有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 当連結会計年度におけるわが国経済は、原油価格の高騰など先行きに不透明感があるものの、内需主導で緩やかながら持続性のある回復基調をたどっており、個人消費や設備投資も堅調に推移するなど、景気も明るい見通しがたってまいりました。
 宝飾品業界におきましては、まだ景気好転の影響は明らかではありませんが、一般消費と同様に潜在的な動きは始まっているものと思われます。
 このような状況の中で、当社グループは、売上計画を遂行していくとともに、継続した経費の削減やヒトの効率的配置に重点を置いて利益体質の強化に努めてまいりました。地域別では、中国における売上・利益が好調を持続しました。また、生産拠点としては、ミャンマーにおける南洋真珠の養殖も順調でありました。
 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高が291億22百万円(前年同期比102.0%)、営業利益は16億64百万円同89.6%)、経常利益は4億93百万円(同54.9%)となりました。当期純損失につきましては、特別損失に減損損失を19億85百万円計上したこと等により、税効果会計を加味した結果14億82百万円の損失(前年同期は5億34百万円の損失)となりました。
事業の種類別セグメントの概況は、以下のとおりであります。
(小売事業)
 小売事業の売上高は173億55百万円で前年同期比0.8%(1億33百万円)の増収となりました。これは主に、国内市場におけるあこや真珠製品の売上が伸びたためであります。営業利益は、営業費用が1億93百万円増加し、60百万円減益の29億19百万円となりました。
(卸売事業)
 卸売事業の売上高は116億41百万円で前年同期比6.2%(6億82百万円)の増収となりました。これは主に、海外における売上が伸びたことによるものであります。営業利益は、営業費用が7億76百万円増加し、85百万円減益の9億75百万円となりました。
(その他事業)
 その他事業は飲食業であり、売上高は1億25百万円で前年同期比66.4%(2億円48百万円)の減収となりました。これは、既存店3店のうち2店を閉店したことによるものであります。営業利益は、営業費用が2億57百万円減少し、53百万円の損失(前年同期は58百万円の損失)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
 「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、税金等調整前当期純損失14億25百万円に、減価償却費6億21百万円、減損損失19億85百万円、売上債権の減少額2億3百万円、たな卸資産の減少額4億33百万円などを加え、法人税等の支払額9億94百万円を差引き、9億97百万円の増加(前年同期は1億64百万円の減少)となりました。
 「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、定期預金の純減少額4億79百万円、投資有価証券の売却による収入1億36百万円、有形固定資産の売却による収入1億69百万円などの増加から、有形固定資産の取得による支出3億26百万円などを差引き、8億9百万円の増加(前年同期は19億94百万円の増加)となりました。
 「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、長期借入による収入152億円、短期借入金の純増加額25億18百万円、社債満期償還による支出79億10百万円、長期借入金の返済による支出111億87百万円などにより、16億90百万円の減少(前年同期は19億70百万円の減少)となりました。
 この結果、「現金及び現金同等物の期末残高」は、前年度に比べ1億22百万円増加し26億67百万円となりました。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
① 養殖真珠浜揚実績
 
当連結会計年度
(自 平成17年11月1日
至 平成18年10月31日)
前年同期比(%)
アコヤ真珠養殖(千貝)
2,336
128.1
マベ真珠養殖(千貝)
113
114.0
南洋真珠養殖(千貝)
310
115.5
合計(千貝)
2,759
125.9
② 真珠製品加工実績(ネックレス・バラ珠)
 
当連結会計年度
(自 平成17年11月1日
至 平成18年10月31日)
前年同期比(%)
アコヤ真珠(千円)
3,384,777
104.1
淡水真珠(千円)
269,043
116.8
マベ真珠(千円)
286,701
89.1
合計(千円)
3,940,522
103.6
 (注)1.加工実績には消費税等を含んでおりません。
2.金額は、製造原価によっております。
③ 宝飾品加工実績(細工品)
 
当連結会計年度
(自 平成17年11月1日
至 平成18年10月31日)
前年同期比(%)
真珠製品(千円)
1,099,859
97.9
マベ真珠製品(千円)
255,124
91.3
南洋真珠製品(千円)
1,205,443
63.9
貴石・半貴石製品(千円)
5,903,622
108.8
貴金属製品(千円)
937,931
116.5
その他(千円)
72,584
278.7
合計(千円)
9,474,566
99.2
 (注)1.加工実績には消費税等を含んでおりません。
2.金額は、製造原価によっております。
(2)受注実績
 当社グループは、原則として見込生産を行っているため該当事項はありません。
(3)販売実績
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成17年11月1日
至 平成18年10月31日)
前年同期比(%)
小売事業(千円)
17,355,216
100.8
卸売事業(千円)
11,641,553
106.2
その他事業(千円)
125,988
33.6
合計(千円)
29,122,757
102.0
 (注) 販売実績には消費税等を含んでおりません。
3【対処すべき課題】
(1)当面の対処すべき課題の内容等
 当社グループの基本的経営戦略は、製販一貫体制による高付加価値を獲得することであります。当社グループは、真珠製品については真珠貝の養殖から、ダイヤ製品についてはダイヤ原石の海外入手から、それぞれ加工工程を経て完成品とし、国内・海外における小売・卸売と広範囲にわたる事業活動の中から付加価値を産み出す仕組みをもっております。
 この構造をさらに高収益化するために、中長期的に次のような課題を掲げております。今後、経営実行指針として中期計画を策定し、これらの課題解決に取り組んで行く所存であります。
 ①販売力・商品力強化による高成長性の確保
・魅力ある商品創造のための開発力・デザイン力の強化
・店舗のスクラップ・アンド・ビルドとリニューアル
・新規顧客・販売ルートの開拓
・グローバルなブランド力の強化と活用
 ②コスト力・収益力の強化
・管理間接コストの削減
・製造コスト削減による原価率の低減
 ③財務強化
・有利子負債の削減策の追求と実行
・適正在庫を指向した製販活動
 ④目標管理の徹底
・部門別目標管理の徹底
 ⑤人材の活性化
・重点部門への人材シフト
(2)当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針(買収防衛策)について
 当社は、平成19年1月9日に開催された取締役会において、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為に対する対応方針(以下「本対応方針」という。詳細につきましては、インターネットの当社ホームページ(http://www.tasaki.co.jp/kessan/kessan.htm)に掲載しております。)を決議いたしました。
 なお、以下においてはこれらの買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。
①基本的な考え方
 当社株式の大規模な買付行為がなされたときに、大規模買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうか等大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が短期間の内に適切に判断するためには、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠です。
 そこで、当社取締役会は、大規模買付行為が、株主の皆様の判断のために必要かつ十分な大規模買付行為に関する情報が提供されるための一定の合理的なルールに従って行われることが、企業価値・株主共同の利益に合致すると考え、以下の概要の事前の情報提供に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定することといたしました。
②大規模買付ルールの概要
(ア)情報の提供
 大規模買付を行おうとする場合には、当社代表取締役宛に、大規模買付者の名称等及び提案する大規模買付行為の概要を明示した、大規模買付ルールに従う旨の意向表明書をご提出していただくこととします。当社取締役会は、意向表明書受領後10営業日以内に、大規模買付者から当初提供いただくべき当社株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)のリストを大規模買付者に交付します。当初提供していただいた情報を精査した結果、それだけでは不十分と認められる場合には、当社取締役会は、大規模買付者に対して本必要情報が揃うまで追加的に情報提供を求めます。
(イ)当社取締役会による評価期間
 当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付情報の提供を完了した後、60日間または90日間、評価・検討・交渉、取締役会としての意見形成及び取締役会による代替案立案を行い、大規模買付行為は、かかる取締役会による評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。取締役会評価期間中、当社取締役会は、独立委員会に諮問し、また、必要に応じて外部専門家等の助言を受けながら、提供された本必要情報を十分に評価・検討し、独立委員会からの勧告を最大限尊重したうえで、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、公表します。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として当社株主の皆様に対し代替案を提示することもあります。
 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示したりすることにより、当社株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、当社株主の皆様において、当該買付提案及び当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮のうえ、ご判断いただくことになります。
 これに対し大規模買付者により、大規模買付ルールが遵守されなかった場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗する場合があります。大規模買付者が大規模買付ルールを遵守したか否か及び対抗措置の発動の適否は、外部専門家等の意見も参考にし、また監査役の意見も十分尊重したうえで、独立委員会の勧告を最大限尊重し、当社取締役会が決定します。具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとします。
 なお、当社取締役会は、本対応方針につきましては、株主の皆様の賛同を得ることを条件としており、平成19年1月25日開催の第49期定時株主総会において「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針(買収防衛策)承認の件」は可決承認されました。 
4【事業等のリスク】
 以下に記載する事項は、当社グループの事業に関してリスク要因と考えられる事項であります。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成19年1月25日)において当社グループが判断したものであります。
(1)海外に生産拠点及び販売拠点をもっているため、その国の政治的経済的な安定度により影響を受ける可能性があります。
生産拠点
………
中国(上海市)における真珠その他宝飾品の加工
ミャンマーにおける南洋真珠の養殖(同国は現在、軍事政権下にあります)
販売拠点
………
中国(香港を含む)における宝飾品の販売
台湾における宝飾品の販売
アメリカ合衆国における宝飾品の販売
ベルギーにおける宝飾品の販売
(2)宝飾品の原材料であるダイヤ、色石、真珠、貴金属等は国際商品市場に左右される可能性があります。販売市場の需給関係により原材料高を販売価格に完全に転嫁できない可能性があります。
(3)輸出入を行っているため、為替変動による為替差損益が発生する可能性があります。
(4)真珠の養殖事業を行っていることに対し、日本国内で法的規制を受けております。漁業法及び水産業協同組合法による免許制であり、知事の認可が必要であります。
(5)真珠の養殖は自然を相手とする事業であり、気象条件や海況条件と真珠貝の斃死とは深い因果関係があります。
(6)有利子負債残高が多額にのぼるため、金利の変動が損益に大きく影響を及ぼす可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
6【研究開発活動】
  当社グループでは、高品質の真珠を安定的に生産できるように、その養殖技術等の研究開発のため、前連結会計年度に引き続き、主に徳島県海部郡美波町にある田崎海洋生物研究所にて生物学的基礎研究から養殖技術まで幅広く研究を行ってきました。 
 その主な内容は、真珠貝に関して飼料、寄生虫、病理水質等物理環境、交配などの研究や、新しい養殖管理技術の開発などであります。当連結会計年度における研究所の研究開発費は52百万円であります。
 さらに、上記養殖研究開発のほか、他生産部門においても、真珠製品、宝飾細工製品の加工技術の研究を行っており、それらを含め当連結会計年度における当社グループの研究開発費総額は61百万円であります。
 なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。
7【財政状態及び経営成績の分析】
(1)財政状態
 当連結会計年度末における資産合計は822億24百万円で前連結会計年度末と比べ41億96百万円減少いたしました。その主なものは、現金及び預金の減少3億56百万円、受取手形及び売掛金の減少2億71百万円、たな卸資産の減少3億74百万円、有形固定資産の減少20億33百万円並びに繰延税金資産の減少1億74百万円などであります。
 一方、これら資産の減少に見合う形で有利子負債(借入金及び社債)が13億66百万円減少いたしました。
 引き続き今後も資産のスリム化と有利子負債の減少を目指してまいります。
(2)経営成績
 原材料等の評価損2億96百万円を売上原価に計上したため原価率が1.8ポイント上昇しました。そのため、売上高は5億67百万円増加しましたが、売上総利益は2億15百万円減少いたしました。販売費及び一般管理費は、貸倒引当金繰入額の増加1億27百万円に対し、賃借料の減少62百万円、減価償却費の減少35百万円及び販売促進費の減少59百万円などにより22百万円減少しました。
 この結果、営業利益は1億93百万円の減少となりました。営業外損益では、為替差益の減少69百万円、受取配当金の減少18百万円及びシンジケートローン手数料の増加61百万円などにより、経常利益は4億5百万円の減少となりました。また、当期純損失では、特別利益に確定拠出年金移行差益を62百万円計上したのに対し、特別損失に減損損失を19億85百万円計上したことなどにより、税効果を加味した結果14億82百万円の損失となりました。




出典: 株式会社TASAKI、2006-10-31 期 有価証券報告書