少となりました。これは主に前期に計上した希望退職制度に伴う未払金が63億70百万円減少したことと、支払手形及び買掛金が34億90百万円増加したことによるものです。
純資産の部は、14億70百万円の増加となりました。これは利益剰余金1億39百万円、評価・換算差額等が13億30百万円増加したことによるものです。
(2) 経営成績
売上高は、インド、ロシア市場の販売は堅調に推移しましたが、最重点地域である北米市場において大手顧客向けの販売が減少し、ヨーロッパ及びアジア市場の需要が低迷したことなどにより、588億63百万円(前期比14.8%減)となりました。
売上原価は278億5百万円(前期比22.1%減)となりました。構造改革によりコスト改善が進展し、売上原価率は前期の51.7%から4.5ポイント改善し47.2%となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、固定費が削減され総額としては前期に比べ12億91百万円減少し280億6百万円(前期比4.4%減)となりました。
営業利益は、売上高の大幅な減少により30億50百万円(前期比25.6%減)となりました。
経常利益は、営業外収益で受取利息10億97百万円を計上したことにより、43億72百万円(前期比12.3%減)となりました。
また、特別損益項目としてノーリツ・アメリカの土地、建物の一部売却による固定資産売却益6億33百万円等を含む特別利益7億18百万円を計上し、遊休福利厚生施設等の減損損失10億30百万円等を含む特別損失11億55百万円を計上したことから税金等調整前当期純利益は39億35百万円(前期は税金等調整前当期純損失28億69百万円)となり、法人税等20億15百万円を控除して当期純利益は19億20百万円(前期は当期純損失73億18百万円)となりました。
「第2 事業の状況」の記載金額は、消費税等を含んでおりません。