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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国のサブプライムローン問題に端を発した金融不安が、米国大手金融機関の破綻をきっかけに増幅し、株式相場の大幅な下落とともに実体経済に影響を及ぼしたことから世界的に製品需要が低迷し、景気の後退感が鮮明になりました。また、円高基調で推移した為替相場は、海外展開をしている多くの企業の業績に影響を与えました。
 当社グループが属する文具業界でも、世界的な景気後退による流通段階における在庫調整に加えて円高の影響もあり、競争環境が一層厳しいものになってきました。
 このような状況の中、当社グループにおきましては、明治20年(1887年)の創業以来、「最高の品質こそ最大のサービス」を社是に掲げ、常に品質向上と技術革新に努めた結果、滑らかな書き味で好評のボールペン「JETSTREAM」や新機構のシャープペンシル「KURU TOGA」に代表されるように、高付加価値で差別化されたものを求める多様化したお客様のニーズに合致した新商品を発売することが出来ました。
 この結果、当連結会計年度の売上高は53,949百万円(前年同期比95.5%)となりました。国内、海外別の売上高は、国内売上高30,368百万円(前年同期比98.0%)、海外売上高23,581百万円(前年同期比92.6%)となり、海外売上高の比率は43.7%(前年同期の比率45.1%)となりました。
 営業利益は前年同期比76.7%の4,299百万円となりましたが、経常利益は、円高による為替差損が発生し3,805百万円(前年同期比64.7%)、当期純利益は、連結財務諸表提出会社保有の株式の評価損等により1,992百万円(前年同期比53.6%)となりました。
 事業部門別の業績をみますと、筆記具及び筆記具周辺商品事業部門の当連結会計年度の売上高は、消費低迷の影響を受け51,024百万円(前年同期比95.3%)となりました。一方、その他の事業部門の当連結会計年度の売上高はホビー用品事業が業績を下支えし、2,924百万円(前年同期比99.2%)となりました。
 所在地別セグメントの業績では、日本は新製品は好調であったものの、非筆記具が前年を大きく下回り、売上高は46,244百万円(前年同期比97.7%)となりました。アジアは各市場での積極的な販売促進策が寄与したものの、市況の悪化により売上高は5,124百万円(前年同期比87.1%)、その他の市場は2,581百万円(前年同期比78.9%)となりました。
 なお、上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べまして21百万円増加し、9,587百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、税金等調整前当期純利益3,197百万円、減価償却費2,074百万円の資金の増加があった一方で、たな卸資産の増加額1,303百万円、法人税等の支払額1,781百万円等の資金の減少があり、3,418百万円(前年同期比1,380百万円の収入の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、固定資産の取得による支出1,806百万円等により、2,155百万円(前年同期比384百万円の支出の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動に使用した資金は、配当金の支払等により647百万円(前年同期比1,112百万円の支出の減少)となりました。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
 当連結会計年度の生産実績を事業の部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称
当連結会計年度
(自 平成20年1月1日
至 平成20年12月31日)
前年同期比(%)
筆記具及び筆記具周辺商品事業
(百万円)
39,213
111.2
その他の事業
(百万円)
1,044
98.0
合計
(百万円)
40,257
110.8
 (注)1.上記の金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
 当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3)販売実績
 当連結会計年度の販売実績を事業の部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称
当連結会計年度
(自 平成20年1月1日
至 平成20年12月31日)
前年同期比(%)
筆記具及び筆記具周辺商品事業
(百万円)
51,024
95.3
その他の事業
(百万円)
2,924
99.2
合計
(百万円)
53,949
95.5
 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 平成19年1月1日
至 平成19年12月31日)
当連結会計年度
(自 平成20年1月1日
至 平成20年12月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
SANFORD CORPORATION
8,827
15.6
7,546
14.0
3【対処すべき課題】
(1)今後の課題について
当社グループは「最高の品質こそ最大のサービス」を基本理念におき、「世界一の筆記具メーカー」になる事をグループ全体の長期ビジョンに掲げております。
 このような状況のもと、当社は常に品質向上と技術革新に努め、多様化したお客様のニーズを汲み取り、高付加価値で差別化された製品の開発と販売に努めます。
 また、筆記具以外にも筆記具で培った技術を応用し、アイライナーなどですでに多くの実績をあげている化粧品部門や、カーボン技術を応用した炭素材を使った新規事業分野にも積極的に取り組み、更に幅を広げていきます。
 当社グループは、環境問題についてもいちはやく取り組み平成4年にはリサイクル材を使用した商品を発売いたしました。また、顔料分散技術を利用した繊維染色インクは環境にやさしい染色インクとして注目を集めております。今後ともあらゆる企業活動を通じて廃棄物の減量と資源のリサイクル、環境にやさしい製品を開発し、環境保全に努めてまいります。
(2)当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)について
 当社は、平成19年2月19日開催の取締役会において、当社の企業価値の向上ならびに株主共同の利益の確保を目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本対応方針」といいます。また、本項目の用語の定義は本対応方針の定義に準じます。)を決議し、さらに本対応方針は、平成19年3月29日開催の第132回定時株主総会、平成20年3月27日開催の第133回定時株主総会及び平成21年3月27日開催の第134回定時株主総会において本対応方針の導入に賛同する取締役全員の選任決議を通じて株主の皆様にご承認をいただきました。なお、本対応方針の詳細は、当社ホームページ(http://www.mpuni.co.jp/ir/index.html)に掲載しております。
① 基本的な考え方
 当社は、当社株式に対する大規模買付行為が行われた場合、これに応じるかどうかは、最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。もっとも、株主の皆様に適切に判断いただくためには、買付者等及び当社取締役会からの十分な情報提供と、株主の皆様が検討を行うに相当な期間が必要不可欠であります。また、当社株式を売却せず継続的に保有することをお考えの株主の皆様にとりましても、買付者等が指向しようとする、当社のお客様及び取引先、子会社、従業員等の利害関係者との関係についての方針を含む経営方針や事業計画の内容等は、当社株式の継続保有を検討する上で重要な判断材料であると考えます。
 そこで、本対応方針は、企業価値向上及び株主共同の利益確保のため、当社株式に対する大規模買付行為を行う場合の手続を定め、かかる手続の遵守を買付者等に求めることで、株主の皆様が十分な情報と検討の時間を得られないまま判断を迫られる事態を回避するとともに、当社の企業価値及び株主共同の利益を損なう大規模買付行為を防止しようとするものであります。
 当社は、大規模買付行為の開始に先立って、大規模買付ルールを遵守する旨の誓約のほか、買付者等の名称、住所等、及び企図されている大規模買付行為の概要等を明示した「買付説明書」、ならびに「大規模買付情報」を書面にて提出していただきます。当社取締役会は、大規模買付情報が提出された場合には、ただちにこれを独立委員会に提供します。なお、当社取締役会または独立委員会が、買付者等から当初提供を受けた情報だけでは不十分であると判断した場合には、必要な追加情報の提供を随時買付者等に求めることがあります。
② 独立委員会による検討・勧告
 独立委員会は、当社取締役会が大規模買付行為への対抗措置として新株予約権の無償割当てを決定するにあたり、大規模買付ルールが遵守されたのか否か、当該大規模買付行為が当社の企業価値あるいは株主共同の利益を損なう買付けに該当するか否か等を、公正・中立な第三者の視点から客観的に判断し、対抗措置の発動等が相当かどうかについて検討を行い、その期間は、大規模買付情報の提供が完全に行われたと判断した日の翌日から起算して最長で90営業日といたします。
 独立委員会は、買付者等が大規模買付ルールにつきその重要な点に違反した場合には、原則として当社取締役会に対して大規模買付行為に対する対抗措置の発動を勧告します。一方、買付者等が大規模買付ルールを遵守した場合、独立委員会は、原則として、当社取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の不発動を勧告します。ただし、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、独立委員会は、当該買付者等が「濫用的買収者」に該当すると認められる場合には、企業価値向上及び株主共同の利益確保のため、当社取締役会に対して、かかる大規模買付行為に対する対抗措置の発動を勧告します。
③ 当社取締役会による決議
 当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、遅滞なく、対抗措置の発動、不発動または中止その他の必要な決議を行います。当社取締役会による意見形成、代替案立案及び買付者等との交渉の結果が独立委員会の勧告内容と異なる場合でも、合理的な理由がある場合を除き、当社取締役会は独立委員会による勧告を最大限尊重いたします。
④ 有効期限
 本対応方針の有効期限は、平成19年3月29日開催の当社の第132回定時株主総会の日から当社中期3ヵ年計画の最終事業年度である平成21年度決算に関する当社定時株主総会(平成22年3月開催予定)終結の時までといたします。
4【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、財政状態等に大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクには下記のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)為替等のリスク
当社グループの売上の43.7%は南北アメリカ、欧州、アジア、中近東など世界各国の顧客向けであります。また、当社グループは海外に生産子会社及び販売子会社を持っており、海外での事業活動も行っております。この為、これら各国の通貨と邦貨との為替相場の変動は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(2)新製品開発
成熟し、かつ競争の激しい筆記具市場において、新製品の開発、販売は当社グループの将来の成長を支える大きな要因であると考えており、新製品を継続的に開発する体制を整えております。しかしながら、今後ますます市場のニーズは多様化し、商品サイクルが短期化することが予想され、市場のニーズに合った魅力的な新製品をタイムリーに開発、発売することが出来ない場合には、将来の成長性と収益性に影響を与える可能性があります。
(3)情報システム
当社グループは重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、情報システムに対して適切なセキュリティーを実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや情報機器の欠陥、コンピューターウィルスの感染、不正アクセス等予測の範囲を超える事柄により、情報システムの崩壊、停止、一時的な混乱、内部情報の消失、改ざんなどのリスクがあります。このような事象が営業活動に支障を生じさせた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(4)海外事業
当社グループはアジア、オセアニア、北米および欧州各国において、製造ならびに販売の事業を展開しております。当社グループでは、そのリスクを事前に察知し対処するよう取り組んでおりますが、予期できない政治的・経済的要因による変動、租税制度、法律・規制などの改正、テロ・戦争の勃発、また、地震・台風・洪水・感染症(鳥および新型インフルエンザ)等の自然災害による社会混乱は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(5)資産の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持などを目的として有価証券を保有しております。従いまして、当該企業の業績や株式市場の大幅な変動は当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは固定資産を所有しており、事業環境の変化による減損の発生は、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
6【研究開発活動】
当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ最大のサービス」の社是のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。
 なお、当連結会計年度における研究開発費は2,682百万円でした。このうち2,645百万円は筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものであります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品の主な研究開発活動及び成果であります。
(1)筆記具部門
① 「JETSTREAM」に新製品を追加いたしました。
 世界初の画期的な新開発インクを搭載することにより極めて滑らかな書き心地を実現した油性ボールペン「JETSTREAM」の国内外での積極的な販売活動進めています。その活動の一環として3色ボールペンや多機能ペンなどの導入や新しい企画開発を進めております。
② 「なまえペン<パワフルネーム>」を発売しました。
 新開発の油性顔料インクを使用することにより、透明素材やビニール・プラスチック素材に書いてもクッキリと黒くかけ、こすれても落ちにくくすると同時に従来は筆記が困難であったクラフトテープにもはじかず書ける多目的なマーカーを実現しました。
(2)筆記具周辺商品部門
① 化粧品部門
 筆記具のインク流出機構設計を応用し、お客様の使い勝手の良い化粧品容器の開発を行っております。また、化粧液や化粧鉛筆についても、筆記具で培った超微粒子顔料分散技術や鉛筆製造技術を応用することにより国内・海外の化粧品業界から高い評価を受けております。特にアメリカ市場におけるネイルペンの店頭販売の開始は大きな反響を呼んでいます。
② カーボン部門
 シャープ芯の研究から生まれた当社独自のカーボン製造技術であるPFCT(Plastic Formed Carbon Technology)による機能性炭素材は広い分野で高い評価を得ております。
カーボンランプヒーター用発熱体、高性能スピーカー用振動板、電極材料などの優れた実績を始め、電気製品のパーツとしての応用も実績を伸ばし、燃料電池用セパレーターなどの更なる応用分野においても大きな期待がもたれております。
③ その他
 筆記具用インクの無水染色技術への開発展開は、環境を配慮した染色方法と新たな可能性を秘めた技術として注目を集めるなど、保有する技術を用いてその他応用分野への展開も積極的に進めています。
7【財政状態及び経営成績の分析】
(1)重要な会計方針及び見積り
 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社グループは、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っており、継続して評価を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性のために、これら見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
 筆記具ならびに筆記具関連の販売活動を強化したものの、円高の影響や消費の低迷等を受けて、売上高は前連結会計年度より2,521百万円減少し53,949百万円(前年同期比95.5%)となりました。
② 営業利益
 海外からの部材調達の推進や全社的な経費効率化を進めましたが、減価償却費の増加や為替変動の影響等により営業利益は前連結会計年度より1,304百万円減少し4,299百万円(前年同期比76.7%)となりました。
③ 営業外損益
 営業外収益は、受取配当金が増加したこと等により、前連結会計年度より44百万円増加し588百万円(前年同期比108.1%)となりました。営業外費用は、9月以降の急激な円高の影響もあり、為替差損が966百万円発生したこと等により前連結会計年度より818百万円増加し1,082百万円(前年同期比410.1%)となりました。
④ 特別損益
 特別利益は保有資産の健全化の方針のもと、土地を一部売却しました。ただし投資有価証券売却益が減少したこと等により前連結会計年度より92百万円減少し30百万円(前年同期比24.5%)となりました。特別損失は世界的な株価下落の影響が当社グループにも及び、投資有価証券評価損が546百万円発生したこと等により前連結会計年度より403百万円増加し638百万円(前年同期比271.5%)となりました。
⑤ 当期純利益
 税金等調整前当期純利益は、上記①〜④の理由により、前連結会計年度より2,575百万円減少し、3,197百万円(前年同期比55.4%)となり、当期純利益は、法人税等の負担額が減少したものの、前連結会計年度より1,723百万円減少の1,992百万円(前年同期比53.6%)となりました。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産、負債、及び純資産の状況は次のとおりです。
 総資産は、投資有価証券の減少4,252百万円などにより、前連結会計年度末に比べて4,426百万円減少の64,335百万円となりました。
 負債は、支払手形及び買掛金が854百万円、固定負債の繰延税金負債が1,562百万円それぞれ減少した結果、前連結会計年度末に比べまして2,245百万円減少の21,217百万円となりました。
 純資産は、前連結会計年度末に比べて、利益剰余金が1,367百万円増加したものの、その他有価証券評価差額金が2,411百万円、為替換算調整勘定が967百万円それぞれ減少したことなどにより、合計で2,181百万円減少し
43,118百万円となりました。 
② キャッシュ・フロー
 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。




出典: 三菱鉛筆株式会社、2008-12-31 期 有価証券報告書