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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績 

 当連結会計年度(平成23年1月1日から平成23年12月31日まで)におけるわが国経済は、平成23年3月11日に発生しました東日本大震災で寸断されたサプライチェーン(供給網)の立て直しが進み、震災後の自粛ムードも薄らぎ消費に穏やかな持ち直し傾向がみられるようになりましたが、欧州債務危機に端を発した世界経済の先行き不透明感の強まりや歴史的な円高によるわが国の企業マインドの冷え込みなど、景気の下振れリスクを抱えた不安定な状況で推移いたしました。

 このような経営環境の中、当社グループは社是である「最高の品質こそ最大のサービス」の原点に立ち返り、高付加価値で高品質な商品の開発・発売を積極的に行ってまいりました。「クセになる、なめらかな書き味。」としてご好評いただいております油性ボールペン「JETSTREAM」は、発売以来「なめらかボールペン」という新たなジャンルを創設し、確固たる地位を築いてまいりましたが、さらなる品質改良や多機能化、カラーバリエーションの充実を積極的に進めた結果、発売以来累計で約3億本を販売するにいたりました。シャープペンシル「KURU TOGA」は「書くたびに芯が回転してトガり、きれいに書くことができる」という従来にない発想や機構が受け入れられ、平成20年の発売以来販売本数は2千万本を超え、いずれも成熟したとされております筆記具市場にありながら、幅広いお客様のご支援をいただいて着実に市場シェアを広げ収益を積み重ねてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は509億55百万円(前年同期比2.2%減)と減収となりましたが、営業利益は64億12百万円(前年同期比4.6%増)、経常利益は65億43百万円(前年同期比5.2%増)、当期純利益は40億35百万円(前年同期比6.5%増)と増益となりました。

 セグメント別の業績を概観いたしますと、筆記具及び筆記具周辺商品事業は、欧州債務危機懸念による世界的な需要の伸び悩みから売上高は481億46百万円(前年同期比2.4%減)となりましたが、「JETSTREAM」や「KURU TOGA」をはじめとした主力商品の販売が堅調に推移したことに加え、さらなるコスト削減に努めた結果、利益面では前年実績を確保することができました。また、その他の事業においては、粘着テープ事業は伸び悩んだものの手工芸品事業における主力商品の生地の発売が好調に推移した結果、売上高は28億9百万円(前年同期比1.5%増)となりました。

 なお、上記の金額には消費税等は含まれておりません。 

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2億33百万円増加し、181億63百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、主に法人税等の支払による支出23億80百万円、たな卸資産の増加による資金の減少7億86百万円、仕入債務の減少による資金の減少2億51百万円により、合計で53億78百万円(前年同期比22億64百万円の収入の減少)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動に使用した資金は、主に定期預金の預入による支出14億94百万円、固定資産の取得による支出10億76百万円で、合計で24億57百万円(前年同期比16億23百万円の支出の増加)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動に使用した資金は、主に自己株式の取得16億71百万円、配当金の支払7億43百万円で、合計で25億74百万円(前年同期比6億59百万円の支出の増加)となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年1月1日

至 平成23年12月31日)

前年同期比(%)

筆記具及び筆記具周辺商品事業

(百万円)

38,098

98.5

その他の事業

(百万円)

703

87.0

合計

(百万円)

38,801

98.2

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額は、販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年1月1日

至 平成23年12月31日)

前年同期比(%)

筆記具及び筆記具周辺商品事業

(百万円)

48,146

97.6

その他の事業

(百万円)

2,809

101.5

合計

(百万円)

50,955

97.8

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成22年1月1日

至 平成22年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成23年1月1日

至 平成23年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

SANFORD CORPORATION

6,051

11.6

5,170

10.1

 

3【対処すべき課題】

(1)今後の課題について 

 当社グループは明治20年(1887年)の創業以来、「最高の品質こそ最大のサービス」を社是に掲げて品質向上と技術革新に努めてまいりました。付加価値が高く、最高品質の筆記具を市場に提供することは、この社是を具現化するための施策のひとつであり、そのための開発・生産体制、販売網の整備を進めることは当社グループにとっての最重要課題であると認識しております。

 これまで当社筆記具事業の主要市場は国内及び欧米主要諸国でありましたが、これら先進諸国の需要は減少しつつあり、一方でアジア諸国を中心とした新興国における需要はその経済発展とともに拡大の一途を辿っております。今後はこれら新興諸国の独自のニーズに合致した商品開発を行うこと、そしてその商品をスピーディーかつタイムリーに市場に提供できる生産体制を築き、強化することが対処すべき第一の課題であると考えております。

 また、当社は、アイライナーなど既に多くの実績がある化粧品事業をはじめとして、カーボン製品や染色インクなどの新規事業にも積極的に取り組んでおり、筆記具で培った高度な技術力を基として非筆記具事業に結びつけ一体的な経営を行うことが企業価値の更なる向上に繋がると考えております。

さらに、地球環境と企業活動の調和についても、当社グループ全体を通じて取り組むべき課題のひとつと考えております。環境保全に配慮した商品開発や生産体制、廃棄物減量と資源のリサイクル推進などを通じて豊かな社会の実現と環境保全の一翼を担うとともに、これらの事業活動を展開するに際しては、コーポレートガバナンス体制及び財務報告の適正性を保つ内部統制制度の強化にも積極的に取り組んでいく所存です。

  

(2)株式会社の支配に関する基本方針について

① 基本方針の内容 
  当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。そして、当社の企業価値の向上は、お客様が求める最高品質の筆記具を市場に提供すると共に、筆記具事業で培った技術を応用して新規事業を開拓し、その双方を結びつけ一体的な経営を行うことによって実現されるものであると考えています。
 当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案がなされた場合、その判断は最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社株式について大量買付けがなされた場合、それが当社の企業価値並びに株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、これを否定するものではありません。しかしながら、株式の大量買付けの中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付けの内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が株主に対して代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を必要とするもの等、大量買付けの対象となる会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
 当社株式の大量買付けを行う者が、当社グループの財務及び事業の内容を理解するのは勿論のこと、上記の当社の企業価値の源泉を理解した上で、かかる企業価値の源泉を中長期的に確保し、向上させることができなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する当社株式の大量買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針を決定する者として不適切であり、このような者による当社株式の大量買付けに対しては、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

②基本方針の実現に資する取り組み
 当社は、基本方針の実現に資する取り組みとして以下の施策を実施しております。
イ.中期3ヵ年経営計画のスタート
 当社は、平成22年1月より「グループ資源の最適配分による競争力の再強化」を基本方針とする平成24年までの中期3ヵ年経営計画をスタートさせました。その重点方針として「筆記具事業の強化」、「既存オペレーションの効率化」、「新規事業と新規分野開拓の強化」、「学習する組織と人材の育成」の4つを掲げ、企業価値向上に取り組んでおります。
ロ.コーポレート・ガバナンスの強化
 当社は、透明性の高い公正な経営を実現すべく、取締役の任期を1年とし、かつ社外取締役を選任することにより経営に対する監視機能の強化を図っております。また、監査役につきましては、社外監査役2名を含む4名により監査役会を構成し、取締役の職務執行の監査を行っております。当社は、このように、社外取締役と社外監査役による当社経営に対する監督・監視機能の充実を図り、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図っております。

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
 当社は、平成22年3月26日開催の第135回定時株主総会において、従前の当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の一部を改定したうえで継続することを株主の皆様にご承認いただきました(以下、改定後の当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)を「本プラン」といいます)。
 本プランは、当社株式の大規模買付行為が行われる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報や時間を確保するとともに、買収者との交渉の機会を確保すること等により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的としております。
 本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めております。買収者は、本プランに係る手続に従い、当社取締役会又は当社株主総会において本プランを発動しない旨が決定された場合に、当該決定時以降に限り当社株券等の大量買付けを行うことができるものとされています。
 買収者が本プランに定められた手続に従わない場合や当社株券等の大量買付けが当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれがある場合等で、本プラン所定の発動要件を満たす場合には、当社は、買収者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が買収者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権を、その時点の当社を除く全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。
 当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した社外取締役等のみから構成される独立委員会を設置し、その客観的な判断を経るものとしつつ、取締役会においても慎重な判断を行うものとしております。また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の発動要件を満たす場合には、株主総会を開催し、新株予約権の無償割当てその他法令及び当社定款において認められる対抗措置の実施に関する株主の皆様の意思を確認することがあります。
 なお、本プランの有効期間は、第135回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとしております。

④具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
 当社の中期3ヵ年経営計画をはじめとする企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。従って、これらの各施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
 本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるための枠組みであり、同じく基本方針に沿うものです。また、本プランは経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を全て充足していること、本プランは、第135回定時株主総会において株主の皆様の承認を得たうえ更新されたものであること、当社の業務執行を行う経営陣から独立した社外取締役等のみから構成される独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては独立委員会による勧告を経ることが必要とされていること、本プランの内容として発動に関する合理的かつ客観的な要件が設定されていること、有効期間が約3年間と定められた上、株主総会又は取締役会によりいつでも廃止できるとされていること、さらに、当社取締役の任期は1年とされていること等により、その公正性・客観性が担保されており、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態に大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1) 為替等のリスク

 当社グループの売上の40.5%は、米州、アジア、欧州、中近東など世界各国の顧客向けの輸出であります。

また、当社グループは海外に生産及び販売子会社を持っており、今後とも海外での事業活動を積極的に行ってまいります。このため、これらの国の通貨と邦貨との為替相場の変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

(2) カントリーリスク

当社グループは、アジア、オセアニア、北米及び欧州各国において販売事業を、アジアにおいて製造の事業を展開しております。当社グループでは、これらの国のカントリーリスクを事前に調査、察知して対処するよう取り組んでおりますが、予測できない政治的・経済的要因による変動、あるいは租税制度、法律、規制などの急激な変更、テロ・戦争の勃発、さらには、地震・台風・洪水・感染症などの自然災害による社会混乱は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(3) 新製品開発

 当社グループの主たる事業である筆記具の市場におきましては、新製品の開発、発売は当社グループの将来の成長を支える大きな要因であると考えており、付加価値の高い魅力的な新製品を継続的に開発する体制を整えております。しかしながら、今後ますます市場のニーズは多様化し、商品サイクルが短縮化することが予想され、市場ニーズにあった魅力的な新製品をタイムリーに開発、発売することができない場合には、将来の成長性と収益性に影響を与える可能性があります。

(4) 資産の減損

 当社グループは、当社及び連結子会社で生産設備を、また主として当社で時価のある有価証券を保有しております。このため生産や販売が大幅に減少し、これらの有形固定資産の収益性が著しく悪化した場合、あるいは株式市場が大幅に下落した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5) 情報システム

 当社グループは、重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、情報システムに対して適切なセキュリティを実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや情報機器の欠陥、停止、一時的な混乱、内部情報の紛失、改ざんなどのリスクがあります。このような事象が営業活動に支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(6) たな卸資産

 当社グループでは、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用しており、販売目的のたな卸資産の収益性を期末において評価し、収益性が低下していると判断される場合には評価損を計上することになります。このため、当社グループのたな卸資産について、市場環境の急激な変化や消費者ニーズの変化により収益性が低下していると判断し評価損を計上する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(7) 原材料等の調達

 当社グループは、主な原材料として原油価格の影響を強く受ける樹脂材、需給バランスに加えて原産地国の資源政策、環境政策の影響を受ける金属材や板材を使用しております。これらの原材料が予期せぬ経済的あるいは政治的な事情により、予定していた単価で安定的に調達できなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(8) 東日本大震災に関連するリスク

 平成23年3月11日に発生しました東日本大震災は、日本経済に甚大な被害を与えました。当社グループにおきましては、建物等をはじめとする資産の毀損は軽微でありましたが、今後電力不足の問題、原発の風評被害が生産並びに国内外の販売に影響を及ぼすようになった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ最大のサービス」の社是のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。

 なお、当連結会計年度における研究開発費は27億25百万円であります。セグメント別では、筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものは26億92百万円であります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品事業の主な研究開発活動及び成果であります。

(1) 筆記具事業

① 加圧ボールペン『パワータンク』より、細く濃く書ける極細0.5mmを発売しました。

 パワータンクは独自のインク加圧技術を活かした油性ボールペンで、上向き筆記、濡れた紙や、−20℃の過酷な環境でも書けるボールペンとして好評頂いております。今回は極細字のニーズが拡大していることから、新たに0.5mmボールを開発しました。単にボールを小さくしただけではインクの量が少なく文字が薄く見えてしまいますが、新規のボールチップを開発することで、細く濃く見える描線を実現しました。

② 『スタイルフィット マイスター』を発売しました。

 ホルダーやリフィルの種類や色、ボール径などを自由に組み合わせ、自分に合った機能とスタイリングを選べる筆記具『スタイルフィット』シリーズの新商品として、デザインに高級感を出し、機能性を向上させた5色ホルダーを発売しました。また社会人ユーザーに人気の高いジェットストリームリフィルの0.5mmボールを追加発売しました。

③ 新開発の紙巻色鉛筆『ポンキーペンシル』を発売しました。

 未就学児童や小学生のお絵描き、図画工作に特化した新型色鉛筆として、強い筆圧でも折れにくく、クラフトにもしっかり書け濃く発色、更には先端を細くして細かい描画を表現できる、高機能色鉛筆を開発しました。サインペンポスカや紙巻色鉛筆ダーマトグラフのガラスやプラスチックなどの平滑面にしっかり書ける技術、油彩色鉛筆ペリシアの濃く滑らかタッチの書き心地の技術を応用しました。また特殊紙を本体に用い、軸曲げ強度を飛躍的に向上させ、描画の力加減が難しい未就学児童に対して折れにくい機能を実現しました。 

④ ペン先に窓がある蛍光ペン『プロパス・ウィンドウ』よりソフトカラーを発売しました。

 『プロパス・ウインドウ』はペン先についている窓から文字が見ることができ、チェックしたいところだけ、はみ出さずにラインが引けることから、学生中心に多くの方にご愛用いただいております。今回はパステルのような優しい新色5色を開発、追加発売しました。

 

(2) 筆記具周辺商品事業

 ① 化粧品部門

 筆記具のインク流出機構設計を応用し、お客様の使い勝手の良い化粧品容器の開発を行っております。また、アイライナー、ネイル、リップ、染毛料や化粧鉛筆についても、筆記具で培った超微粒子顔料分散技術、インク配合技術や鉛筆製造技術を応用することにより国内・海外の化粧品業界から高い評価を受けております。

② カーボン事業

 シャープ芯の研究から生まれた当社独自のカーボン製造技術であるPFCT(Plastic Formed Carbon Technology)による機能性炭素材は広い分野で高い評価を得ております。カーボンランプヒーター用発熱体、高性能スピーカー用振動板、各種センサー用の電極材料などの実績を始め、携帯電話やタブレットPC等の電気製品のパーツとしての展開で、更なる成長に大きな期待がもたれております。

③ その他

 筆記具用インクの無水染色技術への開発展開は、環境を配慮した染色方法と新たな可能性を秘めた技術として注目を集めています。また弊社の保有する顔料分散技術を用いて、その他応用分野への展開も積極的に進めています。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社グループは、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っており、継続して評価を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性のために、これら見積りと異なる場合があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

 国内市場は震災後の自粛ムードも薄らぎ、消費に穏やかな持ち直し傾向がみられるようになりましたが、海外市場では欧州債務危機懸念による世界的な需要の伸び悩みから、売上高は前連結会計年度に比べて11億62百万円減少し509億55百万円(前年同期比2.2%減)となりました。 

② 営業利益 

 グループ全体でさらなるコスト削減に努め、ローコストオペレーションを目指した結果、営業利益は前連結会計年度に比べて2億83百万円増加し64億12百万円(前年同期比4.6%増)となりました。

③ 営業外損益

 営業外収益は前連結会計年度に比べて32百万円減少し4億94百万円となりました。また営業外費用は、為替差損が前連結会計年度に比べて64百万円減少して1億99百万円となったこと等により、前連結会計年度に比べて70百万円減少し3億64百万円となりました。

④ 特別損益

 特別利益は、前連結会計年度に比べて5百万円減少し1億18百万円となりました。特別損失は、投資有価証券評価損が前連結会計年度に比べて1億16百万円減少し2億69百万円となったこと、減損損失が発生しなかったこと等により、前連結会計年度に比べて2億40百万円減少し3億73百万円となりました。

⑤ 当期純利益

 当期純利益は、上記の理由により利益が増加したことに伴い、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額が前連結会計年度に比べて3億50百万円増加し21億33百万円となったこと等により、前連結会計年度に比べて2億45百万円増加し40億35百万円(前年同期比6.5%増)となりました。

 

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

① 資産、負債及び純資産の状況

 資産は、投資有価証券や有形固定資産が減少したものの、現金及び預金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて4億80百万円増加し647億67百万円となりました。

 負債は、支払手形及び買掛金、未払法人税等が減少したことにより、前連結会計年度末に比べて6億58百万円減少し180億65百万円となりました。

 純資産は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定が減少する一方で、利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて11億39百万円増加し467億2百万円となりました。

 ② キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。

 





出典: 三菱鉛筆株式会社、2011-12-31 期 有価証券報告書