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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比11.3%増の1,682,503百万円となりました。また、損益面につきましては、営業利益は当第2四半期連結会計期間からの鉄鋼市況の回復などにより、前連結会計年度比30.1%増の16,252百万円となり、経常利益は為替差損益の改善なども加わって前連結会計年度比65.7%増の14,698百万円となりました。また、当期純利益は特別損失の減少などにより、前連結会計年度比67.3%増の7,896百万円となりました。

 

セグメント別の業績(売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含む。)は、次のとおりであります。

① 鉄鋼事業

堅調に推移していた製造業分野に加え、建設分野においても民間の商業・物流施設案件や復興・復旧案件、インフラ整備などの出件が増加しました。停滞していた鋼材市況も、条鋼類を中心とした実需の増加を反映して当第2四半期連結会計期間から第3四半期連結会計期間にかけて上げ基調に転じたことから、在庫商品の販売収益が好転しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比12.9%増の811,096百万円、セグメント利益は前連結会計年度比44.6%増の13,879百万円となりました。

② 金属原料事業

ニッケルやステンレススクラップの価格はステンレス需要の低迷や投機資金の商品市場からの流出などにより総じて軟調な推移となりました。ステンレス原料の販売が停滞する一方で、鉄鋼メーカー向けの合金鉄やニッケル化合物の販売が増加した他、為替差損が減少したことも収益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比3.4%増の97,995百万円、セグメント利益は前連結会計年度比448.8%増(約5.5倍)の1,756百万円となりました。

③ 非鉄金属事業

銅やアルミなどの国際市況は下落基調にありましたが、円安の進行により円貨での価格は横ばい推移となりました。スクラップの仕入れコスト上昇により収益の取りにくい環境が続く中で、貴金属屑類の拡販を進めたことや為替差損の減少などが収益に寄与しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比5.8%増の77,511百万円、セグメント利益は前連結会計年度比21.7%増の835百万円となりました。

④ 食品事業

国内需要は引き続き低調に推移しましたが、円安に転換したことにより、それまで行き過ぎた安値にあったサケやエビなど主力商材に価格修正の動きが入り、採算が改善しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比6.1%減の78,668百万円となったものの、セグメント利益は前連結会計年度比112.7%増(約2.1倍)の1,589百万円となりました。

⑤ 石油・化成品事業

 中東情勢や金融環境などの影響により原油市況は上下しましたが、製品価格は円安の進行を受けて高い水準を維持しました。激しい販売競争が継続した産業用燃料や円安の影響を受けた合成樹脂加工品の採算は低迷したものの、海外積みの舶用石油の拡販が収益増加に貢献しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比12.3%増の499,043百万円、セグメント利益は前連結会計年度比15.1%増の1,925百万円となりました。

⑥ その他の事業

主に木材事業での出荷増加などにより、売上高は前連結会計年度比20.0%増の200,925百万円となりましたが、セグメント損益はHANWA SINGAPORE (PRIVATE) LTD.の東南アジア域内での非鉄金属事業の採算低迷や木材事業での欧州産製材の供給過剰による市況下落などにより、262百万円の損失(前連結会計年度は1,222百万円の利益)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,279百万円(31.4%)減少し、15,919百万円となりました。

 これは主に売上高が増加に転じたことに伴う運転資金需要の増加に対して、前連結会計年度に運転資金の回収が進んでいたことから、資金調達規模を抑制的に進めたことによるものであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による収入は343百万円となり、前連結会計年度に比べ19,037百万円(98.2%)の減少となりました。これは主に前連結会計年度に比べ売上高が増加したことに伴う売上債権やたな卸資産の増加によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による支出は5,244百万円となり、前連結会計年度に比べ138百万円(2.7%)の増加となりました。これは主に子会社株式を含む投資有価証券の取得に係る支出が増加したことによるものであります。

 

この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、4,901百万円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による支出は4,927百万円となり、前連結会計年度に比べ11,436百万円(69.9%)の減少となりました。これは主に売上高の増加に伴い運転資金需要が回復したため、短期借入金による調達が増加に転じたことによるものであります。

 

2 【受注及び販売の状況】

(1) 受注実績

受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

外部顧客への売上高(百万円)

前連結会計年度比増減率(%)

鉄       鋼      事       業

792,155

12.9

金  属  原  料   事  業

94,129

2.4

非  鉄  金  属   事  業

75,946

6.2

食       品      事       業

77,346

△6.9

石 油 ・ 化 成 品 事 業

491,288

12.1

そ      の      他

151,637

21.1

1,682,503

11.3

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、前連結会計年度及び当連結会計年度における当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1) 次期の見通し

米国経済は緩やかな足取りながらも回復軌道にあり、欧州経済も債務危機に対する不安感が後退し、持ち直しの機運が感じられます。また、中国経済もシャドーバンキング問題を含む金融バブルの反動への懸念が燻ってはいるものの、中央政府の景気制御により緩やかな拡大が続くと思われます。一方で、新興国経済は世界的な金融環境の変化に左右され、停滞した状況が続くと予想されます。

国内経済では、引き続きアベノミクス政策や日本銀行の異次元緩和策の効果は続くものの、消費税率の引上げに伴う駆け込み需要の反動減が消費財中心に懸念されます。一方で建設分野では、労務を始めとする人手不足の問題はあるものの、復興需要を含めたインフラ投資の本格化や民間建設投資の活況、各方面でのオリンピック効果なども見込まれ、堅調な推移が期待されます。

 

(2) 中期経営計画について

当社グループは平成25年5月に、平成25年度から平成27年度までの3ヵ年にわたる中期経営計画を策定いたしました。その概要は以下の通りです。

なお、本項目は、平成25年5月に公表した「中期経営計画」の内容を掲載したものであり、現在までの進捗状況とは異なる記載が含まれております。

《テーマ》

 「中長期的な国内外市場の変化を見据えた事業構築と経営基盤の強化を目指す。」

《業績目標》

 最終年度(平成28年3月期)  売上高 1兆8,000億円  経常利益 150億円

《企業戦略の骨子》

 ・人材・組織のベーシック理念 〜プロフェッショナル & グローバル〜

 ・3つの戦略概念

        ①

ユーザー系スタンスの徹底

企業活動の多様化

グループ一体経営の推進

 

 ・共鳴型経営  〜バリューチェーンの最適化〜

  3つの戦略概念を各事業セグメントの活動における基本とし、メーカー・サプライヤーからユーザーにいたるバリューチェーンの中でその効率化や全体最適を目指して、当社グループの事業領域を広げ、ユーザーの満足度を最大化していきます。

上記の基本課題、成長戦略に係る当連結会計年度における主な進捗状況は、次の通りです。

鉄鋼事業では、平成25年10月に鉄鋼卸売業の三栄金属㈱、11月にコラム加工・卸売業の北陸コラム㈱を新たに当グループに加え、短納期・小口取引への対応力や加工機能の強化を進めております。また、海外への展開については、日系自動車メーカーの進出が顕著なメキシコに設立したHANWA STEEL SERVICE MEXICANA, S.A. DE C.V.が10月に稼働を開始した他、平成26年2月にはシカゴに事務所を開設し、北中米の自動車を始めとする製造業向けの需要開拓を進める体制を構築しました。

金属原料事業では、出資先のOM HOLDINGS LTD. がマレーシアに建設中のフェロシリコン・マンガン系合金鉄プラントが平成26年度に稼動することを睨み、その製品販売のため、日本や東南アジアを始め中国、中東、欧州などの市場開拓を進めております。また、ニッケル化学品などの特殊金属化学品の販売を各国の電池用資材業界向けなどに拡大しております。

非鉄金属事業では、インドネシアの地場資本との合弁会社PT. HANWA ROYAL METALSがASEAN地域でのリサイクル原料の販売、加工事業を開始した他、リサイクル原料の輸出や三国間取引、現地取引の拡大にも取り組んでおります。また、基板屑やバーゼル条約関連商品の拡販にも注力しています。

食品事業では、米国での合弁販社であるSEATTLE SHRIMP & SEAFOOD COMPANY, INC.は小売流通業者や外食産業向け販売を引き続き拡大させております。また、養殖サケの一大産地である南米チリに情報収集、買付け業務の拠点として子会社HANWA CHILE LTDA.を設立しました。国内では平成24年11月に設立したハンワフーズ㈱が、寿司ネタ用商品など川下分野向けの商品開発・販売に注力しております。

 石油・化成品事業では、ロシアや韓国での舶用石油の販売体制を整えた他、電力会社向けの石油燃料拡販に努めています。また、バイオマス発電分野でも、PKS(椰子殻)や木質チップ・ペレット類、RPF(故紙・廃プラスティック固形燃料)など各種燃料のサプライチェーン作りを進めております。化成品分野では、合成樹脂製の日用雑貨や業務用資材のスーパー、衣料品チェーン、コンビニエンスストア向け販売に引き続き注力しております。

その他の事業では、木材事業において、ハウスメーカー、パワービルダーなどエンドユーザー向けの製材品販売が拡大している他、国産杉丸太の輸出販売にも注力しております。

企業体制面につきましては、引き続きコンプライアンスの徹底と、コーポレート・ガバナンスや内部統制の強化に努めております。また、「内部統制システム整備に関する基本方針」に則って企業を運営していくと共に、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制報告制度への対応として、内部統制課が当社の内部統制システムの有効性検証、システム改善を継続して実施しております。

当社グループとしましては、今後、これらの事業戦略を継続して実行していくことで、阪和グループの総合的な企業価値の向上と持続的な企業成長を実現させ、更なる顧客満足の向上を図り、合わせて社会貢献にも目配りしてまいります。

 

(3) 株式会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を図るという観点から決定されるべきものと考えております。従いまして、結果的に支配権の異動を伴うような株式の大規模買付(当該買付行為を、以下、「大規模買付行為」といい、当該買付行為に係る提案を、以下、「大規模買付提案」といいます。)提案に応じるか否かは、当社株式を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。この考えに基づき、当社株式の大規模買付提案が提起された場合には、株主の皆様が提案に応じるか否かを判断するに足る十分な情報と時間が提供されることが不可欠であると考えます。

しかし、株式の大規模買付行為の中には大規模買付企業(以下、「対象企業」といいます。)の経営者や株主の皆様に対する買付目的や買付後の経営戦略等について明確な説明がないまま大規模買付行為が行われるものや、大規模買付者の一方的な考えに基づき買付行為が行われるものなど、対象企業の経営陣との十分な協議や合意のプロセスを経ることなく大規模買付行為が進められることがあります。

 当社は、当社企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から、株主の皆様に大規模買付提案に応諾するか否かを検討するための十分な情報と時間が提供されない場合や、当社の支配権が異動するに足る当社株式を取得した特定の株主により、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益が損なわれるおそれがあると判断される場合には、こうした株主を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると判断し、必要かつ相当な範囲において、対抗措置をとることができる旨を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」といいます。)といたします。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社は、平成25年5月に平成25年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定しました。本中期経営計画のテーマとして、「中長期的な国内外市場の変化を見据えた事業構築と経営基盤の強化を目指す。」を掲げ、達成すべき具体的な事業戦略を設けております。当社は、具体的な事業戦略を着実に実行していくことで、当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化が図れるものと考えております。

 

③ 不適切な支配の防止のための取組み

 当社は、平成24年6月28日開催の当社第65回定時株主総会において、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるため、基本方針に照らして不適切な支配の防止のための取組みとして、「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の一部改定及び継続の件」を上程し、株主の皆様のご承認をいただきました。(以下、「現対応方針」といいます。)

 現対応方針におきまして、当社は大規模買付者からの事前の情報提供に関する一定のルールを定めるとともに、ルールを遵守しない場合や当社の企業価値や株主共同の利益を毀損することが明らかであると当社取締役会が判断する場合には、一定の対抗措置を講じることがある旨を公表しております。また、大規模買付行為を評価・検討する際や、対抗措置を発動する際等には、当社取締役会は独立第三者により構成される特別委員会に諮問し、特別委員会の助言・勧告を最大限尊重することとしております。特別委員会は学識経験者、社外取締役、社外監査役の中から選任された3名以上の委員から構成され、これにより当社取締役会の行う判断の公正性、透明性が確保できるものと考えます。

 

④ 上記取組みについての取締役会の判断

 当社取締役会は、上記③の取組みが上記①の当社の基本方針に沿って策定され、当社の企業価値、株主共同の利益を確保するための取組みであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えます。また、取締役会による恣意的な判断がなされることを防止するため、独立第三者により構成される特別委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する際等には特別委員会の助言・勧告を最大限尊重することにより、現対応方針に係る取締役会の恣意的な判断を排除する仕組みを確保しております。

また、当社は、現対応方針の有効期限を当社第65回定時株主総会終結のときから3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結のときまでとしておりますので、平成27年開催の当社第68回定時株主総会において現対応方針の継続等を付議し、改めまして現対応方針に関する株主の皆様の総体的なご意思を確認することとしております。当該株主総会において出席株主の議決権の過半数のご賛同が得られなかった場合には、現対応方針はその時点で廃止されるものといたします。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況の変動に係るリスク

 当社グループの全世界における営業収入は、当社グループが商品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従いまして、日本、北米、欧州、アジア等を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 商品市況の変動に係るリスク

当社グループでは、鉄鋼製品、金属原料、非鉄金属、食品及び石油・化成品等について流通在庫を有しております。これらは市況商品であるため、需給状況や為替動向が市況に与える影響が大きく、市況の変動への適切な対応ができなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。

(3) 為替レートの変動に係るリスク

 当社グループの事業には、全世界における商品の仕入と販売が含まれております。各地域における収益、費用、資産、負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドルに対する円高)は当社グループの輸出取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸入取引には好影響を及ぼし、円安は輸入取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸出取引には好影響を及ぼします。

(4) 金利の変動に係るリスク

 当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。このうち変動金利による調達につきましては、一部に金利スワップ等を利用して金利変動リスクの軽減に努めておりますが、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 株価の変動に係るリスク

当社グループは、取引先を中心に国内外で市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っております。従いまして、保有する上場株式の株価動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 取引先の信用に係るリスク

 当社グループの事業における売上債権の大部分は、販売先ごとに一定の信用を供与し、掛売りを行ったものであります。当社グループにおいては厳格かつ機敏な与信管理を行っておりますが、必ずしも全額の回収が行われる保証はありません。従いまして、販売先の不測の倒産・民事再生手続等は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 事業投資に係るリスク

当社グループは、既存事業の強化や事業領域の拡大等を図るための事業投資を行っております。これらの投資に際しては、投資等審査委員会において検討を行うなど投資内容や投資金額に応じた所定の手続きを経て実行の是非を決定しておりますが、投資先の企業価値の低下や所期の投資採算が確保できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8) 資金の流動性に係るリスク

当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。資金調達に当たっては、資金需要見通しに基づき、手元流動性の確保に努めておりますが、国内外の金融市場の混乱や金融規制の変更、当社グループへの信用格付の引き下げまたは金融機関の融資方針の変更など調達環境に大きな変化が生じた場合には、資金調達の制約や調達コストの増加などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク

当社グループは、近年中国を中心とするアジア市場や米国、欧州等の市場に対して積極的に事業進出を行っております。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。

① 予期しない法律または関税などの貿易取引規制の変更

② 不利な政治的・経済的変動や国際通貨の変動

③ 人材の採用と確保の難しさ

④ 未整備のインフラが当社グループの活動に悪影響を及ぼす、または当社グループの製品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性

⑤ 企業活動にとって不利な税制度への変更

⑥ テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

従いまして、これらの事象は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10) 法的規制等に係るリスク

 当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許認可、国家安全保障またはその他の理由による輸出入及び販売制限、関税をはじめとするその他の貿易取引規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、食品の安全規制、環境・リサイクル関連等の法規制の適用も受けております。これらの規制により、当社グループの活動が制限される可能性があるだけでなく、規制への対応がコストの増加につながる可能性もあります。従いまして、これらの規制は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11) 自然災害等に係るリスク

当社グループは、地震等の自然災害やインフルエンザ等の感染症の発生に備えて、危機管理マニュアルや事業継続計画の整備、安否確認システムの導入、耐震対策や防災訓練などの対策を実施しております。しかしながら当社グループの各事業所及び社員の活動は広範囲に及んでおり、自然災害等が発生した際にはその被害を完全に回避できるものではありません。想定を超える被害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(12) 退職給付債務に係るリスク

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率や長期期待運用収益率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

① 概要

当連結会計年度における世界経済は、債務上限問題を回避して総じて上向きに推移した米国やソブリンリスク問題が小康状態にあった欧州など先進諸国の経済環境は概ね順調に推移したものの、中国は金融政策面での制約の中で有効な景気浮揚策が打ち出されず、堅調だった新興国も金融緩和の縮小を見越したリスクマネーの収縮により金融環境が引き締まったために経済成長が鈍化するなど、全体的にまだら模様の状態にありました。

一方、国内経済におきましては、長年に渡るデフレ経済からの脱却に向けたいわゆるアベノミクス政策や日本銀行による異次元金融緩和策を好感した株式相場の上昇や円安基調への転換に続き、個人消費や設備投資が持ち直してきました。また、公共インフラの整備や民間建設投資などの実需が本格的に回復してきた他、消費税率引上げ前の駆込み需要の増加も需要を押し上げました。円安による原燃料価格の上昇やそれらに伴う貿易収支の悪化、建設投資の急増による各方面での人手不足などの課題もありつつも、全体的に明るい環境となりました。

このような環境において、当連結会計年度の売上高は、鉄鋼事業や石油・化成品事業の増収などにより、前連結会計年度比11.3%増の1,682,503百万円となりました。また利益面では、当第2四半期連結会計期間からの鉄鋼市況の回復などにより、在庫商品の販売採算が改善したことなどから、営業利益及び経常利益はそれぞれ前連結会計年度比30.1%増の16,252百万円、65.7%増の14,698百万円となり、当期純利益は特別損失が減少したことも加わり、前連結会計年度比67.3%増の7,896百万円となりました。

② 売上高

売上高は、鉄鋼事業や石油・化成品事業の増収などにより、前連結会計年度に比べ11.3%増の1,682,503百万円となりました。そのうち、国内売上高は前連結会計年度に比べ10.4%増の1,250,832百万円、海外売上高は前連結会計年度に比べ14.1%増の431,671百万円となりました。

③ 売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、市況商品の価格上昇に伴う仕入価格の上昇などにより、前連結会計年度に比べ11.2%増の1,631,138百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、給与・賞与の増加や子会社の新規連結による人件費の増加などにより、前連結会計年度に比べ8.8%増の35,112百万円となりました。

④ 営業利益

 営業利益は、主に鉄鋼事業での販売収益が増加したことなどにより、前連結会計年度の12,491百万円に対して30.1%増益の16,252百万円となりました。なお、売上高営業利益率は1.0%と前連結会計年度に対し0.2ポイント上昇しました。

⑤ 営業外損益

営業外収益は、前連結会計年度での急激な円安方向への進行が落ち着き、為替差損益が差損から差益になったことなどにより、前連結会計年度に比べ30.7%増加し2,766百万円となりました。また営業外費用は、為替差損の減少などにより、前連結会計年度に比べ24.7%減少し4,321百万円となりました。

⑥ 特別損益

特別利益は、主に子会社の株式を売却した際に発生した投資有価証券売却益により、187百万円となりました。

特別損失は、主に関係会社株式の減損処理や大阪本社ビルの建て替えに伴う固定資産の処分損などにより、896百万円となりました。

⑦ 法人税等

法人税等は、当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益が増加したことを反映して、194.4%増加し、5,986百万円となりました。

⑧ 当期純利益

当期純利益は、前連結会計年度に比べ67.3%増加し、7,896百万円となりました。その結果、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の22.78円に対し38.11円となりました。

 

⑨ セグメントの状況

鉄鋼事業の売上高は前連結会計年度に比べ12.9%増の811,096百万円、セグメント利益は44.6%増の13,879百万円となりました。製造業向け需要が平成26年4月からの消費税率上げを睨んだ駆け込み需要も加わって、堅調に推移する中で、建設関連需要も震災復興や各地の災害復旧向けに加え、老朽化したインフラの更新需要、さらには民間の商業施設や物流施設などの投資需要なども加わって、鋼材取扱いは国内向けを中心に総じて堅調に推移しました。一方、鋼材価格については、アジア市況は中国、東南アジア向けの需要停滞により弱含みで推移しましたが、国内市況については、当第1四半期連結会計期間こそ前第4四半期連結会計期間の市況底入れ時の仮需の反動から足踏み状態だったものの、実需が動き出すにつれ上げ足を早め、当第3四半期連結会計期間までは強い基調が続き、当鉄鋼事業の採算改善に寄与しました。

金属原料事業の売上高は前連結会計年度に比べ3.4%増の97,995百万円、セグメント利益は448.8%増(約5.5倍)の1,756百万円となりました。国内ステンレスメーカーの生産が当連結会計年度半ばから建設向けを中心に回復したものの、世界的なステンレス需要は低迷した状態が続いたため、ニッケルやステンレススクラップなど原料需要は低調で国際価格も軟調な推移となりました。一方、鉄鋼メーカーの生産は堅調で合金鉄の販売が増加した他、ニッケル化合物などの電池用資材メーカー等への販売が拡大し収益に貢献しました。加えて前連結会計年度は急激な円安の進行により、為替差損が発生しましたが、当連結会計年度は変動が穏やかで差損が縮小したことも利益を押し上げる要因となりました。

非鉄金属事業の売上高は前連結会計年度に比べ5.8%増の77,511百万円、セグメント利益は21.7%増の835百万円となりました。国際商品市況は金融環境の変化に影響を受けて変動しましたが、全般的には中国需要の先行き不透明感から弱い基調で推移しました。国内需給面では、自動車、電気関連向けを中心にスクラップ需要が旺盛な一方で、スクラップの発生が低水準にあったことから、仕入れコストが上昇し、採算面では厳しい局面が続きましたが、貴金属屑やバーゼル条約関連商品などの販売増や、円安基調の緩和により為替差損が減少したことが利益を押し上げました。

 食品事業の売上高は前連結会計年度に比べ6.1%減の78,668百万円、セグメント利益は112.7%増(約2.1倍)の1,589百万円となりました。国内の水産物消費は低調な状態が続いていましたが、円安基調に転換したことにより、行き過ぎた安値から上昇に転じた養殖サケ価格が産地の出荷減もあり再高騰した他、養殖エビについても、タイの養殖池での病気発生により世界的に品薄となったため価格が底入れし、採算が改善しました。

 石油・化成品事業の売上高は前連結会計年度に比べ12.3%増の499,043百万円、セグメント利益は15.1%増の1,925百万円となりました。原油価格は中東情勢や金融市場の影響を受けて上下動したものの、国内の石油製品価格は、円安の進行の影響もあり比較的高い水準での推移となりました。収益面では国内の産業用燃料の需要の低迷により流通業者間の販売競争は激しく、採算が取りづらい状況が続いた他、灯油や合成樹脂加工品の販売収益も気候要因や為替の影響で低迷しましたが、ロシアや韓国での舶用石油の給油事業を伸ばし、カバーしました。

その他の事業の売上高は前連結会計年度に比べ20.0%増の200,925百万円、セグメント損益は262百万円の損失となりました(前連結会計年度は1,222百万円の利益)。消費税率アップ前の駆込みでの住宅需要の活況による木材出荷の増加の他、円安により海外販売子会社の円換算での売上高が増加したため売上高は増加しましたが、利益面ではHANWA SINGAPORE (PRIVATE) LTD.のASEAN地区での非鉄金属事業の採算悪化や木材事業での欧州産材の入着過剰による価格下落などにより低採算な結果となりました。

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

① 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、売上高の増加に伴う売上債権やたな卸資産の増加に加え、保有する上場投資有価証券の価格上昇などにより、前連結会計年度末比7.3%増の593,351百万円となりました。

負債は、売上高の増加に対応した仕入債務の増加や運転資金需要の増加による借入金や社債の増加などにより、前連結会計年度末比8.3%増の467,989百万円となりました。そのうち、有利子負債は、前連結会計年度末比4.1%増の245,906百万円となり、当連結会計年度末のネット負債倍率は、1.9倍となりました。

純資産は、当期純利益の積み上がりに加え、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末比3.9%増の125,361百万円となりました。しかしながら、当連結会計年度末の自己資本比率は、負債の増加幅の方が大きかったため前連結会計年度末の21.4%から20.6%に低下しました。

 

② キャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて19,037百万円少ない343百万円の収入となりました。これは、売上高の回復に伴い売上債権やたな卸資産が増加するなど運転資金需要が増えてきたことなどによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて138百万円多い5,244百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の取得は減少したものの、子会社株式も含めた投資有価証券の取得による支出が増加したことや前連結会計年度には投資有価証券の売却収入があったことなどによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて11,436百万円少ない4,927百万円の支出となりました。これは、長期借入金の返済があったものの、運転資金需要の増加に対応して、短期借入金による資金調達が純増に転じたことによるものであります。

③ 財務政策

当社グループは、運転資金及び投融資資金につきましては、銀行借入による調達を主としておりますが、安定的かつ機動的な流動性確保のため、資金調達ソースの多様化を図り、資本市場における社債並びにコマーシャル・ペーパー発行による調達も随時行っております。

銀行借入につきましては、運転資金の調達には、主に変動金利の長期借入金を利用することで安定的な資金を確保するとともに、日常の資金需要の変動については短期借入金により対応しております。なお、海外の連結子会社は、それぞれ現地において銀行借入を利用しております。また、設備投資などの長期資金については、海外分も含めて原則として日本において長期借入金により調達しております。当連結会計年度末現在の短期借入金残高は74,004百万円であり、主な通貨は日本円であります。長期借入金残高は1年以内の返済予定額21,600百万円を含めて125,881百万円であります。

社債につきましては、主に運転資金の調達を目的に利用しており、当連結会計年度末現在の社債発行残高は、普通社債40,000百万円であります。当社は市場環境や財政状態の変化に対応した機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の国内公募普通社債発行登録枠の未使用枠は、30,000百万円であります。

当社グループは総合的な企業価値の向上と持続的な企業成長を標榜しており、事業の拡大に必要な資金需要に対応した効率的な資金調達を図り、健全な財務バランスを追求していく方針であります。

 





出典: 阪和興業株式会社、2014-03-31 期 有価証券報告書