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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な金融危機に端を発して景気の悪化がますます進行し、雇用情勢は依然として厳しく、個人消費の低迷は続いており、景気の先行きは不透明のまま推移いたしました。
 宝飾品業界におきましては、個人消費の冷え込みと、業界内の競争激化等により、業績低迷を余儀なくされ、その環境は厳しいものとなりました。
 このような状況のもと、当社グループは、新経営陣のもと、事業構造の改革と収益力の回復のため、大幅な人員削減の実施、養殖場の閉鎖等による生産体制の適正化を図りました。併せて、財務体質の更なる改善のため、引き続き、在庫内容の適正化と遊休資産の売却によるキャッシュ・フローの改善に取組みました。
 一方、当年5月より抜本的な組織改革を実行し、新体制のもとに商品開発・供給及び販売戦略の見直しを着実に推進いたしました。
 また、当年9月には新CIを導入し、新たなブランド戦略に着手いたしました。
 売上面におきましては、小売部門が市場の冷え込みにより販売は低迷し、卸部門は合理的戦略を実施したこと等により、売上高は大きく減少いたしました。また、海外子会社におきましても、グローバルな景気後退の影響は避けられず、一部子会社の事業縮小もあり同様に減少いたしました。
 利益面におきましては、売上の落ち込みを生産体制の合理化と組織改革による原価率の改善と販売費及び一般管理費の削減効果等により成果を上げました。
 以上の結果、当連結会計年度における売上高は187億83百万円(前期比63.5%)、営業利益は97百万円(前期は25億41百万円の損失)、経常損益は3億70百万円の損失(前期は39億2百万円の損失)となりました。
 また、当期純損益におきましては、特別損失に養殖場等の事業場閉鎖損失41億71百万円、遊休資産等の減損損失30億85百万円、リース解約損2億28百万円、特別利益に固定資産売却益5億38百万円を計上したこと等により、税効果会計を加味した結果、74億5百万円の損失(前期は162億57百万円の損失)となりました。

 

事業の種類別セグメントの概況は、以下のとおりであります。

(小売事業)

小売事業の売上高は、115億55百万円で、国内市場の冷え込みによる販売低迷により40億78百万円(前期比26.1%)の減収となりました。
 営業利益は、営業費用が原価率の改善と販売費及び一般管理費の削減効果もあり前期と比べ43億30百万円減少し、2億52百万円増加の12億70百万円となりました。

(卸売事業)

卸売事業の売上高は、72億28百万円で、合理的戦略を実施したこと等により、67億8百万円(前期比48.1%)の減収となりました。
 営業利益は、営業費用が合理的戦略の実施等の効果もあり前期と比べ82億91百万円減少し、15億59百万円増加の4億95百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、税金等調整前当期純損失77億49百万円に、棚卸資産の減少額58億61百万円、減損損失30億85百万円、減価償却費4億円等を加え、退職給付引当金の減少額22億10百万円等を差引き、7億50百万円の増加(前期は49億70百万円の増加)となりました。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、有形固定資産の売却による収入23億38百万円、投資有価証券の売却による収入2億2百万円等により、27億70百万円の増加(前期は45億68百万円の増加)となりました。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、長期借入金の返済による支出51億10百万円により、53億75百万円の減少(前期は39億56百万円の減少)となりました。

この結果、「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末に比べ18億94百万円減少し、55億94百万円となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

① 養殖真珠浜揚実績

 

 
当連結会計年度
(自 平成20年11月1日
至 平成21年10月31日)
前年同期比(%)
アコヤ真珠養殖(千貝)
2,902
145.8
南洋真珠養殖(千貝)
199
74.2
合計(千貝)
3,101
131.0

 

② 真珠製品加工実績(ネックレス・バラ珠)

 

 
当連結会計年度
(自 平成20年11月1日
至 平成21年10月31日)
前年同期比(%)
アコヤ真珠(千円)
328,624
13.5
淡水真珠(千円)
105,252
29.3
マベ真珠(千円)
72,047
26.5
合計(千円)
505,924
16.5

(注) 1 加工実績には消費税等を含んでおりません。

2 金額は、製造原価によっております。

 

③ 宝飾品加工実績(細工品)

 

 
当連結会計年度
(自 平成20年11月1日
至 平成21年10月31日)
前年同期比(%)
真珠製品(千円)
489,400
44.0
マベ真珠製品(千円)
97,071
30.9
南洋真珠製品(千円)
554,833
37.0
貴石・半貴石製品(千円)
2,434,634
42.9
貴金属製品(千円)
477,761
46.3
その他(千円)
7,178
14.7
合計(千円)
4,060,880
41.9

(注) 1 加工実績には消費税等を含んでおりません。

2 金額は、製造原価によっております。

 

(2) 受注実績

当社グループは、原則として見込生産を行っているため該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 

事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成20年11月1日
至 平成21年10月31日)
前年同期比(%)
小売事業(千円)
11,555,588
73.9
卸売事業(千円)
7,228,098
51.9
合計(千円)
18,783,687
63.5

(注) 販売実績には消費税等を含んでおりません。

 

3 【対処すべき課題】

(1) 当面の対処すべき課題の内容等

当社グループは、すべてのお客様に対し、当社グループの制作する製品を通して、それを身につけることによる最高の満足を感じていただけるために、最高の品質、最高のデザイン、最高のサービスを提供することを基本方針としております。
 製品に対するゆるぎのない自信を貫くため、他社製品を取扱わず、あくまで自社独自の製販一貫体制にこだわり続けます。
 この基本方針を基に高収益化を図るために、次のような課題を掲げており、解決に取り組んで行く所存であります。

①ブランド価値刷新・向上の実現
当社グループは、ブランド価値刷新・向上を目的として、商品デザインの強化、広告宣伝の拡充、国内小売店舗のスクラップ&ビルド(銀座本店の大規模リニューアルや、新規出店、不採算店舗の統廃合等)を実現することを課題として取り組んでまいります。

②海外への事業展開
当社グループは、高い成長力が見込まれる中国を含むアジア市場において、販売体制の整備、大都市圏での積極的な展開を課題として取り組んでまいります。

③合理化(コスト削減)の実施
当社グループは、早期の業績回復と、収益性の回復を実現するため、事業規模に見合った人員の適正化を図ります。また、これに伴い、会社組織の見直しやシステム・間接コストの整理・合理化を進めることを課題として取り組んでまいります。

④在庫の適正化
当社グループは、引き続き、在庫内容・在庫金額の分析・検討を行い、市場の需要にリンクさせるように在庫の適正化を推進してまいります。

⑤内部統制・コンプライアンス
当社グループは、平成20年11月から内部統制制度を導入しておりますが、これに合わせ、社内における統制・順法を更に強化整備することを課題として取り組んでまいります。

⑥財務体質の改善
当社グループは、財務体質改善のため、更なる棚卸資産の圧縮、及び遊休不動産の売却による有利子負債の削減に取組んでまいります。また、当社グループは、資金の使途・運用の効率化を図ってまいります。

 

4 【事業等のリスク】

以下に記載する事項は、当社グループの事業に関してリスク要因と考えられる主な事項であります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 海外に生産拠点及び販売拠点をもっているため、その国の政治的経済的な安定度により影響を受ける可能性があります。

生産拠点
………
中国(上海市)における真珠その他宝飾品の加工
ミャンマーにおける南洋真珠の養殖(同国は現在、軍事政権下にあります)
販売拠点
………
中国(香港を含む)における宝飾品の販売
台湾における宝飾品の販売
大韓民国における宝飾品の販売
アメリカ合衆国における宝飾品の販売
ベルギーにおける宝飾品の販売

 

(2) 宝飾品の原材料であるダイヤ、色石、真珠、貴金属等は国際商品市場に左右される可能性があります。販売市場の需給関係により原材料高を販売価格に完全に転嫁できない可能性があります。

 

(3) 輸出入を行っているため、為替変動による為替差損益が発生する可能性があります。

 

(4) 真珠の養殖事業を行っていることに対し、日本国内で法的規制を受けております。漁業法及び水産業協同組合法による免許制であり、知事の認可が必要であります。

 

(5) 真珠の養殖は自然を相手とする事業であり、気象条件や海況条件と真珠貝の斃死とは深い因果関係があります。

 

(6) 有利子負債残高は金利の変動が損益に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、借入金の契約に財務制限条項が付されております。

 

(7) 5期連続の当期純損失を計上しており継続企業の前提に関する重要事象があります。なお、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4) 継続企業の前提に関する注記の解消」に記載しております対応策を実施した結果、継続企業の前提に関する不確実性が現時点では認められるまでには至らなくなったと判断し、継続企業の前提に関する注記の記載を解消いたしました。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、養殖部門においては高品質の真珠を安定的に生産できるように、真珠貝に関して飼料、寄生虫、病理水質等物理環境、交配などの養殖技術の研究開発を行っております。

また、その他の生産部門においては、真珠製品、宝飾細工製品の加工技術の研究開発を行っており、当連結会計年度における当社グループの研究開発費総額は16百万円であります。

なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

当連結会計年度末における資産合計は258億72百万円で前連結会計年度末と比べ153億73百万円減少いたしました。これは、主に経営構造改革の一環として実施した事業場閉鎖等、及び、在庫の適正化を推進したことによる棚卸資産の減少59億49百万円、及び、減損損失等による有形固定資産の減少63億64百万円等によるものであります。

一方、負債は、有利子負債の減少51億10百万円、退職給付引当金の減少22億10百万円、及び、未払金の減少4億10百万円等により、前連結会計年度末と比べ79億17百万円減少し95億46百万円となりました。
 また、純資産は、利益剰余金の減少71億26百万円等により、前連結会計期間末と比べ74億56百万円減少し163億26百万円となりました。

 

(2) 経営成績

売上面におきましては、小売部門が市場の冷え込みにより販売は低迷し、卸売部門は合理的戦略を実施したこと等により、売上高は大きく減少いたしました。また、海外子会社におきましても、グローバルな景気後退の影響は避けられず、一部子会社の事業縮小もあり同様に減少いたしました。
 利益面におきましては、売上の落ち込みを生産体制の合理化と組織改革による原価率の改善と販売費及び一般管理費の削減効果等により成果を上げました。
 以上の結果、当連結会計年度における売上高は187億83百万円、営業利益は97百万円、経常損益は3億70百万円の損失となりました。
 また、当期純損益におきましては、特別損失に養殖場等の事業場閉鎖損失41億71百万円、遊休資産等の減損損失30億85百万円、リース解約損2億28百万円、特別利益に固定資産売却益5億38百万円を計上したこと等により、税効果会計を加味した結果、74億5百万円の損失となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「1 業績等の概要」に記載しております。

 

(4) 継続企業の前提に関する注記の解消

当社グループは、継続的な当期純損失が発生するなど継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況があったこと等により、前連結事業年度まで「継続企業の前提に関する注記」を記載しておりました。
 当連結会計年度においても、74億5百万円の当期純損失であったことから、5期連続の当期純損失を計上することとなり、継続企業の前提に関する重要事象は生じておりますが、当社グループは当該状況を解消すべく、以下の施策を実施中であります。
 当社グループは、前連結会計年度において、70億円の増資、及び、これによる取引銀行とのリファイナンスも完了し、財務制限条項への抵触は回避され、手許流動性等の資金面は大きく改善し、有利子負債の削減等、財務体質の健全化を図っております。
 また、当連結会計年度においては、平成21年1月より取締役・代表執行役社長田島寿一を始めとする新経営陣の下、ブランドの刷新・価値向上に向け、事業構造改革を強力に進めております。これらの施策の遂行とともに、中期目標を策定し、早期の業績回復と企業価値の増大を目指しております。
 以上のように当該状況を解消するための施策により、継続企業の前提に関する不確実性が現時点では認められるまでには至らなくなったと判断し、当該注記の記載を解消いたしました。

 





出典: 株式会社TASAKI、2009-10-31 期 有価証券報告書