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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度(平成28年1月1日〜平成28年12月31日)における日本経済は、不透明な海外情勢に起因した為替などの影響により不安定な状況ではあったものの、企業の設備投資に持ち直しの動きが見られ、緩やかな回復基調が続きました。
 国内の製造業を中心としたモノづくり現場においては、熊本地震発生や、英国のEU離脱問題などによる円高の影響もあり生産活動は力強さを欠く状況が見受けられました。一方で、輸送機械及び電子部品・デバイスを中心とした鉱工業生産指数は徐々に回復し、全体的な企業収益及び雇用環境の改善が進みました。

このような環境下で当社は、モノづくり現場で必要とされる少量多品種・高頻度の商品ニーズに的確にお応えするため、平成33年12月期末までにエリアごとの在庫アイテム数を約2倍の50万アイテムまで拡充する目標を掲げ、地域ごとの市場を研究した戦略的な在庫拡充及び配送網を強化し、お客様の利便性を高める活動を行いました。

その結果、当事業年度における売上高は1,770億53百万円前事業年度比6.3%増)となりました。

利益面につきましては、少量多品種の受注に対応する通販企業への売上高が在庫商品を中心に拡大したことや新規取扱アイテム及びプライベート・ブランド商品の売上高増加が利益率の向上につながりました。
 その結果、売上総利益率が前事業年度の21.5%から21.7%となり、
売上総利益は383億62百万円前事業年度比7.3%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、売上高の増加に伴う運賃及び荷造費の増加、正社員及びパートタイマーの人員が増加したことに加え、評価給の見直しを行ったことによる給料及び賞与の増加などにより、その合計額は241億98百万円前事業年度比6.2%増)となりました。

以上の結果により、営業利益は141億63百万円前事業年度比9.1%増)、経常利益は144億33百万円前事業年度比9.2%増)となり、所得拡大促進税制などの税額控除の効果2億71百万円を加味した結果、当期純利益は99億63百万円前事業年度比20.9%増)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりです。

① ファクトリールート(製造業、建設関連業等向け卸売)

ファクトリールートにおいては、お客様から最も近い物流拠点の在庫から納品することが利便性の向上につながるという観点で、第3四半期より導入している指標である即納率を向上させるために支店ごとの市場を研究した戦略的な在庫拡充を行いました。

その結果、売上高は1,459億16百万円前事業年度比4.5%増)、経常利益は119億64百万円前事業年度比8.9%増)となりました。

② eビジネスルート(通販企業、電子購買仲介企業等向け販売)

eビジネスルートにおいては、当事業年度より通販企業向け販売と電子購買仲介企業等向け販売に細分化した組織再編を行うことで、それぞれの市場ニーズをより的確に把握し対応することができました。通販企業向け販売では、約143万アイテムに及ぶ商品データベースの連携と物流サービスをより強化し、電子購買仲介企業向け販売では、大手製造業とのシステム連携の強化及びユーザー向け物流センター見学会を継続することで、専門性の高い営業活動を行いました。

その結果、売上高は185億46百万円前事業年度比24.9%増)、経常利益は22億25百万円前事業年度比18.1%増)となりました。

③ ホームセンタールート(ホームセンター、プロショップ等向け販売)

ホームセンタールートにおいては、建築現場等のユーザーをターゲットとした専門性の高い商品の販売活動や、当社のプライベート・ブランド商品を生かした得意先ストアブランド商品の開発強化を行いました。また、継続的な得意先の新規出店が売上高の拡大に寄与しました。

その結果、売上高は120億15百万円前事業年度比4.8%増)、経常利益は1億1百万円前事業年度比58.3%増)となりました。

④ その他

当社は、子会社のトラスコナカヤマ タイランド及びトラスコナカヤマ インドネシアへの販売を含む海外部の販売を「その他」に含めています。

売上高は5億73百万円前事業年度比15.2%減)、本社管理費等の経費及び為替差損の影響により、経常損失は1億34百万円(前事業年度は1百万円の経常損失)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、64億59百万円の収入超過(前事業年度は93億36百万円の収入超過)となりました。その主な要因は、税引前当期純利益143億90百万円、減価償却費24億49百万円の収入に対し、売上債権の増加14億91百万円、たな卸資産の増加40億38百万円、法人税等の支払額58億60百万円の支出となったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、78億6百万円の支出超過(前事業年度は50億83百万円の支出超過)となりました。その主な要因は、プラネット埼玉用地及び工事代金の支払等、有形固定資産の取得による支出66億92百万円、ソフトウエア構築費の支払等、無形固定資産の取得による支出10億86百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、22億62百万円の支出超過(前事業年度は15億75百万円の支出超過)となりました。その主な要因は、前事業年度の期末配当金及び当事業年度の中間配当金22億58百万円の支出によるものです。

以上の結果、当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ36億13百万円減少106億82百万円となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産実績

該当事項はありません。

 

(2) 仕入実績

当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前事業年度比(%)

ファクトリールート

118,608

+4.9

eビジネスルート

13,659

+24.7

ホームセンタールート

9,996

+5.6

その他

464

△14.7

合計

142,729

+6.5

 

(注) 1 金額は仕入価格によっています。

2 上記金額には、消費税等は含まれていません。

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前事業年度比(%)

ファクトリールート

145,916

+4.5

eビジネスルート

18,546

+24.9

ホームセンタールート

12,015

+4.8

その他

573

△15.2

合計

177,053

+6.3

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれていません。

 

3 【対処すべき課題】

当社は、商品戦略、物流戦略、販売戦略、IT戦略、人事戦略を柱とした経営戦略を継続することこそが企業価値拡大の最も重要な要素であると考えます。

 ①商品戦略:業界最大の品揃え(約143万アイテム)をさらに拡大し、海外ブランド商品もさらに充実させることによ
       り、商品供給力を高めます。

 

モノづくり現場に必要な“PRO TOOL”を中心に取扱メーカー及び商品の拡大を継続し、在庫50万アイテムに向けた整備を行います。また、機能性が高くオリジナリティを追求したプライベート・ブランド商品の開発や海外ブランドを含む新規ブランドの販売権獲得を進めます。平成28年1月より東京、大阪に商品部をそれぞれ設置しており、商品採用の意思決定を早めるとともに商品開発力の更なる強化を行います。

②物流戦略:「物流を制する者が商流を制す」という信念のもと、平成33年末までに在庫50万アイテムに向けて物流
       設備を増強し、さらに納品のスピードアップを図ります。

 

旧物流センター及び旧支店の社屋をプラネット物流センターのバックヤードとするストックセンター機能や、地域の市場を研究した在庫保有支店の戦略的な在庫運用を行うことで、既存設備をフル活用し、50万アイテムに向けた在庫拡充を実施します。あわせて、既存設備の在庫収納効率を高める高密度収納技術の開発を継続し、既に全国で稼働している物流センターの機能強化を行います。

③販売戦略:取扱商品の拡大と在庫商品の拡大で、お客様のビジネスチャンスの拡大につなげ、お客様とともに成長
       していきます。

 

「トラスコ オレンジブック」及び「トラスコ オレンジブック.Com」の活用による市場の拡大と限りなくストレスの少ない供給体制を構築することで、あらゆる市場の取引先との取引を拡大します。卸売の当社でこそ対応可能な流通機能を強化し、約30万アイテムに及ぶ在庫を最大限活用していきます。

④IT戦略:業界で一番利便性の高い企業づくりのために、今後も継続投資を行い、IT力の強化を図ります。

 

より円滑な商取引を行うため、得意先、仕入先とのIT連携を強化します。
 双方のユーザビリティを追求し、取引先システムとの親和性を高めます。また、商品のサイズ、重量及び画像等の情報を高度に活用し当社の優位性を高め、さらに、事業継続におけるリスクを軽減するためのウイルス対策の強化を図ります。

⑤人事戦略:企業には「所帯が持てる」「貯金ができる」「税金が払える」給料を払う義務があることを踏まえ、正
       規雇用主義を守り、働きがいのある企業づくりを行っていきます。

 

当社の人事戦略は「チャンス&フェア」の考えに基づき、個々の独創力を鍛えます。あらゆる仕事に順応できるようにするため、徹底したジョブローテーションを実施し、個々の仕事の質を高めるとともに、属人的な仕事を排除し、長く働ける環境を作ります。また、支店統合による支店規模拡大と業務の効率化及び配送の自社便化を推し進めます。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社の財政状態及び経営成績に関する事項のうち、投資家の皆様の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクを以下に記載しています。また、当社としてこれらのリスク要因への対策が講じられている事項についても積極的な情報開示の観点から記載しています。文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。当社は、リスクの発生の可能性を認識して事業活動を行っていますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本資料中の他の記載事項もあわせて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えており、リスク発生の回避及び発生した場合の損失の最小化に努めています。

 

①プライベート・ブランド商品の品質について

当社のプライベート・ブランド商品は、国内外の有力なメーカーを中心にOEM(Original Equipment Manufacturing)による委託生産を行っています。新商品開発及び販売を行う場合、予期せぬ不具合商品の発生によりプライベート・ブランド商品の安心・安全・信頼が害され、信用を失うことになります。また、何らかの事故が発生した場合、その後速やかに適切な対応を取らなかった場合にも大きな信用失墜につながります。その結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

②システム障害の発生について

当社は事業全般において、高度なITに依存しており、予期せぬシステムダウンやプログラムエラー、コンピュータウイルスによる障害が生じ、かつその復旧に想定以上の時間を要した場合、当社システムの連携業務の停止や使用不能による事業への悪影響だけでなく、個人や取引先情報の流出等、大きな信用失墜及び機会損失につながり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③事業環境及び競合について

当社はオリジナル総合カタログ「トラスコ オレンジブック」及びプロツールの総合検索・情報WEBサイト「トラスコ オレンジブック.Com」を媒体に市場のニーズに応え、モノづくり現場で必要とされる在庫アイテムを豊富に保有する物流センター、地域のニーズに見合った商品在庫を保有する支店を全国に分散配置し、即納を可能にすることで市場での優位性を確保しています。更には、多くの仕入先、得意先と取引を行うことで、環境変化に対するリスクを分散しています。今後、国内製造業の事業活動において、予期せぬ景気変動、操業休止、減産、当社の優位性を上回るような競合企業の出現等、事業環境の変化により当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

当事業年度における経営成績は、売上高1,770億53百万円前事業年度比6.3%増)、販売費及び一般管理費241億98百万円前事業年度比6.2%増)、営業利益141億63百万円前事業年度比9.1%増)、経常利益144億33百万円前事業年度比9.2%増)、当期純利益99億63百万円前事業年度比20.9%増)となりました。詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」の項目をご参照ください。

(2) 財政状態の分析

(資産)

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ79億3百万円増加1,280億44百万円前事業年度末比6.6%増)となりました。その主な要因は、商品が40億38百万円、プラネット埼玉用地取得等により土地が10億82百万円及び同物流センターの建設工事等の代金支払により建設仮勘定が38億23百万円それぞれ増加し、現金及び預金が36億13百万円減少したことによるものです。

(負債)

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ1億55百万円減少222億7百万円前事業年度末比0.7%減)となりました。その主な要因は、未払金が5億62百万円、未払消費税等が4億87百万円増加し、未払法人税等が12億92百万円減少したことによるものです。

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ80億58百万円増加1,058億36百万円前事業年度末比8.2%増)となりました。その主な要因は、利益剰余金が当期純利益99億63百万円の計上により増加し、前事業年度の期末配当金及び当事業年度の中間配当金22億58百万円の支払により減少したことによるものです。なお、自己資本比率は前事業年度末の81.4%から82.7%となりました。

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当事業年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローが64億59百万円の収入超過前事業年度は93億36百万円の収入超過)、投資活動によるキャッシュ・フローが78億6百万円の支出超過前事業年度は50億83百万円の支出超過)、財務活動によるキャッシュ・フローが22億62百万円の支出超過前事業年度は15億75百万円の支出超過)となりました。詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。





出典: トラスコ中山株式会社、2016-12-31 期 有価証券報告書