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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日本銀行による経済・金融政策効果により、全般的に緩やかな回復基調にありましたが、消費税増税後における個人消費の回復の遅れや設備投資の減少等内需の停滞感もあり、やや不安定に推移いたしました。一方、期間の後半には、円安や原油価格の下落等を背景とした輸出や生産の改善、個人消費の回復等により、企業業績に改善の動きも見られております。

医療業界におきましては、平成26年10月から「病床機能報告制度」の運用が開始されました。これを受け、各都道府県は平成27年度より、各医療機関からの病床報告に基づき、中長期的な地域の医療提供体制の再構築に向けた「地域医療構想(ビジョン)」の策定を開始しております。また、医療・介護の制度改革に向けた取り組みとして、後発医薬品の使用割合目標の引き上げやかかりつけ医の普及、個人の疾病予防・健康づくりの取り組みに対するインセンティブ制度の導入等の政府案が打ち出され、検討が進められております。

一方、当医療機器業界におきましては、償還価格の改定や医療機関のコスト削減要請の高まり等により、業者間の競争が一層激しくなっており、異業種からの参入による業界再編の動き等も現れております。

このような状況の中、当社グループでは、重点事業であるSPD事業の拡大に向けた取り組みとして、医療機関における消耗品管理の効率化やコスト削減提案等を進め、契約施設数の増加を図ってまいりました。これらの取り組みは一定の成果に繋がりましたが、当期は、大型の設備案件の減少や消費税増税後の需要減少に加え、前期の不祥事に伴う指名停止措置の影響等の要因により、主として一般機器分野や整形・理化学等の専門分野の売上が減少し、業績面は前期を下回ることとなりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は、503億10百万円前年同期比1.4%減)となり、利益面につきましては、売上減少に伴う売上総利益の減少により、営業利益は5億38百万円前年同期比35.7%減)、経常利益は6億16百万円前年同期比25.4%減)、当期純利益は、3億59百万円前年同期比35.1%減)となりました。

 

セグメントの業績は下記のとおりであります

① 医療機器販売業

医療機器販売業のうち一般機器分野では、病院建替えや設備更新等の大型案件の減少による、手術室関連機器等の医療機器備品や、CT検査システムや放射線治療装置等の売上減少により100億19百万円(前年同期比18.2%減)となりました。一般消耗品分野では、SPD契約施設の増加による医療機器消耗品の売上増加により187億22百万円(前年同期比3.5%増)となりました。低侵襲治療分野では、腹腔鏡システム等のサージカル備品や、IVE等の内視鏡処置用消耗品の売上増加により129億70百万円(前年同期比7.9%増)となりました。整形、理化学、眼科、皮膚・形成により構成される専門分野では、病理検査機器等の理化学備品や、骨折治療材料等の整形消耗品の売上減少により64億43百万円(前年同期比4.1%減)となりました。医療情報、設備、医療環境等により構成される情報・サービス分野では、医療ガス設備工事等の売上増加により18億62百万円(前年同期比10.5%増)となりました。

この結果、医療機器販売業の売上高は500億17百万円前年同期比1.5%減)、セグメント利益は11億21百万円(前年同期比20.7%減)となりました。

なお、当連結会計年度より医療機器販売業の分野区分の見直しを行っており、前連結会計年度の販売実績も変更後の区分に組替えて表示しております。

 

② 医療モール事業

医療モール事業におきましては、主として賃貸収入により売上高は68百万円前年同期比24.0%増)、セグメント利益は2百万円(前年同期は12百万円のセグメント損失)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により4億64百万円減少し、投資活動により5億73百万円減少し、財務活動により1億42百万円減少いたしました。この結果、資金残高は前連結会計年度末から11億80百万円減少し、当連結会計年度末残高は39億67百万円となりました。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動により減少した資金は4億64百万円(前年同期は18億88百万円の増加)となりました。

主な要因としましては、売上債権の増加4億71百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動により減少した資金は5億73百万円前年同期は1億57百万円の減少)となりました。

主な要因としましては、有価証券の取得による支出14億円及び有価証券の償還による収入10億円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動により減少した資金は1億42百万円前年同期は1億22百万円の減少)となりました。

主な要因としましては、株主配当金1億42百万円の支出によるものであります。
 

2 【販売の状況】

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より医療機器販売業の分野区分の見直しを行っており、前連結会計年度の実績も変更後の区分に組替えて表示しております。

セグメントの名称

前連結会計年度
(自 平成25年6月1日
 至 平成26年5月31日)

当連結会計年度
(自 平成26年6月1日
 至 平成27年5月31日)

前年同期比
(%)

金額(千円)

金額(千円)

医療機器販売業

一般機器分野

12,255,278

10,019,040

81.8

一般消耗品分野

18,089,224

18,722,306

103.5

低侵襲治療分野

12,021,569

12,970,343

107.9

専門分野

6,720,323

6,443,402

95.9

情報・サービス分野

1,685,772

1,862,461

110.5

小 計

50,772,169

50,017,554

98.5

医療モール事業

55,435

68,747

124.0

その他

298,652

535,066

179.2

セグメント間内部取引額

△76,868

△311,323

405.0

合 計

51,049,388

50,310,045

98.6

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

(1) 事業基盤の強化

当医療機器業界において、高度化する顧客ニーズと厳しさを増す経営環境に対応すべく、当社グループの有する企画提案力を高め、地域市場における競争力強化、商品・サービスの付加価値向上に取り組み、顧客の信頼を得ることにより、事業基盤の強化を図ってまいります。また、仕入先メーカーや協力企業との関係をさらに強化して、商品提案力の向上を目指してまいります。

 

(2) 効率的な物流体制の構築

現在長崎県諫早市に建設中の新物流センターは、平成28年9月の稼働を予定しております。新物流センター稼働後は、物流センター、鳥栖SPDセンター、ならびに福岡SPDセンターと相互に連携をとり、早期にフル稼働体制にすることで効率的な物流体制の構築を目指してまいります。

 

(3) グループ経営の機能強化

連結子会社(株式会社イーピーメディック)では、現在、整形外科用インプラント(体内埋没型骨材料)の製造販売事業を主たる事業としておりますが、製造・販売業という業態を活かし、今後新たに柱となる事業の構築を進め、当社グループの事業基盤の一翼を担う分野にしてまいります。

また、現在進めております医療ITメーカーとの合弁会社設立により、拡大する医療IT分野市場におけるシェア拡大を図る等、グループの連携による相乗効果を発揮し、グループ全体としての成長を目指してまいります。

 

(4) コンプライアンス体制強化

当社グループにおきましては、前期発生した不祥事を踏まえ、再発防止策の一環として、コンプライアンス研修の実施強化に取り組んでまいりました。今後はさらに研修方法や内容の多様化を図り、引き続きコンプライアンス体制の強化に取り組んでまいります。

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努めてまいりますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、記載中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 特定の物流拠点への集中について

当社は、物流拠点として、佐賀県鳥栖市に物流センターおよび鳥栖SPDセンター、福岡市に福岡SPDセンターをそれぞれ設置しており、これら2つの拠点は相互に物流機能を補完し合いながら運営されております。このうち主要拠点であります物流センターおよび鳥栖SPDセンターにおいて災害等が発生し、その機能が停止した場合には、物流・仕入管理システムの復旧と福岡SPDセンターや各事業所への機能移転が完了するまでの間、販売活動に支障をきたし、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、現在、当該リスクを軽減するため、長崎県諫早市に新物流センターの建設を進めており、平成28年9月の稼働を予定しております。

 

(2) 法的規制等について

医療機器は、患者の生命・身体に影響を及ぼす可能性があるため、流通段階における品質の適正な保持、医療現場における適正な使用が求められることから、医療機器を製造・販売する企業は、医薬品・医療機器等の品質・有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)の規制を受けており、各流通過程における遵守事項が定められております。

当社グループは、高度管理医療機器(注1)を含む全ての医療機器を取扱う企業として、事業所毎に高度管理医療機器販売業・賃貸業の許可を取得し、医薬品医療機器等法が求める各種基準を遵守しておりますが、販売責任者の資格要件、品質管理の実施要件、トレーサビリティ(販売履歴の記録)(注2)の実施要件等を満たせなくなった場合、その事業所は、当該許可を取り消される可能性があります。

この他、事業所によって、医療機器に付帯する医薬品、体外診断用試薬及び医療ガス等の販売について、医薬品医療機器等法に基づく医薬品販売業の許可、再生医療等製品の販売について、同法に基づく再生医療等製品販売業の許可、滅菌や検査等に用いる毒物・劇物について、毒物及び劇物取締法に基づく毒物劇物一般販売業の届出、医療機関からの医療廃棄物運搬の請負について廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)に基づく産業廃棄物収集運搬業の許可、医療機関の医療ガス配管工事請負、手術室や病室の設備工事請負について、建設業法に基づく一般建設業許可を取得しておりますが、管理者要件を満たせなくなった場合、その事業所はそれぞれの許可を取り消される可能性があります。

また、連結子会社(株式会社イーピーメディック)は医薬品医療機器等法に基づく医療機器製造業許可および医療機器製造販売業許可を有しており、品質及び安全管理体制の要件を満たせなくなった場合、その許可を取り消される可能性があります。

(注1)副作用、機能障害を生じた場合、人の生命および健康に重大な影響を与える恐れがある医療機器は高度管理医療機器として定められております。

(注2)商品の販売および賃貸に関する譲受の履歴管理をトレーサビリティと称しております。薬事法施行規則では、高度管理医療機器等の販売等を行った場合、その品名、数量、製造番号、年月日、販売先名を記録し、3年間(特定保守管理医療機器は15年間)保存することが義務付けられております。また、高度管理医療機器等以外のトレーサビリティについては努力義務とされております。

 

(3) 入札参加資格について

当社は、元従業員らによる不正行為が発覚したことにより、独立行政法人国立病院機構より一般競争参加資格の降格措置を受けております(平成27年8月27日まで)。

公的病院が物品・役務の調達を行うに際しては、競争入札により契約相手が決定されることから、入札参加資格停止等の措置を受けた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 個人情報保護法について

当社グループが取り扱う個人情報は、個人取引先ならびに従業員の個人情報が主でありますが、患者情報を取り扱う医療機関と取引を行うことから、個人情報取扱事業者として、取引先に確認書を提出するなど、適切な対応に努めております。

しかしながら、当該法律に違反する事案が発生した場合、違反が原因となる損害賠償訴訟や取引先との取引停止などが発生することが考えられ、その内容によっては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 医療行政の動向について

公的医療保険制度における診療報酬は、医師の医療行為、医薬品、特定の医療材料等についてそれぞれ定められており、定期的に改定がなされております。診療報酬改定により医療材料の償還価格が引き下げられた場合、販売価格の引き下げに直結するため、当社グループの収益性が著しく低下する可能性があります。

当社グループといたしましては、医業経営に寄与する提案営業活動を更に強化するとともに、仕入先の集約化等の合理化に努めてまいりますが、医療行政の動向によっては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 連結子会社(株式会社イーピーメディック)の事業について

連結子会社(株式会社イーピーメディック)が行っております整形外科用インプラント(体内埋没型骨材料)の製造販売事業において、販路の拡大が予定通り進捗しない場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 訴訟等の可能性について

当社グループが販売した商品・サービス等に不良・瑕疵、設置・調整不良などがあった場合、医療事故につながる可能性があります。また、仕様説明や納品後の取扱説明の内容、仕入先が倒産した場合のアフターサービス継続条件など、取扱商品に関する様々な事項について取引先と見解の相違が発生する可能性があります。さらに、プライベートブランド製品の欠陥については製造物責任を問われる可能性があります。

当社は、ISO9001およびISO13485の認証を取得し、商品やサービスの品質管理体制を整備しておりますが、医療事故等が発生した場合、訴訟等に至ることが考えられ、その内容によっては当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、平成27年6月5日付で、パナソニックヘルスケア株式会社とメディコム製品の販売等を事業目的とする合弁会社設立に関する株主間契約を締結いたしました。

新設会社の概要

(1) 名称

メディコムネットワークス九州株式会社

(2) 所在地

福岡県福岡市博多区店屋町8番24号

(3) 代表者の役職・氏名

代表取締役社長 船橋 一宏

(4) 事業内容

メディコム事業:電子カルテ、レセコン等のメディコム製品及び関連機器の販売・サービス

(5) 資本金

8,000万円

(6) 設立年月日

平成27年7月27日

(7) 営業開始日

平成27年10月1日(予定)

(8) 決算期

3月31日

(9) 出資比率

パナソニックヘルスケア株式会社 51%

山下医科器械株式会社      49%

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

記載中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表を作成するにあたっては、会計方針についていくつかの重要な判断および見積りを行っております。これらの判断および見積りは、過去の経験や実際の状況に応じ、合理的と考えられる方法で行っておりますが、不確実性を伴うものであるため、実際の結果は判断および見積りと異なる場合があります。重要な会計方針については後述の注記事項に記載しておりますが、特に重要と考える項目は次のとおりです。

 

① 有価証券の減損処理

当社グループは、保有する有価証券のうち、時価のあるものについては、市場価格等が取得原価に比べて50%以上下落した銘柄について全て減損処理を行い、下落率が30%〜50%の銘柄については個別銘柄ごとに時価の回復可能性を検討したうえで、必要と認められた額について減損処理を行っております。時価のない有価証券については、財政状況の悪化により実質価額が取得価額と比べ著しく下落したものについて減損処理を行っております。時価のある有価証券においては時価の回復可能性について、時価のない有価証券においては実質価額の算定について、それぞれ判断および見積りを行っておりますが、これら減損処理適用に係る判断の結果によっては、当社グループの連結財務諸表に影響を与える場合があります。

② 固定資産の減損処理

当社グループは、保有する固定資産のうち、減損の兆候があると認められる資産または資産グループについて将来にわたって得られるキャッシュ・フローを見積り、見積られた将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回っている場合に減損損失を認識します。減損損失を認識した資産または資産グループは、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減額した金額を減損損失として当連結会計年度において費用処理します。減損損失の認識および回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フローおよび割引率について判断および見積りを行っており、減損処理適用に係る判断の結果によっては、当社グループの連結財務諸表に影響を与える場合があります。

③ 繰延税金資産

当社グループは、税務上の繰越欠損金や企業会計の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異等について税効果会計を適用し、繰延税金資産および繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、判断および見積りを伴うものであり、実際の結果が見積りと異なった場合には、当社グループの連結財務諸表に影響を与える場合があります。

④ 退職給付に係る負債

当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務の計上にあたって、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の長期期待運用収益率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、または法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、183億83百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億76百万円減少いたしました。流動資産は、主に現金及び預金の減少等により、前連結会計年度末に比べて2億67百万円減少し、150億15百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて91百万円増加し、33億68百万円となりました。

 

(負債及び純資産の部)

負債は、支払手形及び買掛金、賞与引当金の増加等により、前連結会計年度末に比べて4億58百万円減少し、125億6百万円となりました。また、純資産は、前連結会計年度末に比べて2億82百万円増加し、58億77百万円となり、自己資本比率は32.0%となりました。

 

 

(3) 経営成績の分析

経営成績の分析は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」の項目をご参照ください。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。

 





出典: 山下医科器械株式会社、2015-05-31 期 有価証券報告書