有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度のわが国経済は、東日本大震災とその後の電力供給の制約などによる景気の落込みからは徐々に持ち直してきましたが、円高の定着や、欧州財政危機の影響などによる海外経済の減速懸念で、国内経済の先行きは依然として不透明感を強めています。  

当社グループの関係業界におきましては、こうした状況に加えて更に、昨年10月から発生したタイでの洪水被害により、特に自動車や電子部品の関係工場で生産活動に大きな支障が生じたため、当社グループを取巻く事業環境は一段と厳しいものになりました。    

 こうした状況下、当社グループでは、顧客に密着した情報収集と顧客の要請にスピーディーに応える営業活動に心がけ、適切かつ柔軟な製商品の供給体制や、グローバルな視点での原材料調達と付随する適切なサービスの提供、更には新製品の開発活動などにも鋭意努めてまいりました。しかしながら、関係業界での生産活動の停滞が当社グループ製商品への大きな需要減退を招くこととなり、販売は大きく減少いたしました。  

 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は234億5千5百万円(前年同期比10.4%減)、営業損失が2億6千6百万円(前年同期は営業利益1億7千4百万円)、経常損失が2億5千6百万円(前年同期は経常利益7千2百万円)、当期純損失が3億7千4百万円(前年同期は当期純損失1億1千3百万円)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

 [高機能材料事業]  

  高機能材料事業は、関係する電子部品や自動車部品業界向けの需要が、震災による一時の大きな落込みから徐々に回復に向かっておりましたが、10月から新たにタイでの洪水が発生した影響で当該地域での生産活動やサプライチェーンに大きな支障が生じたため、当社グループの製商品販売にも大きなマイナス要因となりました。その結果、当事業全体の売上高は16324百万円(前年同期比12.6%減)、営業損失が1億18百万円(前年同期は営業利益336百万円)となりました。    

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

コーティング製品

携帯電話、パソコン、HDD、デジカメ等の電子機器向け需要が、震災やタイでの洪水の影響で大きく落込み、それを補うため、外部委託していた加工業務の一部内製化といった増収策も取入れましたが、10.2%の減収となりました。 

高機能樹脂製品

海外拠点を含めたグローバルな効率的事業運営を着実に推進しながら拡販に努めてきましたが、主要販売先の自動車部品業界で震災の影響が大きかったことと、年度後半からはタイでの洪水の影響も加わって、1.5%の減収となりました。

電子材料

電子機器業界向けの材料需要が、震災の影響とタイでの洪水の影響で大きく落込んだ状況が続いたこと、更には一部販売先への商流変更による減収要因も加わったことで、14.4%の減収となりました。

機能性樹脂

回路基板や家電製品向けの樹脂需要が、震災の影響で落込んだ状況からはいまだ回復せず、また、前期まで続いた政府の経済支援対策による需要効果も当期はなくなったことで、21.1%の大きな減収となりました。

 

 [環境材料事業]  

  環境材料事業は、震災被害を受けた主要販売先の製紙工場で復旧・復興作業が鋭意進められ、操業が徐々に再開されてはきましたが、いまだ完全復旧の状態には至っておらず、当社の販売活動は引続き厳しいものとなりました。

  こうした状況下、顧客ニーズへのスピーディーな対応ときめ細かなサービスの提供に引続き注力すると共に、当社独自の製品群の拡販にも鋭意努めてまいりましたが、震災後の大きな需要減を補うには至りませんでした。その結果、当事業全体の売上高は61億1千7百万円(前年同期比8.6%減)、営業利益は2千9百万円(前年同期比54.7%減)となりました。

  

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

ファインケミカルズ

新規顧客の獲得や既存顧客への拡販による増収要因も一部ありましたが、震災被害を受けた製紙工場の操業再開が遅れた影響で、当社製品の販売が大きく落込んだ結果、9.6%の減収となりました。

製紙用化学品

一部の製紙用化学品では震災特需的な需要増もありましたが、全体的には主要販売先の製紙工場が被災し操業再開が遅れた影響で、主要商品の販売が大きく落込み、8.4%の減収となりました。

 

 [その他の事業]

  その他の事業は、引続く個人消費の低迷や円高の定着で、主体となっている食品材料で販売価格の値下げ圧力が依然として根強く続き、全体的には厳しい状況で推移しました。そうした中で、引続き顧客ニーズに応えるための的確なサービスの提供と拡販に鋭意努めてまいりました。当期においては特に、増粘安定剤の原料が世界的に逼迫し、そのため原料価格が高騰して増粘安定剤の販売価格も高めで推移したこと、更には拡販努力の成果も加わったことで、増粘安定剤の売上は伸長しました。また、乾燥野菜は、震災の影響もあって長期保存可能な加工食品向け需要が根強く続き、比較的堅調に推移しました。その結果、当事業全体の売上高は10億1千3百万円(前年同期比24.5%増)、営業利益は1億4千6百万円(前年同期比11.4%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー 

   当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、50億3千3百万円となり、前連結会計年度末と比較して23億4千9百万円の減少となりました。

        当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

    営業活動によるキャッシュ・フローは、1億2千3百万円の資金減少(前連結会計年度は9億5千8百万円の資金増加)となりました。その主な要因は、減価償却費を6億6千2百万円計上したこと、仕入債務が3億6千7百万円減少したこと、税金等調整前当期純損失を2億7千1百万円計上したこと、売上債権が1億3千6百万円減少したこと、法人税等の支払額を8千3百万円計上したこと、及び退職給付引当金が8千1百万円減少したことによるものです。 

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

    投資活動によるキャッシュ・フローは、29億1千6百万円の資金減少(前連結会計年度は20億2千8百万円の資金減少)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得として28億1千6百万円支出したこと、及び投資有価証券の取得として1億2千7百万円支出したことによるものです。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

    財務活動によるキャッシュ・フローは、8億4百万円の資金増加(前連結会計年度は22億3百万円の資金増加)となりました。その主な要因は、長期借入金の借入れを20億円実行したこと、長期借入金の約定返済により10億円支出したこと、及び配当金として1億9千4百万円を支出したことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

4,780,285

92.0

環境材料事業(千円)

851,579

108.5

報告セグメント計(千円)

5,631,864

94.2

その他の事業(千円)

合計(千円)

5,631,864

94.2

 (注)1.金額は製造原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

9,171,103

79.7

環境材料事業(千円)

4,912,513

91.5

報告セグメント計(千円)

14,083,616

83.5

その他の事業(千円)

867,591

136.2

合計(千円)

14,951,207

85.4

 (注)1.金額は仕入原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

  (3)受注状況

 当社グループは一部を除いて受注生産は行っておりません。

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

16,324,879

87.4

環境材料事業(千円)

6,117,779

91.4

報告セグメント計(千円)

22,442,659

88.5 

その他の事業(千円)

1,013,288

   124.5

合計(千円)

23,455,947

89.6

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先別

前連結会計年度

(自 平成22年4月1日

 至 平成23年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

 至 平成24年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本メクトロン㈱

3,493,166

13.3

3,128,234

13.3

日本製紙㈱

3,104,581

11.9

2,698,050

11.5

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

今後の見通しにつきましては、欧州財政危機の影響などで中国をはじめとする新興国経済にも減速懸念が強まる中、わが国では、円高やデフレの定着に加え、少子高齢化の進展と厳しい雇用環境、更には、震災後における人々の価値観の変化などが伴って、景気の先行きは益々厳しさを増しています。こうした情勢下、当社グループは、「当社の独自技術を生かしたグローバルな事業活動を通して社会に貢献し、社会から真に評価される企業になることを目指す」ことを経営ビジョンに掲げながら、以下の事項を主な中期的経営課題として取組み、スピーディーな経営判断と、課題解決に向けた適切な諸施策の実施を、引続き行っていく方針であります。

また、東日本大震災やタイでの洪水で顕在化したリスクや、事業のグローバル化に伴って想定される様々なリスクなどにも適切に対処するため、コーポレート・ガバナンスの強化にも引続き努めてまいります。

 

(1)重点コア事業の一層の強化

  コア事業であるコーティング製品や高機能樹脂製品につきましては、市場ニーズの多様化・高機能化といった引続く課題にも応えながら、開発・生産・販売等に関わる事業基盤を更に強化し、新規製品の開発や既存製品の拡販を通して事業の拡大につなげてまいります。

特に、宮城県大和町テクノヒルズに建設を進めてまいりましたソマテック株式会社大和工場がこの4月に竣工し、高度なクリーンルーム環境下でのコーティング製品の生産をまもなく本格化させます。当社グループは、こうした取組みを通してコア事業の市場競争力を一層高め、事業の強化と裾野の拡大を行ってまいります。

 

(2)中国・タイでの海外生産の推進とグローバルな事業展開

中国・アジア地域を中心としたグローバルな成長市場において積極的な事業展開を推進するため、索馬龍精細化工(珠海)有限公司や Siam Somar Co., Ltd.(タイ)などの海外における生産・販売拠点、並びにその他の海外営業拠点などと緊密な連携をとりながら、当社グループ全体での効果的かつ効率的な事業運営を行ってまいります。例えば、自動車電装部品や電子部品の業界向けに当社独自のコーティング製品や高機能樹脂製品を現地で生産・加工販売したり、あるいは関連する商品を仕入販売したり、更には、製紙業界向けや食品業界向けに関連する製商品を積極的に拡販するなど、幅広い展開を行ってまいります。

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあり、これらのリスクは投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。なお、当社グループはこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存でございます。

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)全般的事項

  当社グループは、コーティング製品・高機能樹脂製品・ファインケミカルズ等の製造販売及び電子材料・機能性樹脂・製紙用化学品等の仕入販売に係る業務を行っております。
 製造販売については、競合他社との品質や価格の競争激化に加え、国際的な原油価格の市況や為替レートの変動等により当社グループの原材料の仕入価格が上昇した場合、技術開発部門が研究開発の成果として販売先の要求や市場動向に合せてタイムリーに新製品を投入できない場合、製品に欠陥が生じた場合等には、販売数量の減少、販売価格の下落及び製造原価の上昇により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 仕入販売については、販売先の業界及び最終製品を製造する業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制により販売数量及び価格が変動する可能性があります。
 また、競合他社が同種品を廉価で販売したり、高機能・高付加価値の新商品を市場に新規投入する等によって価格競争が激化し、あるいは仕入先と販売先が直取引をすることにより、販売数量が減少・販売価格が下落した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 上記以外に、国内の景気変動だけでなく海外における景気変動や政治情勢の変化、通貨価値の変動、社会的混乱、火災等の災害、環境・リサイクル・食品等当社グループの取扱製品・商品に関する規制を含めた法制度の変化等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(2)債権の回収可能性について

    必要充分な債権管理は実施しておりますが、当社グループの取引先が債権の弁済に重大な問題が生じた場合等には、引当金の追加計上または貸倒損失の発生により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(3)退職給付債務について

    当社は、従業員に対して確定給付型退職年金制度として確定給付企業年金制度を設けており、さらに日本電子回路厚生年金基金(総合型)に加入しております。今後の割引率の低下及び運用利回りの悪化は退職給付費用及び未認識数理計算上の差異の増加となり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(4)特定の取引先への依存について

     当社グループは、製紙用化学品の仕入商品である紙塗工用バインダーや回路基板材料を中心とした電子材料・機能性樹脂関連の仕入商品の一定割合を特定の取引先から購入しております。
 また、当連結会計年度において売上高の10%以上を販売している取引先が2社あります。
 当社グループとこれらの特定の取引先とはこれまで長期間に亘り緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、特定の取引先の今後の経営方針が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5)保有する有価証券の価格変動について

    当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式及び外国投資信託等を保有していますが、株式市場及び為替の動向並びに投資先企業の状況等によっては、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループでは、市場ニーズの変化に対する的確な対応や技術革新への新たな対応などを通して、事業の持続的な発展を図り、合わせて社会に貢献していくことを目的として、主に基盤技術開発分野、高機能材料事業及び環境材料事業において、積極的な研究開発活動を行っております。

 当社グループがこれまで蓄積してきた技術資源やノウハウを基盤として、今後の成長が期待される分野に的を絞った市場開発や技術・製品開発、更には生産技術開発などに注力すると共に、これらを支える基盤技術の深耕や新たなビジネス開発のための基礎的研究にも努めております。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は3億1千6百万円となりました。

 なお、各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1) 基盤技術開発分野

  基盤技術開発分野の開発では、高分子材料に関わる分子設計や合成・複合化技術など、当社の基盤技術を構成する主要要素技術の更なる強化を目的とした研究開発を始めとして、バイオマテリアルや食品加工の分野における素材開発を目的とした研究開発などを行っております。その結果、特に食品に関してはユーザーからの高い評価を得て、市場に展開でき始めております。また、これらに関連したシステムや設備の開発、更にはシミュレーション解析技術の応用研究なども行っております。

  基盤技術開発分野における当連結会計年度の研究開発費は1億5千6百万円であります。

(2) 高機能材料事業

  高機能材料事業の開発は、機能性フィルムに関連した研究開発と高機能樹脂に関連した研究開発とに大別されます。

  機能性フィルムに関連した研究開発では、益々多様化・高度化する市場ニーズに応えるため、コーティングやラミネーション、ハードコーティングの技術、フィルムの表面改質や粘接着樹脂の応用技術といった各種関連技術を複合的に駆使して製品開発を行っており、特に電子回路基板や微細電子部品の製造、光学機器や各種情報通信機器の製造といった分野で、当社の独自技術を生かした製品開発が進んでいます。結果として熱伝導性粘着フィルムやハードコートフィルムを市場に展開できつつあります。

  また、高機能樹脂に関連した研究開発では、自動車電装部品、小型モーター、その他の電気・電子部品などで使用される電気絶縁材料や防錆材料に関する高機能化のための研究開発を始めとして、各種電子機器の部品実装に関わる接着・封止樹脂の高機能化研究開発、更には、高熱伝導性接着剤、構造接着剤の研究開発なども行っております。

  高機能材料事業における当連結会計年度の研究開発費は1億1千8百万円であります。 

(3) 環境材料事業

  環境材料事業の開発では、製紙業界を始めとして、電子部品や電子回路基板の業界で使用される化学材料について、新たな市場ニーズに的確に応える製品開発を目的とした研究開発を行っております。特に、製紙業界では、製紙工程や塗工工程で使用される抄紙用薬剤、塗料改質剤、殺菌剤などの新製品開発、また、電子部品や電子回路基板の業界では、排水工程で使用される水処理剤の研究開発を行っております。

  環境材料事業における当連結会計年度の研究開発費は4千1百万円であります。 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び記載内容に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」において記載しておりますが、特に以下に記載する重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 有価証券の減損処理

     当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式及び外国投資信託を保有しておりますが、これらの有価証券は株式市場及び為替の変動リスクを負っています。当社は、合理的な評価基準に基づき有価証券の減損処理を実施しております。

② 貸倒引当金の計上基準

     当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。

③ 退職給付債務について

     当社は、従業員に対して確定給付型退職金制度として確定給付企業年金制度を設けており、さらに日本電子回路厚生年金基金(総合型)に加入しております。退職給付債務及び退職給付引当金の計算における年金資産については、割引率・期待運用収益率等各種比率に基づき合理的な基準による見積り計算を実施しております。

④ 繰延税金資産の回収可能性の評価

     当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産を計上しております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は234億5千5百万円(前年同期比10.4%減)、営業損失は2億6千6百万円(前年同期は営業利益1億7千4百万円)、経常損失は2億5千6百万円(前年同期は経常利益7千2百万円)、当期純損失は3億7千4百万円(前年同期は当期純損失1億1千3百万円)となりました。

 

      ① 売上高の分析

        円高の定着や、欧州財政危機の影響などによる海外経済の減速懸念で、国内経済の先行きは依然として不透明感を強めており、加えて、昨年10月から発生したタイでの洪水被害により、当社グループの関係業界での生産活動の停滞が当社グループ製商品への大きな需要減退を招くこととなり、販売は大きく減少いたしました。

        その結果、当連結会計年度の売上高は234億5千5百万円(前年同期比10.4%減)と大きく減収となりました。

 

      ② 販売費及び一般管理費の分析

        積極的な研究開発活動を行った結果、研究開発費が増加しましたが、当社グループ全体において、引き続き徹底したコスト削減と業務効率の改善を図った結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は29億1百万円(前年同期比0.3%減)となりました。

 

      ③ 営業外損益及び特別損益の分析

        営業外収益は前連結会計年度から3千3百万円増加して8千6百万円(前年同期比64.0%増)となりました。これは主に為替差益及び貸倒引当金戻入額の増加によるものであります。また、営業外費用は前連結会計年度から7千7百万円減少して7千6百万円(前年同期比50.5%減)となりました。これは主に為替差損の減少によるものであります。

        特別利益は前連結会計年度から2千2百万円減少して1千3百万円(前年同期比63.3%減)となりました。これは主に投資有価証券売却益の増加及び貸倒引当金戻入額の減少によるものであります。また、特別損失は前連結会計年度から1億2千万円減少して2千8百万円(前年同期比80.8%減)となりました。これは主に前連結会計年度において資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額を計上していたこと及び減損損失の減少、並びに固定資産売却損の減少によるものであります。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは製造販売と仕入販売に係る業務を行っておりますが、近年の更なる競争激化により一層厳しさを増している状況にあります。
 製造販売については、自動車・電子部品業界等当社グループの製品が流通・加工・消費される業界全体の動向、特に当社グループの販売先の属する市場の動向及び販売先のその市場における位置づけが当社グループの販売数量及び販売価格に影響を与える可能性があります。
 また、高機能樹脂製品を中心に海外等の低廉な労働力を背景にした廉価品の台頭による販売価格の下落、原油価格の上昇等に起因する原材料価格の上昇による製造コストの増加により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 仕入販売については、製紙業界やIT関連業界等当社グループの仕入商品が流通・加工・消費される業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制と販売先の需要のバランスが販売数量及び価格に影響を与える可能性があります。
 また、競合他社による廉価販売や新商品の投入により、既存の商流・商権が変化すること等により、当社グループの販売数量の減少及び販売価格の下落を引き起こす可能性があります。

(4)戦略的現状と見通し

当社グループとしては、これらの状況を踏まえて将来的に成長が期待できる分野に重点的に経営資源を集中させ、「スピードある変化への対応」によりビジネス領域の拡大及び強化に努めてまいります。
 具体的には、製造販売については電子部品業界や自動車部品業界等へのコーティング製品及び高機能樹脂製品の新規開発品の市場投入による販売拡大に注力し、仕入販売については既存商品の販売拡大及び新規商権の獲得に注力してまいります。
 また当社の子会社を基点として、中国を含むアジア地域に対して製造販売及び仕入販売を推進してまいります。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、50億3千3百万円となり、前連結会計年度末と比較して23億4千9百万円の減少となりました。

これは、長期借入金の借入れなどにより財務活動によるキャッシュ・フローが8億4百万円の資金増加となったものの、有形固定資産の取得による支出などにより投資活動によるキャッシュ・フローが29億1千6百万円の資金減少となったこと、現金及び現金同等物に係る換算差額(減額)を1億1千3百万円計上したこと、及び営業活動によるキャッシュ・フローが1億2千3百万円の資金減少となったためであります。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、最新の経営環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案すべく尽力していますが、今後も経営環境はさらに厳しさを増し、急激に変化していくものと予想されます。
 当社グループとしては、今後もこの現状を正確かつ的確に把握して、適時に対応していく方針であります。





出典: ソマール株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書