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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度のわが国経済は、いわゆるアベノミクスに代表される政府の経済政策などで株高や円高修正が進み、企業業績の改善と個人消費持ち直しの動きが顕在化するなど、景気回復に向けた明るい兆しが見え始めました。しかし一方では、中国をはじめとする新興国経済の減速や、円安による輸入品価格の上昇、更には消費税率引き上げへの影響懸念など、国内景気の下押し圧力もあって、景気の先行きには依然として不安が残る状況が続きました

 こうした状況下、当社グループは引き続きスピーディな経営判断に心がけ、国内の顧客はもとより、中国・インドを含むアジアの新興地域や、景気回復が進むアメリカなど、グローバルな顧客に対して情報収集と積極的な販売活動を展開すると共に、当社グループ全体での生産・物流の効率化、更には、新製品の開発と市場投入にも鋭意努めてまいりました。しかしながら、前年度に見られた旺盛なスマートフォン関連需要が当期では大きく反動減したことなどもあって、売上は微増に留まりました

 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高が235億3千8百万円(前年同期比2.6%増)となりました。利益面では、製造子会社ソマテック株式会社への積極的な初期投資による償却負担の影響で、営業損失が10億4千万円(前年同期は営業損失10億1千8百万円)、経常損失が9億8千7百万円(前年同期は経常損失9億7百万円)となりました。また、ソマテック株式会社の事業計画遅延に伴い、減損損失7億8千8百万円を計上した結果、当期純損失が16億1百万円(前年同期は当期純損失7億5千2百万円)となりました

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

 [高機能材料事業]

 高機能材料事業では、自動車部品業界が堅調に推移したことで高機能樹脂製品や関連する新規開発樹脂製品の販売が増加しましたが、スマートフォンやタブレットPC向けのコーティング製品並びに一部の電子材料につきましては、前年度前半に見られた主要販売先での旺盛な需要が当年度は大きく反動減したため販売が落ち込みました。その結果、当事業全体の売上高は162億3千6百万円(前年同期比0.8%増)となり、またソマテック株式会社への投資負担の影響などで営業損失が9億2千9百万円(前年同期は営業損失9億2千4百万円)となりました

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

コーティング製品

スマートフォンやタブレットPC関連需要が、主要販売先で前年度の高いレベルから大きく反動減した影響などで、19.8%の大きな減収となりました

高機能樹脂製品

自動車部品業界向け需要が堅調に推移したことに加え、開発製品の投入や海外生産拠点から顧客への製品供給体制も進展し、14.2%の増収となりました

電子材料

自動車・重電向け絶縁材の販売増や回路形成材料の業容拡大効果があったことで、スマートフォン向け需要の減少を補い、1.8%の増収となりました

機能性樹脂

プリント基板や家電製品の生産が海外シフトで国内生産が落ち込む中、白物家電などは消費増税前の駆け込み需要もあって、2.1%の増収となりました

 

 [環境材料事業]

 環境材料事業では、主要顧客である製紙業界において紙の国内需要の伸び悩みや円安による輸入原燃料価格の上昇といった厳しい状況が続いており、かかる背景から当社の販売活動も厳しさを増しております。そうした中で、当社グループは、製紙各社が海外展開へと重心をシフトさせている状況に合わせ、国内市場に加えて、中国や東南アジアの新興市場に対しても積極的なマーケティングと販売活動を行っております。当期においては、引き続き顧客ニーズに応える差別化製商品の拡販やサービス向上に努め、とりわけ、当社の特長あるファインケミカルズ製品の拡販と新たな用途開拓を推進してまいりました。その結果、当事業全体の売上高は59億9千6百万円(前年同期比12.1%増)、営業利益は2千9百万円(前年同期は営業損失9百万円)となりました

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

ファインケミカルズ

円安傾向を背景に製紙各社の国内生産が堅調で、当社の特長ある製紙ケミカルズ製品や殺菌剤の拡販と用途開拓が進展し、7.2%の増収となりました

製紙用化学品

国内塗工紙生産が堅調に推移して紙塗工用バインダーの需要増や値上げが浸透し、また新たな商材の販売も加わって、13.4%の増収となりました

 

 [その他の事業]

 その他の事業の主体をなす食品材料では、食品業界向け需要が依然として伸び悩んでいる中で、顧客ニーズへのきめ細やかな対応と拡販に努め、更には、新たな商材の育成と需要開拓にも注力してまいりました。当期では、前年度前半に見られた天然増粘安定剤の供給タイトな状況が、その後徐々に解消して平常化したことから、増粘安定剤の販売価格が前年の高騰レベルから反動減して大きく値下がりした影響を受け、増粘安定剤の売上が大きく減少しました。また一方、乾燥野菜や香辛料などの食品材料では、新たな商材の投入と拡販の成果も加わったことで販売が順調に増加しました。その結果、当事業全体の売上高は13億6百万円(前年同期比11.2%減)、営業利益は1億7千万円(前年同期比19.6%減)となりました

 

(2)キャッシュ・フロー

   当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、42億7千8百万円となり、前連結会計年度末と比較して7億4千2百万円の減少となりました。

    当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

    営業活動によるキャッシュ・フローは、4億2千9百万円の資金減少(前連結会計年度は6億1百万円の資金増加)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純損失を14億3千7百万円計上したこと、減価償却費を10億9百万円計上したこと、減損損失を7億8千8百万円計上したこと、たな卸資産が2億8千5百万円増加したこと、及び仕入債務が2億7千8百万円減少したことによるものです。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

    投資活動によるキャッシュ・フローは、6億6千3百万円の資金減少(前連結会計年度は7億3千9百万円の資金減少)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得として5億5千4百万円支出したことによるものです。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

    財務活動によるキャッシュ・フローは、1億9千6百万円の資金減少(前連結会計年度は1億9千5百万円の資金減少)となりました。その主な要因は、配当金として1億9千4百万円を支出したことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

至 平成26年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

5,830,825

104.2

環境材料事業(千円)

990,090

110.7

報告セグメント計(千円)

6,820,915

105.1

その他の事業(千円)

合計(千円)

6,820,915

105.1

 (注)1.金額は製造原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

至 平成26年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

9,397,815

103.6

環境材料事業(千円)

4,592,067

113.1

報告セグメント計(千円)

13,989,882

106.5

その他の事業(千円)

965,273

73.5

合計(千円)

14,955,156

103.5

 (注)1.金額は仕入原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

  (3)受注状況

 当社グループは一部を除いて受注生産は行っておりません。

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

至 平成26年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

16,236,433

100.8

環境材料事業(千円)

5,996,111

112.1

報告セグメント計(千円)

22,232,545

103.6

その他の事業(千円)

1,306,103

88.8

合計(千円)

23,538,648

102.6

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先別

前連結会計年度

(自 平成24年4月1日

 至 平成25年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

 至 平成26年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本製紙㈱

2,338,992

10.2

2,761,682

11.7

日本メクトロン㈱

3,380,139

14.7

2,380,202

10.1

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

経済のグローバル化が進展するなかで、経済活動は一段と多様化して深化し、また、その変化のスピードも加速しています。そうした認識のもとで、当社グループは、「知恵を生かし、当社独自の技術を総合的に活用したグローバルな事業活動を推進して社会に貢献していく」という当社経営の基本に沿って、平成26年4月から始まる新たな3カ年中期事業計画に基づいて、以下の事項を主な中期的課題として取り組み、スピーディーな経営判断と諸施策の着実な実施を行ってまいります。

 

(1)重点コア事業の更なる強化

コーティング製品や高機能樹脂製品で代表される重点コア事業におきましては、市場ニーズの多様化と高機能化が果断なく進み、新たな課題解決の必要性が益々高まっています。

そのため、開発・生産・販売等に関わる事業基盤を一層強化していくとともに、課題解決に必須となる関係技術の開発総合力を高めるため、関係企業との連携や産学連携などの手法を更に活発化させて、開発の質的向上とスピードアップを図ってまいります。

 また、最新鋭のコーティング設備を備えたソマテック株式会社大和工場の生産設備は、当社グループの重要な経営資源の一つとしてその機能強化と有効活用に努めながら、市場競争力の強化と事業領域の拡大を図ってまいります。

 

(2)海外事業拠点での開発・生産体制の強化とグローバルな最適サプライチェーンの構築

中国・アジアを主体とした新興市場におきましては、これまで構築してきた中国・香港・タイ・台湾・インドでの当社事業拠点を有効に活用しながら、顧客に密着した情報収集と、品質・価格・納期における顧客対応能力を向上させて、引き続き事業の拡大を図ってまいります。

例えば、電子部品や自動車部品の業界向けには、当社独自のコーティング製品や高機能樹脂製品を現地で生産・加工販売したり、あるいは関連する商品を仕入販売したり、更には、製紙業界や食品業界向けにも関連する製商品を積極的に拡販していくなど、幅広い展開を行ってまいります。

また一方では、当社独自の製品がグローバル市場において着実に販路を拡げている状況を踏まえ、引き続きグローバルな最適サプライチェーンの観点から、例えば当社製品の他社への生産委託といった体制も取り入れながら製品供給の多様化を図りつつ、顧客ニーズに適切に応えてまいります。

 

(3)グローバル事業を支える人材育成と組織の活性化

企業の持続的な発展のためには、有能な人材の発掘と育成を図りつつ、そうした力を有効に活用して組織を活性化し、事業目的を達成していくことが、経営の重要な課題であります。そのため、コーポレート・ガバナンスを強化しつつ事業目的達成に向けて、経営環境の変化に則した組織の見直しを適時に行うとともに、国籍の区別なく広く人材を求め、人材を育成していく仕組みの整備にも引き続き努めてまいります

グローバルな事業活動を進める当社グループにおいては、とりわけ当社の良き企業風土を継承し、当社グループのあるべき姿と価値観を全社員が共有しながら事業活動を行っていくことが、企業の社会的責任を果たしていくためにも極めて重要です。それゆえ当社グループは、社員一人ひとりが持つ優れた個性を生かしながら高度なスキルを習得した人材の育成に努め、また一方では、将来のリーダーとしてグローバルに活躍できる人材の育成を行う仕組みも整備してまいります。

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあり、これらのリスクは投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。なお、当社グループはこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存でございます。

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)全般的事項

  当社グループは、コーティング製品・高機能樹脂製品・ファインケミカルズ等の製造販売及び電子材料・機能性樹脂・製紙用化学品・食品材料等の仕入販売に係る業務を行っております。
 製造販売については、競合他社との品質や価格の競争激化に加え、国際的な原油価格の市況や為替レートの変動等により当社グループの原材料の仕入価格が上昇した場合、技術開発部門が研究開発の成果として販売先の要求や市場動向に合せてタイムリーに新製品を投入できない場合、製品に欠陥が生じた場合等には、販売数量の減少、販売価格の下落及び製造原価の上昇により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 仕入販売については、販売先の業界及び最終製品を製造する業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制により販売数量及び価格が変動する可能性があります。また、競合他社が同種品を廉価で販売したり、高機能・高付加価値の新商品を市場に新規投入する等によって価格競争が激化し、あるいは仕入先と販売先が直取引をすることにより、販売数量が減少・販売価格が下落した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 上記以外に、国内の景気変動だけでなく海外における景気変動や政治情勢の変化、通貨価値の変動、社会的混乱、火災等の災害、環境・リサイクル・食品の安全性等当社グループの取扱製品・商品に関する規制を含めた法制度の変化等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(2)債権の回収可能性について

    必要充分な債権管理は実施しておりますが、当社グループの取引先が債権の弁済に重大な問題が生じた場合等には、引当金の追加計上または貸倒損失の発生により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(3)退職給付債務について

    当社は、従業員に対して確定給付型退職年金制度として確定給付企業年金制度を設けており、更に日本電子回路厚生年金基金(総合型)に加入しております。今後の割引率の低下及び運用利回りの悪化は退職給付費用及び未認識数理計算上の差異の増加となり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(4)特定の取引先への依存について

     当社グループは、製紙用化学品の仕入商品である紙塗工用バインダーや回路基板材料を中心とした電子材料・機能性樹脂関連の仕入商品の一定割合を特定の取引先から購入しております。
 また、当連結会計年度において売上高の10%以上を販売している取引先が2社あります。
 当社グループとこれらの特定の取引先とはこれまで長期間に亘り緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、特定の取引先の今後の経営方針が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5)保有する有価証券の価格変動について

    当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式及び外国投資信託等を保有していますが、株式市場及び為替の動向並びに投資先企業の状況等によっては、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループでは、市場ニーズの変化に対する的確な対応や技術革新への新たな対応などを通して、事業の持続的な発展を図り、合わせて社会に貢献していくことを目的として、主に基盤技術開発分野、高機能材料事業及び環境材料事業において、積極的な研究開発活動を行っております。

 当社グループがこれまで蓄積してきた技術資源やノウハウを基盤として、今後の成長が期待される分野に的を絞った市場開発や技術・製品開発、更には生産技術開発などに注力すると共に、これらを支える基盤技術の深耕や新たなビジネス開発のための基礎的研究にも努めております。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は4億5千3百万円となりました。

 なお、事業セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1) 基盤技術開発分野

  基盤技術開発分野の開発では、耐熱高分子材料に関わる分子設計や合成・複合化技術など、当社の基盤技術を構成する主要要素技術の更なる強化を目的とした研究開発を始めとして、バイオマテリアルや食品加工の分野における素材開発を目的とした研究開発などを行っております。その結果、世界最高レベルの耐熱性と溶媒溶解性を高度に兼ね備えた画期的な溶媒可溶型ポリイミドの開発に成功し、ユーザーからの高い評価を得て、市場に展開でき始めております。

  また、これらに関連したシステムや設備の開発、更にはシミュレーション解析技術の応用研究なども行っております。

  基盤技術開発分野における当連結会計年度の研究開発費は1億6千2百万円であります。

(2) 高機能材料事業

  高機能材料事業の開発は、機能性フィルムに関連した研究開発と高機能樹脂に関連した研究開発とに大別されます。

  機能性フィルムに関連した研究開発では、益々多様化・高度化する市場ニーズに応えるため、コーティングやラミネーション、ハードコーティングの技術、フィルムの表面加工(サンドマット加工)や粘接着樹脂の応用技術といった各種関連技術を複合的に駆使して製品開発を行っており、特に電子回路基板や微細電子部品の製造、光学機器や各種情報通信機器の製造といった分野で、当社の独自技術を生かした製品開発が進んでいます。結果として電子部品製造工程時に使用される特殊基材を使用したメッキマスク用保護フィルム、タッチパネルなどに使用されるハードコートフィルムやそれらを複合した飛散防止フィルムを市場に展開することができました引き続き、市場ニーズに応える高付加価値製品として、また、市場競争力をも一段と高めた差別化製品として、更なる育成に努めてまいります。

  また、高機能樹脂に関連した研究開発では、自動車電装部品、小型モーター、その他の電気・電子部品などで使用される電気絶縁材料や防錆材料に関する高機能化のための研究開発や関連設備(粉体塗装機の設計・製造・販売)を始めとして、各種電子機器の部品実装に関わる接着・封止樹脂の高機能化研究開発、更には、高熱伝導性接着剤、構造接着剤の研究開発なども行っております。

  高機能材料事業における当連結会計年度の研究開発費は2億4千9百万円であります。

(3) 環境材料事業

  環境材料事業の開発では、製紙業界を始めとして、電子部品や電子回路基板の業界で使用される化学材料について、新たな市場ニーズに的確に応える製品開発を目的とした研究開発を行っております。特に、製紙業界では、製紙工程や塗工工程で使用される抄紙用薬剤、塗料改質剤、殺菌剤、歩留まり剤及び凝結剤などの新製品開発、また、電子部品や電子回路基板の業界では、排水工程で使用される水処理剤の研究開発を行っております。

  環境材料事業における当連結会計年度の研究開発費は4千1百万円であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び記載内容に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」において記載しておりますが、特に以下に記載する重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 有価証券の減損処理

     当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式及び外国投資信託を保有しておりますが、これらの有価証券は株式市場及び為替の変動リスクを負っています。当社は、合理的な評価基準に基づき有価証券の減損処理を実施しております。

② 貸倒引当金の計上基準

     当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。

③ 退職給付債務について

     当社は、従業員に対して確定給付型退職金制度として確定給付企業年金制度を設けており、さらに日本電子回路厚生年金基金(総合型)に加入しております。退職給付債務及び退職給付に係る負債の計算における年金資産については、割引率・長期期待運用収益率等各種比率に基づき合理的な基準による見積り計算を実施しております。

④ 繰延税金資産の回収可能性の評価

     当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産を計上しております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は235億3千8百万円(前年同期比2.6%増)、営業損失は10億4千万円(前年同期は営業損失10億1千8百万円)、経常損失は9億8千7百万円(前年同期は経常損失9億7百万円)、当期純損失は16億1百万円(前年同期は当期純損失7億5千2百万円)となりました。

 

      ① 売上高の分析

        企業業績の改善と個人消費持ち直しの動きが顕在化するなど、景気回復に向けた明るい兆しが見え始めましたが、新興国経済の減速や、円安による輸入品価格の上昇など、国内景気の下押し圧力もあって、景気の先行きには依然として不安が残る状況が続いております。こうした状況下、新製品の開発と市場投入にも鋭意努めてまいりましたが、前年度に見られた旺盛なスマートフォン関連需要が当期では大きく反動減したことなどもあって、売上は微増に留まりました。

        その結果、当連結会計年度の売上高は235億3千8百万円(前年同期比2.6%増)となりました。

 

      ② 販売費及び一般管理費の分析

        積極的な研究開発活動を行った結果、研究開発費が増加しましたが、当社グループ全体において、引き続き徹底したコスト削減と業務効率の改善を図ったことなどから、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は31億円(前年同期比2.7%減)となりました。

 

      ③ 営業外損益及び特別損益の分析

        営業外収益は前連結会計年度から6千万円減少して1億2千9百万円(前年同期比31.7%減)となりました。これは主に為替差益の減少によるものであります。また、営業外費用は前連結会計年度から1百万円減少して7千7百万円(前年同期比1.9%減)となりました。

        特別利益は前連結会計年度から1億2千1百万円増加して3億4千7百万円(前年同期比54.0%増)となりました。これは主に補助金等収入の増加と投資有価証券売却益の減少によるものであります。また、特別損失は前連結会計年度から6億3千5百万円増加して7億9千7百万円(前年同期比392.3%増)となりました。これは主に減損損失の増加及び投資有価証券評価損の減少によるものであります。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは製造販売と仕入販売に係る業務を行っておりますが、近年の更なる競争激化により一層厳しさを増している状況にあります。
 製造販売については、製品の販売先の動向や、その販売先が属する電子部品・自動車・製紙といった関係業界の動向、更には、販売先が関係業界で占める位置づけなどが、当社グループの販売数量及び販売価格に大きく影響を与える可能性があります。また、市場における競合各社間の競争激化を反映して、特にコーティング製品や高機能樹脂製品を中心に海外での廉価品の台頭などによって販売価格が下落したり、あるいは、原油価格の上昇などで原材料価格が上昇して製造コストが増加するといった要因により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります
 仕入販売については、製紙業界やIT関連業界、更には食品業界など当社グループの仕入商品が関わる業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制と販売先の需要とのバランスが、販売数量及び販売価格に影響を与える可能性があります。また、競合他社による廉価販売や新商品の市場投入で既存の商流・商権が変化することなどにより、当社グループの販売数量の減少及び販売価格の下落を引き起こす可能性があります。

(4)戦略的現状と見通し

当社グループとしては、これらの状況を踏まえて将来的に成長が期待できる事業分野と市場へ重点的に経営資源を集中させ、「スピードある変化への対応」でビジネスの強化と領域の拡大に努めてまいります
 具体的には、製造販売においては、とりわけ電子部品や自動車部品の業界を中心に、コーティング製品や高機能樹脂製品の差別化戦略と新規開発製品の市場投入で拡販と領域の拡大を図り、また仕入販売においては、特長ある既存商品群の物流・販売網強化と顧客ニーズに応える新規商権の獲得に注力してまいります
 また、当社のグローバル展開では、アジア各地の当社子会社を拠点として、中国・インドを含むアジア新興市場での事業活動をメインに据え、更には、景気回復が進むアメリカとその周辺市場においても生産・物流・販売の機能強化に努めてまいります

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、42億7千8百万円となり、前連結会計年度末と比較して7億4千2百万円の減少となりました。

これは、現金及び現金同等物に係る換算差額(増額)を5億4千6百万円計上したこと、及び営業活動によるキャッシュ・フローが4億2千9百万円の資金減少、有形固定資産の取得による支出などにより投資活動によるキャッシュ・フローが6億6千3百万円の資金減少、配当金の支払いなどにより財務活動によるキャッシュ・フローが1億9千6百万円の資金減少となったためであります。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、最新の経営環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案すべく尽力しておりますが、今後も経営環境は更に厳しさを増し、急激に変化していくものと予想されます
 当社グループとしては、今後もこの現状を正確かつ的確に把握してグループの総合力が効果的に発揮できるよう、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化とスピーディーな業務執行に心掛け、業績改善に努めていく方針であります





出典: ソマール株式会社、2014-03-31 期 有価証券報告書