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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における日本経済は、企業収益の改善など景気は回復基調で推移してきましたが、年度後半から個人消費の伸びが鈍化し、先行き不透明感が強まってきました。海外においては、米国では、個人消費が順調に推移するなど、景気は着実に拡大を続け、欧州経済も、ユーロ高や原油高の影響で減速感が強まったものの、総じて緩やかな回復基調を辿ってきました。

ゲーム業界においては、既存ハードウェアの普及に伴って、販売は全世界で減少傾向となり、ソフトウェアにおいても国内市場で「ゲーム離れ現象」が一層顕著になりました。海外市場でも、シリーズ物の続編やスポーツ・映画を題材としたタイトルに販売が集中し、市場全体の成長が鈍化するなど、事業環境は厳しい状況のまま推移しました。

このような状況下にあって、当社、連結子会社及び持分法適用会社は、携帯型ゲーム機「ゲームボーイアドバンス」と据置型ゲーム機「ニンテンドー ゲームキューブ」に加え、更なる市場拡大を目指すべく、ダブルスクリーンやタッチスクリーン・ワイヤレス通信・マイク入力の機能を装備した、誰にでも遊びやすく、かつてない面白さを提供できる新携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」を全世界で発売しました。これとともに、ゲーム初心者から熟練者までもが再び「同じスタートライン」から新鮮な気持ちで楽しめるような直感的でわかりやすい操作を実現した魅力的なソフトウェアの開発も進めてきました。

その結果、当連結会計年度の売上高は5,152億9千2百万円(前年同期比0.1%増)となり、為替相場が円安に推移した影響を受け、保有する外貨建資産の評価替えなどによる為替差益218億4千8百万円が発生したことにより、経常利益は1,452億9千2百万円(前年同期比189.8%増)、当期純利益は874億1千6百万円(前年同期比163.3%増)となりました。

売上を事業の種類別に見ると、レジャー機器部門において、携帯型ゲーム機関連では、「ゲームボーイアドバンス」対応ソフトウェアについては、ワイヤレスアダプタによる新しい遊びを盛り込んだ「ポケットモンスター ファイアレッド/リーフグリーン」を海外でも販売開始し、全世界で600万本を超える大ヒットとなりました。このほか、ファミコン生誕20周年を記念し「ファミリーコンピュータ」で人気のあったソフトウェアタイトルを「ゲームボーイアドバンス」対応ソフトウェアとして楽しめるようにした「ファミコンミニ」シリーズが、最近のゲームからは遠ざかってしまった方々を呼び戻し、国内において特に好調な売れ行きとなりました。米国と国内で昨年末、欧州で3月に発売した「ニンテンドーDS」については、ハードウェアが短期間のうちに520万台を超える売上を記録するとともに、対応ソフトウェアについても「スーパーマリオ64DS」がミリオンセラーとなるなど、全世界で大変好調な滑り出しとなりました。特に国内では、CM放映や店頭展開だけに止まらず、全国5ヶ所での展示会の開催や街頭体験会などの新たな販促活動にも取り組んだ結果、今までゲームに触れてこなかった女性層や高年齢層に至るまで幅広い方々に興味を持ってもらうことができました。

据置型ゲーム機関連では、「ニンテンドー ゲームキューブ」対応ソフトウェアで、絵本のような世界でマリオと不思議な冒険を楽しめる「ペーパーマリオRPG」やマイクを使ったユニークな遊びを実現した「マリオパーティ6」などがミリオンセラーとなりましたが、競合他社との激しい競争のなか、ハードウェアの売上は減少しました。

これらの結果、レジャー機器部門の売上高は5,130億8千4百万円(前年同期比0.2%増)となりました。また、その他(トランプ・かるた他)部門の売上高は22億8百万円(前年同期比12.1%減)となりました。

所在地別の状況を見ると、日本では、当連結会計年度に発売した「ニンテンドーDS」の売上が好調に推移したことから、売上高は4,430億4千3百万円(前年同期比22.5%増 セグメント間の内部売上高3,119億4千1百万円を含む)となり、営業利益は996億1千3百万円(前年同期比7.2%増)となりました。

南北アメリカにおいては、「ゲームボーイアドバンスSP」ハードウェア等の売上が減少したものの、当連結会計年度に発売した「ニンテンドーDS」の売上が好調だったことから、売上高は2,579億9千9百万円(前年同期比2.4%増 セグメント間の内部売上高18億8千万円を含む)となりましたが、「ニンテンドーDS」の発売に伴い、販売費等の営業費用が増加したことから、営業利益は73億1千4百万円(前年同期比44.5%減)となりました。

欧州においても「ゲームボーイアドバンスSP」ハードウェア等の売上が減少したものの、3月に発売した「ニンテンドーDS」の売上が寄与し、売上高は1,213億6千3百万円(前年同期比1.0%増 セグメント間の内部売上高9百万円を含む)となり、売上高に占める「ニンテンドー ゲームキューブ」ハードウェアの割合が減少したことなどにより利益率が改善し、営業利益が34億8千万円(前年同期比16.5%増)となりました。

その他の地域では、売上高68億1千7百万円(前年同期比0.8%増 セグメント間の内部売上高9千9百万円を含む)、営業損失5千万円(前連結会計年度は2千3百万円の利益)となりました。

また、海外売上高は3,882億2千3百万円(海外売上高比率75.3%)となりました。

なお、上記金額は消費税等抜で記載しています。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、期首残高から726億1千3百万円の増加(前連結会計年度は、284億8千6百万円の減少)となり、7,927億2千7百万円(前年同期比10.1%増)となりました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの増減状況とその要因は次のとおりです。

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が1,454億2百万円になったことや、仕入債務が増加に転じたことなどの増加要因があったものの、外貨建現預金の評価替などによる為替差益の影響や売上債権やたな卸資産の増加、法人税等の支払などの減少要因により、1,165億7千1百万円の増加(前連結会計年度は1,200億7千2百万円の増加)となりました。

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動による資金は、投資有価証券の取得などにより、117億1千6百万円の減少(前連結会計年度は670億2千5百万円の減少)となりました。

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動による資金は、配当金の支払に加え、取締役会の決議による自己株式の買受けを9月に429億1千2百万円行ったことなどにより、614億4千7百万円の減少(前連結会計年度は240億8千8百万円の減少)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。

 

事業の種類別

セグメント

主要製品

金額

(百万円)

前年同期比増減率

(%)

レジャー機器

ハードウェア

 

 

携帯型ゲーム機本体

227,586

13.5

据置型ゲーム機本体

48,130

235.0

その他

27,100

9.1

ハードウェア計

302,817

26.3

ソフトウェア

 

 

携帯型ゲーム機用ソフトウェア

148,744

24.2

据置型ゲーム機用ソフトウェア

85,240

△10.0

ソフトウェア計

233,984

9.1

レジャー機器計

536,801

18.2

その他

トランプ・かるた他

1,340

△11.0

合計

538,142

18.1

(注) 上記金額は販売価格により算出し、消費税等を含みません。

 

(2) 受注状況

当社グループ(当社及び連結子会社)は原則として見込生産ですが、レジャー機器部門のうち主にソフトウェアにおいて、一部受注生産を行っています。当連結会計年度における受注状況は、次のとおりです。

 

事業の種類別

セグメント

主要製品

受注高

(百万円)

前年同期比

増減率(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

増減率(%)

レジャー機器

携帯型ゲーム機

49,931

△1.8

2,663

△20.9

据置型ゲーム機

19,803

△12.9

113

△29.8

合計

69,734

△5.2

2,777

△21.4

(注) 上記金額には消費税等を含みません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。

 

事業の種類別

セグメント

主要製品

金額

(百万円)

前年同期比増減率

(%)

レジャー機器

ハードウェア

 

 

携帯型ゲーム機本体

206,697

11.6

据置型ゲーム機本体

41,989

△22.8

その他

41,690

△16.1

ハードウェア計

290,378

0.4

ソフトウェア

 

 

携帯型ゲーム機用ソフトウェア

145,604

9.6

据置型ゲーム機用ソフトウェア

74,429

△13.7

ロイヤリティ収入・コンテンツ収入

2,671

△11.4

その他

0

△100.0

ソフトウェア計

222,705

△0.2

レジャー機器計

513,084

0.2

その他

トランプ・かるた他

2,208

△12.1

合計

515,292

0.1

(注) 1 上記金額には消費税等を含みません。

2 相手先別の販売実績が総販売実績の10%以上となる主要な販売先はありません。

 

3 【対処すべき課題】

「ファミリーコンピュータ」の発売以来20年以上の時を経て、ゲーム産業は映画産業を超える規模にまで成長しました。しかし、この間にゲームが大きな進歩を遂げた一方で、ソフトウェア市場に現れている変化で明らかなように、これまでゲーム業界で長年通用してきた「技術の進歩によりゲームを豪華で複雑なものにしていく」という路線はもはや飽和に達しつつあります。

このような状況下にあって、ソフトウェア主導でハード・ソフト一体のビジネスを展開している当社グループ(当社及び連結子会社)は、従来のビデオゲームの枠組みや定義を広げることによって、年齢、性別、言語、文化、ゲーム経験の有無を問わず、世界中の幅広い方々に新鮮な驚きや楽しさを提供し、ゲーム人口を増大させることにより、市場を拡大させることを目標にしていきます。

具体的には、携帯型ゲーム機の分野において「ニンテンドーDS」の特徴を生かし、声を掛けたり、ペンで触れたりすることで画面の中の子犬とコミュニケーションができるソフトウェア「ニンテンドッグス」や、手書き文字と音声の認識技術の活用により、全くゲームを経験したことがない方々にも楽しめるソフトウェア「脳を鍛える大人のDSトレーニング」を始めとした、様々な新感覚のエンターテインメントソフトウェアの開発に注力していきます。また、据置型ゲーム機の分野においても、現行機種の単なる機能向上に止まらず、幅広い方々に楽しんでもらうことのできる全く新しいタイプのエンターテインメントを提案する新製品「レボリューション(仮称)」のような、従来路線の単純な延長上には位置づけられないビデオゲームの定義を広げるような新しい製品を開発していきます。さらに、これまでに築き上げてきた開発力や豊富なキャラクター資産の活用や、携帯型と据置型を連動させる新しい遊びの創造、他社とのコラボレーション等を含めた研究開発体制の強化、任天堂ゲームセミナーなどを通じて新しい才能の発掘にも努め、ゲーム人口を増大させることによって将来的な収益の拡大を目指します。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく記載した事項以外の予見し難いリスクも存在します。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経済環境に関するリスク

為替レートの変動

当社グループは、全世界で製品を販売し海外での売上割合は70%を超えています。そのほとんどを現地通貨で取引し、また、提出会社は多額の外貨建資産(未予約の現預金等)も保有しています。そのため、円建資産に転換する場合だけでなく財務諸表作成のための換算においても、為替レート変動の影響を強く受けます。米ドルやユーロに対する円高への推移は、業績に悪影響を及ぼします。

 

(2) 事業活動に関するリスク

市場の変動

当社グループの事業は、幅広い娯楽の中の一分野であり、他の様々な娯楽の盛衰の影響を受けます。他の娯楽へのユーザーの志向が強くなると、ゲーム市場が縮小する可能性があります。また、技術の進歩や革新で新たな競争相手が出現し、大きな影響を受ける可能性があります。

 

新製品開発

当社グループは、継続して斬新で魅力ある新製品を開発していますが、コンピュータエンターテインメントの分野において、新製品の開発プロセスは、複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。

① ソフトウェアの開発にはかなりの時間と費用を必要とする一方で、ユーザーの嗜好は常に変化しており、全ての新製品が、ユーザーから受け入れられる保証はなく、開発を中断または中止することもあります。

② ハードウェアの開発には長期の期間を必要とする一方で、技術は絶えず進歩しており、娯楽にふさわしい必要な技術を装備出来ない可能性があります。さらに、発売が遅れた場合、市場シェアの確保が出来ない可能性があります。

③ 当社製品は、その特性から予定の期間内で開発することや計画通り販売することが困難で、予想から大きく乖離する可能性があります。

 

製品の評価、適正在庫の確保

ゲーム業界における製品は、そのライフサイクルが比較的短く、また、需要はクリスマス前等に急増するなど、嗜好性や季節性の強いものです。その需要に見合った供給を確保するために見込生産を行いますが、正確な販売予測は困難であるため、過剰な在庫を抱える危険性があります。また、保有するたな卸資産が陳腐化することにより、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性もあります。

 

他社との競争

ゲーム業界においては、より多くの研究開発費や広告宣伝費等が必要とされる一方で、巨大企業のゲーム業界参入等により価格競争等が激化しており、これまで以上に利益の出難い状況になる可能性があります。当社グループは、競争の結果、市場シェアを拡大もしくは維持し、収益性を保つことが出来ない可能性があります。

 

海外進出及び国際的活動

当社グループの事業は、米国、欧州、豪州並びにアジア等日本国外でも行っています。これらの海外市場への事業進出には、①予期しない法律または規制の変更、②不利な政治または経済要因の発生、③多国間税制度における不統一性及び税法解釈の多様性における不利な対応、④人材の採用と確保の困難、⑤テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが存在します。

 

外部企業への製造依存

当社グループは、主要な部品の製造や製品への組立てを複数のグループ外企業に委託しています。グループ外企業の倒産等により重要部品の調達及び製造に支障が生じる可能性があります。また、需要が多い期間において、部品の製造業者が当社グループの必要とする数量を予定通りに供給出来ない可能性もあります。重要部品が不足すると、部品の価格高騰による利益率の低下に止まらず、供給不足、品質管理などで問題が発生し、顧客との関係悪化をも引き起こす可能性があります。

 

業績の季節的変動

当社製品の需要は、かなりの部分がクリスマスや正月時期に集中する為、季節的に変動します。この時期に魅力的な新製品を投入出来なかった場合、ハードウェアの供給が間に合わなかった場合等においては、業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(3) 法的規制・訴訟に関するリスク

製造物責任

当社グループの製品は、世界各地域で認められている品質管理基準に従って製造していますが、欠陥等が見つかり、将来大規模な返品要求が発生する可能性があります。また、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、追加のコストの発生や当社グループの評価に影響を与え、将来の業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

知的財産保護の限界

当社グループは、他社製品と差別化出来る様々な知的財産を蓄積してきましたが、地域によっては、既にコピー商品が流通し当社グループの知的財産権の一部を侵害しています。今後においても知的財産権の保護が十分に出来ない可能性があります。

 

個人情報の漏洩や秘密情報の流出

当社グループは、「クラブニンテンドー」の会員情報を始めとして、当社製品のユーザーに関する個人情報を保有しています。万一これらの個人情報が漏洩した場合や、当社の開発や営業機密が流出し第三者に不正使用された場合等は、将来の経営成績、株価及び財務状況等に影響が及ぶ可能性があります。

 

会計制度・税制等の変更

当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更等により、当社グループの業績や財政状態等に影響が及ぶ可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、追加の税負担が生じる可能性があります。

 

訴訟等

当社グループは、国内及び海外における事業活動等に関し、訴訟、紛争又はその他の法的手続等の対象となることがあります。その場合、業績に影響を受ける可能性があります。

 

(4) その他

上記のほか、売上債権の回収不能、金融機関の破綻、環境に関する規制等により当社グループの業績や財務状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、年齢、性別を問わず世界中の多くのユーザーの方々に、ゲーム本来の楽しさと感動を与えるような、新しい“遊び”を提供することを基本理念に、主に「レジャー機器」部門のハードウェア及びソフトウェアの両面で研究開発活動を行っています。

ハードウェアの研究開発においては、コンピュータグラフィックス(CG)表現、表示媒体、大容量記憶媒体、無線技術等、様々な最新の技術を取り入れながら、単純な機能・性能の向上を求めるのではなく、世界中の一人でも多くの方々に楽しんでいただくことを目標として、日々、技術の研究・開発を行っています。また、既存のハードウェア等に関しても、多様な周辺機器の開発、品質・性能の設計改善、コストダウン設計などを引き続き行っています。

一方、ソフトウェアの研究開発においては、高品質かつ独創的なゲームソフトを作り出すために、ソフトウェアの企画、デザイン、回路設計、プログラム開発等の制作と、これらに必要な基礎研究及び実験を行っています。

現在、研究開発は、当社を中心に、開発子会社、関連会社をはじめ、他にも様々な企業の協力を得て推進しています。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、205億1千3百万円(消費税等抜)であり、研究成果は以下のとおりです。

携帯型ゲーム機では、上下2つの液晶画面「ダブルスクリーン」と2個のCPUを搭載し、専用ペンや指で軽く画面を触れるだけで入力ができる「タッチスクリーン」、さらに最大16人との通信を可能とする「ワイヤレス通信」等、様々な機能を備えることで、年齢や性別やゲーム経験の有無を問わずに、誰もが同じスタートラインに立って遊ぶことができる新携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」を全世界で発売しました。この対応ソフトウェアとして、ハードウェアの持つ独創的な機能を活用した「スーパーマリオ64DS」、「さわるメイドインワリオ」等、計9タイトルの新製品を発売しました。また、「ゲームボーイアドバンス」対応ソフトウェアとして、ゲーム機本体に特殊なセンサーを組み込んだカートリッジを差し込むことにより、本体をくるくる回すことでゲームを操作できる、まわる瞬間アクションゲーム「まわるメイドインワリオ」等、計36タイトルの新製品を発売しました。

据置型ゲーム機では、「ニンテンドー ゲームキューブ」対応ソフトウェアとして、マイクを使って音声で遊ぶ新ゲームが加わった人気シリーズの最新作「マリオパーティ6」や、樽の形をした楽器型コントローラ「タルコンガ」を叩いてキャラクターを操作する「ドンキーコング ジャングルビート」等、計11タイトルの新製品を発売しました。

また今後とも引き続き、コンピュータエンターテインメントの分野において、従来の路線の延長に位置付けられないビデオゲームの定義を広げるような新しいソフトウェアやそれを可能にするハードウェアの開発を進めていきます。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

ここに記載している全ての財務情報は、当有価証券報告書において開示している連結財務諸表に基づいています。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループ(当社及び連結子会社)の連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、主としてコンピュータエンターテインメントの分野で事業を展開しており、ヒット商品の有無や、その規模によって経営成績が大きく変わります。また、娯楽の範囲は広くゲームより面白い遊びが流行れば、その影響も受けます。

海外での売上割合が70%を超えており、また提出会社では未予約の外貨建資産(現預金等)を保有しているため為替変動の影響を受け、とりわけ米ドル及びユーロの為替相場が円安になった場合には業績に好影響を、円高になった場合には悪影響を及ぼします。

事業の主要部門であるレジャー機器部門は、ゲーム機本体等のハードウェアと各ハードウェア対応のソフトウェアに分類されます。ハードウェアとソフトウェアでは利益率が大きく違うため、これらの売上比率によって売上総利益に影響が出ます。

その他にも経営成績には、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載する変動要因が考えられます。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度は前連結会計年度と比較すると、増収増益となりました。

(売上高)

据置型ゲーム機の「ニンテンドー ゲームキューブ」ハードウェアは、前連結会計年度と比べ販売数量は減少しましたが、対応ソフトウェアについては、「マリオパーティ6」や「マリオカート ダブルダッシュ!!」などが人気を博したことにより、販売数量は増加しました。

携帯型ゲーム機については、「ゲームボーイアドバンス」及び「ゲームボーイアドバンスSP」ハードウェアの販売数量は減少しましたが、当連結会計年度に新発売した「ニンテンドーDS」の売上が好調に推移したことや、「ゲームボーイアドバンス」対応ソフトウェアである「ファミコンミニ」シリーズが好評だったことなどにより、前連結会計年度と比べ販売数量及び売上高ともに増加しました。

これらの結果、売上高は前連結会計年度に比べ4億円の増収で5,152億円(前年同期比0.1%増)となりました。

(営業利益)

「ニンテンドーDS」や「ゲームボーイミクロ(仮称)」、「レボリューション(仮称)」などのハードウェア及びそれぞれに対応するソフトウェアの開発による研究開発費の上乗せなどにより販売費及び一般管理費は増加したものの、これを吸収する売上総利益率の上昇の結果、営業利益も38億円の増益で1,115億円(前年同期比3.6%増)となりました。

(経常利益)

米ドルの為替相場が円安に推移し為替差益を218億円計上したことや、預金の運用利率の上昇などで受取利息が増加したことなどにより、経常利益は1,452億円(前年同期比189.8%増)となりました。

(当期純利益)

投資有価証券評価損が16億円発生したことや、利益の増加による法人税、住民税及び事業税等の増加があるものの当期純利益も増加し、874億円(前年同期比163.3%増)となりました。

 

(4) 財政状態の分析

総資産は、当連結会計年度においては、売掛金回収の増加や為替変動の影響を受けたことなどにより現金及び預金が増加し、3月に欧州で「ニンテンドーDS」を新発売したことなどにより受取手形や売掛金、たな卸資産が増加したことにより、前連結会計年度と比べ1,224億円増加し、1兆1,324億円となりました。

負債は、「ニンテンドーDS」関連部品等の仕入が増加し支払手形及び買掛金が増加したことや、未払法人税等の増加などにより、前連結会計年度と比べて912億円増加し、2,108億円となりました。

資本は、平成16年9月に、取締役会の決議に基づき自己株式を429億円で市場より買受けましたが、利益が拡大したことにより、前連結会計年度と比べ312億円増加し、9,214億円となりました。

 

(5) 資金の流動性について

当連結会計年度末現在において、流動比率は4.8倍、総負債額に対する現金及び現金同等物は3.8倍です。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料及び部品の購入のほか、広告費を始めとする営業費用と研究開発費です。このほか会社の成長に必要な設備投資等をも含め、全て自己資金でまかなうことを原則としています。

新製品の発売時期には、一時的な売上債権、仕入債務、たな卸資産等の増加があり、営業活動によるキャッシュフローが増減します。

また、将来の経営環境等の急激な変化への対応や競争に勝ち抜くために必要な資金を内部留保しているため、定期預金の預入・払戻、有価証券の取得・売却のタイミング等により投資活動によるキャッシュフローが増減します。

 





出典: 任天堂株式会社、2005-03-31 期 有価証券報告書