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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度のわが国経済は、期の前半では円安、原油安の効果もあって大企業を中心に堅調な企業業績が継続し、また雇用・所得環境も改善傾向が続いたことで、景気は緩やかながら回復基調を維持しました。しかし期の後半に至り景況感に陰りが出始め、とりわけ年明けからの円高基調も加わって期待された個人消費の回復は顕在化せず、更には中国・アジアをはじめとする新興国経済の減速が一段と強まったことで、わが国経済の先行きは下振れリスクを大きくかかえる不透明な状況が続きました。

 こうした状況下で当社グループは、グループ事業の再構築を主軸として策定した年度計画に従い、引き続き当社グループの特長を生かした事業経営とスピーディな経営判断を心がけ、国内の顧客はもとより、中国・アジアの新興市場、更には堅調な経済状況を維持するアメリカとその周辺市場をも取り入れたグローバル視点での営業活動に注力し、独自の差別化製商品の拡販に鋭意努めてまいりました。

 そうした販売政策などにより、特に期央においては旺盛な需要にも支えられて主力の差別化製商品が販売を大きく牽引しました。しかし期の後半に至ると、その需要に大きな陰りが生じ始めて主力製商品の販売が落ち込み、その他の製商品も期の後半で販売が伸び悩むこととなりました。

 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高が235億6千4百万円(前年同期比1.4%減)となりました。損益面では、これまで大きな赤字要因となってきた製造子会社ソマテック株式会社の事業から撤退したことや、当社グループの差別化主力製商品の販売がとりわけ期央において好調に推移したことで、営業利益が8億3千1百万円(前年同期は営業損失2億8千7百万円)、経常利益が7億4千3百万円(前年同期は経常損失3億5千万円)となり、また、製造子会社ソマテック株式会社の清算手続の一環として実施した同社の固定資産の譲渡に伴う固定資産売却益3億8千1百万円を特別利益に計上するなどして、親会社株主に帰属する当期純利益が9億7千1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失27億5千9百万円)となりました。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」又は「当期純損失」を、「親会社株主に帰属する当期純利益」又は「親会社株主に帰属する当期純損失」としております。

 また、ソマテック株式会社は、平成28年2月20日に特別清算が結了したことにより、連結の範囲から除外しております。ただし、特別清算結了時までの損益計算書及びキャッシュ・フロー計算書については連結しております。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

 [高機能材料事業]

 スマートフォンなどの電子機器業界向け関連製商品の販売では、特長ある差別化コーティング製品や電子材料の需要が期後半になって落ち込んだものの、それまでの好調な需要に支えられて販売が大きく増加しました。また、家電デジタル映像機器向けに新たに開発したコーティング製品も当期の販売に大きく寄与しました。更に、自動車部品業界向け関連製商品の販売では、国内の自動車販売低迷の影響を受けたものの、当該業界が展開するグローバル生産体制に対する当社グループの適切な対応と関連製品のグローバル拡販に努めたことで、高機能樹脂製品の販売も増加しました。その結果、当事業全体の売上高は174億2千1百万円(前年同期比3.1%増)となり、またセグメント営業損益では、製造子会社ソマテック株式会社を解散させたこともあって、営業利益が9億6千万円(前年同期は営業損失1億4千3百万円)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

コーティング製品

スマートフォンなどの電子部品製造用途向け販売が特に期央で好調に推移し、また新たな用途向け新製品の販売も寄与して、21.0%の増収となりました

高機能樹脂製品

自動車部品業界向けを主体とした販売が、国内新車販売の低迷の影響は受けたものの、海外市場での堅調な拡販が補って、1.0%の増収となりました

電子材料

スマートフォン向け回路基板材料や重電向け絶縁材料の販売が、需要の大きな変動はあったものの前年比では伸長し、4.0%の増収となりました

機能性樹脂

自動車向け特殊熱可塑性樹脂の販売は堅調に推移しましたが、熱硬化性樹脂の主要顧客で商流変更による販売減があり、11.7%の減収となりました

 

 

 [環境材料事業]

 主要顧客の製紙業界では、紙の国内需要の伸び悩みに加え、円安基調下での輸入原材料価格の高止まりが続く厳しい事業環境が続いています。そうした影響を受けて、当該業界に対する当社グループの販売では競合他社との競争が激しさを増し、関係製商品の販売が低迷しました。更に、当該業界向けの主要な販売商品である紙塗工用バインダーでは、仕入先メーカーの国内工場統合政策の影響で他社品への切り替えが一部で進み、また、バインダーの販売価格も原料ナフサの価格低下と連動して大きく値下げしたため、バインダーの販売額が大きく減少しました。その結果、当事業全体の売上高は49億8千1百万円(前年同期比13.5%減)と減少し、営業利益は2千7百万円(前年同期比15.6%減)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

ファインケミカルズ

工業用殺菌剤の販売は新規顧客の獲得などで堅調に推移したものの、製紙用ケミカルズは競合他社との競争が激化して、6.8%の減収となりました

製紙用化学品

塗工用バインダーの他社品への切り替えによる販売ロストやバインダー価格の値下げを行ったことが大きく影響し、15.4%の減収となりました

 

 [その他の事業]

 その他の事業の構成主体である食品材料では、消費税率引き上げ後の節約志向の定着などで関係業界の需要が全体的に低迷する状況が続きました。こうした状況下で、主力の天然増粘安定剤につきましては、競合が進む厳しい市場環境の下で鋭意拡販に努めましたが、販売価格の値下げを余儀なくされたことが大きく影響して販売は減少しました。また、乾燥野菜につきましては、前年度後半でのアメリカ港湾ストによる物流停滞の影響で販売の一部が当期にずれ込んだことや、拡販の効果などもあって、販売は増加しました。また、黒胡椒の販売では、価格面から新規契約の獲得には至らず販売が減少しました。その結果、当事業全体の売上高は11億6千1百万円(前年同期比5.7%減)、営業利益は1億2千1百万円(前年同期比11.7%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

   当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、36億7千9百万円となり、前連結会計年度末と比較して6億8千9百万円の減少となりました。

    当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

    営業活動によるキャッシュ・フローは、10億7千8百万円の資金増加(前連結会計年度は8千万円の資金減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益11億3千7百万円、売上債権の減少9億5千4百万円、減価償却費4億3百万円等の資金増加が、仕入債務の減少4億5千3百万円、固定資産売却益3億8千1百万円、退職給付に係る資産の増加2億3千7百万円等の資金減少を上回ったことによるものです。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

    投資活動によるキャッシュ・フローは、12億2千3百万円の資金増加(前連結会計年度は1億4千7百万円の資金減少)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入を13億5千7百万円計上したことによるものです。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

    財務活動によるキャッシュ・フローは、30億1百万円の資金減少(前連結会計年度は1億1百万円の資金減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済により30億円支出したことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

5,309,743

90.0

環境材料事業(千円)

919,908

101.7

報告セグメント計(千円)

6,229,651

91.6

その他の事業(千円)

58,695

合計(千円)

6,288,347

92.4

 (注)1.金額は製造原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

9,045,458

100.9

環境材料事業(千円)

3,712,547

84.8

報告セグメント計(千円)

12,758,006

95.6

その他の事業(千円)

930,707

88.0

合計(千円)

13,688,713

95.0

 (注)1.金額は仕入原価によって表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

  (3)受注状況

 当社グループは一部を除いて受注生産は行っておりません。

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

17,421,759

103.1

環境材料事業(千円)

4,981,362

86.5

報告セグメント計(千円)

22,403,121

98.9

その他の事業(千円)

1,161,770

94.3

合計(千円)

23,564,891

98.6

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先別

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

 至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

 至 平成28年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本メクトロン㈱

2,665,191

11.2

2,969,428

12.6

日本製紙㈱

2,435,533

10.2

2,213,412

9.4

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

当社は、業績の改善と持続的な成長を図るため、事業の重点化と他社との差別化をより一層明確にすべく、グループ事業の再構築に鋭意取り組んでまいりました。

とりわけ、当社の連結業績改善への足かせとなってきた製造子会社ソマテック株式会社につきましては、平成26年11月28日に当該子会社の事業からの撤退を決意し、平成28年2月20日に特別清算を結了させました。

今後は、「知恵を生かし、当社独自の技術を総合的に活用したグローバルな事業活動を推進して社会に貢献していく」という当社経営の基本に沿って、コンパクトな事業体制のもと、引き続き当社グループの独自性と総合力をより効果的に発揮すべく、平成27年4月からスタートした「中期事業計画」に基づいて、以下の事項を継続して主な中期的課題として取り組み、スピーディな経営判断と各施策の着実な実施を行ってまいります。

 

(1)課題解決型企業として、市場ニーズに応える高い提案力の強化

コーティング製品や高機能樹脂製品を主体とした当社グループの重点コア事業では、市場ニーズの多様化と高度化が果断なく進んでいるため、新たな課題解決の必要性が益々高まっています。

そのため、重点コア事業におきましては、市場における情報収集に努め、社外の最新技術も積極的に取り入れながら、開発・生産・販売等を支えるインフラ基盤の強化を図るとともに、顧客企業との連携や産学連携についても引き続き積極的に推進しながら、特長ある独自の製品開発を行って重点コア事業をより一層強化し、市場ニーズに的確に応え競争力も兼ね備えた高い提案力につなげてまいります。

 

(2)海外新興市場や北米市場などへのキャッチアップの促進

当社グループの関係顧客や関係業界では、国内市場から、成長が期待される海外新興市場や堅調な経済を維持する北米市場などへと、事業活動の軸足を一段と移しており、それに伴って、当社グループの差別化された製品群に対するニーズがグローバルに拡がっています。こうした状況を踏まえ、当社グループは、これまでに中国・香港・タイ・台湾・インド、更には北米といった地域に構築してきた各事業拠点に備わる様々な機能を、引き続き有効に活用してサプライチェーンの機能を高め、顧客に対する当社グループの存在価値を総合的に高めながら、関係する海外市場へのキャッチアップを促進し、事業領域の拡大を図ってまいります。

例えば、電子部品や自動車部品の業界向けには、当社グループの特長あるコーティング製品や高機能樹脂製品を現地で生産・加工販売したり、あるいは関連する商品を仕入販売したり、更には、製紙業界や食品業界向けにも独自性のある差別化製商品を積極的に拡販していくなど、幅広い展開を引き続き行ってまいります。

 

(3)コーポレート・ガバナンスの強化とそれを支えるグローバル人材の育成

政府の成長戦略の一環として打ち出されたコーポレートガバナンス・コードが上場会社に適用されたなか、当社グループの経営におきましても、海外子会社を含めたグローバル視点でのコーポレート・ガバナンスの強化が重要な経営課題の一つとなっております。

そのためには、グローバル社会の諸規範などを尊重する高い倫理性が求められることは勿論のこと、経営という高い視点でマネージング力を発揮できる有能な人材の存在がなによりも大切であります。

グローバルな事業活動を推進する当社グループにおきましては、とりわけ当社の良き経営理念を、役員を含めた全社員が継承し、当社グループのあるべき姿と価値観を全員で共有しながら、健全なコーポレート・ガバナンスのもとで事業活動を行い、事業の目的を達成していくことが、企業の社会的責任を果たしていく上で極めて重要であります。

そうした認識に立って、当社グループは社外取締役や社外監査役などによる高い経営監視とともに、企業経営を支える人材は、国籍の区別なく広く有能な人材を世に求め、健全な企業経営と企業の持続的発展に役立つ総合力を生み出せる優れた人材の育成を果断なく行ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループは、業績改善を早期に図るため、事業の重点化と他社との差別化を通して、より特長ある当社グループの経営を行うべく、事業再構築を鋭意進めてまいりました。

 とりわけ、当社の連結業績改善への大きな足かせとなってきた製造子会社ソマテック株式会社につきましては、当該子会社の事業からの撤退を決意して清算手続を進め、平成28年2月20日に特別清算が結了したことで、当該子会社の事業に基づくリスクの解消を図りました。

 従って、今後の当社グループの事業等のリスクにおいて、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、引き続き以下のようなものがあり、これらのリスクは投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項と考えております。それ故当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に鋭意努めてまいります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります

(1)全般的事項

  当社グループは、コーティング製品・高機能樹脂製品・ファインケミカルズ等の製造販売及び電子材料・機能性樹脂・製紙用化学品・食品材料等の仕入販売に係る業務を行っております。
 製造販売については、競合他社との品質や価格の競争激化に加え、国際的な原油価格の市況や為替レートの変動等により当社グループの原材料の仕入価格が上昇した場合、技術開発部門が研究開発の成果として販売先の要求や市場動向に合わせてタイムリーに新製品を投入できない場合、製品に欠陥が生じた場合等には、販売数量の減少、販売価格の下落及び製造原価の上昇により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 仕入販売については、販売先の業界及び最終製品を製造する業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制により販売数量及び価格が変動する可能性があります。また、競合他社が同種品を廉価で販売したり、高機能・高付加価値の新商品を市場に新規投入する等によって価格競争が激化し、あるいは仕入先と販売先が直取引をすることにより、販売数量が減少・販売価格が下落した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 上記以外に、国内の景気変動だけでなく海外における景気変動や政治情勢の変化、通貨価値の変動、社会的混乱、火災等の災害、環境・リサイクル・食品の安全性等当社グループの取扱製品・商品に関する規制を含めた法制度の変化等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(2)債権の回収可能性について

    必要充分な債権管理は実施しておりますが、当社グループの取引先が債権の弁済に重大な問題が生じた場合等には、引当金の追加計上または貸倒損失の発生により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(3)退職給付債務について

    当社は、従業員に対して確定給付型退職年金制度として確定給付企業年金制度を設けており、更に日本電子回路厚生年金基金(総合型)に加入しております。今後の割引率の低下及び運用利回りの悪化は退職給付費用及び未認識数理計算上の差異の増加となり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(4)特定の取引先への依存について

    当社グループは、製紙用化学品の仕入商品である紙塗工用バインダーや、回路基板材料用の仕入商品である電子材料や機能性樹脂の一定割合を、特定の仕入先から購入しております
 また、当連結会計年度において売上高の10%以上を販売している販売先が1社あります。
 当社グループとこれらの特定の取引先とは、これまで長期間に亘り緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、特定の取引先の今後の経営方針が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5)保有する有価証券の価格変動について

    当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式等を政策的に保有しておりますが、株式市場の動向や投資先企業の状況等によっては、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります

 

5【経営上の重要な契約等】

重要な資産の譲渡

 当社は、平成27年7月31日開催の取締役会において、下記のとおり、当社の連結子会社であるソマテック株式会社が保有する固定資産を譲渡することを決定するとともに、同日付で譲渡契約を締結し、物件の引渡しを行いました。

 

1.譲渡の理由

  連結子会社であるソマテック株式会社は、平成26年11月28日開催の取締役会において、特別清算する方針を決議しておりましたが、清算手続の一環として同社の固定資産を譲渡することといたしました。

 

2.譲渡する相手会社の名称

  タツタ電線株式会社

  なお、譲渡先と当社との間には、資本関係や人的関係はなく、また、譲渡先は当社の関連当事者には該当しません。

 

3.譲渡資産の種類、譲渡前の使途

  譲渡資産の種類:土地、建物及び機械設備一式

  譲渡前の使途:当該連結子会社の製品製造設備

 

4.譲渡の時期

  契約締結日   平成27年7月31日

  物件引渡期日  平成27年7月31日

 

5.譲渡価額

  1,357百万円

 

6.損益に与える影響額

  当該固定資産の譲渡に伴い、当連結会計年度において、381百万円の固定資産売却益を特別利益として計上しております。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループでは、市場ニーズの変化に対する的確な対応や技術革新への新たな対応などを通して、事業の持続的な発展を図り、合わせて社会に貢献していくことを目的として、主に基盤技術開発分野、高機能材料事業及び環境材料事業において、積極的な研究開発活動を行っております。

 当社グループがこれまで蓄積してきた技術資源やノウハウを基盤として、今後の成長が期待される分野に的を絞った市場開発や技術・製品開発、更には生産技術開発などに注力すると共に、これらを支える基盤技術の深耕や新たなビジネス開発のための基礎的研究にも努めております。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は3億4千8百万円となりました。

 なお、事業セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1) 基盤技術開発分野

  基盤技術開発分野の開発では、当社の基盤技術を構成する主要要素技術の更なる強化を目的とした研究開発を始めとして、耐熱高分子材料に関わる分子設計や合成・複合化技術の研究開発、バイオマテリアルや食品加工分野における高機能素材の研究開発などを行っております。その結果、世界最高レベルの耐熱性と溶媒溶解性を高度に兼ね備えた画期的な溶媒可溶型ポリイミドの開発に成功し、ユーザーからの高い評価を得ており、本格的な製品化に向けて市場開発にも鋭意取り組んでおります

  基盤技術開発分野における当連結会計年度の研究開発費は1億6千3百万円であります。

(2) 高機能材料事業

  高機能材料事業の開発は、機能性フィルムに関連した研究開発と高機能樹脂に関連した研究開発とに大別されます。

  機能性フィルムに関連した研究開発では、益々多様化・高度化する市場ニーズに応えるため、コーティングやラミネーション、フィルムの表面加工(サンドマット加工やプラズマ加工処理)や粘接着樹脂の応用技術といった各種関連技術を複合的に駆使して製品開発を行っており、特に電子回路基板や微細電子部品の製造、光学機器や各種情報通信機器の製造といった分野で、当社の独自技術を生かした製品開発が進んでいます。実績として、電子部品製造工程時に使用される特殊基材を使用したメッキマスク用保護フィルムは市場で高い評価を受け、最新のスマートフォン向け電子製品の製造でも大いに使用されており、また、光学機能特性を高めた独自の遮光フィルムは、最新モデルのデジタル映像機器の付加価値を向上させる重要部材の一つとして使用されるに至りました。引き続き、市場ニーズに応える高付加価値製品として、また、市場競争力をも一段と高めた差別化製品として、更なる育成に努めてまいります。

  また、高機能樹脂に関連した研究開発では、自動車電装部品、小型モーター、その他の電気・電子部品などで使用される電気絶縁材料や防錆材料に関する高機能化のための研究開発や関連設備(粉体塗装機の設計・製造・販売)を始めとして、各種電子機器の部品実装に関わる接着・封止樹脂の高機能化研究開発、更には、高熱伝導性接着剤、構造接着剤の研究開発なども行っております

  高機能材料事業における当連結会計年度の研究開発費は1億4千1百万円であります。

(3) 環境材料事業

  環境材料事業の開発では、製紙業界向けのファインケミカルズに関する研究開発を始めとして、製紙業界で培った技術を応用して、排水処理等の高度水処理分野や建材・塗料分野などに関わる精密化学材料について、新たな市場ニーズに的確に応えていくための研究開発を行っております。

  製紙業界向けのファインケミカルズでは、製紙工程や塗工工程で使用される殺菌剤、歩留剤、塗料改質剤などの新製品の開発に引き続き鋭意取り組んでおり、更には、排水処理に関わる水処理剤の開発では実用化に向けた市場評価が進展しております

  環境材料事業における当連結会計年度の研究開発費は4千3百万円であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」又は「当期純損失」を、「親会社株主に帰属する当期純利益」又は「親会社株主に帰属する当期純損失」としております。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び記載内容に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」において記載しておりますが、特に以下に記載する重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 有価証券の減損処理

     当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式等を政策的に保有しておりますが、これらの有価証券は株式市場の変動リスクを負っています。当社は、合理的な評価基準に基づき有価証券の減損処理を実施しております。

② 貸倒引当金の計上基準

     当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。

③ 退職給付債務について

     当社は、従業員に対して確定給付型退職金制度として確定給付企業年金制度を設けており、さらに日本電子回路厚生年金基金(総合型)に加入しております。退職給付債務及び退職給付に係る負債並びに退職給付に係る資産の計算における年金資産については、割引率・長期期待運用収益率等各種比率に基づき合理的な基準による見積り計算を実施しております。

④ 繰延税金資産の回収可能性の評価

     当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産を計上しております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は235億6千4百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は8億3千1百万円(前年同期は営業損失2億8千7百万円)、経常利益は7億4千3百万円(前年同期は経常損失3億5千万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億7千1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失27億5千9百万円)となりました。

 

      ① 売上高の分析

        期の前半における円安、原油安を背景として、景気は緩やかながら回復基調を維持しましたが、年明けからの円高基調も加わって期待された個人消費の回復は顕在化せず、更には新興国経済の減速が一段と強まったことで、わが国経済の先行きは下振れリスクを大きくかかえる不透明な状況が続きました。

          こうした状況下、グループ事業の再構築を主軸として策定した年度計画に従い、国内の顧客はもとより、グローバル視点での営業活動にも注力し、独自の差別化製商品の拡販に鋭意努めてまいりましたが、期の後半に至ると主力製商品を中心に販売が落ち込み、売上は微減となりました。

        その結果、当連結会計年度の売上高は235億6千4百万円(前年同期比1.4%減)となりました。

 

      ② 販売費及び一般管理費の分析

        当社グループ全体において、引き続き徹底したコスト削減と業務効率の改善を図った成果もあり、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は28億7千1百万円(前年同期比5.1%減)となりました。

 

 

      ③ 営業外損益及び特別損益の分析

        営業外収益は前連結会計年度から4千6百万円減少して9千7百万円(前年同期比32.6%減)となりました。これは主に為替差益の減少によるものであります。また、営業外費用は前連結会計年度から2千2百万円減少して1億8千5百万円(前年同期比10.6%減)となりました。これは主にシンジケートローン手数料の減少と為替差損の増加によるものであります。

        特別利益は前連結会計年度から3億3千4百万円増加して3億9千5百万円(前年同期比544.4%増)となりました。これは主に固定資産売却益の増加と投資有価証券売却益の減少によるものであります。また、特別損失は前連結会計年度から26億3千7百万円減少して1百万円(前年同期比99.9%減)となりました。これは主に事業撤退損の減少によるものであります。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは製造販売と仕入販売に係る業務を行っておりますが、当社グループが関係する市場や販売先における近年の更なる競争激化により、当社グループを取り巻く経営環境は一段と厳しさを増しております。

製造販売については、製品の販売先の動向や、その販売先が属する電子部品・自動車・製紙といった関係業界の動向、更には、販売先が関係業界で占める位置づけなどが、当社グループの販売数量及び販売価格に大きく影響を与える可能性があります。また、市場における競合各社間の競争激化を反映して、特にコーティング製品や高機能樹脂製品を中心に海外での廉価品の台頭などによって販売価格が下落したり、あるいは、原油価格の上昇などで原材料価格が上昇して製造コストが増加するといった要因により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります

仕入販売については、製紙業界やIT関連業界、更には食品業界といった当社グループの販売先業界全体の動向に加えて、当社グループの仕入先の生産供給体制と販売先の需要とのバランスが、販売数量及び販売価格に影響を与える可能性があります。また、競合他社による廉価販売や新商品の市場投入で既存の商流・商権が変化することなどにより、当社グループの販売数量の減少及び販売価格の下落を引き起こす可能性があります。

(4)戦略的現状と見通し

 これまで当社グループの連結業績を大きく悪化させてきた製造子会社ソマテック株式会社の事業から撤退したことで、今後は事業の重点化と他社との差別化を当社グループの重要な戦略と位置づけて、業績改善への取り組みを継続してまいります。

 当社グループとしては、引き続き将来的に成長が期待できる事業分野と市場へ、経営資源を重点的に集中させ、研究開発資源の有効かつ効率的な活用と「スピードある変化への対応」でビジネスの強化と領域の拡大に努めてまいります

 具体的には、製造販売においては、とりわけ電子部品や自動車部品、更にはデジタル光学機器の業界を中心に、コーティング製品や高機能樹脂製品の差別化戦略、付加価値の高い新規開発製品の市場投入などで拡販と領域の拡大を図り、また仕入販売においては、特長ある既存商品群の物流・販売網強化と顧客ニーズに的確に応えるための仕入先との共同開発を含めた協働、新規商権の獲得などにも注力してまいります

 また、当社グループのグローバル展開では、アジア各地の当社子会社を拠点として、中国・インドを含むアジア新興市場での事業活動をメインに据え、更には、堅調な経済を維持するアメリカとその周辺市場においても生産・物流・販売の機能強化に努めてまいります

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、36億7千9百万円となり、前連結会計年度末と比較して6億8千9百万円の減少となりました。

これは、営業活動によるキャッシュ・フローが10億7千8百万円の資金増加、有形固定資産の売却による収入などにより投資活動によるキャッシュ・フローが12億2千3百万円の資金増加となったこと、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額を1千3百万円計上したものの、借入金の返済による支出などにより財務活動によるキャッシュ・フローが30億1百万円の資金減少となったこと、現金及び現金同等物に係る換算差額(減額)を4百万円計上したためであります。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、最新の経営環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案すべく尽力しておりますが、今後も経営環境は更に厳しさを増し、急激に変化していくものと予想されます
 当社グループとしては、今後もこの現状を正確かつ的確に把握してグループの総合力を効果的に発揮できるよう、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化とスピーディーな業務執行に心掛け、業績の向上に努めていく方針であります





出典: ソマール株式会社、2016-03-31 期 有価証券報告書