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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

    当期におけるわが国経済は、IT関連分野の在庫調整や、中国における反日デモ等による輸出、生産の伸びの鈍化、鉄鋼、原油価格の高騰など、景気の足踏み感もありましたが、設備投資などの伸びにささえられ緩やかに回復してまいりました。

    当社が関連する精密機械部品加工業界におきましても、自動車産業に牽引され底堅く推移し高水準の生産が継続いたしました。

    このような経営環境の中で、当社は引き続き高品質製品の製造、短納期の実現に向けて全社を上げて積極的に取組み、業績の向上を図ってまいりました。

    この結果、当期の売上高は1,859,413千円(前期比5.4%増)、営業利益は698,078千円(前期比3.7%増)、経常利益は707,319千円(前期比4.8%増)、当期純利益は422,979千円(前期比7.4%増)となりました。

   

    部門別の営業の概況は以下のとおりであります。

    

<コレットチャック部門>

 

     当社の主力製品であるコレットチャックを使用する小型精密自動旋盤による旋削加工業界は、在庫調整、中国における反日デモの影響等不安材料もありましたが、国内における自動車、薄型テレビ、DVD等、堅調な動きが見られたことにより全体として売上の回復は穏やかでした。

     この結果、当部門の売上高は1,519,527千円と前期比4.3%の増収となりました。

 

    <自動旋盤用カム部門>

 

     大手企業の海外工場移転に伴い、旋削加工部品の国内市場は量産品の減少が一層すすみ、厳しい環境下にあります。また、小型自動旋盤もNC旋盤に替わられ、すでに機械の製造も中止されております。しかし、商品寿命の短い一部の商品は国内生産でないと対応がむずかしい面もあり、量産品を短期間で国内で生産する「すみ分け」ができております。特にこの部門は深くかかわっている量産品の在庫調整の影響を大きく受けました。

     この結果、当部門の売上高は159,262千円と前期比17.5%の減収となりました。

 

    <切削工具部門>

 

     新規事業であります当部門は業界における知名度向上を図るため、業界新聞・雑誌による広告活動及び市場調査を重ねた積極的な営業活動の展開を実施いたしました。

    また、工場の増設、積極的な設備投資を行い、大手企業に対応すべく準備を整えつつあります。

     この結果、当部門の売上高は180,623千円と前期比58.2%の増収となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

    当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益706,834千円の計上、定期預金の払戻による収入(純額)534,976千円等がありましたが、法人税等の支払額308,167千円、投資有価証券の取得による支出1,299,533千円等があったことにより、前期末に比べ228,439千円減少し、当期末は400,086千円(前期末比36.3%減)となりました。

 

    (営業活動によるキャッシュ・フロー)

     当期の営業活動により増加した資金は、579,728千円(前期比25.5%増)となりました。これは、法人税等の支払額308,167千円等がありましたが、税引前当期純利益706,834千円、減価償却費140,994千円を計上したこと等によるものであります。

     なお、前期と比較すると、税引前当期純利益が増加し、法人税等の支払額が減少しております。

 

    (投資活動によるキャッシュ・フロー)

     当期の投資活動により減少した資金は、709,012千円(前期比167.2%増)となりました。これは、定期預金の払戻による収入(純額)534,976千円、投資有価証券の償還による収入200,000千円等がありましたが、投資有価証券の取得による支出1,299,533千円、有形固定資産の取得による支出144,550千円等があったことによるものであります。

     なお、前期と比較すると、定期預金の払戻による収入が増加したものの、投資有価証券の取得による支出が増加しております。

 

    (財務活動によるキャッシュ・フロー)

     当期の財務活動により減少した資金は、99,155千円(前期比65.7%増)となりました。これは全額配当金の支払額であります。

 

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当期の生産実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。

 

事業部門別

第15期

(自 平成16年7月1日

至 平成17年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

コレットチャック部門

1,500,565

104.9

自動旋盤用カム部門

159,262

82.5

切削工具部門

180,623

158.2

合計

1,840,451

105.9

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当社では標準品の場合、受注から製造、出荷までが概ね1日で完了します。また、標準品以外でも数日で出荷が可能な体制をとっております。従って受注残高は軽微であり、受注実績の記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当期の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。

 

事業部門別

第15期

(自 平成16年7月1日

至 平成17年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

コレットチャック部門

1,519,527

104.3

自動旋盤用カム部門

159,262

82.5

切削工具部門

180,623

158.2

合計

1,859,413

105.4

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 販売高で10%を超える主要な販売先はありません。

3 最近2期における輸出販売高及び輸出割合は次のとおりであります。なお、( )内は総販売実績に対する輸出高の割合であります。

 

輸出先

第14期

(自 平成15年7月1日

至 平成16年6月30日)

第15期

(自 平成16年7月1日

至 平成17年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

アジア

台湾

172,497

53.8

144,389

46.7

中国(香港含む)

66,521

20.7

73,974

23.9

韓国

26,931

8.4

42,221

13.6

マレーシア

22,049

6.9

21,611

7.0

シンガポール

20,913

6.5

17,367

5.6

その他

11,817

3.7

9,889

3.2

合計

320,733

(18.2%)

100.0

309,453

(16.6%)

100.0

 

3 【対処すべき課題】

   当社が製造、販売するコレットチャック、自動旋盤用カム、切削工具研磨事業は精密機械部品または金型等を加工するために使用される工具にかかる事業であるため、当社の業績はこれらの加工業界の景気動向に影響を受ける傾向にあります。これまでもその影響により業績が大きく変動しております。今後につきましては、鉄鋼、原油等の原材料、エネルギーの高騰など、景気回復に影響を与えかねない不安定要素が見受けられます。また、市場での競合はますます厳しさを増しており決して楽観できる状態にありません。

   このような状況に鑑み、業績の安定化を図るための主力のコレットチャック部門では小型自動旋盤用コレットチャック以外の各種専用機及び一般産業機械に使用されるコレットチャックの受注も積極的に行い、拡販に努めてまいります。

   生産面におきましては、ニーズの多様化するなかで作業の標準化、人材の育成、設備投資による作業の効率化・能力増強をさらに推進し、製造コストの削減を図り、納期の短縮に努めてまいります。

   また、コレットチャック部門では、品質保証体制の充実した製品作りを行い、顧客の信頼感をさらに高め、顧客要求に対応し、企業基盤の強化に努める所存であります。

   営業面におきましてはコレットチャック部門、自動旋盤用カム部門は高品質製品の短納期対応をさらに充実させ、顧客ニーズに応えることにより市場の優位性を保ってまいります。

   また、海外販売におきましては現地の商社と協力して、十分なアフターサービスを展開し、販売体制のサポートの強化拡充を図ってまいります。

   切削工具部門は知名度の向上を図るため工業新聞、該当分野の専門雑誌等による広告の掲載、顧客先への訪問活動を通じて新規顧客の開拓に努め、受注の拡大を図るとともに、最新設備の導入を積極的に行い、高精度の研磨に努めてまいります。また、自動車産業および工作機械産業が集中し高成長を継続している名古屋地区において積極的な営業活動を展開すべく、西日本営業所を平成17年7月11日に開設いたしました。中京圏においてのシェア拡大を図り持続的な成長を目指しさらなる努力をしてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

   文中における将来に関する事項は、当期末(平成17年6月30日)現在において当社が判断したものであります。

 

 (1) 事業の特徴について

    当社の最近5期は、一時的な減少はあるものの、比較的順調に推移してきましたが、将来の業績は景気動向や機械業界の動向により影響を受ける可能性があります。

    当社の事業参入の方針は、①多品種少量生産向きで ②確実に需要が見込まれ ③既存のメーカーが顧客ニーズに充分対応できていない機械工具に対象を絞り、入念な参入準備のもと「高品質、短納期」を実現し、顧客からの信頼、リピートオーダーの獲得を重視し5年程度で業界での高シェアの確保を目指すというものです。当社の扱う機械工具は消耗品であるため、リピートオーダーにより継続的な受注が可能となります。当社の事業は基本的にリピートオ−ダー中心であり、積極的な受注活動は行っておりません。営業部門は顧客からの注文を電話、FAXで受け付け、受注内容を製造部門へ伝達することを主業務としております。そのため当社の業績は機械業界の設備投資の状況をあらわす実質機械受注(内閣府発表:電力・船舶を除く)にほぼ連動しております。

 

   a コレットチャック部門について

     当社の主力製品のスプリングコレットチャックは、自動旋盤による金属の切削加工の大半の局面で使用される消耗品の機械工具で、安定して一定の需要が見込まれるものであります。最近5期の売上高は12億円から16億円程度で推移しております。ただし、今後市場規模が大きく拡大するものではなく、当部門の売上高も一定の範囲内で推移する可能性があります。また、将来技術革新等により切削工程が不可欠な工程でなくなった場合、当社のコレットチャック部門の業績に影響を与える可能性があります。

 

   b 自動旋盤用カム部門について

     自動旋盤用カム部門は自動旋盤のNC化の普及、円高による製造メーカーの海外進出に伴う量産品の国内市場の減少、多品種少量生産に対応不可能等の要因により、年々減少傾向にあります。今後については、すでに小型自動旋盤メーカーが機械の製造を中止していること、カム式自動旋盤を使える作業員が高齢化していること、多品種少量生産が時代の趨勢であること等を考えますと、今後ともこの減少傾向は緩やかに継続していくものと思われます。

 

   c 切削工具部門について

     当社は切削工具部門において工業用刃物の再研磨を行っております。工業用刃物の再研磨は、金属加工の高度化、複雑化に伴い超硬工具の普及が加速し、自社研磨から外部の専業へ外注するケースが増加しております。この流れを捉え当社は平成11年8月に新規事業展開を開始いたしました。切削工具部門においても他の部門同様当初の5年程度は、顧客の要求を満たす品質と短納期を実現し、顧客の信頼とリピートオーダーを獲得する期間とし、本格的な受注に備えた準備期間と位置付けております。

     ただし、当社の想定するほど自社研磨から外部の専業へ外注するケースが増加しなかった場合、当社の切削工具部門の売上高は、当社が想定するほど増加しない可能性があります。

 (2) 海外市場依存度について

    当社の最近5期における輸出販売高比率は、下表のとおりであります。また、この他に商社を経由した販売もあります。当社からの販売についてはすべて円建てで行っております。当社の輸出地域であるアジアの経済情勢、市場動向及び為替変動等によっては、輸出販売高に影響を与える可能性があります。

 

区分

第11期

第12期

第13期

第14期

第15期(当期)

金 額

比率

金 額

比率

金 額

比率

金 額

比率

金 額

比率

(千円)

(%)

(千円)

(%)

(千円)

(%)

(千円)

(%)

(千円)

(%)

輸出販売高

257,273

13.3

231,835

16.0

273,909

17.0

320,733

18.2

309,453

16.6

国内販売高

1,674,212

86.7

1,213,415

84.0

1,341,470

83.0

1,443,105

81.8

1,549,960

83.4

合     計

1,931,486

100.0

1,445,250

100.0

1,615,379

100.0

1,763,839

100.0

1,859,413

100.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

 (1) 財政状態の分析

   (流動資産)

      当期末における流動資産の残高は、3,673,456千円(前期末は4,445,802千円)となり、772,345千円減少いたしました。これは、現金及び預金が763,415千円減少したこと等によるものであります。

      現金及び預金の減少は、主に投資有価証券の購入によるものであります。

 

   (固定資産)

      当期末における固定資産の残高は、2,523,949千円(前期末は1,403,334千円)となり、1,120,615千円増加いたしました。これは、投資その他の資産が1,118,157千円増加したこと等によるものであります。

      投資その他の資産の増加は、主に投資有価証券の購入によるものであります。

 

   (流動負債)

      当期末における流動負債の残高は、262,491千円(前期末は248,999千円)となり、13,491千円増加いたしました。これは、未払金が6,697千円、未払法人税等が4,232千円、それぞれ増加したこと等によるものであります。

   (固定負債)

      当期末における固定負債の残高は、394,879千円(前期末は360,075千円)となり、34,804千円増加いたしました。これは、退職給付引当金が21,804千円、役員退職慰労引当金が13,000千円、それぞれ増加したことによるものであります。

 

   (資本)

      当期末における資本の残高は、5,540,035千円(前期末は5,240,061千円)となり、299,973千円増加いたしました。これは、前期決算の利益処分及び当期純利益の計上等によるものであります。

      自己資本比率は89.4%(前期末は89.6%)、1株当たり純資産額は、平成16年8月20日付をもって1株につき3株の割合で株式分割を行ったことにより、368,251円00銭(前期末は1,044,912円37銭)となりました。

 

 (2) キャッシュ・フローの分析

   第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況の項目をご参照下さい。

 

   (キャッシュ・フロー指標)

 

   

第14期

第15期(当期)

自己資本比率(%)

89.6

89.4

時価ベースの自己資本比率 (%)

199.8

126.3

債務償還年数(年)

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

   (注)自己資本比率:自己資本/総資産

      時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

      債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

      インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

   ※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。

       ※当社は、第14期から第15期(当期)まで有利子負債は全くありませんので、債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。

 

 (3) 経営成績の分析

   (売上高)

      第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績の項目をご参照ください。

 

   (営業利益)

      当期における営業利益は、698,078千円(前期は672,853千円)となり、25,225千円増加いたしましたが、営業利益の売上高比率は0.6ポイント下降し37.5%となりました。これは、売上高に対する売上原価の比率及び販売費及び一般管理費の比率がともに上昇したためであります。

 

   (経常利益)

      当期における経常利益は、707,319千円(前期は674,647千円)となり、32,671千円増加いたしました。これは、投資有価証券の購入により、営業外収益として有価証券利息が計上されたこと等によるものであります。

また、経常利益の売上高比率は0.2ポイント下降し38.0%となりました。

 

   (当期純利益)

      当期における当期純利益は、422,979千円(前期は393,829千円)となり、29,149千円増加いたしました。これは、経常利益が増加したこと及び外形標準課税制度の導入により、法人事業税の付加価値割及び資本割が販売費及び一般管理費に計上されたこと等によるものであります。

      また、当期純利益の売上高比率は0.4ポイント上昇し22.7%、1株当たり当期純利益は、平成16年8月20日付をもって1株につき3株の割合で株式分割を行ったことにより、27,113円95銭(前期は75,665円90銭)となりました。

 

 

 

 





出典: 株式会社エーワン精密、2005-06-30 期 有価証券報告書