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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

  当事業年度(平成21年4月1日から平成22年3月31日)における我が国経済は、在庫調整の一巡や経済対策の効果に加え、対外経済環境の改善により、回復のすそ野が徐々に広がりつつあるものの、一昨年からの金融危機の影響が長引き、デフレ克服の道筋が不透明のまま、企業収益の低迷、設備投資の減少、更には失業率が高水準にあることなどから、依然として厳しい状況で推移しました。

 このような経済環境において、我が国の医療関連大手は、国内市場よりも高い成長が見込まれる海外市場を開拓するため、企業合併・買収を進めており、バイオベンチャーにおいても海外で先行して開発を進めるなどの動きがみられました。一方、日本政府は、「規制改革推進のための3か年計画(再改定)」(平成21年3月31日閣議決定)に基づき、現行の法制度にとらわれることなく、臨床研究から実用化への切れ目ない移行を可能とする再生医療に最適な制度的枠組みを可及的速やかに構築するため、再生医療産業を担う関係者を対象にした検討会を継続的に実施し、革新的な再生医療産業の創出へ向けて政策を推進してきました。平成21年12月に閣議決定された「新成長戦略(基本方針)」の中でライフ・イノベーションが重要な柱として掲げられていることから、経済産業省は「バイオイノベーション研究会」を立ち上げ、バイオ医薬品など高度化している創薬プロセスに対応した技術力の強化や、国内外にある様々な技術シーズや知的財産を戦略的に取り入れ連携する、いわゆるオープンイノベーションへの対応を進めるなどの動きがみられました。また、日本政府は「医療は国民の生活を支える最も重要な社会基盤の一つ」と捉え、中央社会保険医療協議会にて、平成22年度の診療報酬を総枠で10年ぶりのプラス0.19%(約700億円)に改定しました。その内訳として、診療報酬本体は救急、産科・小児、外科等の医療の再建を重点課題にプラス1.55%(約5,700億円)となり、薬価等はマイナス1.36%(マイナス約5,000億円)となりました。

 当社は平成19年10月に自家培養表皮ジェイスの製造販売承認を取得し、平成21年1月から本製品の保険が適用されました。保険適用においては、『保険算定に関する留意事項』として、施設基準、算定限度等の条件が付与されました。そのため、当社は保険償還基準を満たした注文しか売上請求できない状況でありました。このような状況の下で販売を開始した自家培養表皮ジェイスは、保険償還基準を満たさない条件での出荷及び患者死亡により受注後に製造を中止した事例が当初想定した以上に多く発生いたしました。保険償還基準を満たしていない注文については、人道的観点から当社負担により対応してまいりましたが、平成22年4月1日付で保険償還基準の一つである施設基準が一部改定されることになりました。改定前に『保険算定に関する留意事項』として通知されていました「広範囲熱傷特定集中治療室管理料の施設基準の届出」につきましては、中央社会保険医療協議会の平成22年度診療報酬改定に係る検討におきまして、重点課題のひとつとして「地域連携による救急患者の受入れの推進について」の中で、「広範囲熱傷特定集中治療室管理料については、これまで専用の治療室を用いることを要件としていたが、様々な救急患者の受入れを円滑に行うため、要件を緩和して特定集中治療室管理料及び救命救急入院料の一項目として評価を行う。」とされました。これに伴い、「広範囲熱傷特定集中治療室管理料」の届出項目が削除され、「救命救急入院料3、救命救急入院料4又は特定集中治療室管理料2」に変更されることにより、結果として「施設基準」が大幅に緩和されることになりました。

 自家培養軟骨は、平成21年8月に、障害を受けた膝関節軟骨の補綴・修復及び関節機能の改善を目的として、再生医療製品である自家培養軟骨の製造販売承認申請を厚生労働省に提出しました。審査当局である独立行政法人医薬品医療機器総合機構から発せられた照会事項への対応を進めてきました。自家培養角膜上皮は、治験前の確認申請に当期中に適合することを目指しましたが、主要な照会事項への対応に時間を要したため、適合には至りませんでした。当該事業は、株式会社ニデックからの委託開発であり、早期に適合を受け治験を開始するために、製品仕様の一部変更を含めて医薬品医療機器総合機構と協議を進めます。研究開発支援事業である研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズについては、JaCVAM(Japanese Center for the Validation of Alternative Methods,日本動物実験代替法検証センター)が推進するバリデーション試験の遅れと経済危機の影響を受けたものの、着実に販売実績を積み重ねました。OECD(経済協力開発機構)においても、動物実験代替を目的としたラボサイトを使用した皮膚刺激性試験バリデーションの評価が進んでおります。

 こうした結果、当事業年度における売上高は211,659千円(前年同期比84.5%増)となりましたが、再生医療製品事業にかかる研究開発投資等から営業損失1,067,402千円(前年同期は1,102,590千円の営業損失)、経常損失1,096,015千円(前年同期は1,113,962千円の経常損失)となり、当期純損失は1,099,917千円(前年同期は1,133,985千円の当期純損失)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて58,091千円増加し、1,014,377千円となりました。

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)  

 営業活動の結果使用した資金は1,021,005千円となり、前事業年度末と比べ891千円減少しました。この主な要因は、再生医療製品事業の売上増加に伴い税引前当期純損失が改善されたこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は244,645千円となり、前事業年度末と比べ834,052千円減少しました。この主な要因は、研究棟取得をはじめとする有形固定資産等の取得による支出が増加したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は834,456千円となり、前事業年度末と比べ611,296千円増加しました。この主な要因は、長期借入金の借入れによる収入が320,000千円増加したことと、株式の発行による収入が301,292千円増加したこと等によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当事業年度における生産実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業

当事業年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

生産高

(千円)

前年同期比

(%)

再生医療製品事業

110,833

858.5

研究開発支援事業

39,080

103.9

 (注)1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注実績

 当事業年度における受注実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業

当事業年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

再生医療製品事業 

111,517

458.7

2,307

20.2

研究開発支援事業

40,344

108.5

2,171

184.1

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3) 販売実績

 当事業年度における販売実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業

当事業年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

販売高

(千円)

前年同期比

(%)

再生医療製品事業

172,293

221.8

研究開発支援事業

39,366

106.3

合計

211,659

184.5

 (注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成20年4月1日

至 平成21年3月31日)

当事業年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

販売高

(千円)

割合

(%)

販売高

(千円)

割合

(%)

株式会社ニデック

64,868

56.5

61,517

29.1

東海教育産業株式会社

34,200

16.2

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

     

3【対処すべき課題】

 当社は、「再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者様のQOL向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする。」との企業理念を掲げております。そこで、当社は再生医療の産業化を推進するために、会社が対処すべき課題を以下3分野に大別し、その解決に向けた取り組みを展開しております。

[A] 事業に関連する課題

[B] 経営インフラに関する課題

[C] 株式会社の支配に関する基本方針 

[A] 事業に関連する課題

① 自家培養表皮ジェイスの展開

 当社は、平成19年10月に、日本で最初のヒト細胞・組織利用製品となる自家培養表皮ジェイスの製造承認を取得し、平成21年1月より保険適用となりました。保険適用においては、算定限度、施設要件等の留意事項が付与されましたが、重症熱傷患者さまへのジェイス提供が始まりました。
 現在は、ジェイス承認の条件である製造販売後調査等(製造販売後臨床試験ならびに使用成績調査)を進めております。また、製造インフラ整備の一環として、培養作業者の教育を継続的に実施しております。一方、販売インフラ整備の一環として、医師用・患者用マニュアルをはじめとする各種販売促進資料の整備を継続的に進めております。

② 自家培養軟骨の展開

 当社は、平成21年8月に、障害を受けた膝関節軟骨の補綴・修復及び関節機能の改善を目的として、再生医療製品である自家培養軟骨の製造販売承認申請を厚生労働省に提出しました。

 現在、審査当局である独立行政法人医薬品医療機器総合機構から発せられた照会事項への対応を進めております。また、総合戦略プロジェクトとして、生産体制、販売体制等の整備を進めております。

③ 自家培養角膜上皮の展開

 当社は平成19年5月、自家培養角膜上皮の確認申請を提出しました。現在は独立行政法人医薬品医療機器総合機構から発せられた照会事項への対応を進めております。また、本技術導入元であるイタリアの2人の顧問と継続的に意見交換を行い、確認申請の適合を得て早期に治験が進められるように準備を進めております。
 当該事業は、株式会社ニデックからの委託開発であるために、進捗遅れが発生しないように定期的に会議を開催して対応しております。

④ 研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズの展開

 ラボサイト エピ・モデル、メラノ・モデルに加え、平成19年度には、培養キットとしてラボサイト セルカルチャーキットを上市し、ラボサイトシリーズとして拡販を進めてきました。

 現在、OECD(経済協力開発機構)においても、動物実験代替を目的としたラボサイトを使用した皮膚刺激性試験バリデーションの評価が進んでおります。当社は、ラボサイト エピ・モデルを使用した試験方法がJaCVAM(Japanese Center for the Validation of Alternative Methods,日本動物実験代替法検証センター)、OECD等の公式な試験方法として評価されることにより、本製品の販売促進に繋がると考えております。また、新規顧客の開拓と併せて、新製品の導入準備を進めます。

⑤ 探索研究の展開

 当社は、既存の製品パイプラインに加え、将来のティッシュ・エンジニアリング製品の上市に向け、探索的研究に関して経営資源を投入する必要があると考えております。そのために、次期パイプライン候補として、何にどのように取り組むべきかのフレームワークを策定し、新製品の探索研究を進めております。

⑥ 事業のグローバル展開

 海外への技術移転、研究開発のシーズ探索を中心とした海外企業・研究機関との提携及び共同、海外における製造・販売の事業化等、当社が永続的に成長するためにはグローバルな展開が必要であると考え、海外への事業展開を探索します。

 

[B] 経営インフラに関する課題

① 工場機能の最適化

 当社は、自家培養表皮ジェイスの製造承認取得と共に製造施設のQMS(品質マネジメントシステム)適合を取得しました。組織受入から製品出荷まで一貫した商用生産体制を構築し、継続した改善活動を展開しております。また、将来受注が増加した場合にも対応できるよう、コストダウン、知識・ノウハウ・技術の共有化、生産計画の最適化、情報化の推進を図っております。また、ジェイスとラボサイトシリーズの生産最適化に加え、自家培養軟骨の生産体制の準備も進めます。

② 営業体制の整備・拡充

 当社は、自家培養表皮ジェイスの承認取得後、速やかに受注・販売活動を行う体制を整備してまいりました。各種販促ツール、マニュアルの作成、医療機関向け資料などを整備しております。また、今後適切にジェイス営業とラボサイト営業双方の人員補強を行い販路拡充に努めます。

③ 信頼性保証体制の構築

 当社は、再生医療製品事業ならびに研究開発支援事業双方のQMSにおける信頼性保証業務を一元管理することを目的とし、信頼性保証体制の構築を行ってまいりました。QMSを管理する品質保証業務、再生医療製品の各種厚生労働省令への適合性確認と信頼性確保を行う薬事監査業務に加え、再生医療製品の安全確保と安全性情報の収集・評価・報告業務を担当する安全管理業務を適切に運用します。

④ PIR(PR&IR)の推進

  当社は、上場企業として、情報の適時開示体制を構築し、適切に情報開示を行っております。株主ならびに投資家へのIR活動に加え、再生医療事業推進のための世論形成を目的としたPR活動も積極的に展開します。

⑤ 内部統制報告制度への対応

 金融商品取引法の下、平成20年4月から適用された内部統制報告制度に対応するため、当社の内部統制体制をさらに強固なものにする必要があります。会社法の下で展開してきたコンプライアンス・リスク管理委員会の活動に加えて、財務報告の信頼性を確保するための仕組みを構築し運用しております。内部統制体制強化のため今後も継続的に改善を進めます。

⑥ 人事制度の改革

 当社の業務拡大と人材の多様化に伴い、平成20年度より新人事制度を導入しました。これにより、当社が求める人材の獲得と育成を加速させることを目指しております。また、会社の経営方針・目標を達成するための管理制度も見直し、継続的に改善を進めます。

⑦ 社屋拡張計画の策定・実行

 当社の業務拡大と社員数の増加に伴い、研究施設と事務エリアの不足に対応するため、平成21年6月に株式会社ニデックより隣接棟を取得しました。また、中期事業計画では、自家培養軟骨のための生産設備の実装も予定しております。事業の進捗度合いを勘案し、適切に社屋の拡張を行ってまいります。

⑧ 財務体質の強化

 当社は、研究開発型ベンチャー企業であり、多額の製品開発費用が先行して必要となります。そのため、継続的な営業損失が発生するとともに営業キャッシュ・フローもマイナスとなります。この対応として、自家培養表皮ジェイスを中心として売上増加をはかり、営業キャッシュ・フローを改善していくことと並行して、財務体質を強化するために、必要に応じて間接金融または直接金融を活用した資金調達を実施し、資金需要に備える予定です。

 

[C] 株式会社の支配に関する基本方針

 当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

① 当社の支配に関する基本方針 

 当社は、当社の財務及び事業の方針を決定する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。

 当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保、向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。

 また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えます。

 ただし、株式の大規模買付提案の中には、ステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社の価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。

 そのような大規模買付行為を行う者は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考え、かかる提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から経営を負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えます。

② 基本方針実現のための取り組み

a) 企業価値向上への取り組み

 当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュ・エンジニアリング(組織工学:生きた細胞を使い本来の機能をできるだけ保持した組織・臓器を人工的に作り出す技術)をベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する」ことを会社設立の趣旨とし、「再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者様のQOL(生活の質)向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする」という企業理念に基づいて事業を展開しています。平成19年10月に日本初の製造販売承認を取得し、平成21年1月より保険適用となった再生医療製品、自家培養表皮ジェイスをはじめとした薬事法の適用を受ける再生医療製品事業と、現在販売中であります薬事法の適用を受けない研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズ等の研究開発支援事業を展開しています。

 当社は企業価値向上への取り組みとして、年度毎に経営計画書を策定し、経営方針として事業推進強化、経営基盤強化を掲げ、全社員に伝達することにより目標の共有化を図っています。事業推進強化のため当社は、第一に、再生医療製品のメーカーとして、製造販売承認を取得した自家培養表皮ジェイスの製造販売活動を推進し、安定供給体制を構築するとともに、新たなビジネスモデルの確立を目指しています。次に自家培養軟骨の製造販売承認の取得、及び受託開発に基づく自家培養角膜上皮の確認申請の適合に向けた活動を推進しています。これらの3本柱を順に製品として市場に送り出し、製造販売することにより、収益を拡大することができるものと考えます。また、並行して海外展開を含めた次期製品ならびに将来事業の開発を推進しています。さらに、研究開発支援事業につきましては、研究用ヒト培養組織の販売拡大に注力するとともに、同製品のラインナップを増やすべく研究開発を進めています。これらの再生医療製品の開発、製造販売、ならびに研究開発支援事業製品の販売拡大が、当社の企業価値の大きな要素となっています。

 一方、経営基盤強化のため、適切な情報開示体制の構築と、再生医療の啓蒙を兼ねたPR活動及び多くの投資家の要望に応えることができるよう積極的なIR体制の構築、内部統制を実現する上で適切に牽制がかかり情報の信頼性を担保する情報システムの構築、事業の進捗と歩調を合わせた設備計画を推進しています。また、平成20年4月に導入しました新人事制度により、一層魅力のある職場環境の実現に努め、当社の永続的成長に不可欠な社員の育成・充実を図り、海外展開をも視野に入れた人材の強化を図ることができるものと考えます。

 このような当社の創業以来の取り組みの積み重ねが、現在の企業価値の源泉になっています。当社は、当社の企業文化の根源である設立趣旨、企業理念を高い次元で実現することにより、社会的意義を高め、経営資源を有効に活用するとともに、全てのステークホルダーとの良好な関係を維持・発展させ、結果として当社の企業価値及び株主共同の利益の向上に資することができるものと考えます。

b) コーポレート・ガバナンスについて 

 当社は、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するために、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制及び公正で透明性のある経営システムを構築し、これを維持することに取り組んでいます。

 当社が扱うヒト細胞・組織を利用したすべての再生医療製品は、薬事法の適用を受けるため、当社は薬事法を遵守して事業を展開しています。

 当社は経営環境の著しい変化に対応し、経営の透明性実現のため、以下のような内部統制システムを構築しています。

 当社の取締役会は9名で構成され、その内3名は社外取締役です。取締役会は当社の経営戦略を策定・遂行するとともに、取締役の職務遂行を監督しています。特に社外取締役の起用により多角的な視点を取り入れ、代表取締役や社内取締役の独走を牽制しています。

 また、監査役は取締役会及びコンプライアンス・リスク管理委員会等へ出席し、業務及び財産の状況の確認を通じて、取締役の職務遂行を監査しています。3名の社外監査役で構成される監査役会は、内部監査室及び会計監査人ならびに顧問弁護士と緊密な連携を保ち、情報交換を行い、監査の有効性・効率性を高めています。

 当社は創業時より、研究・開発事業に関する倫理的妥当性について審査を行うこと、及びヒト組織・細胞等の収集・提供の実施状況など事業全般にわたる倫理的評価を行うことを目的に、企業委員3名、外部委員7名で構成されるJ-TEC倫理委員会を設けています。

 さらに当社では、業務上抱える各種リスクを正確に把握・分析し、適切に対処すべく、継続的にリスク管理体制の強化に取り組んでいます。主管部署は経営管理部が担当していますが、総合的なリスク管理については、コンプライアンス・リスク管理委員会で討議し、必要に応じて取締役会で検討をしています。また、災害、重大事故、訴訟等の経営に重大な影響を与える事実が発生した場合には、直ちに担当部署から部長、情報開示担当役員である専務、社長に連絡する体制をとり、状況を迅速・正確に把握し、対処することとしています。

c) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

 当社は、平成20年5月14日開催の第129回取締役会において、「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策(以下「本プラン」という)」の導入を決議し、平成20年6月25日開催の当社第10期定時株主総会において、株主の皆様にご承認をいただきました。

③ 基本方針の具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

a) 買収防衛策に関する指針の要件を全て充足していること

 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しています。また、株式会社ジャスダック証券取引所の「上場有価証券の発行者による会社情報の適時開示等に関する規則」第2条の2に定める買収防衛策の導入に係る尊重事項(開示の十分性、透明性、流通市場への影響、株主の権利の尊重)も充足しております。

b) 当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること

 本プランは、当社株券等に対する大規模買付け等がなされた際に、当該大規模買付け等に応じるべきか否かを株主の皆様がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。

c) 株主意思を重視するものであること 

 本プランは、買付者等が本プランに定められた手続きに従うことなく大規模買付け等がなされた場合を除き、買付者等による大規模買付け等に対する対抗措置の発動について株主の皆様のご意思を直接確認するものです。

 また、本プランは取締役会の導入決議後、定時株主総会において株主の皆様のご承認を得たものであり、その有効期間は3年間と定められ、その後の当社株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランも当該決議に従い変更または廃止されることになります。従いまして、本プランの導入及び廃止には、株主の皆様のご意思が十分反映される仕組みとなっています。 

d) 合理的な客観的発動要件の設定 

 本プランは、その内容として、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しています。

e) デッドハンド型若しくはスローハンド型買収防衛策ではないこと 

 本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされております。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。

 また、当社は期差任期制を採用していないため、本プランはスローハンド型(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

  以上のことから、本プランは、当社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

4【事業等のリスク】

 以下に、当社の事業展開上のリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。

 当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避に努めるとともに、発生した場合の適切な対応策を準備する方針ではありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は本株式への投資に関連するリスクのすべてを網羅するものではありませんので、ご留意ください。

 

(1) 当社の事業内容について

[A] 再生医療の現状について

 日本では、再生医療は特定の医師、医療機関による高度な医療技術として臨床応用が行われてきました。しかし、当社では、この有用な先端医療技術を、特定の医療機関による少数患者を対象とした治療としてではなく、既存の医薬品や医療機器のようにより多くの患者に、より高い品質・安全性を確保したうえで提供するために、企業による製品としての供給体制が必要と考えております。そのためには、社内の信頼性保証システムの構築、医薬品・医療機器の製造基準であるQMS(品質マネジメントシステム)に適合した生産体制の確立、品質保証体制の確立などが必要となります。

 現時点においては、薬事法による製造販売承認を取得した再生医療製品は自家培養表皮ジェイスのみです。このような状況であるがゆえに、再生医療製品を受入れ、治療に使用するまでの社会基盤は未整備の状態であり、ビジネスモデルを構築するためには販売体制の整備、適正水準での保険収載、製造販売後のフォローアップ体制構築等、多くの課題を解決しなくてはならず、時間と多額の費用が掛かります。さらに、当社の想定どおりに再生医療の市場が開拓できない可能性があります。このような場合は、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 本再生医療領域は、バイオテクノロジーの急激な進歩に伴い、研究開発のスピードが大変速い領域であり、日々新しい研究成果や技術が生まれており、安全性や有効性に関する知見も進歩しています。そのため、これに伴い、新規の医薬品・医療機器に対応すべく、薬事法や指針等の追加・改正などが行われる可能性があります。例えば、法律、指針等の追加・改正により、動物由来原材料の使用が全面的に禁止される可能性も否定できません。ゆえに、事業化においては法律、指針等の追加・改正によりこのようなことがあれば、製品開発等の方向性の変更を余儀なくされ、又は研究開発等に追加投資が必要となるなど、不測のコストが発生する可能性もあります。このような場合においては、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

[B] ヒト又は動物由来の原材料の使用について

 医薬品や医療機器を製品として販売をするには、薬事法の規制があり、厚生労働省の製造販売承認の取得が必要です。なお、書類の審査は厚生労働省が所管する独立行政法人医薬品医療機器総合機構が担当し、製造販売承認申請後の製造販売承認審査プロセスは図(注7)のとおりであります。

 また、ヒト細胞・組織を利用した医薬品又は医療機器は治験実施前に確認申請を要するといった更なる規制が追加されております。

 当社の再生医療製品はヒト細胞・組織を利用したものですが、ヒト細胞・組織を利用した医薬品又は医療機器は、細胞・組織に由来する感染の危険性を完全には排除し得ないため、安全性に関するリスクが高いとされています。また、当社の再生医療製品の原材料やその製造工程で使用する培地には動物由来原料を使用しており、この動物由来原料の使用によって未知のウィルスによる被害等が発生する可能性を否定できません。このような場合、当社の業務及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、このような事例において、当社の過失が否定されたとしても、ネガティブ・イメージによる業界全体及び当社製品に対する信頼が失われ、当社の事業に影響を与える可能性があります。なお、生物由来製品を適正に使用したにもかかわらず発生した感染等による健康被害者に対して各種の救済給付を行い、被害者の迅速な救済を図ることを目的とし、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に基づく公的制度として「生物由来製品感染等被害救済制度」が平成16年4月1日に創設されております。

  

(注7)医薬品・医療機器の製造販売承認審査プロセス

出所)独立行政法人医薬品医療機器総合機構

 

[C] 各事業内容について

 当社の再生医療製品事業及び研究開発支援事業における事業リスクは以下のように想定されます。

① 自家培養表皮

a) 製造販売後調査等に関すること

 自家培養表皮は、1987(昭和62)年に米国で製品化されて以来今日までの約20年間、米国のみならず、欧州、豪州などにおいて、多くの症例に使われてきた実績のある医療材料であります。

 当社は、平成19年10月に厚生労働省より重症熱傷を対象とした自家培養表皮ジェイスの製造承認を取得しました。今回は、製造承認の条件として、治験症例がきわめて限られていることから、ジェイスの有効性及び安全性を確認するための製造販売後臨床試験を早期に実施することを求められており、臨床試験の進捗状況やその結果をまとめて速やかに厚生労働省へ報告する必要があります。この製造販売後臨床試験の結果により、安全性や有効性に問題が生じた場合は、承認が取り消されることもあり、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。またこれとは別に、原則として再審査期間(7年間)が終了するまでの間、全症例を対象とした使用成績調査を実施し、ジェイスの有効性及び安全性に関する情報を早期に収集し、その結果については定期的に厚生労働省に報告することが義務付けられています。また、自家培養表皮ジェイスの製造過程に用いられるマウス由来3T3-J2細胞にかかる異種移植に伴うリスクを踏まえ、新たな取扱いの基準が定められるまでの間、最終製品のサンプル及び使用に関する記録を少なくとも30年間保存するなど、必要な措置を講じることも義務付けられております。これらの結果から、自家培養表皮ジェイスの安全性に重大な問題が明らかになった場合や有効性が認められなかった場合には、承認が取り消されることもあり、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

b) 保険適用(保険収載)に関すること

 自家培養表皮ジェイスは、平成20年12月26日付厚生労働省告示第571号にて、平成21年1月1日から新たに保険適用となりました。しかしながら、厚生労働省保険局医療課長及び厚生労働省保険局歯科医療管理官より発出された保険適用に関する通知(「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」及び「診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について」の一部改正について;保医発第1226005号、平成20年12月26日付)により、ジェイスの保険適用に条件が付与されることになりました。それから約1年後に「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(保医発0305第5号、平成22年3月5日付)が発出されました。当該通知により、ジェイスの『保険算定に関する留意事項』が、平成22年4月1日より一部改定されることになりました。改定前に保険算定に関する留意事項として通知されておりました「広範囲熱傷特定集中治療室管理料の施設基準の届出」につきましては、中央社会保険医療協議会の平成22年度診療報酬改定に係る検討におきまして、重点課題のひとつとして「地域連携による救急患者の受入れの推進について」の中で、「広範囲熱傷特定集中治療室管理料については、これまで専用の治療室を用いることを要件としていたが、様々な救急患者の受入れを円滑に行うため、要件を緩和して特定集中治療室管理料及び救命救急入院料の一項目として評価を行う。」とされました。これに伴い、「広範囲熱傷特定集中治療室管理料」の届出項目が削除され、ジェイスの保険算定に関する留意事項が見直されました。

 改定後(平成22年4月1日から)のジェイスの「保険算定に関する留意事項」の概要は以下のとおりであります。

  

ア 自家植皮のための恵皮面積が確保できない重篤な広範囲熱傷で、かつ、受傷面積として深達性度熱傷創及び度熱傷創の合計面積が体表面積の30%以上の熱傷の場合であって、創閉鎖を目的として使用した場合に、一連につき20枚を限度として算定する。

イ 深達性Ⅱ度熱傷創への使用は、Ⅲ度熱傷と深達性Ⅱ度熱傷が混在し、分けて治療することが困難な場合に限る。

ウ 凍結保存皮膚を用いた皮膚移植術を行うことが可能であって、救命救急入院料3、救命救急入院料4又は特定集中治療室管理料2の施設基準の届け出を行っている保険医療機関において実施すること。

エ ヒト自家移植組織を使用した患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に症状詳記を添付する。

   

 今後、当該保険適用の条件の変更により、ジェイスの販売計画に重大な影響を及ぼす可能性があり、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

c) 製造インフラ構築に関すること

 自家培養表皮ジェイスのビジネスモデルは以下のとおりであります。患者の組織を医療機関から入手後、当社では当該組織の受入検査、組織・細胞の培養、培養された製品の出荷検査を実施します。そして、輸送に耐えうるよう包装した製品を医療機関に納品します。自家培養表皮は、受注製品であると同時に、患者本人の組織を使用するため、テーラーメイド医療の代表といえます。

 

            当社が想定している自家培養表皮ジェイスのビジネスモデル

 

 

 

 当社は、平成16年11月に新社屋を竣工し、高品質で安全性の高い培養表皮を生産するために必要なハードウェアを有するなど、医薬品・医療機器の製造基準であるQMS(品質マネジメントシステム)に適合する生産体制の整備を進めました。当社の製造設備においては、清浄空調設備や室圧管理システムによる環境管理、ならびに人・物の動線管理を行うことにより、クリーンな環境を保てるように配慮しております。また、研究開発−製造−品質管理・保証体制の円滑な連携によって、ソフトウェア面においてもこれら体制を合理的に維持するほか、細胞培養について十分訓練を受けた作業者が標準作業手順書に従い製造にあたる体制を構築しております。ただし、事故や何らかの理由で想定どおりに製造インフラが機能しなかった場合、あるいは品質保証体制や信頼性保証システムが想定どおりに運用できなかった場合には、自家培養表皮の事業計画や当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

d) 販売インフラ構築に関すること

 生きたヒト細胞を組み込んだ再生医療製品は、いまだ国内での販売実績が少なく、一般的な医薬品・医療機器とは異なる販売体制の構築が要求されます。

 当社では、重症熱傷の患者を治療する医療機関への適切な情報提供、担当医師への培養表皮使用に関する説明・啓蒙活動に加え、保険収載に基づいた製品価格体系の構築、受注生産体制の仕組み作り、ロジスティックスの整備、薬事法に対応した安全管理ならびに製造販売後調査体制の強化、関連研究会の発足など自家培養表皮ジェイスの販売体制をより強化する必要があります。

 ただし、ジェイスの販売体制の強化が思うように進まず、計画どおりの売上げを計上できない可能性があります。

e) 市場規模に関すること

 重症熱傷の治療を目的とした自家培養表皮ジェイスの適応対象は「自家植皮のための恵皮面積が確保できない重篤な広範囲熱傷で、かつ、受傷面積として深達性Ⅱ度及びⅢ度熱傷創の合計面積が体表面積の30%以上の熱傷」とされており、その市場規模は限定的なものです。さらに、自家培養表皮ジェイスの潜在市場が計画と異なり極端に小さい可能性は否定できません。これらのような場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。逆に、自家培養表皮ジェイスの対象市場が当社が想定する市場より大きい場合は、当社の保有する生産能力では十分な供給ができない可能性があります。

 また、自家培養表皮ジェイスは重症熱傷の治療を目的としているため、大量販売が可能な医薬品のように大きな市場が見込めるわけではなく、予定どおり販売できたとしても、これだけで十分な利益を獲得できるものではありません。

f) 適応症の拡大(注8)に関すること

 当社は、自家培養表皮ジェイスを重症熱傷患者の移植治療に安定供給することを通じて、再生医療産業の構築に注力したいと考えています。薬事法による製造販売承認では、当該医療機器を使用できる疾患(適応症)は明確に決められておりますが、将来、自家培養表皮ジェイスは、熱傷治療を通じて十分な安全性・有効性を確認した後、熱傷以外の疾患への適応拡大を図っていきたいと考えております。自家培養表皮は臨床研究等において、白斑、母斑、瘢痕、採皮創などの治療においても有用であることが国内、海外で実証されております。ただし、自家培養表皮ジェイスは、過去に適応症の拡大の前例がない新規の製品であることや、治療における患者のリスクとベネフィットの観点から、一般的に重篤でないとされている重症熱傷以外の疾患に対して、適応症が拡大されない可能性があります。

 

(注8)薬事法による製造販売承認では、当該医薬品・医療機器を使用できる患者(適応症)が明確に決められており、それ以外の疾患の治療には、当該医薬品・医療機器を使用することはできません。そこで、医薬品・医療機器を使用できる疾患の範囲を拡大するためには、拡大の対象となる疾患につき、承認取得後に適応症の拡大をするための追加治験を実施し、その有効性を確認したうえで治療の対象となる疾患を追加するための承認申請を行うことが薬事法上必要とされています。このように、医薬品・医療機器につき、治療対象となる疾患の種類を増やすことを「適応症の拡大」といいます。

 

② 自家培養軟骨

a) 製造販売承認取得に関すること

 当社では、自家培養軟骨について、平成16年2月に厚生労働省から治験前の確認申請の適合を得て、外傷性軟骨欠損症、離断性骨軟骨炎、変形性関節症を対象とした治験を実施し、平成19年3月に治験終了届書を提出しました。平成21年8月に本製品の製造販売承認申請を提出し、現在、当局による審査が進んでいます。しかし、製造販売承認取得時期は不確定要素が多く、承認取得が予想以上に遅れたり、申請どおりの適応対象が承認されなかったり、製造販売承認が取得できない可能性も否定できません。これらのような場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、製造販売承認後は、使用成績調査を実施する可能性があります。場合によっては、製造販売後臨床試験を求められることもあります。これらを含め、製造販売後の一定期間(注:期間は厚生労働大臣が指定する)内は、販売した製品の調査を行う必要があり、その結果を厚生労働省に報告することが義務付けられています。これらの結果から、自家培養軟骨の安全性に重大な問題が明らかになった場合や有効性が認められなかった場合には、承認が取り消されることもあり、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

b) 保険収載に関すること

 当社は、厚生労働省から製造販売承認を取得した後速やかに保険収載に向けた申請を行いますが、保険収載の申請は製造販売承認後に行われるため、収載の可否や導入時期、保険償還価格などは定かではありません。それゆえ、保険収載の可否や収載時期・収載内容によっては、当社の自家培養軟骨を当社が希望する価格で販売できない可能性もあります。

c) 製造および販売インフラ構築に関すること

 当社は、QMS(品質マネジメントシステム)を満たす生産設備を用いて自家培養軟骨の製造を行い、先行している自家培養表皮ジェイスの経験をもとに、販売体制の構築を行う計画にあります。ただし、製造販売体制の構築等に想定以上の時間あるいは費用等を要する可能性があるほか、想定どおりに構築できない可能性も否定できません。

d) 市場規模に関すること

 当社が想定する自家培養軟骨の潜在市場が計画と異なり極端に小さい可能性は否定できません。また、当社の自家培養軟骨の市場評価が思わしくなく計画どおりの売上げが達成できない可能性もあります。このような場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。一方、生産能力の観点から需要に供給が間に合わない可能性も否定できず、その場合は成長機会を逸する可能性もあります。

 

③ 自家培養角膜上皮

a) 薬事審査プロセスに関すること

 当社が開発中の自家培養角膜上皮は、アイバンクからの同種角膜移植を受けても視力回復が得られない患者等、既存治療法では治せない患者を対象としております。当社はイタリアの角膜バンクであるベネトアイバンクと契約を締結して、角膜上皮組織の採取、培養等の技術を導入しており、製造技術、品質管理技術などを整備し、平成19年5月に厚生労働省に確認申請を提出しました。しかしながら、予定通りに確認申請の適合を得て治験を開始できるか定かではなく、その後の薬事承認プロセスが想定どおりに進まない可能性があります。

b) 顧問契約に関すること

 当社は、イタリアのMichele De Luca博士とGraziella Pellegrini博士に技術指導を受けておりますが、今後、両博士とのコンサルティング契約が終了するなどの理由により、技術指導を受けられなくなる可能性を否定できません。このような場合、当社の研究開発の進捗に影響を及ぼす可能性があります。

c) 委託契約に関すること

 自家培養角膜上皮の開発は、眼科医療機器メーカーである株式会社ニデックからの受託開発として進められています。当社は、株式会社ニデックが要求する製品の開発が完了した後、厚生労働省に製造販売承認申請書を提出します。株式会社ニデックとの委託契約により、自家培養角膜上皮に関する販売権は株式会社ニデックに帰属するため、当社が株式会社ニデックの指示に従いQMS(品質マネジメントシステム)を満たす当社製造設備を用いて自家培養角膜上皮の製造を行い、妥当な価格にて株式会社ニデックに販売する計画です。しかしながら、株式会社ニデックの経営方針の変更等により受託開発契約の更改中止や規模縮小等の可能性も否定できません。このような場合には当社の事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 研究用ヒト培養組織

  当社は、平成17年4月よりヒト正常表皮角化細胞を培養して重層化したヒト3次元培養表皮モデルLabCyte EPI-MODEL(ラボサイト エピ・モデル)を、平成18年11月よりシミや日焼けの原因となるメラニン研究領域においてニーズのあるメラノサイト含有モデルLabCyte MELANO-MODEL(ラボサイト メラノ・モデル)を研究用試薬として、平成19年9月より研究用ヒト培養組織を活用し様々な研究が促進されるようラボサイト セルカルチャーキットを研究支援ツールとして、薬事法の規制を受けることなく、化粧品、製薬、化学薬品等のメーカーや安全性試験受託機関等に販売しています。

 こうした研究用ヒト培養組織の製造販売事業については、当社は後発参入組であり、当市場には競合企業が複数存在します。そのため、競争の激化に伴う販売量の伸び悩みや、過当競争による販売価格の下落懸念、製造数量の増加による製造経費の増大、販売拡大のための営業体制の見直しに伴う経費の増大等の事情により、収益性が低下する可能性があります。また、売上増加施策の一つとして、特定地域では直販体制に代えて代理店経由での販売を始めておりますが、当社の想定どおり販売増加に繋がらない可能性があります。このような場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 全く新しい事業領域であることについて

 当社は、平成11年2月に、株式会社ニデック(設立:昭和46年7月、本社:愛知県蒲郡市、事業内容:眼科医療機器ならびに眼鏡関連機器の開発・製造・販売、自家培養角膜の研究)が母体となり、株式会社イナックス(現、株式会社INAX)、富山化学工業株式会社ならびに株式会社セントラルキャピタル(現、三菱UFJキャピタル株式会社)と共同出資し、ティッシュ・エンジニアリングを技術ベースに再生医療を事業領域とする企業として愛知県蒲郡市に設立された会社であります。わが国における再生医療の事業領域は黎明期であるため不確定要素も多く、今後の経営成績を判断する材料として、過年度の経営成績及び財務諸表等のみでは不十分な面があります。

 

(3) 経営成績の推移等について

[A] 過年度における業績推移について

当社の主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。 

回次

第8期

第9期

第10期

第11期

第12期

決算年月 

 平成18年3月

 平成19年3月

平成20年3月

平成21年3月

平成22年3月

 売上高       (千円)

68,872

103,365

111,752

114,724

211,659

  再生医療製品事業

61,659

84,946

77,313

77,675

172,293

  研究開発支援事業

7,213

18,419

34,439

37,048

39,366

 経常損失      (千円)

793,530

912,668

1,049,967

1,113,962

1,096,015

 当期純損失     (千円)

690,648

916,441

1,086,238

1,133,985

1,099,917

 1株当たり当期純損失 (円)

10,034.55

13,269.45

13,074.45

11,218.14

10,808.51

 純資産額      (千円)

1,330,952

1,858,111

3,532,472

2,418,487

1,641,569

 総資産額          (千円)

2,356,883

3,874,356

4,327,250

3,453,340

3,197,783

 営業活動による
 キャッシュ・フロー (千円)

△597,653

△775,400

△981,718

△1,021,897

△1,021,005

 投資活動による
 キャッシュ・フロー (千円)

16,053

56,086

△1,922,150

1,078,697

244,645

 財務活動による
 キャッシュ・フロー (千円)

△96,828

2,441,620

1,540,860

223,160

834,456

 現金及び現金同等物
 の期末残高         (千円)

317,043

2,039,278

676,314

956,286

1,014,377

 (注)1 売上高には、消費税等は含まれておりません。

    2 第8期及び第9期の財務諸表については、旧証券取引法第193条の2の規定に基づき、第10期及び第11期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、監査法人トーマツの監査を受けております。また、第12期の財務諸表については、金融商品取引法193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツの監査を受けております。

       3 経営成績の変動理由は以下のとおりです。

  第8期は、新たに研究用ヒト培養組織LabCyte EPI-MODEL(ラボサイト エピ・モデル)の売上が加わったものの、人員増加に伴う人件費の増加や第7期における新社屋建設に伴う水道光熱費等の設備費増加等により、経常損失及び当期純損失を計上しました。

 第9期は、自家培養角膜上皮の受託開発で委託試験が終了したことや、研究用ヒト培養組織LabCyte EPI-MODEL(ラボサイト エピ・モデル)の販売数が伸びたことで売上高は増加しましたが、人員補強による人件費の増加や委託試験等が増えたことで研究開発費が増え、経常損失及び当期純損失を計上しました。

 第10期は、研究用ヒト培養組織LabCyte EPI-MODEL(ラボサイト エピ・モデル)の販売増加で売上高は増加しましたが、人材確保による人件費や研究開発費用等により、経常損失及び当期純損失を計上しました。

 第11期は、自家培養表皮ジェイスの販売開始に伴い売上高は増加しましたが、人材確保による人件費や研究開発費用等の増加により、経常損失及び当期純損失を計上しました。

 第12期は、自家培養表皮ジェイスの販売増加により売上高は増加しましたが、研究開発費用の増加等により経常損失及び当期純損失を計上しました。 

 

[B] マイナスの繰越利益剰余金を計上していることについて

 当社は研究開発型ベンチャー企業であり、多額の製品開発費用が先行して計上されることとなります。そのため、第12期末において△7,618,330千円の繰越利益剰余金を計上しております。

 当社は、中長期事業計画に基づき、将来の利益拡大を目指しております。しかしながら、上記記載のように、設立以来経常損失を計上しており、当社は将来において計画どおりに当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社の事業が計画どおりに進展せず当期純利益を獲得できない場合には、さらに継続的な営業損失が発生する可能性があり、マイナスの繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。

 

[C] 資金繰りについて

 当社は研究開発型企業として多額の研究開発資金を必要とします。そのため、事業計画が計画通りに進展しない等の理由から想定したタイミングで資金を確保できなかった場合には資金不足となり、当社の資金繰りの状況によっては事業存続に多大な影響を与える可能性があります

 

[D] 税務上の繰越欠損金について

 現在のところ税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、事業計画の進展から順調に当社業績が推移するなどして繰越欠損金による課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純利益又は当期純損失及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

(4) 研究開発活動について 

 当社は研究開発型企業として、産学連携のもと、大学との共同研究や臨床試験を進めております。また、当社が手掛けている再生医療製品事業そのものが新しいため、社内のすべての部署が事業開発に深く関与しております。

  当社の研究開発費は、平成18年3月期216,504千円、平成19年3月期272,348千円、平成20年3月期200,538千円、平成21年3月期359,517千円そして平成22年3月期425,242千円であり、事業予算に占める研究開発費は多額なものとなっております。

 しかしながら、研究開発活動が計画どおりに進まない可能性は否定できず、そのような場合、当社の事業戦略、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

  当社が進めている再生医療製品事業は、製品開発に長期間を要し、かつ、治験前の確認申請や製造販売承認等の薬事承認プロセスにも不確定要素が多いため、事業計画の想定以上に研究開発期間が延びた場合は、研究開発費の負担増が当社業績を圧迫するなど業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 競合について

 当社はティッシュ・エンジニアリングを技術ベースに、再生医療製品の開発を進めております。この業界は事業として参入している企業はまだ少ないものの、研究開発を進めながら参入を検討している潜在的な競合相手は少なくないと想定しております。また、海外で実績がある企業が参入してくる可能性もあります。さらに、本業界における技術の進歩は速く、後発参入の製品機能は、先発製品の機能を少なからず上回り、競争が激化することは容易に想定されます。それら競合相手の中には、技術力、マーケティング力、財務状況等において当社と比較して優位にあると思われる企業もあり、製品機能だけではなく、生産性や販売力で当社を上回る可能性が考えられます。そのため、当社では早期の事業化に努めておりますが、これら競合相手との競争においては、計画どおりの収益をあげることができない可能性もあります。

 

(6) 知的財産権等について

 現在、当社の事業に関連した特許等の知的財産権について、第三者との間で訴訟や権利侵害といった問題が発生したという事実はありません。

 当社は現在、事業展開上の重要性を考慮しつつ、製法や製品構成、パッケージなどの特許出願を精力的に行っております。出願時には特許性調査も行い、今後も知的財産権を戦略的に取得又は活用していく方針ですが、すべての特許出願について登録に至るとは限りません。当社の重要な技術についての特許が成立しなかった場合、他社製造の競合品に対して特許権を行使することができず、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、当社事業領域を包含するバイオテクノロジー関連産業においては、日々研究開発競争が繰り広げられており、当社が当社技術を特許権により保護したとしても、当社の研究開発を超える優れた開発力により、当社の特許が淘汰される可能性は常に存在していると考えます。仮にそのような研究が他社によりなされた場合には、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 一方、当社では他社特許に関する調査を随時行っており、現時点において、当社事業が他社の特許権等に抵触する可能性は低いものと認識しております。当社は今後とも知的財産権侵害問題の発生を未然に防止すべく、特許調査等対応を進めていきますが、当社は多岐にわたる研究開発活動を行っており、かかる問題を完全に回避することは困難です。将来、当社が第三者の特許権に抵触する等の理由で紛争に巻き込まれた場合は、弁護士や弁理士との協議の上、その内容によって個別に具体的な対応策を検討していく方針ですが、解決に厖大な時間及び経費を要する恐れがあり、場合によっては事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社は、知的所有権以外にも、例えば、品質保証や培養技術、生産管理技術、薬事業務、販売業務等多様な経験とノウハウ、3T3-J2細胞をはじめとする特殊な材料等によっても、競合他社との差別化を図る努力をしています。しかし、これらの経験やノウハウが社外へ流出する可能性や、特定の材料を競合他社が入手する可能性は否定できません。また、当社は、大学等研究者や他の研究機関等(以下、研究機関等という)との間で契約を締結し、ノウハウの提供や技術指導を受けていますが、当該契約の終了に伴って、研究機関等から他社に対して、当社の事業領域に関するノウハウの提供等がなされる可能性は否定できません。当社の意向に反して、かかる事態が生じた場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 大学及び研究機関との関係について

 当社は、大学や他の研究機関との連携を通じて研究開発業務や事業基盤の強化を行っております。具体的には、当社の事業に関し、大学教員と顧問契約を締結し技術指導を受ける、又は大学と共同研究を行うなどしております。しかしながら、大学教員と企業との関係は、法令や各大学の規程等に影響を受ける可能性があり、また、国立大学の独立行政法人化により、大学の知的財産権に対する意識も変化しつつあります。したがって、当社の希望どおりに共同研究や権利の譲渡を行うことができない場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 本社社屋について

 当社は、平成16年11月に愛知県蒲郡市三谷北通に新社屋を竣工し、本社を移転しております。また、平成21年6月には、隣接棟を取得しており、平成22年3月期末現在、本社に係る有形固定資産の貸借対照表計上額は1,498,501千円と当社の総資産額3,197,783千円に対して多額であり、減価償却費等の増加も見込まれます。想定どおりに再生医療製品事業が進展しなかった場合など進捗状況によっては減損対象となり、当社の事業戦略や業績等に影響が生じる可能性があります。また、地震等の自然災害の発生により、製造設備を含め、本社屋のいずれかに壊滅的な損害を被った場合には、損壊設備の復旧等に多額の費用が発生することとなり、そうした場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 当社の組織体制について

[A] 特定人物への依存について

 当社の代表取締役社長である小澤洋介は、当社の最高責任者として、経営戦略を決定するとともに、研究開発、事業開発全般にわたる方針の策定及び実施・進捗管理において重要な役割を果たしております。また、専務取締役大須賀俊裕は、社長を補佐し、信頼性保証業務、コンプライアンス担当、情報開示担当、マイルストーン開示担当の取締役として重要な役割を果たしております。研究及び製品開発業務においては常務取締役畠賢一郎が、生産及び生産技術ならびに品質管理及び生産管理業務においては取締役森由紀夫が、営業業務においては取締役黒田享が、経営管理及び経理業務は大林正人が、それぞれ重要な役割を担っております。さらに、社外取締役3名を招き、法令遵守のもと、客観性のある経営を推進しております。

 当社は事業運営において、代表取締役社長及びこれらの取締役に過度に依存する体制を避けるべく、権限の委譲や人員拡充等により組織的対応を強化しております。しかし、当社組織は依然として小規模であり、代表取締役社長及びこれらの取締役が何らかの理由により当社業務の遂行が困難となった場合、当社の事業戦略や経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

[B] 小規模組織であること

 当社は平成22年3月末現在、役員及び従業員計124名の小規模な組織です。当社は相互牽制、内部統制及びコンプライアンス・リスク管理など組織的対応の強化を図るよう努めておりますが、現状では、小規模組織で人的資源に限りがあるため、個々の役員及び従業員の働きに依存している面もあり、役員及び従業員に業務遂行上の支障が生じた場合又は役員及び従業員が社外流出した場合には、当社の業務に支障をきたす可能性があります。

  他方、急激な規模の拡大は、固定費の増加につながり、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

[C] 人材の確保と育成

 当社の発展のためには、優秀な人材の確保を重要課題としてとらえております。定期的な新卒採用に加え、中途採用も積極的に実施しております。これらに加え、成功報酬として新株予約権付与等も行い人材確保対策の一つとします。さらに、社内においては教育システムの充実、人事・評価制度の積極的改善など総合的対策により、活気ある独自の企業造りを進めております。

 しかし、人材の確保及び育成が計画どおりに進まない可能性、育てた人材が社外へ流出する可能性があります。このような場合には、当社の業務に支障をきたす可能性があります。

 

(10) 製造物責任のリスクについて

 医薬品・医療機器の設計、開発、製造及び販売には、製造物責任賠償のリスクが内在しております。当社が開発した医療機器が患者の健康被害を引き起こした場合、又は治験、製造、営業もしくは販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社の業務及び財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、このような事例において結果として当社の過失が否定されたとしても、当社に対し製造物責任に基づく損害賠償請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、当社製品に対する信頼に悪影響が生じ、当社の事業に影響を与える可能性があります。

 

(11) 関連当事者について

 当社関連当事者である株式会社ニデックは、当社の自家培養角膜上皮事業における開発委託元であるのみならず、当社創業時に当社の母体となって出資をするなど大変重要な役割を担っております。

  そのため、今後、株式会社ニデックとの関係に大きな変化が生じた場合、当社の事業戦略や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

①関連当事者の商号等

商号

属性

住所

事業内容

議決権等の被所有割合(%)

 株式会社ニデック

 主要株主

愛知県
蒲郡市

眼科医療機器ならびに眼鏡関連機器の開発・製造・販売、自家培養角膜の研究

19.69

(注)株式会社ニデックは非上場会社であり、当社代表取締役社長小澤洋介の実兄小澤素生が代表取締役社長を務める会社です。

 

②当社と株式会社ニデックとのその他の関係

平成22年3月31日における当社の役員12名のうち以下の1名が株式会社ニデックの役員を兼任しております。

当社における役職

氏名

株式会社ニデックにおける役職

 社外取締役(非常勤)

 倉橋 清隆

取締役

 

③当社と株式会社ニデックとの取引 (自 平成21年4月1日 至 平成22年3月31日)

種類

会社等の名称又は氏名

所在地

資本金又

は出資金

(千円)

事業の内容

又は職業

議決権等の所有(被所有)割合

(%)

関連当事者との関係

取引の内容

取引金額

(千円)

科目

期末残高

(千円)

主要株主 

 

株式会社ニデック

 

愛知県蒲郡市 

 

461,890

  

眼科医療機器ならびに眼鏡関連機器の開発・製造・販売、自家培養角膜の研究

  

(被所有)

直接

19.69

 

当社への開発委託

役員の兼任

  

受託開発収入

(注2(1))

61,459

売掛金

5,717

製品売上

(注2(2))

57

建物使用料

(注2(3))

2,050

動物施設等の賃借

(注2(4))

2,361

諸経費

(注2(5))

4,598

諸経費の立替払

(注2(6))

4,053

土地、建物の購入

(注2(7))

508,509

第三者割当増資

(注2(8))

318,000

 (注)1 上記金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておらず、期末残高には消費税等が含まれております。

2 取引条件及び取引条件の決定方針等

(1) 株式会社ニデックからの受託開発収入は契約をもとに決定しております。

(2) 株式会社ニデックへの製品売上は、市場価格を勘案して一般取引条件と同様に決定しております。

(3) 株式会社ニデックへの建物使用料は積算価格等を参考に決定しております。なお、本取引は平成21年5月31日をもって終了しております。

(4) 株式会社ニデックへの動物施設等の賃借料は、賃借期間や管理者人件費等を勘案して決定しております。

(5) 株式会社ニデックへの諸経費の支払額は、株式会社ニデックから賃借している建物に係る電気・水道及び重油等の使用実績に基づき決定しております。

(6) 株式会社ニデックへの諸経費の立替払いは、コンサルティング料等の支払いのうち、株式会社ニデック負担分について当社が一時的に立替払いをしたものであります。

(7) 株式会社ニデックからの土地、建物購入価格については、不動産鑑定士の鑑定価格を参考に決定しております。

(8) 株式会社ニデックの当社第三者割当増資については、平成22年2月12日開催の取締役会決議に基づいて行ったものであります。

5【経営上の重要な契約等】

(1) 研究開発にかかる資金借入関係

契約書名

資金貸付基本契約証書

相手方名

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(現、独立行政法人医薬基盤研究所)

契約締結日

平成11年3月23日

主な契約内容

医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構が、当社が行う組織工学を基礎とした皮膚を中心とする医用バイオ組織の研究開発のための資金を、本契約及び年度ごとに別途締結する年度別貸付契約に基づいて、契約締結年度(平成10年度)から6年間に分けて貸付ける。

 (注) 貸付が行われた期間は、平成10年度から平成15年度で、現在、貸付は終了しています。ただし、平成15年度より返済を開始しており、平成25年度で完済する予定です。 

(2) 再生医療製品(培養表皮、培養軟骨及び培養角膜等)の研究及び事業開発に関する諸契約

契約書名

新技術開発成果実施契約

相手方名

独立行政法人科学技術振興機構

契約締結日

平成21年2月13日

契約期間

原権利(特許権)の消滅する日まで

主な契約内容

当社は、独立行政法人科学技術振興機構より「自動制御培養法を用いたヒト培養軟骨」に関する新技術に関する特許(特許出願を含む)等(以下「本開発成果」という)の実施許諾を受けてこれを実施し、当社はその対価として売上の一定割合を開発納付金として15年間、もしくは開発納付金の累計額が、独立行政法人科学技術振興機構が当社に支出した委託開発費の2倍(最大で9億9千万円)に達する時点まで支払う。独立行政法人科学技術振興機構は、開発成功の認定の日以降3年間は当社以外の者に本開発成果の実施を許諾しない。

  (注) 本契約は、独立行政法人科学技術振興機構と平成12年3月31日に締結した「新技術開発成果実施契約」にかかる本開発が、同機構のPO(プログラム・オフィサー)評価会議の審査を受け、平成20年2月に成功と認定されたことによるものです。 

 

契約書名

CONSULTING CONTRACT

相手方名

・Michele De Luca

・株式会社ニデック

契約締結日

平成15年7月27日

契約期間

平成15年8月1日から平成17年7月31日まで(平成17年8月1日付及び平成19年7月18日付 CONSULTING CONTRACTにより平成21年7月31日まで延長)

期間満了前にどちらかが解約の申し出を行わなければ2年毎の延長。

主な契約内容

Michele De Luca,M.D.が、当社及び株式会社ニデックに対して、皮膚及び角膜の培養技術ならびに培養製品の品質管理等に関するアドバイスをし、当社及び株式会社ニデックが、Michele De Luca,M.D.に対して、その対価を支払う。

 

契約書名

CONSULTING CONTRACT

相手方名

・Graziella Pellegrini

・株式会社ニデック

契約締結日

平成15年7月27日

契約期間

平成15年8月1日から平成17年7月31日まで(平成17年8月1日付及び平成19年7月18日付 CONSULTING CONTRACTにより平成21年7月31日まで延長)

期間満了前にどちらかが解約の申し出を行わなければ2年毎の延長。

主な契約内容

Graziella Pellegrini,Ph.D.が、当社及び株式会社ニデックに対して、皮膚及び角膜、結膜の培養技術ならびに培養製品の品質管理等に関するアドバイスをし、当社及び株式会社ニデックが、Graziella Pellegrini,Ph.D.に対して、その対価を支払う。

以下の「KNOW-HOW LICENSE AGREEMENT」は、契約期間の満了により平成21年7月31日をもって終了しました。 

契約書名

KNOW-HOW LICENSE AGREEMENT

相手方名

・The Veneto Eye Bank Foundation

・株式会社ニデック

契約締結日

平成20年7月18日

契約期間

平成20年1月2日から平成21年7月31日

主な契約内容

当社及び株式会社ニデックは、The Veneto Eye Bank Foundationから、同Foundationが保有する培養角膜に関する技術情報や製造方法等のノウハウ(以下「ノウハウ」という)の提供を受け、日本、韓国、台湾、中国、インド、シンガポール等のアジア全域においてノウハウを独占的に使用して培養角膜製品を製造、使用、販売する権利を有する(注)。また、本契約期間中に、ノウハウとして提供された技術等につき改良や修正等が生じた場合には、直ちに互いに開示しあうものとする。当社及び株式会社ニデックは、ノウハウの提供を受けることの対価として、毎年一定の金額を同Foundationに支払う。当社及び株式会社ニデックと同Foundationが共同で新しい発明をした場合、所有権は同等に共有する。ただし、同Foundationとは独立に発明した場合、所有権は当社及び株式会社ニデックに帰する。 

(注:当社及び株式会社ニデックは、同Foundationから日本を含む特定の国において培養角膜に関する特許(特許出願を含む)についても実施許諾を受けるものとされているが、現時点ではかかる特許はない。)

契約書名

委託契約書

相手方名

株式会社ニデック

契約締結日

平成16年4月1日

契約期間

本製品の製造販売承認が得られるまで

主な契約内容

当社は、株式会社ニデックより、培養角膜上皮細胞シート(以下「本製品」という)に関する技術開発、薬事申請及びその他の関連業務を受託し、委託料の支払いを受ける。本製品の開発に基づく成果は、原則として株式会社ニデックに帰属するが、本製品の開発の過程で得られた技術等は、当社が本製品以外の製品に自由に使用できる。また、本製品に関する特許権や特許を受ける権利等は、当社と株式会社ニデックとの共有とする。

 

契約書名

ADVISORY AGREEMENT

相手方名

Howard Green

契約締結日

平成20年5月14日

契約期間

平成20年5月1日から平成21年4月30日(平成21年4月30日付ADVISORY AGREEMENTにより平成22年4月30日まで延長。これ以降、互いに問題がなければ1年毎の自動延長。)

主な契約内容

Prof. Howard Green, M.D.が当社に対して、自家培養皮膚や次世代製品についての科学的およびビジネスに関するアドバイスをし、当社がProf. Howard Green, M.D.に対してその対価を支払う。

 

契約書名

共同研究契約書

相手方名

独立行政法人理化学研究所

契約締結日

平成21年9月1日

契約期間

平成21年9月1日から平成25年8月31日まで

主な契約内容

独立行政法人理化学研究所(以下「理研」という)及び当社は、iPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性治療のプロトコルを「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」に準拠するよう改良することを目的とし、「iPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植の応用と臨床研究」に関する共同研究(以下「本研究」という)を行う。理研及び当社は、本研究の実施機関終了後(平成21年9月1日から平成25年8月31日)2ヶ月以内に、当社が本研究の成果の事業化の担い手となる企業になるか否かにつき、協議して決定する。当社は、自らが事業化企業とならなかった場合には、共有特許の自己の持分を事業化企業に実施許諾するものとし、理研が改良プロトコル及びデータ等を当該実施企業に提供することを同意するものとする。

  

契約書名

共同研究開発基本契約書

相手方名

株式会社セルシード

契約締結日

平成21年10月30日

契約期間

平成21年10月30日から平成24年10月29日まで。(契約締結日から3年間とする。ただし、期間満了の3か月前までに両者のいずれからも解約の意思表示のないときは、本基本契約は更に満1年間自動的に継続更新されるものとし、以後も同様とする。)

主な契約内容

株式会社セルシードと当社は、両社が保有する技術及びノウハウを活用し、次世代再生医療製品及びサービスならびにビジネスモデルを共同開発する。本基本契約に基づいて株式会社セルシードと当社が共同で取り組む研究開発テーマは、両社合意の上で別途個別共同研究開発契約をもって定める。

 

契約書名

委託研究契約書

相手方名

独立行政法人科学技術振興機構

契約締結日

平成22年1月1日

契約期間

平成22年1月1日から平成22年3月31日まで(平成22年4月1日付委託研究契約により平成24年3月31日まで延長) 

主な契約内容

独立行政法人科学技術振興機構(以下「機構」という)と当社は、機構の戦略的イノベーション創出推進事業における研究課題「細胞移植による網膜機能再生」(以下「本課題」という)の実施に関し、本委託研究契約を締結する。機構は本課題を当社に委託し、当社はこれを受託する。本委託研究の過程で発明等を行ったことにより生じた知的財産権は、原則として当社に帰属する。

本課題の最終目標は、iPS細胞を用いて難治性網膜疾患に対する細胞移植治療を世界で初めて開発することであり、その治療関連技術の産業化への道筋を示すことである。

6【研究開発活動】

 当社は、ティッシュ・エンジニアリング(組織工学)を学術的基盤として、生きた細胞を用いた人工組織・臓器の開発に取り組み、再生医療の発展に貢献すべく活動しております。具体的には、患者自身の細胞(自家細胞)による培養組織の安定的製造及び品質管理の体制を構築するため、数多くの試験を実施しております。

 当事業年度における事業別の研究開発活動は以下のとおりであります。

(1) 再生医療製品事業

[A] 自家培養表皮

 当社における自家培養表皮は、平成19年10月に、日本で最初のヒト細胞・組織利用製品「ジェイス」として製造承認を取得しました。また、平成21年1月より、ジェイスは保険適応品目として収載されました。当事業年度は、ジェイス上市後の活動として、使用成績調査を実施すると共に、製造販売後臨床試験にむけた活動を行っております。さらに、ジェイスをより有効に使用いただけるよう、医療機関に向けた情報提供等の活動を行っております。 

[B] 自家培養軟骨

 当社における自家培養軟骨は、平成16年に確認申請の適合を受け、治験を進めてまいりました。その結果、平成19年3月に治験終了届を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出するに至りました。当事業年度における活動では、平成21年8月に自家培養軟骨の製造販売承認申請を同機構に提出し、本格的な審査を受ける段階に入っております。審査がすすむにつれて、必要な安全性並びに有効性を示す照会事項に対応し、自家培養軟骨の承認取得を目指した活動を行っております。

[C] 自家培養角膜上皮

 当社における自家培養角膜の研究・開発はイタリアの角膜バンクであるベネトアイバンクとの技術提携によって進めております。ベネトアイバンクは培養角膜の基礎および臨床研究において世界有数の実績を持ち、高性能な培養角膜を製造する技術を有しております。ベネトアイバンクから本品目の技術移管を受けた後、安全性を確保するために必要な試験を当社において実施してまいりました。その結果、平成19年5月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対しまして確認申請を提出するに至りました。その後、同機構から発せられた照会事項に対応すべく活動を続けております。当事業年度は、自家培養角膜の臨床試験に向けて確認申請の適合をめざし、必要とされる試験を追加実施すると共に、臨床試験にむけた活動を開始しております。なお、自家培養角膜上皮に関する当該研究開発業務は株式会社ニデックからの委託を受けて実施しております。

 

(2) 研究開発支援事業

 当社は、再生医療製品事業における研究開発により蓄積された高度な細胞培養技術をもとに、平成17年に研究用ヒト培養組織、LabCyte EPI-MODEL(ラボサイト エピ・モデル)、平成18年にはLabCyte MELANO-MODEL(ラボサイト メラノ・モデル)、平成19年には簡便な組織片培養を可能にするCCK(Cell Culture Kit セルカルチャーキット)を発売してまいりました。その結果、本品目の関連業界における認知度が高まり、業績の向上につながっております。当事業年度においては、これら製品の販売促進を目的として、顧客ニーズをもとにした営業支援データを蓄積するとともに、研究結果の一部を学会・論文発表してまいりました。さらに、LabCyte EPI-MODEL拡販のためにJaCVAM(Japanese Center for the Validation of Alternative Methods、日本動物実験代替法検証センター)が推進する皮膚刺激性試験のバリデーション試験を通じて、同モデルを使用した試験の公的な評価を受けているところです。これにより、同モデルの顧客への信頼性を高め、販売の促進につながると考えております。本事業は、当社が薬事法の規制外品目を含めた複数の事業を持つことで、再生医療関連製品における薬事承認審査の厳格化に備えたものであります。

 

 当事業年度の研究開発費の総額は425,242千円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

 当事業年度末において、総資産は3,197,783千円(前事業年度末と比べ255,556千円減少)、負債は1,556,214千円(前事業年度末と比べ521,361千円増加)、純資産は1,641,569千円(前事業年度末と比べ776,917千円減少)となっており、有利子負債は1,248,454千円(前事業年度末と比べ513,304千円増加)となっております。

 当事業年度における資産、負債及び純資産の状態に関する分析は以下のとおりであります。

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産の残高は1,644,403千円となり、前事業年度末から660,098千円減少いたしました。この主な要因は、第三者割当増資や金融機関からの借入れ等により資金調達をしたものの、研究棟取得等の設備投資や当期純損失が1,099,917千円となったことで、現金及び預金の残高が741,908千円減少したことによるものであります。

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は1,546,447千円となり、前事業年度末から412,041千円増加いたしました。この主な要因は、研究棟取得等の設備投資を実施したことなどによるものであります。

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債の残高は436,589千円となり、前事業年度末から135,254千円増加いたしました。この主な要因は、借入金の増加によるものであります。

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債の残高は1,119,624千円となり、前事業年度末から386,107千円増加いたしました。この主な要因は、長期借入金の借入れなどによるものであります。

(株主資本)

 当事業年度末における株主資本の残高は1,641,569千円となり、前事業年度末から776,917千円減少いたしました。この主な要因は、第三者割当増資等により資本金及び資本剰余金の増加があったものの当期純損失が1,099,917千円となったことによるものであります。

 

(2) 経営成績の分析

 当社は、再生医療製品事業と研究開発支援事業を行っております。再生医療製品事業については、自家培養表皮ジェイスの保険適用後初めて一年を通じて同製品の販売を行いました。自家培養角膜上皮の研究開発については、株式会社ニデックから受託開発収入を受けており、開発を進めました。研究開発支援事業については、研究用ヒト培養組織LabCyte(ラボサイト)シリーズの拡販に努めました。

 当事業年度は、自家培養表皮ジェイスの売上が増加したこと等により、売上高は211,659千円(前年同期と比べ96,934千円増加)となりました。

 費用面については、自家培養表皮ジェイスの受注増加に伴い人件費等を売上原価に算入したこと等により、販売費及び一般管理費は減少し、1,083,675千円(前年同期と比べ29,660千円減少)となりました。

 長期借入金の増加に伴い支払利息が増えたことで営業外費用が増加したこと等により、当期純損失は1,099,917千円となりました。

 経営成績は上記の通りであり、継続的な営業損失および営業キャッシュ・フローのマイナスとなりますが、自家培養表皮ジェイスを中心として売上増加を図り、営業キャッシュ・フローを改善していくことと平行して、財務体質を強化するために、必要に応じて間接金融又は直接金融を活用した資金調達を実施し、資金需要に備えます。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析については、第2「事業の状況」1「業績等の概要」(2)キャッシュ・フローの状況をご参照ください。 

 





出典: 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング、2010-03-31 期 有価証券報告書