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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における我が国経済は、好調な企業業績を背景に設備投資が堅調に推移したほか、輸出が緩やかに増加するなど、回復基調で推移しましたが、原油価格や原材料価格の高騰に加え、米国のサブプライムローン問題に端を発した金融不安の影響もあり、後半には企業収益の伸びが足踏み状態となるなど、先行きに不透明感が増してきました。海外に目を転じますと、米国では、住宅投資の大幅な減少に加え、今年に入って、雇用者数が減少に転じるなど、景気後退の現実味が増しており、欧州では、ユーロ経済圏において堅調に推移していた景気に緩やかな減速感が表れてきました。

しかしながら、このような状況の下、ゲーム業界においては、前連結会計年度から好調に推移している携帯型ゲーム機に加えて、据置型ゲーム機の普及も進み、また、これに伴って、ソフトウェア市場も拡大し、市場全体は更なる成長を遂げています。

当社グループは、「ゲーム人口の拡大」を基本戦略として掲げ、その実現に取り組んできました。携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」関連では、従来のゲームの定義を広げることにチャレンジするソフトウェア群「Touch! Generations」シリーズの展開を引き続き行い、据置型ゲーム機「Wii」関連では、「Wiiリモコン」や周辺機器を用いて直感的に操作するソフトウェアに加え、従来の慣れ親しんだ操作での面白さをも追求したソフトウェアも発売するなど、ゲーム初心者からゲーム熟練者まで楽しめる多彩な製品を提供し続けてきました。その結果、売上高は1兆6,724億2千3百万円(前年同期比73.0%増)、営業利益は4,872億2千万円(前年同期比115.6%増)、経常利益は4,408億7百万円(前年同期比52.6%増)、当期純利益は2,573億4千2百万円(前年同期比47.7%増)と全ての数値が過去最高になりました。

売上を事業の種類別に見ますと、レジャー機器部門において、携帯型ゲーム機関連では、「ニンテンドーDS」の売れ行きが欧州を始めとして全世界で引き続き好調に推移し、当連結会計年度に3,031万台(累計販売台数は7,060万台)を販売しました。対応ソフトウェアでは、国内で前連結会計年度に発売した「ポケットモンスター ダイヤモンド/パール」を海外でも発売し、当連結会計年度に全世界で956万本(累計販売本数は1,477万本)を販売しました。また、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の2作目「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」も海外に投入し、1作目とともに順調に売上を伸ばした結果、当連結会計年度の全世界販売本数は2作で1,181万本(累計販売本数は2,381万本)となりました。このほか、「マリオパーティDS」「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」などの当連結会計年度に発売したタイトルの売れ行きが好調であったことに加えて、「ニンテンドッグス」「New スーパーマリオブラザーズ」などの発売後長く売れ続けているタイトルもあり、ソフトウェアの売上も好調に推移し、この結果、累計ミリオンセラータイトル数(受託製造分を含む)は前連結会計年度末の30タイトルから57タイトルになりました。

据置型ゲーム機関連では、前連結会計年度に発売した「Wii」を全世界で1,861万台(累計販売台数は2,445万台)販売し、大きく普及が進みました。対応ソフトウェアにおいては、周辺機器「バランスWiiボード」を使って家族みんなで楽しく手軽に健康管理ができる「Wii Fit」を国内で発売し、185万本を販売したほか、インターネットを介した対戦システムを取り入れたアクションゲームの最新作「大乱闘スマッシュブラザーズX」を国内、北米で発売し、それぞれ161万本、324万本を販売しました。また、「スーパーマリオギャラクシー」「マリオパーティ8」や前連結会計年度に発売した「Wiiスポーツ」「はじめてのWii」の売れ行きも好調に推移したことにより、ソフトウェアの売上は大幅に増加しました。この結果、累計ミリオンセラータイトル数(受託製造分を含む)は前連結会計年度末の5タイトルから26タイトルになりました。

上記により、レジャー機器部門の売上高は1兆6,687億9千3百万円(前年同期比73.0%増)となりました。また、その他(トランプ・かるた他)部門の売上高は36億2千9百万円(前年同期比68.5%増)となりました。

所在地別セグメント状況を見ますと、日本では売上高が1兆4,356億5千2百万円(前年同期比59.7%増、セグメント間の内部売上高1兆981億7千4百万円を含む)、営業利益が3,905億4千万円(前年同期比84.0%増)、南北アメリカでは売上高が6,622億7百万円(前年同期比86.7%増、セグメント間の内部売上高24億9千6百万円を含む)、営業利益が420億5千8百万円(前年同期比192.5%増)、欧州では売上高が6,204億2千2百万円(前年同期比133.1%増、セグメント間の内部売上高3百万円を含む)、営業利益が534億3百万円(前年同期比215.0%増)となりました。その他の地域では売上高が551億9百万円(前年同期比229.3%増、セグメント間の内部売上高2億9千3百万円を含む)、営業利益が62億6千4百万円(前連結会計年度は9千8百万円の損失)となりました。

なお、上記金額は消費税抜で記載しています。

 

(2) キャッシュ・フロー

現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、期首残高から4,148億4百万円の増加(前連結会計年度は715億9千7百万円の増加)となり、1兆1,035億4千2百万円(前年同期比60.2%増)となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とその要因は次のとおりです。

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が4,337億7千5百万円となりましたが、売上債権やたな卸資産が増加したことなどによって資金が減少し、3,323億7千8百万円の増加(前連結会計年度は2,746億3千4百万円の増加)となりました。

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動による資金は、有価証券の償還による収入が、有価証券の取得による支出を上回ったことなどにより、2,332億6百万円の増加(前連結会計年度は1,746億3百万円の減少)となりました。

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動による資金は、主に配当金の支払により、978億4千4百万円の減少(前連結会計年度は501億3千7百万円の減少)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。

 

事業の種類別
セグメント
主要製品
金額
(百万円)
前年同期比
(%)
レジャー機器
ハードウェア
携帯型ゲーム機本体
457,976
+11.6
据置型ゲーム機本体
557,613
+206.8
その他
120,680
+113.1
ハードウェア計
1,136,269
+75.1
ソフトウェア
携帯型ゲーム機用ソフトウェア
334,275
+6.1
据置型ゲーム機用ソフトウェア
264,239
+182.7
ソフトウェア計
598,515
+46.5
レジャー機器計
1,734,785
+64.1
その他
トランプ・かるた他
2,188
+87.1
合計
1,736,973
+64.1

(注) 上記金額は、販売価格により算出し、消費税等を含みません。

 

(2) 受注状況

当社グループ(当社及び連結子会社)は原則として見込生産ですが、レジャー機器部門のうち主にソフトウェアにおいて、一部受注生産を行っています。当連結会計年度における受注状況は、次のとおりです。

 

事業の種類別
セグメント
主要製品
受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
レジャー機器
携帯型ゲーム機
113,578
+43.0
4,906
△22.6
据置型ゲーム機
58,607
+165.8
1,958
+107.4
合計
172,185
+69.7
6,864
△5.7

(注) 上記金額には、消費税等を含みません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。

 

事業の種類別
セグメント
主要製品
金額
(百万円)
前年同期比
(%)
レジャー機器
ハードウェア
携帯型ゲーム機本体
467,226
+24.9
据置型ゲーム機本体
499,346
+219.1
その他
110,140
+103.0
ハードウェア計
1,076,713
+84.1
ソフトウェア
携帯型ゲーム機用ソフトウェア
332,756
+14.0
据置型ゲーム機用ソフトウェア
247,803
+200.9
ロイヤリティ収入・コンテンツ収入他
11,520
+117.3
ソフトウェア計
592,079
+56.0
レジャー機器計
1,668,793
+73.0
その他
トランプ・かるた他
3,629
+68.5
合計
1,672,423
+73.0

 (注)1 上記金額には、消費税等を含みません。

     2 相手先別の販売実績が総販売実績の10%以上となる主要な販売先はありません。

 

3 【対処すべき課題】

(1) 事業等について

ゲーム産業は、日本発で世界に通用する数少ないエンターテインメント分野として成長を遂げてきましたが、ここ数年、従来の成功法則であった「ゲームの豪華さと複雑さを追求する路線」に限界が見え始め、従来路線の延長では開発費の高騰が避けられず、市場の拡大も難しいことが、業界全体の共通認識となる中、「ニンテンドーDS」と「Wii」の双方が好調に推移したことで、市場全体も拡大し、ゲーム業界は新たな成長軌道に入りつつあります。

このような状況下、当社グループは、提供する娯楽を通じて関わる多くの人々を笑顔にしたいとの考えの下、継続的な「ゲーム人口の拡大」に取り組み、老若男女を問わず多くの方々に楽しんでいただける製品の提供に努めます。

「Wii」においては、リビングルームにおける家族のコミュニケーションを通じて「取り巻く人々を笑顔にするマシン」となることを目指します。従来のゲームジャンルに加えて、毎日の生活に関係した遊びの開発も行うほか、アイディアを優先したバラエティ溢れる新作ソフトウェアをダウンロードして購入できるサービス「Wiiウェア」の充実を図り、欧米への展開も行う予定です。また、「ニンテンドーDS」においても、引き続き様々なソフトウェアの展開を行うほか、普及率の高さを活かした新たな用途の開拓を進め、「所有者の生活を豊かにするマシン」となることで、「一家に一台」から「一人に一台」という究極の目標に少しでも近づけるよう、普及を推し進めていきます。

 

(2) 株式会社の支配に関する基本方針について

当社の取締役会は、当社が公開会社としてその株式の自由な売買が認められている以上、当社株式の大量取得を目的とする買付けや買収提案が行われた場合にそれに応じるか否かは、最終的には株主の判断に委ねられるべきものと考えています。しかしながら、株式の買付けや買収提案の中には、その目的等から見て対象企業の企業価値・株主共同の利益を損なうおそれのあるものの存在も否定できないところであり、そのような買付けや買収提案は不適切なものであると考えています。

現在のところ、当社においては、株式の買付けや買収提案が行われた場合の具体的な取組みはあらかじめ定めていませんが、このような場合に備えた体制については既に整備しています。また、株主に対して善管注意義務を負う経営者の当然の責務として、株式の買付けや買収提案に際しては、慎重に当社の企業価値・株主共同の利益への影響を判断し、適切と考えられる措置を講じます。

具体的には、社外の専門家も起用して株式の買付けや買収提案の評価及び買付者や買収提案者との交渉を行うほか、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうと判断される株式の買付けや買収提案に対しては、具体的な対抗措置の要否及び内容を決定し、実行する体制を整えます。

なお、いわゆる「買収防衛策」の導入につきましては、買収行為に係る法制度や判例、関係当局の見解等を踏まえ、今後も検討を継続します。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく記載した事項以外の予見し難いリスクも存在します。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経済環境に関するリスク

為替レートの変動

当社グループは、全世界で製品を販売し海外での売上割合は80%を超えています。そのほとんどを現地通貨で取引し、また、提出会社は多額の外貨建資産(未予約の現預金等)も保有しています。そのため、円建資産に転換する場合だけでなく財務諸表作成のための換算においても為替レート変動の影響を強く受け、米ドルやユーロの為替レートが円高に推移した場合は、業績に悪影響を及ぼします。

 

(2) 事業活動に関するリスク

市場環境の変化や他社との競争

当社グループの事業は、幅広い娯楽の中の一分野であり、他の様々な娯楽の趨勢による影響を受けます。他の娯楽へのユーザーの志向が強くなると、ゲーム市場が縮小する可能性があります。また、技術の進歩や革新で新たな競争相手が出現し、大きな影響を受ける可能性があります。

ゲーム業界においては、より多くの研究開発費や広告宣伝費等が必要とされる一方で、巨大な同業他社との価格競争等もあり、これまで以上に利益を確保し難い状況になる可能性があります。当社グループは、競争の結果、市場シェアを拡大もしくは維持し、収益性を保つことが出来なくなる可能性があります。

 

新製品開発

当社グループは、継続して斬新で魅力ある新製品を開発していますが、コンピュータエンターテインメントの分野において、新製品の開発プロセスは、複雑かつ不確実なものであり、以下のような様々なリスクが含まれます。

① ソフトウェアの開発にはかなりの時間と費用を必要とするものもある一方で、ユーザーの嗜好は常に変化しており、全ての新製品が、ユーザーから受け入れられる保証はなく、開発を中断または中止することがあります。

② ハードウェアの開発には長い期間を必要とする一方で、技術は絶えず進歩しており、娯楽にふさわしい必要な技術を装備出来ない可能性があります。さらに、発売が遅れた場合、市場シェアの確保が難しくなる可能性があります。

③ 当社製品は、その特性から予定の期間内で開発することや計画通り販売することが困難で、業績予想から大きく乖離する可能性があります。

 

製品の評価、適正在庫の確保

ゲーム業界における製品は、ライフサイクルが比較的短く、また、クリスマス需要の割合が非常に大きいなど、嗜好性や季節性の強いものです。その需要に見合った供給を確保するために見込生産を行いますが、正確な販売予測は困難であるため、過剰な在庫を抱える危険性があります。また、保有するたな卸資産が陳腐化することにより、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性もあります。

 

海外進出及び国際的活動

当社グループの事業は、日本以外に、米国、欧州、豪州並びにアジア等でも行っています。これらの海外市場への事業進出には、①予期しない法律や規制の施行または変更、②不利な政治または経済要因の発生、③多国間税制度における不統一性及び税法解釈の相違における不利な取扱、④人材の採用と確保の困難、⑤テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが存在します。

 

外部企業への製造依存

当社グループは、主要な部品の製造や製品への組立てを複数のグループ外企業に委託しています。グループ外企業の倒産等により重要部品の調達及び製造に支障が生じる可能性があります。また、部品の製造業者が当社グループの必要とする数量を予定通りに供給出来ない可能性もあります。重要部品が不足すると、部品の価格高騰による利益率の低下に止まらず、製品の供給不足や品質管理等で問題が発生し、顧客との関係悪化をも引き起こす可能性があります。

また、製造委託先の生産拠点が海外に多く、現地で暴動や災害等が起こり生産が妨げられれば、業績に悪影響を及ぼします。

 

業績の季節的変動

当社製品の需要は、かなりの部分がクリスマスや正月時期に集中するため、季節的に変動します。この時期に魅力的な新製品を投入出来なかった場合や、製品の供給が間に合わなかった場合等においては、業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(3) 法的規制・訴訟に関するリスク

製造物責任

当社グループの製品は、世界各地域で認められている品質管理基準に従って製造していますが、欠陥等が見つかり、将来大規模な返品要求が発生する可能性があります。また、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、追加のコストの発生や当社グループの評価に影響を与え、将来の業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

知的財産保護の限界

当社グループは、他社製品と差別化出来る様々な知的財産を蓄積してきましたが、地域によっては、既にコピー商品が流通し当社グループの知的財産権の一部を侵害しています。今後においても知的財産権の保護が十分に出来ない可能性があります。

 

個人情報の漏洩や秘密情報の流出

当社グループは、「クラブニンテンドー」の会員情報をはじめとして、当社製品のユーザーに関する個人情報を保有しています。万一これらの個人情報が漏洩した場合や、当社グループの開発や営業機密が流出し第三者に不正使用された場合等は、将来の経営成績、株価及び財務状況等に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

会計制度・税制等の変更

当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更等により、業績や財務状況等に影響が及ぶ可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、追加の税負担が生じる可能性があります。

 

訴訟等

当社グループは、国内及び海外における事業活動等に関し、訴訟、紛争またはその他の法的手続等の対象となることがあります。その場合、業績に悪影響を受ける可能性があります。

 

(4) その他

上記のほか、売上債権の回収不能、金融機関の破綻、環境に関する規制等により業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、提供する娯楽を通じて世界中のひとりでも多くの人々を笑顔にしたいとの考えの下、様々な企業の協力を得て、主に「レジャー機器」部門の携帯型と据置型の両方でハードウェア及びソフトウェアの研究開発活動を行っています。

当連結会計年度におけるグループの研究開発費は、370億1百万円(消費税等抜)であり、研究開発活動の状況につきましては、以下のとおりです。

ハードウェアの研究開発においては、UI(ユーザーインターフェイス)、OS(オペレーティングシステム)、無線通信並びにネットワーク技術、表示媒体、大容量記憶媒体、CG(コンピュータグラフィックス)表現、電源技術、セキュリティ技術等、様々な技術をゲームの世界に応用するべく、研究開発活動に取り組んでいます。また、既存のハードウェアに関しても、より安全で快適に楽しんでいただくための品質・性能の向上、多様な周辺機器の設計や開発、コストダウン設計等の重要なテーマに引き続き取り組んでいます。

併せて、ソフトウェアの研究開発においては、年齢・性別・ゲーム経験の有無を問わず多くの人々に楽しんでいただくために、開発環境の整備をはじめとして、ハードウェアの機能を十分に活かした商品企画、デザイン、プログラム開発に努めています。

これらの結果、据置型ゲーム機では、Wii対応ソフトウェアとして、「直感・記憶・分析・数学・知覚」の5ジャンル・20種類の問題を通じて楽しく脳の活性化を図ることができる「Wiiでやわらかあたま塾」や、「Wiiリモコン」と拡張コントローラ「ヌンチャク」の2つのコントローラを使って3Dグラフィックスの空間でキャラクターを自由に操作する楽しさを提案した「スーパーマリオギャラクシー」、周辺機器「バランスWiiボード」を使って家族みんなで楽しく手軽に健康管理ができる「Wii Fit」等の計12タイトルの新作ソフトウェアを発売し、リビングルームにおける家族のコミュニケーションを通じて、「Wii」を取り巻く人々を笑顔にする取り組みを行ってきました。また、アイディアを優先したバラエティ溢れる新作ソフトウェアをダウンロードして購入できるサービス「Wiiウェア」を日本で開始しました。

一方、携帯型ゲーム機では、ニンテンドーDS対応ソフトウェアとして、ゼルダシリーズにタッチペンによる直感的なキャラクター操作を取り入れることで新たな面白さを提案した「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」、筆型タッチペン「美文字筆」を使って画面に書いた文字を添削してもらうことで美しい文字バランスのトレーニングを行うことができる「DS美文字トレーニング」等の計25タイトルの新作ソフトウェアを発売したほか、ニンテンドーDS対応周辺機器として、「ニンテンドーDS」に接続していつでもどこでも手軽にテレビ番組を視聴することができるワンセグ受信アダプタ「DSテレビ」を発売し、「ニンテンドーDS」の所有者の生活を豊かにする取り組みを行ってきました。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

ここに記載している全ての財務情報は、当有価証券報告書において開示している連結財務諸表に基づいています。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループ(当社及び連結子会社)の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループは、主としてコンピュータエンターテインメントの分野で事業を展開しており、ヒット商品の有無や、その規模によって経営成績が大きく変わります。また、娯楽の範囲は広く、ゲーム以上に面白さや驚きを人々に与えるものが流行れば、その影響も受けます。

海外での売上割合が80%を超え、その殆どが外貨建て取引であり、また提出会社では未予約の外貨建資産(現預金等)を保有しているため、為替変動の影響を強く受けることになります。とりわけ米ドル及びユーロの為替相場が円安になった場合には業績に好影響を、円高になった場合には業績に悪影響を及ぼします。

事業の主要部門であるレジャー機器部門は、ゲーム機本体等のハードウェアと各ハードウェア対応のソフトウェアに分類されます。ハードウェアとソフトウェアでは利益率が異なるため、これらの売上比率は売上総利益に影響を与えます。

その他にも経営成績には、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載する変動要因が考えられます。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度は前連結会計年度と比較すると、大幅な増収増益となりました。

(売上高)

携帯型ゲーム機は、ニンテンドーDS関連が欧州を始めとして全世界で引き続き好調であったことにより、前連結会計年度と比べてハードウェアでは24.9%増加の4,672億2千6百万円、ソフトウェアでは14.0%増加の3,327億5千6百万円となりました。

また、据置型ゲーム機は、「Wii」の普及が大きく進み、ソフトウェアの売れ行きにも好影響を与えた結果、前連結会計年度と比べてハードウェアでは219.1%増加の4,993億4千6百万円、ソフトウェアでは200.9%増加の2,478億3百万円となり、大幅な増収となりました。

これらの結果、売上高は前連結会計年度に比べて7,058億8千8百万円の増収で、1兆6,724億2千3百万円(前年同期比73.0%増)となりました。

(営業利益)

主にWiiハードウェアの売上が大幅に増加したことに伴い、利益率の低いハードウェアの売上高に占める割合は高くなりましたが、量産効果によるコストダウンや対ユーロの期中平均為替レートが大幅に円安となったこと等の影響により、前連結会計年度と比べて売上総利益率は僅かに上昇しました。

また、Wii関連の広告費を始めとして販売費及び一般管理費は増加しましたが、その増加割合は売上総利益の大幅な増加割合に比べて小さく、そのため、営業利益は2,611億9千5百万円の増益で4,872億2千万円(前年同期比115.6%増)となりました。

(経常利益)

運用資金の増加等に伴い、受取利息が101億7千1百万円増加しましたが、前連結会計年度の為替差益が当連結会計年度は為替差損に大きく転じたことにより、経常利益は1,519億6千8百万円の増益で4,408億7百万円(前年同期比52.6%増)となりました。

(当期純利益)

主に経常利益が増益になったことにより、830億5千2百万円の増益で2,573億4千2百万円(前年同期比47.7%増)となりました。

 

(4) 財政状態の分析

総資産は、業績が好調であったため、前連結会計年度と比べて2,268億9千3百万円増加し、1兆8,024億9千万円となりました。

負債は、売上増加に対応して買掛金や支払手形が増加したこと等により、前連結会計年度と比べて989億3千8百万円増加し、5,725億1千6百万円となりました。

純資産は、利益剰余金が増加したこと等により、1兆2,299億7千3百万円となりました。

なお、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しています。

 

(5) 資金の流動性について

当連結会計年度末現在において、流動比率は2.9倍、総負債額に対する現金及び現金同等物は1.9倍です。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料及び部品の購入代や法人税等のほか、広告宣伝費や研究開発費です。このほか、会社の成長に必要な設備投資等を含め、全て自己資金でまかなうことを原則としています。

新製品の発売時期には、一時的な売上債権、仕入債務、たな卸資産等の増加があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼします。

また、将来の経営環境への対応や業容拡大等のために必要な資金を内部留保しており、3か月を超える定期預金の預入・払戻、有価証券の取得・売却の時期等により投資活動によるキャッシュ・フローが増減します。

 





出典: 任天堂株式会社、2008-03-31 期 有価証券報告書