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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や設備投資が高水準に推移し、景気は底堅さを持続いたしました。しかし、消費者心理は、原油価格の高騰を背景に、物価上昇の懸念から耐久消費財の購入に慎重になるなど、冷え込みが感じられました。

宝飾品業界におきましては、貴金属の高騰や顧客嗜好の多様化などの要因によって、販売の難しさが高まり、厳しい環境下にありました。

このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に盛り込んだ内容につき、課題を順次実行に移し、初年度の主な目標であった財務体質の改善については、所期の目標をほぼ達成できました。財務体質の改善は、主に資産の圧縮と有利子負債の削減であります。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は302億11百万円(前年同期比103.7%)、経常利益は5億64百万円(同114.4%)となりました。当期純損益におきましては、特別利益に固定資産売却益99億34百万円、特別損失に棚卸資産評価損79億47百万円及び固定資産の減損損失19億65百万円を計上したこと等により、税効果会計を加味した結果20億30百万円の損失(前年同期は14億82百万円の損失)となりました。

 

事業の種類別セグメントの概況は、以下のとおりであります。

(小売事業)

小売事業の売上高は173億35百万円で19百万円(前年同期比0.1%減)の減収となりました。これは国内市場において主に、ダイヤ製品の売上が不振であったためであります。営業費用が4億89百万円増加したことにより、営業利益は5億9百万円減少の24億10百万円となりました。

(卸売事業)

卸売事業の売上高は128億64百万円で12億23百万円(前年同期比10.5%増)の増収となりました。これは主に、海外子会社の売上が好調であったことによるものであります。営業費用が11億75百万円増加したことにより、営業利益は1億41百万円増加の11億17百万円となりました。

(その他事業)

その他事業の大部分が外食事業であり、売上高は11百万円で1億14百万円(前年同期比90.6%減)の減収となりました。これは、既存店1店舗を閉店したことによるものであります。営業費用が1億59百万円減少し、営業損失は9百万円(前年同期は53百万円の損失)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、税金等調整前当期純損失18億19百万円に、減価償却費5億82百万円、棚卸資産の減少額80億11百万円、減損損失19億65百万円、固定資産除売却損19億24百万円などを加え、固定資産売却益99億34百万円、仕入債務の減少額1億70百万円、貸倒引当金の減少額2億67百万円、法人税等の支払額3億25百万円などを差引き、60百万円の減少(前年同期は9億97百万円の増加)となりました。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、定期預金の純増加額12億63百万円、有形固定資産の売却による収入105億78百万円、無形固定資産の売却による収入59億22百万円などにより、159億30百万円の増加(前年同期は8億9百万円の増加)となりました。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、長期借入による収入28億円、社債の発行による収入14億80百万円に対し、長期借入金の返済による支出177億36百万円、社債償還による支出15億円、配当金の支払額2億97百万円などを差引き、165億27百万円の減少(前年同期は16億90百万円の減少)となりました。

この結果、「現金及び現金同等物の期末残高」は、前年度に比べ6億64百万円減少し、20億2百万円となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

① 養殖真珠浜揚実績

 

当連結会計年度
(自 平成18年11月1日
至 平成19年10月31日)
前年同期比(%)
アコヤ真珠養殖(千貝)
2,167
92.8
マベ真珠養殖(千貝)
118
104.3
南洋真珠養殖(千貝)
342
110.4
合計(千貝)
2,628
95.2

 

② 真珠製品加工実績(ネックレス・バラ珠)

 

当連結会計年度
(自 平成18年11月1日
至 平成19年10月31日)
前年同期比(%)
アコヤ真珠(千円)
2,520,564
74.5
淡水真珠(千円)
298,129
110.8
マベ真珠(千円)
264,146
92.1
合計(千円)
3,082,840
78.2

(注) 1 加工実績には消費税等を含んでおりません。

2 金額は、製造原価によっております。

 

③ 宝飾品加工実績(細工品)

 

当連結会計年度
(自 平成18年11月1日
至 平成19年10月31日)
前年同期比(%)
真珠製品(千円)
1,322,348
120.2
マベ真珠製品(千円)
289,560
113.5
南洋真珠製品(千円)
2,852,581
236.6
貴石・半貴石製品(千円)
6,981,520
118.3
貴金属製品(千円)
920,722
98.2
その他(千円)
54,768
75.5
合計(千円)
12,421,503
131.1

(注) 1 加工実績には消費税等を含んでおりません。

2 金額は、製造原価によっております。

 

(2) 受注実績

当社グループは、原則として見込生産を行っているため該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 

事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成18年11月1日
至 平成19年10月31日)
前年同期比(%)
小売事業(千円)
17,335,356
99.9
卸売事業(千円)
12,864,598
110.5
その他事業(千円)
11,832
9.4
合計(千円)
30,211,787
103.7

(注) 販売実績には消費税等を含んでおりません。

 

3 【対処すべき課題】

(1) 当面の対処すべき課題の内容等

当社グループは、すべてのお客様に対し、当社グループの制作する製品を通して、それを身につけることによる最高の満足を感じていただけるために、最高の品質、最高のデザイン、最高のサービスを提供することを基本方針としております。
 製品に対するゆるぎのない自信を貫くため、他社製品を取扱わず、あくまで自社独自の製販一貫体制にこだわり続けます。
 この基本方針を基に高収益化を図るために、次のような課題を掲げており、解決に取り組んで行く所存であります。

①当社グループの平成21年度までの売上・利益・財政に関する目標は、中期経営計画にて策定しておりますが、この目標達成に向けての課題に対する取組みを順次進めております。

②海外への事業展開
現在アジアを中心に活発に事業展開を図っておりますが、今後、米国・ヨーロッパなど需要の見込める地域への展開が課題であります。

③小売の占有割合の増加
国内の卸売セグメントの規模が市場の変化につれ縮小気味であり、今後、小売を強化する必要に迫られております。小売店舗のスクラップ・アンド・ビルドを活発化させることが課題であります。

④人材の活性化
色々な計画を立案しても結局最後に必要なのは人の働きであり、目標達成の要であります。
人材が効率よく働けるモチベーション作りが課題であります。

⑤内部統制・コンプライアンス
不正・誤謬によって突然死する企業が、昨今如実に増加してきております。2008年に内部統制制度が法的に強制されますが、それに歩調を合わせ、社内における統制・順法を強化整備することが課題であります。

⑥コスト削減
製造コスト削減による原価率の低減が課題であり、標準原価の見直しと、操業度に対する適正な人員配置などにより人員減を図ってまいります。
また、販売費及び一般管理費におきましては、展示会等の費用対効果につき合理化を図ってまいります。

⑦財務体質の改善
仕入金額の約30%削減により、棚卸資産の圧縮を図ってまいります。また、遊休不動産の売却約36億円により有利子負債の削減に取組んでまいります。

(2) 会社の支配に関する基本方針

①会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
 当社は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。特定の者の大規模買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
 しかし、当社及びグループ会社は、宝飾品事業を通して、企業価値・株主共同の利益の確保・向上に取組んでおり、そのため幅広きノウハウと豊富な経験、ならびに国内外の顧客・取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であります。株主の皆様にとっても、これらに関する十分な理解がなくては、将来実現することのできる企業価値・株主共同の利益を適正に判断することはできないものと考えます。
 当社は、当社株式の適正な価値を投資家の皆様にご理解いただくよう努めておりますものの、突然大規模買付行為がなされたときに、大規模買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうか等大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が短期間のうちに適切に判断するためには、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠であります。さらに、当社株式をそのまま継続的に保有することを考える株主の皆様にとっても、大規模買付行為が当社及びグループ会社に与える影響や、当社及びグループ会社の従業員、顧客及び取引先等のステークホルダーとの関係についての方針を含む、大規模買付者が考える当社及びグループ会社の経営に参画したときの経営方針や事業計画の内容等は、その継続保有の是非を検討するうえで重要な判断材料となります。
 同様に、当社取締役会が当該大規模買付行為についてどのような意見を有しているのかも、当社株主の皆様にとっては重要な判断材料となると考えます。
 これらを考慮し、当社取締役会は、大規模買付行為に際しては、当社の定める大規模買付ルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)に従って、大規模買付者から事前に、株主の皆様の判断のために必要かつ十分な大規模買付行為に関する情報が提供されるべきである、という結論に至りました。
 しかしながら、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合や、大規模買付ルールを遵守する場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう可能性がある場合で、かつ、対抗措置をとることが必要と判断した場合には、監査役の意見も十分尊重したうえで、独立委員会に諮問し、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、当社取締役会は対抗措置を発動することがあります。

②会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
 当社は、企業価値及び株主共同利益を確保し、向上させるため、財務体質の強化と人材の育成が次世代に向けての重要課題であるものとらえ、平成19年1月18日開催の取締役会において平成21年度(平成21年10月期)を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を決議し、公表いたしました。
 当計画は大きく3年間を見通したビジョン(方向性)と、それを少し具体化した種々のアクションプラン、並びに、その結果導かれるであろう目標数値から成っており、その実現に向かって鋭意努力しているところであります。
 計画の骨子といたしましては、(1)収益の向上(2)財務体質の改善 の二つのテーマであり、それらをいかに3年間のうちに達成させるかについて次のように考え方をまとめております。

(1)収益の向上
A)積極的に売上を伸ばすこと
・販売形態(小売市場、卸市場、海外市場)ごとの戦略立案
・商品の開発(商品企画・新デザイン)
・販売員の人材開発
・組織面の見直し
B)利益を出すこと
・コストの削減に注力(製造費、販管費)
・商品ミックスによる売上総利益の極大化
上記A、Bにより営業キャッシュフローを最大化すること

(2)財務体質の改善
従来課題であった有利子負債の多さと棚卸資産の多さの両面を、一気に解消すべく、次のA、Bを同時に実行する
A)不動産の売却と、その対価による有利子負債の返済
B)制度化された棚卸資産評価基準の先取りによる棚卸資産評価減
当中期経営計画の具体的内容については平成19年1月18日付「中期経営計画策定のお知らせ」をご参照ください。
(当社ホームページ:http://www.tasaki.co.jp/kessan/kessan.htm)

③本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
 当社は、上記①の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、予め当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。以下かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)に対する対応方針(以下「本対応方針」といいます。)を定めております。
 なお、本対応方針の詳細につきましては、平成19年12月17日付「当社株式の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の継続に関するお知らせ」をご参照ください。
(当社ホームページ:http://www.tasaki.co.jp/kessan/kessan.htm)

④上記取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

(1) 基本方針の実現頤使する特別な取組みについて
 当社の中期経営計画は当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し、向上させることを直接目的とするものであり、結果として基本方針の実現に資するものです。
 従って、当社取締役会は、当社取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

(2) 基本方針に照らして不適切な者による支配を防止する取組みについて

 当社取締役会は本対応方針が①の基本方針に沿うものであると判断しており、当社株主及び投資家の皆様が適切な投資判断を行ううえでの前提となるもので、かつ、当社の企業価値・株主共同の利益の保護・向上につながるものと考えております。また本対応方針は株主の皆様の意思を尊重するものであること、その内容は合理的な客観的発動要件が設定されていること、客観性、公正さ及び合理性を担保するために、取締役会から独立した独立委員会を設置し、諮問を受けた事項について勧告ができること、有効期限が1年間と定められたうえ、株主総会又は取締役会でいつでも廃止できるとされていることなどにより、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであり、当社役員等の地位の維持を目的とするものではありません。

 

4 【事業等のリスク】

以下に記載する事項は、当社グループの事業に関してリスク要因と考えられる事項であります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成20年1月30日)において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 海外に生産拠点及び販売拠点をもっているため、その国の政治的経済的な安定度により影響を受ける可能性があります。

生産拠点
………
中国(上海市)における真珠その他宝飾品の加工
ミャンマーにおける南洋真珠の養殖(同国は現在、軍事政権下にあります)
販売拠点
………
中国(香港を含む)における宝飾品の販売
台湾における宝飾品の販売
大韓民国における宝飾品の販売
アメリカ合衆国における宝飾品の販売
ベルギーにおける宝飾品の販売

 

(2) 宝飾品の原材料であるダイヤ、色石、真珠、貴金属等は国際商品市場に左右される可能性があります。販売市場の需給関係により原材料高を販売価格に完全に転嫁できない可能性があります。

 

(3) 輸出入を行っているため、為替変動による為替差損益が発生する可能性があります。

 

(4) 真珠の養殖事業を行っていることに対し、日本国内で法的規制を受けております。漁業法及び水産業協同組合法による免許制であり、知事の認可が必要であります。

 

(5) 真珠の養殖は自然を相手とする事業であり、気象条件や海況条件と真珠貝の斃死とは深い因果関係があります。

 

(6) 有利子負債残高が多額にのぼるため、金利の変動が損益に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、借入金の契約の一部に財務制限条項が付されております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、高品質の真珠を安定的に生産できるように、その養殖技術等の研究開発のため、前連結会計年度に引き続き、主に徳島県海部郡美波町にある田崎海洋生物研究所にて生物学的基礎研究から養殖技術まで幅広く研究を行ってきました。

その主な内容は、真珠貝に関して飼料、寄生虫、病理水質等物理環境、交配などの研究や、新しい養殖管理技術の開発などであります。当連結会計年度における研究所の研究開発費は53百万円であります。

さらに、上記養殖研究開発のほか、他生産部門においても、真珠製品、宝飾細工製品の加工技術の研究を行っており、それらを含め当連結会計年度における当社グループの研究開発費総額は60百万円であります。

なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 財政状態

当連結会計年度末における資産合計は638億円で前連結会計年度末と比べ184億24百万円減少いたしました。その主なものは、棚卸資産の減少80億11百万円、有形固定資産の減少83億17百万円、無形固定資産の減少22億72百万円などであります。
 一方、これら資産の減少に見合う形で有利子負債(借入金及び社債)が156億12百万円減少し、負債合計は300億74百万円となりました。
 引き続き今後も資産のスリム化と有利子負債の減少を目指してまいります。
 また、純資産合計は前連結会計年度末に比べ利益剰余金の減少13億70百万円、土地再評価差額金の減少8億9百万円等により、31億59百万円減少し337億25百万円となりました。

 

(2) 経営成績

「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 平成18年7月5日)が平成20年3月31日以前に開始する連結会計年度から適用できることになったことに伴い、当連結会計年度から同会計基準を適用しております。これにより、売上原価に棚卸資産評価損を2億92百万円計上したため、売上原価率が0.9ポイント上昇いたしました。そのため売上高は10億89百万円増加いたしましたが、売上総利益は2億33百万円の増加にとどまりました。
 販売費及び一般管理費は、貸倒引当金繰入額の減少1億42百万円に対し、賃借料の増加3億29百万円、販売促進費の増加1億85百万円、広告宣伝費の増加1億61百万円などにより6億27百万円増加いたしました。
 この結果、営業利益は3億94百万円の減少となりました。営業外損益では、シンジケートローン手数料の減少1億42百万円、支払利息の減少93百万円などにより、経常利益は70百万円の増加となりました。また、特別利益の固定資産売却益99億34百万円に対し、特別損失の棚卸資産評価損79億47百万円、減損損失19億65百万円などにより、税効果を加味した結果、当期純損失は20億30百万円となりました。

 





出典: 株式会社TASAKI、2007-10-31 期 有価証券報告書