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第2【事業の状況】

 

1【業績等の概要】

(1)業績

当期のわが国経済は、世界的な需要拡大に加えて供給サイドのリスク拡大を背景にした原油価格の更なる上昇、及び量的緩和政策解除後の日銀の金利引上げによる市場金利の上昇懸念という景気の先行きに対する不透明感はあるものの、企業収益力向上による設備投資の拡大と、労働市場の改善を受けて個人消費が持ち直したことにより、景気は踊り場を脱却して、緩やかながらも息の長い回復基調となりました。

このような情勢下、当社は高付加価値製品へ経営資源を投入し強靭な収益基盤を確立するため、ビジネス拡大とその強化として、業務提携や電子部品業界向けの積極的な販売活動、より高付加価値なコーティング製品の生産・販売に向けた生産設備の増強、及び基幹業務システムの再構築による業務の高度化・効率化の推進を行う一方で、一層の生産性の向上、コスト削減等の諸施策を鋭意実施に努めた結果、当期における業績は、売上高は378億9千2百万円(前期比3.7%増)、営業利益は14億1千3百万円(前期比127.2%増)、経常利益は14億1千7百万円(前期比145.0%増)、当期純利益は11億7千4百万円(前期比148.8%増)となりました。

次に、営業の状況についてご説明申し上げます。

 

[仕入販売]

(製紙用化学品)

  塗工用バインダーは、製紙業界の市況が横ばいで推移する中、シェアダウンがあったものの、販売価格の上昇があり、ほぼ横ばいとなりました。しかし、その他製紙用化学品については、一部商流の変更に伴い大幅な減収となり、全体では売上高は前期比15.7%減の88億4千5百万円となりました。

 

(電子材料)

フレキシブルプリント基板材料はその基板ベース材であるポリイミドフィルムの供給が安定化し、海外携帯電話やハードディスク向けが好調でありました。また、プラズマテレビや液晶テレビ向け回路材は年度終盤に調整に入りましたが、全体として堅調に推移し増収となりました。

リジッド基板は、中国への生産シフトが進む中、海外携帯電話、基地局関連が比較的に安定、また、一部ハードディスク関連の付加価値製品の伸長もあり増収となりました。

全体では売上高は前期比8.3%増の116億6千4百万円となりました。

 

(機能性樹脂)

熱硬化性樹脂は、薄型テレビや設備投資の旺盛な需要に支えられ増収となりました。熱可塑性樹脂は、家電エンプラ材料の新規切り替えも順調に進み増収となり、全体では売上高は前期比3.6%増の56億8千9百万円となりました。

 

(その他)

食品材料は、増粘安定剤の原料不足による価格高騰の影響を受け増収となったものの、印刷製版材料は大幅な減収となり、全体では売上高は前期比1.5%増の16 億7千4百万円となりました。

 

[製造販売]

(コーティング製品)

  高機能フィルムは、電子部品業界向けで特に台湾、中国の需要が急増したことと、国内外での新規市場開発により大幅な増収となりました。

画像用フィルムは、前年度後半からスタートした業務提携の効果はあったものの、公共事業削減等によりインクジェット製品全体の需要が減少したことにより減収となりました。

この結果、コーティング製品全体では売上高は前期比23.2%増の32億3千1百万円となりました。

  (高機能樹脂製品)

電気絶縁用樹脂は、自動車電装部品及び電子部品向けの堅調な需要や原料高騰による価格転嫁も浸透し増収となり、また、液晶関連ビジネスが伸びたことにより、全体では売上高は前期比11.9%増の38億4千8百万円となりました。

 

(ファインケミカルズ)

既存品がほぼ前年並みで推移するなか、一部新規採用があったことと、新規開発製品の販売が寄与したことにより、売上高は前期比32.1%増の13億2千2百万円となりました。

 

(その他)

電子部品業界向けフレキシブルプリント基板材料は、海外向けが堅調に推移したことに加え、生産設備の改良による加工能力の向上により大幅な増収となりました。全体では売上高は前期比50.8%増の16億1千5百万円となりました。

 

 (注) なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)キャッシュ・フロー

当期における現金及び現金同等物は前期末から1千5百万円減少し、16億6千8百万円となりました。

なお、各項目の増減は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、10億3千1百万円の資金の増加(前期比85.0%増)となりました。その主な要因は、売上債権が12億2千5百万円、たな卸資産が5億2百万円それぞれ増加したものの、税引前当期純利益が11億8千8百万円となり、減価償却費を4億8千9百万円、減損損失を1億7千3百万円それぞれ計上し、仕入債務が8億7千6百万円増加したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、13億3千8百万円の資金の減少(前期比85.9%増)となりました。その主な要因は、より高付加価値なコーティング製品の生産設備の増強を中心とした有形固定資産の取得に6億6百万円、投資有価証券の取得に6億2千4百万円を支出したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億9千1百万円の増加(前期は5千2百万円の減少)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済に5億5千万円、配当金の支払いに1億9千4百万円を支出したものの、長期借入れにより10億5千万円の資金調達したことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

事業部門別

第59期

(自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日)

前期比(%)

コーティング製品(千円)

2,337,891

119.7

高機能樹脂製品(千円)

2,562,537

113.7

ファインケミカルズ(千円)

1,113,971

137.4

その他(千円)

1,447,406

148.8

合計(千円)

7,461,806

124.6

 (注)1.金額は製造原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)仕入実績

事業部門別

第59期

(自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日)

前期比(%)

製紙用化学品(千円)

8,480,824

83.4

電子材料(千円)

11,135,413

108.5

機能性樹脂(千円)

5,429,188

103.8

その他(千円)

1,336,396

88.4

合計(千円)

26,381,822

97.1

 (注)1.金額は仕入原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

 当社は一部を除いて受注生産は行っておりません。

 

(4)販売実績

事業部門別

第59期

(自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日)

前期比(%)

仕入販売

製紙用化学品(千円)

8,845,519

84.3

電子材料(千円)

11,664,503

108.3

機能性樹脂(千円)

5,689,101

103.6

その他(千円)

1,674,681

101.5

小計(千円)

27,873,807

98.1

製造販売

コーティング製品(千円)

3,231,252

123.2

高機能樹脂製品(千円)

3,848,705

111.9

ファインケミカルズ(千円)

1,322,572

132.1

その他(千円)

1,615,866

150.8

小計(千円)

10,018,397

123.1

合計(千円)

37,892,204

103.7

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先別

第58期

(自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日)

第59期

(自 平成17年4月1日

 至 平成18年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本製紙株式会社

7,351,112

20.1

6,354,962

16.8

ニッカン工業株式会社

3,017,653

8.3

4,134,436

10.9

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

今後も経営環境はさらに厳しさを増し、急激に変化していくものと予想されますが、この現状を正確かつ的確に把握して、従来にも増した「スピードある変化への対応」により積極的に変革を進めていくことが最重要課題と捉えております。

そのため、将来も継続的に成長が期待できる重要分野に戦略的かつ重点的に経営資源をより一層集中させて、強靭な収益基盤を確立するためビジネスの領域拡大とその強化に努めてまいります。

さらに、従来から進めております組織や業務構造の簡素化を通しての固定費削減、原価低減、生産性向上、資産効率向上等コスト構造改革を継続するとともに、基幹業務システムの再構築により更なる業務効率化、生産及び物流管理体制の強化を図り、既存のビジネスについてもグローバルな市場での競争力強化を志向してまいります。

また、平成18年4月3日に当社100%子会社を香港に設立しており、今後、中国及び東南アジア地域を中心としたグローバルビジネスを展開する予定です。

4【事業等のリスク】

当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあり、これらのリスクは投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。なお、当社はこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存でございます。

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成18年6月29日)現在において当社が判断したものです。

 

(1)全般的事項

当社の事業は、製紙用化学品・電子材料・機能性樹脂等の仕入販売とコーティング製品・高機能樹脂製品・ファインケミカルズ等の製造販売に大別されます。

仕入販売については、販売先の業界及び最終製品を製造する業界全体の動向に加えて、当社の仕入先の生産供給体制により販売数量及び価格が変動する可能性があります。

また、競合他社が同種品を廉価で販売したり、高機能・高付加価値の新商品を市場に新規投入する等によって価格競争が激化し、あるいは仕入先と販売先が直取引をすることにより、販売数量が減少・販売価格が下落した場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

製造販売については、競合他社との品質や価格の競争激化に加え、国際的な原油価格の市況や為替レートの変動等により当社の原材料の仕入価格が上昇した場合、技術開発部門が研究開発の成果として販売先の要求や市場動向に合せてタイムリーに新製品を投入できない場合、製品に欠陥が生じた場合等には、販売数量の減少、販売価格の下落及び製造原価の上昇により、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

上記以外に、国内の景気変動だけでなく海外における景気変動や政治情勢の変化、通貨価値の変動、社会的混乱、火災等の災害、環境・リサイクル・食品等当社の取扱商品・製品に関する規制を含めた法制度の変化等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(2)債権の回収可能性について

    必要充分な債権管理は実施しておりますが、当社の取引先が債権の弁済に重大な問題が生じた場合等には、引当金の追加計上又は貸倒損失の発生により、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(3)退職給付債務について

当社は、従業員に対して確定給付型退職金制度として適格退職年金制度を設けており、さらに日本プリント回路工業厚生年金基金(総合型)に加入しております。今後の割引率の低下及び運用利回りの悪化は退職給付費用及び未認識数理計算上の差異の増加となり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(4)特定の取引先への依存について

当社は、製紙用化学品の仕入商品である紙塗工用バインダーや回路基板材料を中心とした電子材料・機能性樹脂関連の仕入商品の一定割合を特定の取引先から購入しております。

また、当期において売上高の10%以上を販売している取引先が2社あります。

当社とこれらの特定の取引先とはこれまで長期間に亘り緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、特定の取引先の今後の経営方針が当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5)保有する有価証券の価格変動について

当社は、金融機関や取引に関連する会社の株式及び外国投資信託等を保有していますが、株式市場及び為替の動向等によっては、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 





出典: ソマール株式会社、2006-03-31 期 有価証券報告書