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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度のわが国経済は、東日本大震災からの復興需要や期中の9月まで続いたエコカー補助金等を背景に持ち直しの動きが見られましたが、欧州の債務危機問題や中国をはじめとする新興国での景気の減速傾向、更には、円高が長く続いてきた影響などで、厳しい状況が続きました。期末にかけては新政権への期待感から一部に明るい兆しが出始めましたが、不安要素は依然として解消せず、景気の先行き不透明な状況が続いています。  

 こうした状況下、当社グループは、震災後における関係業界での様々な変化に迅速に対応すべく、取引先との意思疎通に努め、更には、新興するアジア地域を主体とするグローバル市場での販売活動を加速させるとともに、一方では、最適なサプライチェーンの観点からグローバルな生産体制の強化と効率化に継続して取組み、また、新規製品の開発にも鋭意努めてまいりました。  

 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は229億3千7百万円(前年同期比2.2%減)となりました。また利益面では、製造子会社ソマテック株式会社における初期投資の影響もあって、営業損失が10億1千8百万円(前年同期は営業損失2億6千6百万円)、経常損失が9億7百万円(前年同期は経常損失2億5千6百万円)、当期純損失が7億5千2百万円(前年同期は当期純損失3億7千4百万円)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

 [高機能材料事業]  

 高機能材料事業は、厳しい市場環境が続く中で、電子部品や自動車部品の業界が震災やタイでの洪水被害から立ち直りを見せたことを受け、関連製商品の販売が回復してきました。中でも、スマートフォンやタブレットPCの市場拡大を反映して関連需要が一時的ながら盛り上がりをみせ、当社のオリジナル開発製品などの販売が期央にかけて伸張しました。しかし一方では、震災後に生じた関係業界での様々な事業環境の変化が当社製商品に対する需要の減退をもたらし、減収となったアイテムも発生しました。その結果、当事業全体の売上高は161億1千4百万円(前年同期比1.3%減)となり、また利益面では当事業の強化に向けて実施したソマテック株式会社での初期投資の影響で、営業損失が9億2千4百万円(前年同期は営業損失1億1千8百万円)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

コーティング製品

電子・精密機器向け需要に濃淡が見られた中で、期央にかけてはスマートフォン、タブレットPC向け需要が好調に推移し、2.8%の増収となりました。 

高機能樹脂製品

自動車部品向け需要がエコカー補助金効果の終息や日中問題で期の後半から弱含んだものの、当社海外拠点の生産体制整備も進み、4.9%の増収となりました。

電子材料

スマートフォン向け需要は好調に推移しましたが、重電・自動車業界向け需要が震災後の需要構造変化を受けて落込み、4.1%の減収となりました。 

機能性樹脂

電子回路基板や家電製品向け樹脂需要が、エコポイント制度の打切りや震災後の消費マインド停滞で低調に推移したため、5.9%の減収となりました。 

 

 [環境材料事業]  

 環境材料事業は、関係する製紙業界で、国内の紙需要の縮小や、円高、輸入紙の増大といったマイナス要因を背景に製紙事業の合理化・再構築が進んでいるため、当社製商品の販売面でも競合が一段と進む厳しい状況が続きました。そうした中で、当期においては、震災で稼働停止となった製紙工場が順次生産を再開し始めたことを契機に、とりわけ当社独自の開発製品の拡販と新たな製紙分野への展開に努め、更には、拡大する中国市場の開拓にも鋭意取組んでまいりました。しかし一方では、製紙会社の合理化対策が進んだ結果として、特に当社の販売商品に対する需要が大きく減少する要因も発生しました。その結果、当事業全体の売上高は53億5千万円(前年同期比12.5%減)、営業損失が9百万円(前年同期は営業利益2千9百万円)となりました。   

  

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

ファインケミカルズ

製紙会社の減産と販売製品の競合激化が続く中、製紙各社の震災復旧による需要増と独自製品の拡販・新規需要開拓で、16.5%の増収となりました。 

製紙用化学品

塗工紙の減産と輸入増大などで塗工用バインダーの需要が減少し、更に一部商品が販売終了した特殊要因も加わって、18.3%の減収となりました。 

  

 [その他の事業]

 その他の事業の主体をなす食品業界向けの食品材料は、長引く個人消費の低迷や円高によるデフレ圧力で厳しい状況が続く中、顧客ニーズの幅広い情報収集と顧客へのきめ細かなサービスで拡販に努めるとともに、新たな商材の開拓にも継続して取組んでまいりました。そうした中で、特に天然の増粘安定剤が世界的に需給タイトな状況を受けて期初から短かい期間ではありましたが仕入価格が高騰したため、仕入価格に相応した販売価格の改定に努めたことで、増粘安定剤の販売が大きく増加しました。一方、保存食品向けの食品材料は、前年同期に見られた震災直後の特需が解消して落ち着いてきたことから販売は若干の減少となりました。その結果、当事業全体の売上高は14億7千1百万円(前年同期比45.2%増)、営業利益は2億1千2百万円(前年同期比45.3%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー 

   当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、50億2千1百万円となり、前連結会計年度末と比較して1千1百万円の減少となりました。

    当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

    営業活動によるキャッシュ・フローは、6億1百万円の資金増加(前連結会計年度は1億2千3百万円の資金減少)となりました。その主な要因は、減価償却費を12億4百万円計上したこと、税金等調整前当期純損失を8億4千3百万円計上したこと、売上債権が8億8千2百万円減少したこと、仕入債務が3億7千5百万円減少したこと、及びたな卸資産が2億8千2百万円増加したことによるものです。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

    投資活動によるキャッシュ・フローは、7億3千9百万円の資金減少(前連結会計年度は29億1千6百万円の資金減少)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得として10億4千1百万円支出したこと、及び投資有価証券の売却による収入を3億1千1百万円計上したことによるものです。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

    財務活動によるキャッシュ・フローは、1億9千5百万円の資金減少(前連結会計年度は8億4百万円の資金増加)となりました。その主な要因は、長期借入金の借入れを16億円実行したこと、長期借入金の約定返済により16億円支出したこと、及び配当金として1億9千4百万円を支出したことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成24年4月1日

至 平成25年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

5,594,351

117.0

環境材料事業(千円)

894,555

105.0

報告セグメント計(千円)

6,488,906

115.2

その他の事業(千円)

合計(千円)

6,488,906

115.2

 (注)1.金額は製造原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成24年4月1日

至 平成25年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

9,074,408

98.9

環境材料事業(千円)

4,059,707

82.6

報告セグメント計(千円)

13,134,116

93.3

その他の事業(千円)

1,313,913

151.4

合計(千円)

14,448,029

96.6

 (注)1.金額は仕入原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

  (3)受注状況

 当社グループは一部を除いて受注生産は行っておりません。

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成24年4月1日

至 平成25年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

16,114,750

98.7

環境材料事業(千円)

5,350,845

87.5

報告セグメント計(千円)

21,465,595

95.6 

その他の事業(千円)

1,471,648

   145.2

合計(千円)

22,937,244

97.8

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先別

前連結会計年度

(自 平成23年4月1日

 至 平成24年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成24年4月1日

 至 平成25年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本メクトロン㈱

3,128,234

13.3

3,380,139

14.7

日本製紙㈱

2,698,050

11.5

2,338,992

10.2

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

経済のグローバル化が進展するなかで、経済活動は一段と多様化して深化し、また、その変化のスピードも加速しています。そうした認識のもとで、当社グループは、「知恵を生かし、当社独自の技術を総合的に活用したグローバルな事業活動を推進して社会に貢献していく」という当社経営の基本に沿って、引き続き以下の事項を主な中期的課題として取り組み、スピーディーな経営判断と諸施策の着実な実施を行ってまいります。

 

(1)重点コア事業の更なる強化

コーティング製品や高機能樹脂製品で代表される重点コア事業におきましては、市場ニーズの多様化と高機能化が果断なく進み、新たな課題解決の必要性が益々高まっています。

そのため、開発・生産・販売等に関わる事業基盤を一層強化していくとともに、課題解決に必須となる関係技術の開発総合力を高めるため、関係企業との連携や産学連携などの手法を更に活発化させて、開発の質的向上とスピードアップを図ってまいります。

 また、最新鋭のコーティング設備を備えたソマテック株式会社大和工場の生産設備は、当社グループの重要な経営資源の一つとしてその機能強化と有効活用に努めながら、市場競争力の強化と事業領域の拡大を図ってまいります。

 

(2)海外事業拠点での開発・生産体制の強化とグローバルな最適サプライチェーンの構築

中国・アジアを主体とした新興市場におきましては、これまで構築してきた中国・香港・タイ・台湾での当社事業拠点を有効に活用しながら、顧客に密着した情報収集と、品質・価格・納期における顧客対応能力を向上させて、引き続き事業の拡大を図ってまいります。

例えば、電子部品や自動車部品の業界向けには、当社独自のコーティング製品や高機能樹脂製品を現地で生産・加工販売したり、あるいは関連する商品を仕入販売したり、更には、製紙業界や食品業界向けにも関連する製商品を積極的に拡販していくなど、幅広い展開を行ってまいります。

また一方では、当社独自の製品がグローバル市場において着実に販路を拡げている状況を踏まえ、引き続きグローバルな最適サプライチェーンの観点から、例えば当社製品の他社への生産委託といった体制も取り入れながら製品供給の多様化を図りつつ、顧客ニーズに適切に応えてまいります。

 

(3)グローバル事業を支える人材育成

企業の持続的な発展のためには、有能な人材の発掘と育成は経営の重要な課題であります。そのため、国籍の区別なく広く人材を求め、人材を育成していく仕組みの整備に引き続き努めてまいります。

グローバルな事業活動を進める当社グループにおいては、とりわけ当社の良き企業風土を継承し、当社グループのあるべき姿と価値観を全社員が共有しながら事業活動を行っていくことが、企業の社会的責任を果たしていくためにも極めて重要です。それゆえ当社グループは、社員一人ひとりが持つ優れた個性を生かしながら高度なスキルを習得した人材の育成に努め、また一方では、将来のリーダーとしてグローバルに活躍できる人材の育成を行う仕組みも整備してまいります。

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあり、これらのリスクは投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。なお、当社グループはこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存でございます。

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)全般的事項

  当社グループは、コーティング製品・高機能樹脂製品・ファインケミカルズ等の製造販売及び電子材料・機能性樹脂・製紙用化学品等の仕入販売に係る業務を行っております。
 製造販売については、競合他社との品質や価格の競争激化に加え、国際的な原油価格の市況や為替レートの変動等により当社グループの原材料の仕入価格が上昇した場合、技術開発部門が研究開発の成果として販売先の要求や市場動向に合せてタイムリーに新製品を投入できない場合、製品に欠陥が生じた場合等には、販売数量の減少、販売価格の下落及び製造原価の上昇により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 仕入販売については、販売先の業界及び最終製品を製造する業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制により販売数量及び価格が変動する可能性があります。
 また、競合他社が同種品を廉価で販売したり、高機能・高付加価値の新商品を市場に新規投入する等によって価格競争が激化し、あるいは仕入先と販売先が直取引をすることにより、販売数量が減少・販売価格が下落した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 上記以外に、国内の景気変動だけでなく海外における景気変動や政治情勢の変化、通貨価値の変動、社会的混乱、火災等の災害、環境・リサイクル・食品等当社グループの取扱製品・商品に関する規制を含めた法制度の変化等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(2)債権の回収可能性について

    必要充分な債権管理は実施しておりますが、当社グループの取引先が債権の弁済に重大な問題が生じた場合等には、引当金の追加計上または貸倒損失の発生により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(3)退職給付債務について

    当社は、従業員に対して確定給付型退職年金制度として確定給付企業年金制度を設けており、さらに日本電子回路厚生年金基金(総合型)に加入しております。今後の割引率の低下及び運用利回りの悪化は退職給付費用及び未認識数理計算上の差異の増加となり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(4)特定の取引先への依存について

     当社グループは、製紙用化学品の仕入商品である紙塗工用バインダーや回路基板材料を中心とした電子材料・機能性樹脂関連の仕入商品の一定割合を特定の取引先から購入しております。
 また、当連結会計年度において売上高の10%以上を販売している取引先が2社あります。
 当社グループとこれらの特定の取引先とはこれまで長期間に亘り緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、特定の取引先の今後の経営方針が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5)保有する有価証券の価格変動について

    当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式及び外国投資信託等を保有していますが、株式市場及び為替の動向並びに投資先企業の状況等によっては、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループでは、市場ニーズの変化に対する的確な対応や技術革新への新たな対応などを通して、事業の持続的な発展を図り、合わせて社会に貢献していくことを目的として、主に基盤技術開発分野、高機能材料事業及び環境材料事業において、積極的な研究開発活動を行っております。

 当社グループがこれまで蓄積してきた技術資源やノウハウを基盤として、今後の成長が期待される分野に的を絞った市場開発や技術・製品開発、更には生産技術開発などに注力すると共に、これらを支える基盤技術の深耕や新たなビジネス開発のための基礎的研究にも努めております。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は3億6千8百万円となりました。

 なお、事業セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1) 基盤技術開発分野

  基盤技術開発分野の開発では、耐熱高分子材料に関わる分子設計や合成・複合化技術など、当社の基盤技術を構成する主要要素技術の更なる強化を目的とした研究開発を始めとして、バイオマテリアルや食品加工の分野における素材開発を目的とした研究開発などを行っております。その結果、特に食品に関してはユーザーからの高い評価を得て、市場に展開でき始めております。また、これらに関連したシステムや設備の開発、更にはシミュレーション解析技術の応用研究なども行っております。

  基盤技術開発分野における当連結会計年度の研究開発費は1億3千4百万円であります。

(2) 高機能材料事業

  高機能材料事業の開発は、機能性フィルムに関連した研究開発と高機能樹脂に関連した研究開発とに大別されます。

  機能性フィルムに関連した研究開発では、益々多様化・高度化する市場ニーズに応えるため、コーティングやラミネーション、ハードコーティングの技術、フィルムの表面加工(サンドマット加工)や粘接着樹脂の応用技術といった各種関連技術を複合的に駆使して製品開発を行っており、特に電子回路基板や微細電子部品の製造、光学機器や各種情報通信機器の製造といった分野で、当社の独自技術を生かした製品開発が進んでいます。結果として電子部品製造工程時に使用されるメッキマスク用保護フィルム、タッチパネルなどに使用されるハードコートフィルムや光学用粘着フィルムを市場に展開できつつあります。

  また、高機能樹脂に関連した研究開発では、自動車電装部品、小型モーター、その他の電気・電子部品などで使用される電気絶縁材料や防錆材料に関する高機能化のための研究開発や関連設備(粉体塗装機の設計・製造)を始めとして、各種電子機器の部品実装に関わる接着・封止樹脂の高機能化研究開発、更には、高熱伝導性接着剤、構造接着剤の研究開発なども行っております。

  高機能材料事業における当連結会計年度の研究開発費は1億9千3百万円であります。 

(3) 環境材料事業

  環境材料事業の開発では、製紙業界を始めとして、電子部品や電子回路基板の業界で使用される化学材料について、新たな市場ニーズに的確に応える製品開発を目的とした研究開発を行っております。特に、製紙業界では、製紙工程や塗工工程で使用される抄紙用薬剤、塗料改質剤、殺菌剤、歩留まり剤及び凝結剤などの新製品開発、また、電子部品や電子回路基板の業界では、排水工程で使用される水処理剤の研究開発を行っております。

  環境材料事業における当連結会計年度の研究開発費は4千1百万円であります。 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び記載内容に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」において記載しておりますが、特に以下に記載する重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 有価証券の減損処理

     当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式及び外国投資信託を保有しておりますが、これらの有価証券は株式市場及び為替の変動リスクを負っています。当社は、合理的な評価基準に基づき有価証券の減損処理を実施しております。

② 貸倒引当金の計上基準

     当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。

③ 退職給付債務について

     当社は、従業員に対して確定給付型退職金制度として確定給付企業年金制度を設けており、さらに日本電子回路厚生年金基金(総合型)に加入しております。退職給付債務及び退職給付引当金の計算における年金資産については、割引率・期待運用収益率等各種比率に基づき合理的な基準による見積り計算を実施しております。

④ 繰延税金資産の回収可能性の評価

     当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産を計上しております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は229億3千7百万円(前年同期比2.2%減)、営業損失は10億1千8百万円(前年同期は営業損失2億6千6百万円)、経常損失は9億7百万円(前年同期は経常損失2億5千6百万円)、当期純損失は7億5千2百万円(前年同期は当期純損失3億7千4百万円)となりました。

 

      ① 売上高の分析

        欧州の債務危機問題や中国をはじめとする新興国での景気の減速傾向、更には、円高が長く続いてきた影響などで、新政権への期待感から、期末にかけて一部に明るい兆しが出始めたものの、不安要素は依然として解消せず、景気の先行き不透明な状況が続いております。こうした状況下、グローバル市場での販売活動を加速させると共に、新規製品の開発にも鋭意努めてまいりましたが、販売は若干の減少となりました。

        その結果、当連結会計年度の売上高は229億3千7百万円(前年同期比2.2%減)と若干の減収となりました。

 

      ② 販売費及び一般管理費の分析

        当社グループ全体において、引き続き徹底したコスト削減と業務効率の改善を図ってきましたが、設備投資に伴い減価償却費が増加したこと、積極的な研究開発活動を行った結果、研究開発費が増加したことなどから、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は31億8千7百万円(前年同期比9.8%増)となりました。

 

      ③ 営業外損益及び特別損益の分析

        営業外収益は前連結会計年度から1億3百万円増加して1億9千万円(前年同期比120.6%増)となりました。これは主に為替差益の増加によるものであります。また、営業外費用は前連結会計年度から2百万円増加して7千8百万円(前年同期比2.9%増)となりました。

        特別利益は前連結会計年度から2億1千2百万円増加して2億2千5百万円(前年同期比1608.1%増)となりました。これは主に投資有価証券売却益の増加によるものであります。また、特別損失は前連結会計年度から1億3千3百万円増加して1億6千2百万円(前年同期比467.2%増)となりました。これは主に投資有価証券評価損の増加によるものであります。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは製造販売と仕入販売に係る業務を行っておりますが、近年の更なる競争激化により一層厳しさを増している状況にあります。
 製造販売については、自動車・電子部品業界等当社グループの製品が流通・加工・消費される業界全体の動向、特に当社グループの販売先の属する市場の動向及び販売先のその市場における位置づけが当社グループの販売数量及び販売価格に影響を与える可能性があります。
 また、コーティング製品や高機能樹脂製品を中心に海外等の低廉な労働力を背景にした廉価品の台頭による販売価格の下落、原油価格の上昇等に起因する原材料価格の上昇による製造コストの増加により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 仕入販売については、製紙業界やIT関連業界、更には食品業界等当社グループの仕入商品が流通・加工・消費される業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制と販売先の需要とのバランスが販売数量及び販売価格に影響を与える可能性があります。
 また、競合他社による廉価販売や新商品の投入により、既存の商流・商権が変化すること等により、当社グループの販売数量の減少及び販売価格の下落を引き起こす可能性があります。

(4)戦略的現状と見通し

当社グループとしては、これらの状況を踏まえて将来的に成長が期待できる分野に重点的に経営資源を集中させ、「スピードある変化への対応」によりビジネス領域の拡大及び強化に努めてまいります。
 具体的には、製造販売については電子部品業界や自動車部品業界等へのコーティング製品及び高機能樹脂製品の新規開発品の市場投入による販売拡大に注力し、仕入販売については既存商品の販売拡大及び新規商権の獲得に注力してまいります。
 また当社の子会社を基点として、中国を含むアジア地域に対して製造販売及び仕入販売を推進してまいります。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、50億2千1百万円となり、前連結会計年度末と比較して1千1百万円の減少となりました。

これは、現金及び現金同等物に係る換算差額(増額)を3億2千1百万円計上したこと、及び営業活動によるキャッシュ・フローが6億1百万円の資金増加となったものの、配当金の支払いなどにより財務活動によるキャッシュ・フローが1億9千5百万円の資金減少、有形固定資産の取得による支出などにより投資活動によるキャッシュ・フローが7億3千9百万円の資金減少となったためであります。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、最新の経営環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案すべく尽力しておりますが、今後も経営環境は更に厳しさを増し、急激に変化していくものと予想されます。
 当社グループとしては、今後もこの現状を正確かつ的確に把握して、適時に対応していく方針であります。





出典: ソマール株式会社、2013-03-31 期 有価証券報告書