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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比12.0%増の1,564,250百万円となりました。また、損益面につきましては、営業利益は石油・化成品事業やその他の事業の貢献により、前連結会計年度比8.1%増の14,976百万円となりましたが、経常利益は為替差益の減少などにより前連結会計年度比2.8%減の13,116百万円に、当期純利益は投資有価証券評価損の計上などにより、前連結会計年度比20.0%減の4,632百万円となりました。

 

セグメント別の業績(売上高には内部売上高を含む。)は、次のとおりであります。

① 鉄鋼事業

製造業向けの鋼材需要が震災直後の停滞やタイでの洪水被害の影響から回復するとともに、震災関連の復旧工事等による建築土木需要の増加などにより、取扱い数量は堅調に推移しました。一方、鋼材価格については、原料価格上昇の折に反転の気配が見られるものの、中国での供給過剰や国内店売り需要の低迷、原料需給の緩和などを背景に全体的に軟調な推移となり、採算面では厳しい状況が続きました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比7.5%増の745,031百万円、セグメント利益は前連結会計年度比0.8%減の9,349百万円となりました。

② 金属原料事業

電炉メーカーやステンレスメーカーの生産調整の長期化、さらに円高を要因とした輸出環境の悪化などによる高炉メーカーの稼働水準の低下も加わって、ニッケルや合金鉄など副原料需要が停滞しました。また、欧米や中国での金融環境の変化やステンレス製品需要の先行き不透明感などにより、ニッケルや合金鉄の国際商品価格が軟調に推移したことも収益を圧迫しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.8%増の126,279百万円、セグメント利益は前連結会計年度比43.2%減の1,286百万円となりました。

③ 非鉄金属事業

国際商品価格は金融環境の変化を受けて上下に変動しましたが、全般的には弱い基調で推移しました。一方、国内需要については、震災やタイの洪水の影響が一時的にあったものの、自動車関連業界を中心に比較的堅調な推移となりました。加えて、貴金属屑やバーゼル条約関連商品などの拡販も収益に寄与しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比3.4%増の62,054百万円、セグメント利益は前連結会計年度比19.0%増の851百万円となりました。

④ 食品事業

国内の低水準な流通在庫や震災による水揚げの減少と共に、海外での旺盛な水産物需要を背景とした国際取引価格の上昇を反映して国内市場価格は概ね高い水準を維持し、国内需要も比較的堅調に推移しましたが、養殖サケの価格が供給増により暴落するなど一部品種に高値調整の動きも見られました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比14.5%増の91,709百万円となりましたが、セグメント利益は価格下落によるたな卸資産評価損の計上などにより前連結会計年度比33.6%減の1,180百万円となりました。

⑤ 石油・化成品事業

 震災後に急騰した国内製品価格は増産や緊急輸入などにより落ち着きを見せていましたが、原油価格が中東情勢の変化により徐々に切り上がっていく中で、再び上昇基調となりました。石油製品需要は震災による経済活動の停滞などにより全体としては低調だったものの、原発事故による電力不足への対応のため、火力発電や自家発電向けの燃料需要が増加しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比23.7%増の457,578百万円、セグメント利益は前連結会計年度比21.6%増の2,671百万円となりました。

⑥ その他の事業

海外販売子会社の業況が概ね堅調に推移したことや木材事業での国内原木の輸出や海外取引の増加、機械事業での大型レジャー機械の販売などにより、売上高は前連結会計年度比12.4%増の139,818百万円、セグメント利益は前連結会計年度比121.4%増(約2.2倍)の1,689百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、2,825百万円(13.7%)増加し、23,411百万円となりました。

これは主に売上高の増加ペースが平準化したことに伴って運転資金需要の伸びが鈍化したことによるものであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による収入は、11,970百万円となりました(前連結会計年度は46,948百万円の支出)。これは主に運転資金需要の増加幅が縮小したことにより、事業収益からの収入がそれを吸収したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による支出は12,009百万円となり、前連結会計年度比4,399百万円(57.8%)の増加となりました。これは主に有形固定資産や投資有価証券の取得に係る支出が増加したことによるものであります。

 

この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、39百万円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による収入は1,596百万円となり、前連結会計年度比49,675百万円(96.9%)の減少となりました。これは主に運転資金需要の低下に伴い、短期借入金やコマーシャル・ペーパーによる調達資金の返済を進めたことによるものであります。

 

 

2 【受注及び販売の状況】

(1) 受注実績

受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
外部顧客への売上高(百万円)
前連結会計年度比増減率(%)
鉄       鋼      事       業
728,845
8.1
金  属  原  料   事  業
124,134
1.9
非  鉄  金  属   事  業
60,475
4.4
食       品      事       業
91,051
14.4
石 油 ・ 化 成 品 事 業
456,876
23.7
そ      の      他
102,867
10.5
1,564,250
12.0

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、前連結会計年度及び当連結会計年度における当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

3 【対処すべき課題】

(1) 次期の見通し

世界経済は欧州債務危機の先行きが依然として不透明なため、金融市場や為替が不安定な状態にあります。新興国経済についても、景気調整局面にある中国や米欧向けの需要減少による製造業の稼働低下に加え、新興国での国内消費の伸びに一部鈍化が見られるなど下振れ要素が見られます。また、日本経済は東日本大震災後の停滞からは脱しつつあるものの、若干円高が緩和されたとは言え依然として輸出産業に対して厳しい為替水準や電力の供給不安と高コスト化の影響から、輸出の低迷や製造業の一層の海外シフトなどが懸念されます。震災復興需要の本格化には時間がかかる模様であり、内需が停滞する中で、先行きは不透明な状況にあります。

 

(2) 中期経営計画について

当社グループ(当社及び連結子会社)は、平成22年5月に、平成22年度から平成24年度までの3ヵ年にわたる中期経営計画を策定いたしました。

今中期経営計画では「激動する環境変化に適応し、独自性の高い揺るぎなき事業基盤と収益構造を構築する。」をテーマに掲げ、以下のような3つの基本課題を設定し、その課題の実現に向けて6つの成長戦略に基づいた活動を進めております。

《基本課題》

国内市場での競争優位性の向上
環境・リサイクル分野への対応
海外展開の更なる強化

《成長戦略》

ユーザー系商社としてのコア事業の強化
拠点強化とマンパワー投入による海外への積極展開
リサイクル事業の強化と総合化の推進
環境・エネルギー関連ビジネスでの展開強化
積極的な事業投資やパートナーシップの構築
高い機能を提供できるプロフェッショナル人材の育成

上記の基本課題、成長戦略に係る当連結会計年度における主な進捗状況は、次の通りです。

鉄鋼事業では、国内営業拠点として、平成23年4月の水戸営業所、厚木営業所、東北支店八戸事務所の開設に続き、平成23年10月に静岡営業所、平成24年4月に岡山営業所を新設し、地域需要に対する営業体制を一層充実させた他、鋼板加工業の三重鋼業㈱や鋼材卸売業のすばる鋼材㈱を新たに当グループに加え、短納期・小口取引への対応力や加工機能の強化を図っております。また、堺流通センター、九州流通センターの建設を進め、関西地区、九州地区での取引先の利便性向上や在庫機能の拡充にも努めております。海外への展開については、ASEAN地域中心に引き続き出資などにより地元資本の加工業者や卸売業者との関係をより強化するとともに、コイルセンターの湖北省や江西省など中国内陸部への展開や既存加工拠点の能力増強などを併せて進めております。

金属原料事業では、平成22年9月に㈱ナニワ特殊金属から事業譲渡を受けたステンレススクラップの集荷事業を平成23年8月に阪和メタルズ㈱として独立させ、機動力を高めました。また、昭和メタル㈱においても千葉県袖ヶ浦市にストックヤードを新設し、集荷・選別能力を向上させております。海外においても、平成24年3月に実施したシンガポールのOM HOLDINGS LTD.への出資を始め、ASEANやインド、中央アジアなどの海外サプライヤーとの仕入ネットワーク構築により、合金鉄や鉱石類の輸入及び三国間取引などを強化しております。

非鉄金属事業では、仕入地域を主力のASEAN地域に加え欧米やアフリカ等へ拡大し、多様化を図っております。また、リサイクル事業での多品種展開を進めると共に、リサイクル原料の輸出や三国間取引、加えて現地取引の拡大にも取り組んでおります。

食品事業では、米国での合弁販社であるSEATTLE SHRIMP & SEAFOOD COMPANY, INC.の米国内での小売流通業者や外食産業向け販売が拡大しております。今後さらに米国東部地区への展開も視野に入れ、平成24年2月に出資比率を51%に引き上げ、子会社化しております。

石油・化成品事業では、平成22年10月に子会社化したトーヨーエナジー㈱と連携し、運送会社や大手軽油販売業者、バス事業者向けの軽油販売を拡大すると共に、震災による各石油製品の需給バランスの変化に対応して、元売業者や電力会社などへの販売も拡充させております。また、合成樹脂製日用雑貨類のスーパー、ドラッグストア、コンビニ向けの販売も拡大しております。

その他の事業では、木材事業において、中国向けの北米産原木の三国間取引やハウスメーカー、パワービルダーへの取り組みを強化しております。また、電力需給のタイト化によりニーズが増加している蓄電池分野について、リチウムイオン電池製造のエリーパワー㈱に出資し、製品の販売や原材料の調達での取り組みも進めております。

企業体制面につきましては、引き続きコンプライアンスの徹底と、コーポレート・ガバナンスや内部統制の強化に努めております。「内部統制システム整備に関する基本方針」に則って企業を運営していくと共に、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制報告制度への対応として、内部統制課が当社の内部統制システムの有効性検証、システム改善を継続して実施しております。また、平成24年4月より、業容拡大に対応するコーポレート・ガバナンス体制強化の一環として、執行役員制度を導入し、よりきめ細かな業務執行体制の構築と意思決定の迅速化、効率化を図っております。

当社グループとしましては、これらの事業戦略を継続して実行していくことで、阪和グループの総合的な企業価値の向上と持続的な企業成長を実現させ、更なる顧客満足の向上を図り、合わせて社会貢献にも目配りしてまいります。

 

(3) 株式会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を図るという観点から決定されるべきものと考えております。従いまして、結果的に支配権の異動を伴うような株式の大規模買付(当該買付行為を、以下、「大規模買付行為」といい、当該買付行為に係る提案を、以下、「大規模買付提案」といいます。)提案に応じるか否かは、当社株式を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。この考えに基づき、当社株式の大規模買付提案が提起された場合には、株主の皆様が提案に応じるか否かを判断するに足る十分な情報と時間が提供されることが不可欠であると考えます。

しかし、株式の大規模買付行為の中には大規模買付企業(以下、「対象企業」といいます。)の経営者や株主の皆様に対する買付目的や買付後の経営戦略等について明確な説明がないまま大規模買付行為が行われるものや、大規模買付者の一方的な考えに基づき買付行為が行われるものなど、対象企業の経営陣との十分な協議や合意のプロセスを経ることなく大規模買付行為が進められることがあります。

当社は、当社企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から、株主の皆様に大規模買付提案に応諾するか否かを検討するための十分な情報と時間が提供されない場合や、当社の支配権が異動するに足る当社株式を取得した特定の株主により、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益が損なわれるおそれがあると判断される場合には、こうした株主を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると判断し、必要かつ相当な範囲において、対抗措置をとることができる旨を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」といいます。)といたします。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、平成22年5月に平成22年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定しました。本中期経営計画のテーマとして、「激動する環境変化に適応し、独自性の高い、揺るぎなき事業基盤と収益構造を構築する。」を掲げ、達成すべき具体的な事業戦略を設けております。当社は、具体的な事業戦略を着実に実行していくことで、当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化が図れるものと考えております。

 

③ 不適切な支配の防止のための取組み

当社は、平成24年6月28日開催の当社第65回定時株主総会において、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるため、基本方針に照らして不適切な支配の防止のための取組みとして、「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の一部改定及び継続の件」を上程し、株主の皆様のご承認をいただきました。(以下、承認後の対応方針を「現対応方針」といいます。)

現対応方針におきまして、当社は大規模買付者からの事前の情報提供に関する一定のルールを定めるとともに、ルールを遵守しない場合や当社の企業価値や株主共同の利益を毀損することが明らかであると当社取締役会が判断する場合には、一定の対抗措置を講じることがある旨を公表しております。また、大規模買付行為を評価・検討する際や、対抗措置を発動する際等には、当社取締役会は独立第三者により構成される特別委員会に諮問し、特別委員会の助言・勧告を最大限尊重することとしております。特別委員会は学識経験者、社外取締役、社外監査役の中から選任された3名以上の委員から構成され、これにより当社取締役会の行う判断の公正性、透明性が確保できるものと考えます。

 

④ 上記取組みについての取締役会の判断

 当社取締役会は、上記③の取組みが上記①の当社の基本方針に沿って策定され、当社の企業価値、株主共同の利益を確保するための取組みであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えます。また、取締役会による恣意的な判断がなされることを防止するため、独立第三者により構成される特別委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する際等には特別委員会の助言・勧告を最大限尊重することにより、現対応方針に係る取締役会の恣意的な判断を排除する仕組みを確保しております。

また、当社は、現対応方針の有効期限を当社第65回定時株主総会終結のときから3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結のときまでとしておりますので、平成27年開催の当社第68回定時株主総会において現対応方針の継続等を付議し、改めまして現対応方針に関する株主の皆様の総体的なご意思を確認することとしております。当該株主総会において出席株主の議決権の過半数のご賛同が得られなかった場合には、現対応方針はその時点で廃止されるものといたします。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況の変動に係るリスク

当社グループの全世界における営業収入は、当社グループが商品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従いまして、日本、北米、欧州、アジア(特に中国を中心とする東アジア)等を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 商品市況の変動に係るリスク

当社グループでは、鉄鋼製品、金属原料、非鉄金属、食品及び石油・化成品等について流通在庫を有しております。これらは市況商品であるため、需給状況や為替動向が市況に与える影響が大きく、市況の変動への適切な対応ができなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。

(3) 為替レートの変動に係るリスク

当社グループの事業には、全世界における商品の仕入と販売が含まれております。各地域における収益、費用、資産、負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドルに対する円高)は当社グループの輸出取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸入取引には好影響を及ぼし、円安は輸入取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸出取引には好影響を及ぼします。

(4) 金利の変動に係るリスク

当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。このうち変動金利による調達につきましては、一部に金利スワップ等を利用して金利変動リスクの軽減に努めておりますが、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 株価の変動に係るリスク

当社グループは、取引先を中心に国内外で市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っております。従いまして、保有する上場株式の株価動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 取引先の信用に係るリスク

 当社グループの事業における売上債権の大部分は、販売先ごとに一定の信用を供与し、掛売りを行ったものであります。当社グループにおいては厳格かつ機敏な与信管理を行っておりますが、必ずしも全額の回収が行われる保証はありません。従いまして、販売先の不測の倒産・民事再生手続等は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 事業投資に係るリスク

当社グループは、既存事業の強化や事業領域の拡大等を図るための事業投資を行っております。これらの投資に際しては、投資等審査委員会において検討を行うなど投資内容や投資金額に応じた所定の手続きを経て実行の是非を決定しておりますが、投資先の企業価値の低下や所期の投資採算が確保できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8) 資金の流動性に係るリスク

当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。資金調達に当たっては、資金需要見通しに基づき、手元流動性の確保に努めておりますが、国内外の金融市場の混乱や金融規制の変更、当社グループへの信用格付の引き下げまたは金融機関の融資方針の変更など調達環境に大きな変化が生じた場合には、資金調達の制約や調達コストの増加などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク

当社グループは、近年中国を中心とするアジア市場や米国、欧州等の市場に対して積極的に事業進出を行っております。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。

① 予期しない法律または関税などの貿易取引規制の変更

② 不利な政治的・経済的変動や国際通貨の変動

③ 人材の採用と確保の難しさ

④ 未整備のインフラが当社グループの活動に悪影響を及ぼす、または当社グループの製品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性

⑤ 企業活動にとって不利な税制度への変更

⑥ テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

従いまして、これらの事象は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10) 法的規制等に係るリスク

当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許認可、国家安全保障またはその他の理由による輸出入及び販売制限、関税をはじめとするその他の貿易取引規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、食品の安全規制、環境・リサイクル関連等の法規制の適用も受けております。これらの規制により、当社グループの活動が制限される可能性があるだけでなく、規制への対応がコストの増加につながる可能性もあります。従いまして、これらの規制は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11) 自然災害等に係るリスク

当社グループは、地震等の自然災害やインフルエンザ等の感染症の発生に備えて、危機管理マニュアルや事業継続計画の整備、安否確認システムの導入、耐震対策や防災訓練などの対策を実施しております。しかしながら当社グループの各事業所及び社員の活動は広範囲に及んでおり、自然災害等が発生した際にはその被害を完全に回避できるものではありません。想定を超える被害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 退職給付債務に係るリスク

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率や期待運用収益率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

① 概要

当連結会計年度における世界経済は、欧州でのソブリンリスク懸念による金融不安やアメリカ経済の弱い景気回復など先進国経済の不振が長引く中で、中国の金融引締め政策による景気調整や、比較的堅調に推移していた新興国においても一部に消費の鈍化が見られるなど、全体としては停滞感の漂う状態にありました。また、国内経済につきましては、個人消費はおおむね横ばいで推移しましたが、製造業の稼働状況は東日本大震災の影響からは持ち直したものの、円高傾向が継続したことや夏場の電力規制、タイの洪水被害などの影響を受けて厳しい状況にあり、設備投資も弱い動きとなりました。年度終盤に円安に振れたことから、景況感は幾分改善しましたが、震災復興事業の遅れも加わって、景気に下振れリスクのある状況が続きました。

このような環境において、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比12.0%増の1,564,250百万円となりました。利益面では、水産物や鋼材等のたな卸資産に評価損が発生したものの、石油・化成品事業やその他の事業の貢献などにより、営業利益は前連結会計年度比8.1%増の14,976百万円となりました。しかし、経常利益は為替差益の減少などにより前連結会計年度比2.8%減の13,116百万円、当期純利益は株式市況の下落による投資有価証券評価損の特別損失への計上などにより、前連結会計年度比20.0%減の4,632百万円となりました。

② 売上高

売上高は、鉄鋼事業や石油・化成品事業が堅調だったことなどにより、前連結会計年度に比べ12.0%増の1,564,250百万円となりました。そのうち、国内売上高は前連結会計年度に比べ12.5%増の1,186,235百万円、海外売上高は前連結会計年度に比べ10.5%増の378,014百万円となりました。

③ 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、売上数量の増加に伴う仕入数量の増加に加え、たな卸資産の評価損発生などにより、前連結会計年度に比べ12.2%増の1,517,904百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、人員の増加や子会社の新規連結による人件費の増加などにより、前連結会計年度に比べ4.9%増の31,369百万円となりました。

④ 営業利益

 営業利益は、石油・化成品事業やその他の事業の貢献により、売上総利益が前連結会計年度に比べ5.9%増の46,346百万円となった一方で、販売費及び一般管理費の増加を抑えられたことなどにより、前連結会計年度に比べ8.1%増の14,976百万円となりました。なお、売上高営業利益率は1.0%と前連結会計年度と同水準となりました。

⑤ 営業外損益

営業外収益は、為替差益や賃貸料が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ27.3%減少し3,002百万円となりました。また営業外費用は、支払利息やリース資産除却損の増加などにより、前連結会計年度に比べ8.2%増加し4,862百万円となりました。

⑥ 特別損益

特別損失は、上場株式価格の下落による投資有価証券評価損や投資有価証券の売却に伴う損失の発生により、4,670百万円となりました。なお、特別利益は、当連結会計年度におきましては発生しておりません。

⑦ 法人税等

法人税等は、当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益が減少したことを反映して、10.7%減少し、3,710百万円となりました。

⑧ 当期純利益

当期純利益は、前連結会計年度に比べ20.0%減少し、4,632百万円となりました。その結果、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の27.95円に対し22.35円となりました。

⑨ セグメントの状況

鉄鋼事業の売上高は前連結会計年度に比べ7.5%増の745,031百万円、セグメント利益は0.8%減の9,349百万円となりました。東日本大震災の影響による需要の停滞が懸念され、その後も電力不安やタイの洪水などに見舞われながらも、製造業の稼働水準は早期に回復しました。また、震災復興需要の具体化が遅れている建築土木分野でも、緊急性の高い復旧関連の需要が発生するなどし、鋼材需要は総じて堅調に推移しました。一方、鋼材価格については、原料価格の上昇などに反応して反転の兆しは見せるものの、中国での需給の変調や国内店売り市場の低迷などにより、大きな動きとはならず、原料需給の緩和とともに、弱い基調が継続する傾向にありました。その結果、当事業の損益面でも、たな卸資産の評価損が断続的に発生するなど店売り向けを中心に厳しい展開となりました。

金属原料事業の売上高は前連結会計年度に比べ1.8%増の126,279百万円、セグメント利益は43.2%減の1,286百万円となりました。ニッケルや合金鉄の価格は金融環境の変化やステンレス製品需要が低調だったことにより軟調な推移となりました。また、実需についてもステンレスメーカーや電炉メーカーの生産調整が年度を通じて継続している一方で、製造業向け鋼材需要の回復により生産が好調だった高炉メーカーも輸出環境が悪化したことにより、年度後半に失速したことから原料需要の停滞を招き、収益を圧迫しました。

非鉄金属事業の売上高は前連結会計年度に比べ3.4%増の62,054百万円、セグメント利益は19.0%増の851百万円となりました。国際商品市況は金融環境の変化に影響を受けて変動しましたが、全般的には先行きの不透明感から弱い基調で推移しました。一方、国内需要面では震災やタイの洪水による影響を受けたものの、自動車関連を中心に堅調な荷動きとなりました。採算面では、旺盛なスクラップ需要に対し、スクラップの発生が低水準にあったことから、仕入れコストが上昇し、厳しい局面もありましたが、貴金属屑やバーゼル条約関連商品などの販売増が収益に貢献しました。

食品事業の売上高は前連結会計年度に比べ14.5%増の91,709百万円、セグメント利益は33.6%減の1,180百万円となりました。日本国内の水産物消費自体は頭打ちの状況が続いているものの、国内流通在庫が低水準にあることや震災の影響から東日本での漁獲量が低下したこともあり、海外での旺盛な需要に基づく国際市況の高止まりを反映して、国内市況も堅調に推移しました。しかし、養殖サケの価格が供給増による需給バランスの崩れにより暴落するなど一部品種で高値を調整する動きも出てきており、当社グループもたな卸資産の評価損が発生するなどの影響を受けました。

 石油・化成品事業の売上高は前連結会計年度に比べ23.7%増の457,578百万円、セグメント利益は21.6%増の2,671百万円となりました。原油価格は欧州の金融市場やアメリカの景気動向に左右されて不安定な状況にありましたが、中東情勢に緊張感が増すにつれ上昇基調に転じました。一方、震災直後の供給不足により高騰した石油製品価格は、その後の増産や緊急輸入などにより落ち着きを取り戻していましたが、原油市況の上昇に連動して、再び上昇基調となりました。需要については、全般的には経済活動の停滞の影響を受けましたが、産業用燃料の需要は比較的堅調だったことに加え、原発事故による電力供給不足への対応のため、火力発電や自家発電向けの燃料需要が増加し、収益の増加に繋がりました。

その他の事業の売上高は前連結会計年度に比べ12.4%増の139,818百万円、セグメント利益は121.4%増の1,689百万円となりました。海外の販売子会社の業績が概ね堅調に推移したことや、木材事業での国内原木の輸出や北米丸太の海外取引の増加、機械事業での大型レジャー機械の販売などが寄与しました。

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

① 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、売上高の増加に伴う売上債権の増加などにより、前連結会計年度末比9.3%増の582,404百万円となりました。

負債は、売上高の増加に対応した仕入債務の増加や社債の発行などにより、前連結会計年度末比10.4%増の466,448百万円となりました。そのうち、有利子負債は、前連結会計年度末比3.4%増の243,142百万円となり、当連結会計年度末のネット負債倍率は、1.9倍となりました。

純資産は、当期純利益の積み上がりに加え、その他有価証券評価差額金や少数株主持分の増加などにより、前連結会計年度末比5.0%増の115,956百万円となりましたが、当連結会計年度末の自己資本比率は、前期末の20.6%から19.5%になりました。

② キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が46,948百万円の支出であったことに対し、当連結会計年度においては11,970百万円の収入となりました。これは、売上高の伸びが鈍化したことから、事業収益からの収入がそれを吸収したことなどによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて4,399百万円多い12,009百万円の支出となりました。これは、有形固定資産や投資有価証券の取得による支出が当連結会計年度では15,482百万円となり、前連結会計年度に比べ9,199百万円増加したことなどによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて49,675百万円少ない1,596百万円の収入となりました。これは、運転資金需要の低下に対応して、短期借入金やコマーシャル・ペーパーによる調達資金の返済が進んだことによるものであります。

③ 財務政策

当社グループは、運転資金及び投融資資金につきましては、銀行借入による調達を主としておりますが、安定的かつ機動的な流動性確保のため、資金調達ソースの多様化を図り、資本市場における社債並びにコマーシャル・ペーパー発行による調達も随時行っております。

銀行借入につきましては、運転資金の調達には、主に変動金利の長期借入金を利用することで安定的な資金を確保するとともに、日常の資金需要の変動については短期借入金により対応しております。なお、海外の連結子会社は、それぞれ現地において銀行借入を利用しております。また、設備投資などの長期資金については、海外分も含めて原則として日本において長期借入金により調達しております。当連結会計年度末現在の短期借入金残高は80,229百万円であり、主な通貨は日本円であります。長期借入金残高は1年以内の返済予定額10,183百万円を含めて126,921百万円であります。

社債につきましては、主に運転資金の調達を目的に利用しており、当連結会計年度末現在の社債発行残高は、普通社債20,085百万円であります。当社は市場環境や財政状態の変化に対応した機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の国内公募普通社債発行登録枠の未使用枠は、20,000百万円であります。

当社グループは総合的な企業価値の向上と持続的な企業成長を標榜しており、事業の拡大に必要な資金需要に対応した効率的な資金調達を図り、健全な財務バランスを追求していく方針であります。

  





出典: 阪和興業株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書