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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比2.1%増の1,539,281百万円となりました。一方、損益面につきましては、年度後半の世界経済の急激な悪化による需要の減少と保有する商品在庫の評価損計上などにより、営業利益は前連結会計年度比26.4%減の17,451百万円、経常利益は前連結会計年度比29.4%減の15,007百万円、当期純利益は前連結会計年度比54.3%減の5,997百万円となりました。

 

事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりであります。

① 鉄鋼事業

年央から年度末にかけて需要の急速な減少による鉄鋼市況の下落が見られましたが、年度を通じた販売価格は総じて前期より高い水準にあったことなどにより、売上高は前連結会計年度比11.1%増の877,755百万円となりました。一方、営業利益は保有する商品在庫について評価損が発生したことなどにより前連結会計年度比35.5%減の10,234百万円となりました。

② 金属原料事業

ステンレス需要の低迷によりニッケルやフェロクロムなどステンレス関連原料の価格が下落したことなどから、売上高は前連結会計年度比22.9%減の155,841百万円となり、営業利益は合金鉄価格の急落によるたな卸資産評価損の計上などにより、前連結会計年度比68.4%減の2,092百万円となりました。

③  非鉄金属事業

銅や亜鉛などの商品価格の低迷やアルミスクラップ需要の減少などにより、売上高は前連結会計年度比20.6%減の51,859百万円、営業利益は前連結会計年度比47.0%減の1,068百万円にとどまりました。

④ 食品事業

エビやウナギなどの国内消費に盛り上がりを欠き、商品価格も低迷したことなどにより、売上高は前連結会計年度比2.9%減の82,218百万円となりました。営業利益については、一部商品の採算が前期より改善したことなどにより、前連結会計年度比112.0%増(約2.1倍)の1,645百万円となりました。

⑤ 石油・化成品事業

高騰していた原油価格が大きく下落しましたが、舶用石油の拡販などにより、売上高は前連結会計年度比3.0%増の320,816百万円、営業利益は重油の採算が改善したことなどから、前連結会計年度比88.6%増の4,801百万円となりました。

⑥ その他の事業

木材事業での住宅着工減少による木材製品販売の低迷などにより、売上高は前期比5.3%減の50,789百万円となりましたが、営業利益は円高による輸入木材製品の利益率向上や子会社のアミューズメント事業の採算改善などにより、前期比137.5%増(約2.4倍)の3,382百万円となりました。

 

なお、所在地別セグメントの業績については、前連結会計年度及び当連結会計年度における全セグメントの売上高の合計及び全セグメントの資産額の合計額に占める本邦の割合がいずれも90%を超えているため、記載を省略しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、20,867百万円(147.2%)増加し、35,046百万円となりました。

これは主に足元の金融環境を鑑み、借入金による資金調達を増加させたことによるものであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による支出は、5,742百万円となりました(前連結会計年度は21,430百万円の収入)。これは前連結会計年度に比べ税金等調整前当期純利益が減少したことに加え、年度後半の急激な需要減により仕入債務が減少したことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による支出は19,535百万円となり、前連結会計年度比11,092百万円(131.4%)の増加となりました。これは投資有価証券や有形固定資産の取得に関連する支出が増加したことによるものであります。

 

この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、25,277百万円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による収入は、46,591百万円となりました(前連結会計年度は9,144百万円の支出)。これは不透明な金融環境の中で将来の資金需要を見込んで借入金による調達を増加させたことなどによるものであります。

 

2 【受注及び販売の状況】

(1) 受注実績

受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業の種類別
セグメントの名称
金額(百万円)
前連結会計年度比増減率(%)
鉄           鋼
877,755
11.1
金   属   原   料
155,841
△22.9
非    鉄      金   属
51,859
△20.6
食           品
82,218
△2.9
石 油  ・  化 成 品
320,816
3.0
そ     の     他
50,789
△5.3
1,539,281
2.1

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、前連結会計年度及び当連結会計年度における当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

3 【対処すべき課題】

(1) 次期の見通し

サブプライムローン問題を端緒とした世界レベルでの金融危機は依然として継続しており、米国を始めとする先進諸国の景気の急激な悪化は新興国経済をも停滞させております。実体経済の悪化が深刻な状況の中で、各国が様々な経済対策や金融支援策を打ち出しており、その効果が期待されますが、現段階では世界経済の先行きは不透明な状況にあります。

また、日本経済につきましても、これまで経済を下支えしていた国内製造業が急速に業況を悪化させており、現在の世界経済の状況下では外需の早急な回復を期待することは難しく、従来から低調であった内需の動向と合わせて先行きの見通しは厳しいものがあります。

 

(2) 中期経営計画について

当社グループ(当社及び連結子会社)は、平成19年5月に、平成19年度から平成21年度までの3ヵ年にわたる中期経営計画を新たに策定いたしました。今中期経営計画では「機能強化と差別化戦略により、独自性・優位性の高い価値創造を目指す」をテーマに掲げ、その達成に向けて、以下のような事業戦略に基づき、重点課題の実現に向けた活動を進めております。

① コア事業の強化

《鉄鋼事業》

建設向け加工機能や新工法などの提案営業、ユーザー向けスチールサービス事業の強化
提案営業・部門間連携による家電・自動車・産建機・造船分野への更なる展開
差別化商材・互恵強化による薄板建材分野の事業拡大
支店・営業所を通じた地域密着型展開による実需の深耕
中国・アセアンでのコイルセンターを基盤とした加工ニーズへの展開強化
高級・特殊・ニッチ商品の鉄鋼輸出への注力

《非鉄事業》

寡占化する資源市場への展開強化に向けた海外ネットワーク網の拡大
合金鉄・軽金属仕入ソースの多様化による調達能力向上と商権拡充
ニッケル・クロムなど鉱石ビジネスの拡大

《食品事業》

水産加工事業の拡張と自社加工品の取扱い増加
中国・米欧への加工品販売体制の構築と、中国国内消費向け原料取引の拡大
食の安全・安心への対応強化による信頼性の維持・強化

《石油・化成品事業》

ガソリン・灯油・軽油の国内販売強化と石油製品の輸出拡大
汎用樹脂の輸入・三国間取引や、国産特殊樹脂の輸出拡大
日用雑貨や石油製品のリテール取引強化と配送物流体制の確立

《その他の事業》

米加・欧州・ロシアなどの木材製品の仕入強化による国内輸入木材市場でのシェアアップ
取引先の設備投資需要への産業機械の販売強化

《中国地域への総合展開》

あらゆる分野に対する、豊富な事業拠点を活用した部門横断的な展開の推進

② 北米・EU・中東・インド・アセアン・ロシアなどの海外への積極展開

中東などでの旺盛な海外建設需要への部門間連携展開の強化
海外で展開する日系ユーザーへの材料供給・加工面でのサポート強化
活況な海運業界、特にアジア地域での舶用石油の拡販
北米・中国・中東など建築需要旺盛な地域での木材事業の強化

③ 資源リサイクル・環境関連ビジネスの推進

取引先の事業・設備再編時に発生するリサイクル資源回収ルートの確立
海外からの金属スクラップの仕入強化と、アジア・欧州地域への輸出拡大
RPFや木質ペレットなどリサイクル燃料の国内外への販売展開
アジア向け故紙輸出拡大に伴う仕入ネットワークの構築
ソーラーエネルギー・燃料電池など新技術商品の事業化推進
樹脂スクラップのリサイクルシステム拡充

④ 事業エリアの拡大に向けた新たなアプローチや新規事業の創出

中小・中堅企業層への積極的な展開
プロジェクト営業の強化による建設・開発物件の材料取引拡大
内外装建築資材の取扱い拡大
取引先のあらゆる購買材料への販売アプローチ
日本産魚介類の海外消費国への輸出展開
バイオマス燃料など新エネルギーや、省エネルギー事業の展開
新たな流通形態との協業展開の拡充
情報ネットワーク・産学官連携の活用による新規事業展開

⑤ 積極的な事業投資やパートナーシップの構築による攻めの経営の推進

機能を強化・補完する企業との事業アライアンス推進、M&Aへの展開、事業承継支援
物流子会社や他社物流企業との協業による物流の機能強化・事業拡大
国内外のエリアごとの親密取引先との商流・商権の共同開発
加工企業との連携スキームの構築によるユーザーの海外生産サポート
食品メーカーとの連携による食品加工分野の強化
2009年度までの想定投資総額…200億円
 
          —「機能強化投資」に加えて「戦略的事業投資」の推進

 

当連結会計年度における進捗状況は、次のとおりです。

鉄鋼事業では、阪和流通センター東京㈱の鋼板加工設備や中国でのコイルセンター能力を増強した他、グループ内の鉄筋加工・取付事業を集約し、平成21年4月に㈱トーハンスチールに承継しました。また、北海道での鋼材倉庫の新設や、広島営業所の平成21年4月の中国支店への昇格など地方需要へきめの細かい営業展開を進めています。海外においては、足下の経済環境は停滞しておりますが、インドネシアでのコイルセンター事業への進出やベトナムのコイルセンターへの出資、UAE/ドバイでの鋼材在庫販売拠点の設立など今後の経済成長が見込まれる地域での体制作りを進めました。

金属原料事業では、クロム事業への参入を表明したフィンランド/ルーキーグループPLCに資本参加し、今後の製品販売への参画を目指している他、平成21年4月より南アフリカ/ヨハネスブルグに支店を開設し、仕入れソースの拡大を図っております。

非鉄金属事業では、アルミサッシスクラップの選別加工設備を阪和流通センター名古屋㈱内に新設し、アルミサッシの再生原料として国内、海外への取引に注力しております。

食品事業では、北海道に駐在員を配置し、国産水産物の海外販売への取り組みを強化しています。また、欧州ではオランダ/アムステルダムに現地法人を設立し、仕入れ拠点としての機能に加え、欧州地域への水産物輸出事業を推進しております。

石油・化成品事業では、海外積みの舶用石油販売が引き続き拡大している他、ホームセンターなど販売業者向けの灯油販売などが増加しています。また、原油価格の乱高下の中で内外価格差を利用した石油製品の輸入が増加しました。化成品分野では、各種小売業向けレジ袋の取扱いなどが増加しております。

木材事業では、これまでの海外からの輸入だけでなく、国内産木材の中国などへの輸出を手がけています。

企業体制面につきましては、コンプライアンスを徹底し、事業活動を通じて企業の社会的責任を実現していくCSR経営を推進しております。また、コーポレート・ガバナンス、内部統制については、「内部統制システムの整備に関する基本方針」に則って運営しており、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制報告制度への対応としては、内部統制推進室が当社の業務フローを検証し、内部統制システムの有効性検証、システム改善を継続して実施しております。

 

今中期経営計画では、独自性、優位性の高い価値を取引先にスピーディーに提供し、事業展開力をシフトアップすることを課題とし、存在感ある商社流通の追求の実現を目指しております。当社グループとしましては、上記の5つの事業戦略の下で、コア事業と位置付けております鉄鋼、金属原料、非鉄金属、食品及び石油・化成品の各事業分野で、環境変化に的確に対応し、攻めの営業展開を推進することで、事業の一層の拡大に努めてまいります。同時に、新規事業の育成や周辺分野の拡大にも注力し、将来の会社の経営基盤を担う新しい事業の育成にも努めてまいります。

 

(3) 株式会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

当社は、独立系専門商社として鉄鋼をはじめ金属原料、非鉄金属、食品、石油・化成品、木材、機械など広範な商品を取扱い、国内はもとより海外にも数多くの子会社・関連会社を有し、グローバルな営業戦略を展開しております。従いまして、当社の経営には、広範な商品に対する幅広い知識と各業界に関する習熟した経験が必要であり、また、株主の皆様や従業員、取引先など当社のステークホルダーとの間に築かれた長年の関係に対する十分な理解を欠くことはできないと考えます。

当社は、平成19年5月に平成19年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定しました。この中期経営計画において掲げられた経営目標の達成に向け抽出した重点事業戦略を推進することにより、当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化が実現できるものと考えます。

当社としては、支配権の移動を伴う当社株式の大規模買付行為であっても、当社の企業価値の向上、株主共同の利益に資するものであれば、当該行為を否定するものではありません。しかしながら、最近は対象企業の経営陣との十分な協議や合意のプロセスを経ることなく大規模買付行為が進められることが少なくありません。このような場合は、結果として企業価値、ひいては株主共同の利益が毀損されることも否定できません。当社は、このような濫用的な当社株式の大規模買付行為に対し一定のルールを求め必要な対抗措置を講じることは、当社の企業価値の向上及び株主の皆様の共同利益に資することと考えております。

 

② 不適切な支配の防止のための取組み

当社は、平成19年6月28日開催の当社第60回定時株主総会において、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるため、基本方針に照らして不適切な支配の防止のための取組みとして、「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下、「現対応方針」といいます。)を導入することについて株主の皆様のご承認をいただきました。

当社は、当社株式の大規模買付行為がなされる際には、大規模買付者から事前に、株主の皆様が大規模買付行為に応諾するか否かを適切に判断するに足る必要かつ十分な情報が提供されるべきであると考えております。そこで現対応方針におきまして、上記の情報提供に関する一定のルールを定めるとともに、ルールを遵守しない場合や当社の企業価値や株主共同の利益を毀損することが明らかであると当社取締役会が判断する場合には、一定の対抗措置を講じることがある旨を公表しております。また、大規模買付行為を評価・検討する際や、対抗措置を発動する際等には、当社取締役会は独立第三者により構成される特別委員会に諮問し、特別委員会の助言・勧告を最大限尊重することとしております。特別委員会は学識経験者、社外取締役、社外監査役の中から選任された3名以上の委員から構成され、これにより当社取締役会の行う判断の公正性、透明性が確保できるものと考えます。

当社は、平成21年5月14日開催の取締役会におきまして、平成21年6月26日開催の第62回定時株主総会での株主の皆様のご承認を条件に、現対応方針の内容を一部改定した「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下、「本対応方針」といいます。)を採用することを決議いたしました。本対応方針の詳細につきましては、当社ホームページに掲載のニュースリリース「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の一部改定及び継続について」をご覧ください。

なお、当社は、当社第62回定時株主総会において、「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の一部改定及び継続の件」を付議しました結果、出席株主の議決権の過半数のご賛同により、継続することが承認されました。

 

③ 上記取組みについての取締役会の判断

当社取締役会は、上記②の取組みが上記①の当社の基本方針に沿って策定され、当社の企業価値、株主共同の利益を確保するための取組みであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えます。また、取締役会による恣意的な判断がなされることを防止するため、独立第三者により構成される特別委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する際等には特別委員会の助言・勧告を最大限尊重することにより、本対応方針に係る取締役会の恣意的な判断を排除する仕組みを確保しております。

また、当社は、本対応方針の有効期限を原則として3年以内としておりますので、平成24年開催の当社第65回定時株主総会において本対応方針の継続等を付議し、改めまして本対応方針に関する株主の皆様の総体的なご意思を確認することとしております。当該株主総会において出席株主の議決権の過半数のご賛同が得られなかった場合には、本対応方針はその時点で廃止されるものといたします。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価および財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況の変動

当社グループの全世界における営業収入は、当社グループが商品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従いまして、日本、北米、欧州、アジア(特に中国を中心とする東アジア)等を含む当社グループの主要市場における景気後退、およびそれに伴う需要の縮小は、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 商品市況の変動

当社グループでは、鉄鋼製品、金属原料、非鉄金属、食品および石油・化成品等について流通在庫を有しております。これらは市況商品であるため、需給状況や為替動向が市況に与える影響が大きく、市況の変動への適切な対応ができなかった場合、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。

(3) 為替レートの変動

当社グループの事業には、全世界における商品の仕入と販売が含まれております。各地域における収益、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドルに対する円高)は当社グループの輸出取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸入取引には好影響を及ぼし、円安は輸入取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸出取引には好影響を及ぼします。

(4) 金利の変動

当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入および社債等資本市場からの資金調達を行っております。このうち変動金利による調達につきましては、一部に金利スワップ等を利用して金利変動リスクの軽減に努めておりますが、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 株価の変動

当社グループは、取引先を中心に市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っております。平成20年5月に取得したフィンランドのルーキーグループPLC株式の他、保有する日本国内の上場株式について、株価の動向により、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 信用リスク

当社グループの事業における売上債権の大部分は、販売先ごとに一定の信用を供与し、掛売りを行ったものであります。当社グループにおいては厳格かつ機敏な与信管理を行っておりますが、必ずしも全額の回収が行われる保証はありません。従いまして、販売先の不測の倒産・民事再生手続等は、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 事業投資リスク

当社グループは、既存事業の強化や事業領域の拡大等を図るための事業投資を行っております。これらの投資に際しては、投資等審査委員会において検討を行うなど投資内容や投資金額に応じた所定の手続きを経て実行の是非を決定しておりますが、投資先の企業価値の低下や所期の投資採算が確保できない場合は、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 なお、フェロクロム及びクロム鉱石事業への参画と商権の獲得を目的として事業投資を行いましたが、事業化の進展状況や収益環境の動向に留意してまいります。

(8) 国際的活動および海外進出に潜在するリスク

当社グループは、近年中国を中心とするアジア市場や米国、欧州等の市場に対して積極的に事業進出を行っております。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。

① 予期しない法律または関税などの輸出入規制の変更

② 不利な政治的・経済的変動や国際通貨の変動

③ 人材の採用と確保の難しさ

④ 未整備のインフラが当社グループの活動に悪影響を及ぼす、または当社グループの製品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性

⑤ 企業活動にとって不利な税制度への変更

⑥ テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

従いまして、これらの事象は当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9) 法的規制等

当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許認可、国家安全保障またはその他の理由による輸出入および販売制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、食品の安全規制、環境・リサイクル関連等の法規制の適用も受けております。これらの規制により、当社グループの活動が制限される可能性があるだけでなく、規制への対応がコストの増加につながる可能性もあります。従いまして、これらの規制は当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10) 退職給付債務

当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率や期待運用収益率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

① 概要

当連結会計年度における世界経済は、年度前半は好調でしたが、後半は9月のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス社の経営破綻が契機となって、サブプライムローン問題による金融危機や信用収縮が一段と進行し、実体経済の悪化がかつてないほどに深刻になりました。その動きは世界経済の成長を牽引していた中国や中東諸国、新興国の経済にも波及し、米欧向け需要の急減による輸出産業の不振や信用不安からの資金の逼迫によるインフラ投資の縮小など経済成長に停滞をもたらしました。一方、上昇を続けていた原油や金属資源などの資源価格は、投機資金の撤退と実体経済の減速による需要の大幅な減少などから一転して急落し、資源インフレは転換点を迎えました。

国内経済につきましては、マンションを中心とした建設需要の減少、個人消費の低迷などに加えて、これまで経済を下支えしていた国内製造業が、米欧向け需要の大幅な低下や新興国経済の停滞、為替の円高などによりその業況を急速に悪化させ、景気の悪化が顕著になりました。

このような環境において、当連結会計年度の売上高は、主に第2四半期までの鉄鋼市況の上昇により鉄鋼製品の販売価格が総じて高水準にあったことなどにより、年度後半の景況悪化に見舞われたにもかかわらず、前連結会計年度比2.1%増の1,539,281百万円となりました。一方、利益面では、年度後半の世界的規模での経済環境の急激な悪化に伴う取扱い数量の減少や商品価格の下落による販売収益の減少に加え、たな卸資産評価損11,925百万円を売上原価に計上したことなどにより、営業利益は前連結会計年度比26.4%減の17,451百万円、経常利益は前連結会計年度比29.4%減の15,007百万円、当期純利益は前連結会計年度比54.3%減の5,997百万円となりました。

② 売上高

売上高は、前連結会計年度に比べ2.1%増の1,539,281百万円となりました。そのうち、国内売上高は前連結会計年度に比べ1.4%増の1,199,242百万円、海外売上高は前連結会計年度に比べ4.9%増の340,039百万円となりました。

鉄鋼事業の売上高は、年度前半の原料価格の高騰や中国を始めとする新興国需要の拡大による鋼材市況の急騰局面での販売増や、後半に入り鉄鋼需要が急減したものの、年度を通じた販売価格が総じて高水準にあったことなどにより、前連結会計年度に比べ11.1%増の877,755百万円となりました。

金属原料事業の売上高は、前連結会計年度からのステンレス製品市況の地合いの悪さの中で、年度後半には一層の生産調整による需要減が引き起こされたことにより、ニッケルやクロム、ステンレススクラップの価格低下や販売の低迷が続き、前連結会計年度に比べ22.9%減の155,841百万円となりました。

非鉄金属事業の売上高は、銅や亜鉛などの市況が低調に推移する中で、自動車や建材向けのアルミニウム製品需要が年度後半に急速に縮小し、当社の扱うアルミニウムスクラップの販売も低迷した結果、前連結会計年度に比べ20.6%減の51,859百万円となりました。

食品事業の売上高は、エビやウナギなどの国内需要に盛り上がりを欠く中、海外需要も低調で商品市況が低迷した結果、前連結会計年度に比べ2.9%減の82,218百万円となりました。

石油・化成品事業の売上高は、それまで高騰を続けていた原油価格が年度半ばから急落したものの、海外積みの舶用石油の拡販が寄与し、前連結会計年度に比べ3.0%増の320,816百万円となりました。

その他の事業の売上高は、主に木材事業において、前連結会計年度から続く住宅着工の減少とそれに伴う木材市況の下落などにより、前連結会計年度に比べ5.3%減の50,789百万円となりました。

③ 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は鉄鋼製品の仕入価格が上昇したことに加え、当連結会計年度末においてたな卸資産評価損11,925百万円を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ2.4%増の1,491,569百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、当連結会計年度に発生した不良債権への貸倒引当金の積み増しなどにより、前連結会計年度に比べ11.3%増の30,260百万円となりました。

④ 営業利益

営業利益は、上記のようにたな卸資産評価損や貸倒引当金繰入額の増加により、前連結会計年度の23,704百万円に対して26.4%減益の17,451百万円となり、売上高営業利益率は1.1%と前連結会計年度に対し0.5ポイント低下しました。

鉄鋼事業の営業利益は、年度前半は鉄鋼原料価格の上昇による鋼材市況の急騰から当社在庫商品の販売益が寄与しましたが、後半の急速な需要減少により、販売収益が減少したことに加え、在庫商品の評価損を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ35.5%減益の10,234百万円となりました。

金属原料事業の営業利益は、ステンレス製品の需給環境が悪かったために、ニッケル、ステンレススクラップ、クロムなどステンレス原料類の販売収益が低迷したことに加え、合金鉄価格の急落によるたな卸資産評価損の計上などにより、前連結会計年度に比べ68.4%減益の2,092百万円となりました。

非鉄金属事業の営業利益は、国際商品市況が下落基調で推移する中で、年度後半に入りアルミニウム製品需要の急減による販売先の在庫調整のため、アルミニウムスクラップの扱い量が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ47.0%減益の1,068百万円となりました。

食品事業の営業利益は、国内需要は低迷しましたが、サケ、サバなど一部魚種について前連結会計年度に比べ採算が改善したことなどにより、前連結会計年度に比べて112.0%増益の1,645百万円となりました。

石油・化成品事業の営業利益は、重油の販売において原油市況の急落に伴う価格の低下により仕入コストの圧縮が進んだ結果、採算が改善したことなどにより、前連結会計年度に比べて88.6%増益の4,801百万円となりました。

その他の事業の営業利益は、木材事業での円高による輸入木材製品の収益性の向上や、子会社のアミューズメント事業の採算改善などにより、前連結会計年度に比べ137.5%増益の3,382百万円となりました。

⑤ 営業外損益

営業外収益は、為替差益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ45.2%増加し4,264百万円となりました。また営業外費用は、銀行借入金の増加に伴う支払手数料の増加などにより、前連結会計年度に比べ24.8%増加となる6,707百万円となりました。

⑥ 特別損益

特別損失は、金融危機を契機とした株式市況の下落等による保有投資有価証券の減損処理2,506百万円や、連結子会社であるハンワ・アメリカン・コーポレイションの資本の減少に伴う為替差損908百万円などにより、3,626百万円となりました。なお、特別利益は、当連結会計年度におきましては発生しておりません。

⑦ 法人税等

当連結会計年度におきましては、税金等調整前当期純利益が減少したことを反映して、法人税等が53.7%減少し、3,998百万円となりました。

⑧ 当期純利益

当期純利益は、前連結会計年度に比べ54.3%減少し、5,997百万円となりました。1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の62.07円に対し28.47円となりました。

 

(2) 資本の財源および資金の流動性に係る情報

① 財政状態

当連結会計年度末の総資産につきましては、金融市場での信用収縮への予防的対応から現預金の増加はありましたが、年度後半の需要減退や販売価格の低下による売上債権の減少などにより、前連結会計年度末に比べ0.5%減の479,379百万円となりました。

負債につきましては、売上の減退に伴う仕入債務の減少がありましたが、将来の資金需要に対応した借入金の増加などにより、前連結会計年度末比0.9%増の384,466百万円となりました。そのうち、有利子負債につきましては、前連結会年度末に比べ29.2%増の214,512百万円となり、当連結会計年度末のネット負債倍率は、1.9倍となりました。

純資産につきましては、保有する上場株式の価格下落によりその他有価証券評価差額金が減少したことなどにより、前連結会計年度末比6.0%減の94,912百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の20.7%から19.7%になりました。

② キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度が21,430百万円の収入であったことに対し、当連結会計年度におきましては5,742百万円の支出となりました。これは、税金等調整前当期利益の減益に加え、年度後半の販売の減少や在庫調整政策により仕入が圧縮された結果、仕入債務の減少額が36,465百万円となり、前連結会計年度に比べ44,857百万円減少したことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べて11,092百万円多い19,535百万円のキャッシュを使用しました。これは、ルーキーグループPLCへの出資など投資有価証券の取得による支出や有形固定資産の取得が増加したことなどによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度が9,144百万円の支出であったことに対し、当連結会計年度におきましては46,591百万円の収入となりました。これは、当連結会計年度におきましては、世界的な金融危機により、将来の資金調達環境が不透明と思われたため、銀行借入による資金調達を一時的に増加させたことによるものであります。

③ 財務政策

当社グループは、運転資金及び投融資資金につきましては、手持ち資金、銀行借入による調達を主としておりますが、安定的・機動的な流動性確保のため、資金調達ソースの多様化を図り、資本市場における社債並びにコマーシャル・ペーパー発行による調達も随時行っております。

銀行借入につきましては、主に運転資金の調達のためには、期限が1年以内の短期借入金を利用しております。なお、海外の各々の連結会社においては、現地通貨での借入を利用しております。当連結会計年度末現在の短期借入金残高は65,687百万円であり、主な通貨は日本円であります。これに対して設備投資などの長期資金は、原則として日本において固定金利の長期借入金で調達しております。当連結会計年度末現在の長期借入金残高は、1年以内の返済予定額23,675百万円を含めて138,825百万円であります。

社債につきましては、主に運転資金の調達や借入金の返済を目的に利用しており、当連結会計年度末現在の社債発行残高は、普通社債10,000百万円(平成19年8月発行 年限3年)であります。当社は市場環境や財政状態の変化に対応した機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の国内公募普通社債発行登録枠の未使用枠は、30,000百万円であります。

当社グループは「攻めの経営」を標榜する成長戦略をとっており、事業の拡大に必要な資金需要に対応した効率的な資金調達を図ると同時に、外部負債規模については、ネット負債倍率を指標とした管理を行うことにより、健全な財務バランスを追求していく方針であります。

現状における資金調達に関しては、金融危機の先行きについては楽観できないものの、金融市場では一定程度の流動性は確保されてきており、当社グループの健全な財務状態や営業活動により得られるキャッシュ・フロー、1,442億円の実行を確約していない未使用の銀行借入枠、及び資本市場における債券発行等により、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び投融資資金を調達することは十分可能であると考えております。

 





出典: 阪和興業株式会社、2009-03-31 期 有価証券報告書