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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度のわが国経済は、新興国の経済成長や政府の経済対策効果もあって、企業業績は緩やかな回復が続いてきましたが、一方では雇用・所得環境の不安は解消せず、円高とデフレの定着、更には、年度後半から経済対策の縮小や終了がなされたため、景気の先行き不透明感が増大しました。

 当社グループの関係業界におきましても、電機・電子や自動車などの業界では経済対策効果の一巡で、景気の持続的回復への懸念が増し、また製紙などの業界では需要は依然として低調なレベルに留まりました。

 こうした中で本年3月11日に発生した東日本大震災の影響は、極めて広範囲に、かつ長期に亘って及ぶものと予想され、わが国経済の先行きに大きな重しとなってきております。

 こうした情勢下、当社グループは、当年度からスタートさせた新たな「三ヵ年中期経営計画」に沿って、当社独自の技術を生かした成長戦略に基づき、グローバルな事業展開を継続実施し、経営基盤の強化と業績の改善に取り組んでまいりました。しかしながら、関係業界の伸び悩みの影響で販売は鈍化し、更にはこの3月の大震災により、当社生産設備への直接的な影響は軽微であったものの、販売面では関係業界のサプライチェーン寸断の影響などを受け、売上の減少をきたしました。

 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は261億7千6百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は1億7千4百万円(前年同期比29.5%減)、経常利益は7千2百万円(前年同期比66.2%減)となりましたが、東日本大震災に伴う損失、投資有価証券評価損などを特別損失として計上したことにより、当期純損失は1億1千3百万円(前年同期は当期純利益1億1百万円)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

 [高機能材料事業]  

 高機能材料事業は、関係する電子部品や自動車部品の業界で需要が持ち直してきたこと、更には、きめ細かな拡販活動と新たな需要開拓による成果も出始めたことで、業績の回復が暫く続いてきました。しかしながら、第2四半期後半からは、政府による経済対策の縮小や終了で需要が減退し始め、また本年3月の震災による影響で売上が少なからず減少いたしました。その結果、当事業全体の売上高は186億6千8百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益は3億3千6百万円(前年同期比9.1%減)となりました。  

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

コーティング製品

グローバル対応に向けて当社グループ全体での製品供給体制を再構築しつつ、新たな製品開発や需要開拓にも継続して取り組み、その成果が着実に出てきましたが、設計・複写用途向け需要が引き続き大きく落込んだため、5.3%の減収となりました。

高機能樹脂製品

自動車部品向け需要が一時の大きな落込みから脱却して持ち直してきたこと、更には、家電小型モータ用途や特殊電子部品用途への需要開拓にも努めた結果、震災による売上減少が多少あったものの、16.5%の増収となりました。

電子材料

フレキシブル回路基板材料は、HDD、携帯電話等での需要の回復や拡販努力の結果、売上が伸張しました。一方、アラミッド材料は、一部ビジネスを見直した影響で前年同期比では売上が減少しました。その結果、全体では5.5%の増収となりました。

機能性樹脂

熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂は、家電製品などに対する政府の経済支援対策によって関連樹脂需要が回復しましたが、その効果が当年度の前半で無くなったため、全体では2.0%の減収となりました。

 

 [環境材料事業]  

 環境材料事業は、製紙業界向け製商品の拡販と新規需要の開拓に努めてきましたが、紙需要の低迷から製紙各社が減産を継続していることや、市場における競合品との競争激化も一段と進んだことで、市場環境は非常に厳しい状況で推移しました。それに加えて、この度の震災の影響で、一部の主要顧客では操業停止を余儀なくされたこともあり、売上の減少につながりました。その結果、当事業全体の売上高は66億9千4百万円(前年同期比4.8%減)、営業利益は6千4百万円(前年同期比57.3%減)となりました。

  

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

ファインケミカルズ

工業用殺菌剤や製紙用ケミカルズは、当社のオリジナル製品の拡販や市場の開拓に努めましたが、国内需要の低迷や競合他社品との競争激化、更には、震災による売上減少といった影響も加わったため、全体では8.1%の減収となりました。

製紙用化学品

関係業界での需要低迷が続くなか、顧客サービスの向上に努め、一方ではナフサ価格上昇に連動した紙塗工用バインダーの価格値上も実施しつつ、売上増加に努めてきましたが、震災による売上減少の影響もあり、全体では4.1%の減収となりました。

 

 [その他の事業]

 その他の事業では、主体の食品材料が、引き続く個人消費の低迷や円高・デフレの定着で、販売価格の値下げ圧力も一段と強まり、市場環境は相変わらず厳しい状況で推移しました。そうした中で、顧客に密着したきめ細かなサービスと拡販に鋭意努めた結果、当事業全体の売上高は8億1千3百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は1億3千1百万円(前年同期比1.3%減)となりました。 

 

(2)キャッシュ・フロー 

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、73億8千2百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億8千1百万円の増加となりました。

        当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

    営業活動によるキャッシュ・フローは、9億5千8百万円の資金増加(前連結会計年度は14億5千7百万円の資金増加)となりました。その主な要因は、売上債権が7億6千5百万円減少したこと、減価償却費を6億8千6百万円計上したこと、及びたな卸資産が3億1千7百万円増加したことによるものです。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

    投資活動によるキャッシュ・フローは、20億2千8百万円の資金減少(前連結会計年度は10億2千7百万円の資金減少)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得として14億8千8百万円支出したこと、投資有価証券の取得として3億5千1百万円支出したこと、及び無形固定資産の取得として2億2千5百万円支出したことによるものです。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

    財務活動によるキャッシュ・フローは、22億3百万円の資金増加(前連結会計年度は8億5千4百万円の資金増加)となりました。その主な要因は、長期借入金の借入れを30億円実行したこと、長期借入金の約定返済により5億円支出したこと、及び配当金として1億9千4百万円を支出したことによるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年 4月 1日

至 平成23年 3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

5,193,322

108.2

環境材料事業(千円)

784,982

95.3

報告セグメント計(千円)

5,978,305

106.3

その他の事業(千円)

合計(千円)

5,978,305

106.3

 (注)1.金額は製造原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年 4月 1日

至 平成23年 3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

11,500,656

111.5

環境材料事業(千円)

5,368,538

95.7

報告セグメント計(千円)

16,869,195

105.9

その他の事業(千円)

637,192

100.6

合計(千円)

17,506,387

105.7

 (注)1.金額は仕入原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

  (3)受注状況

 当社グループは一部を除いて受注生産は行っておりません。

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年 4月 1日

至 平成23年 3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

18,668,204

102.6

環境材料事業(千円)

6,694,267

95.2

報告セグメント計(千円)

25,362,471

100.6 

その他の事業(千円)

813,821

   100.9

合計(千円)

26,176,292

100.6

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先別

前連結会計年度

(自 平成21年 4月 1日

 至 平成22年 3月31日)

当連結会計年度

(自 平成22年 4月 1日

 至 平成23年 3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本メクトロン㈱

3,220,144

12.4

3,493,166

13.3

日本製紙㈱

2,976,028

11.4

3,104,581

11.9

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

今後の見通しにつきましては、円高基調の定着やデフレの進行、更には、厳しい雇用・所得環境に伴う個人消費の低迷が続き、景気の下押しが進むものと予想されます。これに加えて本年3月に発生した大震災の影響は、今後のわが国経済の見通しを更に不透明なものとしています。こうした情勢下、当社グループは、「当社の独自技術を生かしたグローバルな事業活動を通して社会に貢献し、社会から真に評価される企業になることを目指す」ことを経営ビジョンに掲げ、以下の事項を主な中期的経営課題として取り組み、課題解決のための諸施策を引き続き実施していく方針であります。

なお、この度の大震災では、日本企業のサプライチェーンが寸断され、国内外に及ぶ企業活動に大きな打撃を与えています。当社グループではこれを機会に、例えば原材料の調達といった面におきましても多様な観点から改めて見直し、当社の事業継続計画(BCP)に反映してまいります。

 

(1)重点コア事業の一層の強化

  コア事業であるコーティング製品や高機能樹脂製品につきましては、製品の多様化・高機能化といった引き続く課題にも応えつつ、技術・開発・生産・マーケティング等に関わる事業基盤を更に強化し、新規製品の開発や既存製品の拡販を通して事業の拡大につなげてまいります。

 

(2)中国・タイでの海外生産の推進とグローバルな事業展開

索馬龍精細化工(珠海)有限公司や Siam Somar Co., Ltd.(タイ)といった当社グループの海外生産・販売拠点やその他の海外営業拠点などと緊密な連携をとりながら、中国・アジアを中心としたグローバル市場において積極的な事業展開を行ってまいります。例えば、自動車電装品メーカーや電子部品メーカーを主なターゲットとしたコーティング製品や高機能樹脂製品の製造・加工販売などを中心として、関連商品の仕入販売、さらには製紙業界向け製商品の販売など、幅広い展開を行ってまいります。

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあり、これらのリスクは投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。なお、当社グループはこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存でございます。

 なお、今般の東日本大震災の影響により、経済状況や原材料価格の変動等のリスクが発生し、また、原材料等を適時に確保できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がありますが、今後の動向を見極めたうえで、適切な対応に努めてまいります。

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)全般的事項

  当社グループは、コーティング製品・高機能樹脂製品・ファインケミカルズ等の製造販売及び電子材料・機能性樹脂・製紙用化学品等の仕入販売に係る業務を行っております。
 製造販売については、競合他社との品質や価格の競争激化に加え、国際的な原油価格の市況や為替レートの変動等により当社グループの原材料の仕入価格が上昇した場合、技術開発部門が研究開発の成果として販売先の要求や市場動向に合せてタイムリーに新製品を投入できない場合、製品に欠陥が生じた場合等には、販売数量の減少、販売価格の下落及び製造原価の上昇により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 仕入販売については、販売先の業界及び最終製品を製造する業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制により販売数量及び価格が変動する可能性があります。
 また、競合他社が同種品を廉価で販売したり、高機能・高付加価値の新商品を市場に新規投入する等によって価格競争が激化し、あるいは仕入先と販売先が直取引をすることにより、販売数量が減少・販売価格が下落した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 上記以外に、国内の景気変動だけでなく海外における景気変動や政治情勢の変化、通貨価値の変動、社会的混乱、火災等の災害、環境・リサイクル・食品等当社グループの取扱製品・商品に関する規制を含めた法制度の変化等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(2)債権の回収可能性について

    必要充分な債権管理は実施しておりますが、当社グループの取引先が債権の弁済に重大な問題が生じた場合等には、引当金の追加計上または貸倒損失の発生により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(3)退職給付債務について

    当社は、従業員に対して確定給付型退職年金制度として確定給付企業年金制度を設けており、さらに日本電子回路厚生年金基金(総合型)に加入しております。今後の割引率の低下及び運用利回りの悪化は退職給付費用及び未認識数理計算上の差異の増加となり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(4)特定の取引先への依存について

     当社グループは、製紙用化学品の仕入商品である紙塗工用バインダーや回路基板材料を中心とした電子材料・機能性樹脂関連の仕入商品の一定割合を特定の取引先から購入しております。
 また、当連結会計年度において売上高の10%以上を販売している取引先が2社あります。
 当社グループとこれらの特定の取引先とはこれまで長期間に亘り緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、特定の取引先の今後の経営方針が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5)保有する有価証券の価格変動について

    当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式及び外国投資信託等を保有していますが、株式市場及び為替の動向並びに投資先企業の状況等によっては、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループでは、市場ニーズの変化に対する的確な対応や技術革新への新たな対応などを通して、事業の持続的な発展を図り、合わせて社会に貢献していくことを目的として、主に基盤技術開発分野、高機能材料事業及び環境材料事業において、積極的な研究開発活動を行っております。

 当社グループがこれまで蓄積してきた技術資源やノウハウを基盤として、今後の成長が期待される分野に的を絞った市場開発や技術・製品開発、更には生産技術開発などに注力すると共に、これらを支える基盤技術の深耕や新たなビジネス開発のための基礎的研究にも努めております。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は2億8千2百万円となりました。

 なお、各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1) 基礎技術開発分野

  基盤技術開発分野の開発では、高分子材料に関わる分子設計や合成・複合化技術など、当社の基盤技術を構成する主要要素技術の更なる強化を目的とした研究開発を始めとして、バイオマテリアルや食品加工の分野における素材開発を目的とした研究開発などを行っております。また、これらに関連したシステムや設備の開発、更にはシミュレーション解析技術の応用研究なども行っております。

  基盤技術開発分野における当連結会計年度の研究開発費は1億円であります。

(2) 高機能材料事業

  高機能材料事業の開発は、機能性フィルムに関連した研究開発と高機能樹脂に関連した研究開発とに大別されます。

  機能性フィルムに関連した研究開発では、益々多様化・高度化する市場ニーズに応えるため、コーティングやラミネーションの技術、フィルムの表面改質や粘接着樹脂の応用技術といった各種関連技術を複合的に駆使して製品開発を行っており、特に電子回路基板や微細電子部品の製造、光学機器や各種情報通信機器の製造といった分野で、当社の独自技術を生かした製品開発が進んでいます。

  また、高機能樹脂に関連した研究開発では、自動車電装部品、小型モーター、その他の電気・電子部品などで使用される電気絶縁材料や防錆材料に関する高機能化のための研究開発を始めとして、各種電子機器の部品実装に関わる接着・封止樹脂の高機能化研究開発、更には、高熱伝導性接着剤、構造接着剤の研究開発なども行っております。

  高機能材料事業における当連結会計年度の研究開発費は1億2千5百万円であります。 

(3) 環境材料事業

  環境材料事業の開発では、製紙業界を始めとして、電子部品や電子回路基板の業界で使用される化学材料について、新たな市場ニーズに的確に応える製品開発を目的とした研究開発を行っております。特に、製紙業界では、製紙工程や塗工工程で使用される抄紙用薬剤、塗料改質剤、殺菌剤などの新製品開発、また、電子部品や電子回路基板の業界では、排水工程で使用される水処理剤の研究開発を行っております。

  環境材料事業における当連結会計年度の研究開発費は5千7百万円であります。 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び記載内容に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」において記載しておりますが、特に以下に記載する重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 有価証券の減損処理

     当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式及び外国投資信託を保有しておりますが、これらの有価証券は株式市場及び為替の変動リスクを負っています。当社は、合理的な評価基準に基づき有価証券の減損処理を実施しております。

② 貸倒引当金の計上基準

     当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。

③ 退職給付債務について

     当社は、従業員に対して確定給付型退職金制度として確定給付企業年金制度を設けており、さらに日本電子回路厚生年金基金(総合型)に加入しております。退職給付債務及び退職給付引当金の計算における年金資産については、割引率・期待運用収益率等各種比率に基づき合理的な基準による見積り計算を実施しております。

④ 繰延税金資産の回収可能性の評価

     当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産を計上しております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は261億7千6百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は1億7千4百万円(前年同期比29.5%減)、経常利益は7千2百万円(前年同期比66.2%減)となりましたが、東日本大震災に伴う損失、投資有価証券評価損などを特別損失として計上したことにより、当期純損失は1億1千3百万円(前年同期は当期純利益1億1百万円)となりました。

 

      ① 売上高の分析

        当社グループの主要な関係業界におきましては、電機・電子や自動車などの業界では経済対策効果の一巡で、景気の持続的回復への懸念が増し、また製紙などの業界では需要は依然として低調なレベルに留まりました。

        その結果、当連結会計年度の売上高は261億7千6百万円(前年同期比0.6%増)と若干の増収となりました。

 

      ② 販売費及び一般管理費の分析

        当社グループ全体において、引き続き徹底したコスト削減と業務効率の改善を図りましたが、積極的な研究開発活動を行った結果、研究開発費が増加したことなどにより、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は29億1千万円(前年同期比2.9%増)となりました。

 

      ③ 営業外損益及び特別損益の分析

        営業外収益は前連結会計年度から8百万円減少して5千2百万円(前年同期比14.5%減)となりました。これは主に還付加算金の減少によるものであります。また、営業外費用は前連結会計年度から6千万円増加して1億5千4百万円(前年同期比64.1%増)となりました。これは主に為替差損の増加によるものであります。

        特別利益は前連結会計年度から9千5百万円減少して3千6百万円(前年同期比72.6%減)となりました。これは主に投資有価証券償還益の減少及び貸倒引当金戻入額の増加によるものであります。また、特別損失は前連結会計年度から3千9百万円増加して1億4千9百万円(前年同期比36.3%増)となりました。これは主に資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額の計上及び減損損失の増加、並びに固定資産臨時償却費の減少によるものであります。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは製造販売と仕入販売に係る業務を行っておりますが、近年の更なる競争激化により一層厳しさを増している状況にあります。
 製造販売については、自動車・電子部品業界等当社グループの製品が流通・加工・消費される業界全体の動向、特に当社グループの販売先の属する市場の動向及び販売先のその市場における位置づけが当社グループの販売数量及び販売価格に影響を与える可能性があります。
 また、高機能樹脂製品を中心に海外等の低廉な労働力を背景にした廉価品の台頭による販売価格の下落、原油価格の上昇等に起因する原材料価格の上昇による製造コストの増加により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 仕入販売については、製紙業界やIT関連業界等当社グループの仕入商品が流通・加工・消費される業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制と販売先の需要のバランスが販売数量及び価格に影響を与える可能性があります。
 また、競合他社による廉価販売や新商品の投入により、既存の商流・商権が変化すること等により、当社グループの販売数量の減少及び販売価格の下落を引き起こす可能性があります。

(4)戦略的現状と見通し

当社グループとしては、これらの状況を踏まえて将来的に成長が期待できる分野に重点的に経営資源を集中させ、「スピードある変化への対応」によりビジネス領域の拡大及び強化に努めてまいります。
 具体的には、製造販売については電子部品業界や自動車部品業界等へのコーティング製品及び高機能樹脂製品の新規開発品の市場投入による販売拡大に注力し、仕入販売については既存商品の販売拡大及び新規商権の獲得に注力してまいります。
 また当社の子会社を基点として、中国を含むアジア地域に対して製造販売及び仕入販売を推進してまいります。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、73億8千2百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億8千1百万円の増加となりました。

これは、有形固定資産の取得による支出などにより投資活動によるキャッシュ・フローが20億2千8百万円の資金減少となったこと、及び現金及び現金同等物に係る換算差額(減額)を1億5千2百万円計上したものの、売上債権の減少などにより営業活動によるキャッシュ・フローが9億5千8百万円の資金増加となったこと、及び長期借入金の借入れなどにより財務活動によるキャッシュ・フローが22億3百万円の資金増加となったためであります。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、最新の経営環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案すべく尽力していますが、今後も経営環境はさらに厳しさを増し、急激に変化していくものと予想されます。
 当社グループとしては、今後もこの現状を正確かつ的確に把握して、適時に対応していく方針であります。





出典: ソマール株式会社、2011-03-31 期 有価証券報告書