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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】 

(1) 経営成績に関する分析

   ①当期の経営成績

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社主要事業に係る訪日外国人観光客の消費動向に関しましては、急激な円高の影響を受け、インバウンド需要は一時的に減速いたしました。しかし、年度後半の円安トレンドにより訪日外国人観光客の消費傾向は緩やかな回復基調で推移しはじめるとともに、当社主要顧客である中国人訪日客数は、個人旅行、団体旅行ともに前年を上回り637万人(前年比27.6%増)と過去最高を記録しております。一方で、関税率の変更やライフスタイルの変化などにより訪日外国人1人当たりの旅行支出額は内訳が変化しており、支出項目別構成比においては、買い物の支出比率は依然として最高であるものの、飲食や観光といったサービス関連の支出比率が増加傾向にあります。

当連結会計期間の当社事業におきましては、インバウンド市場の中長期的な発展を見据え、全国で15店舗を開店いたしましたが、来店客数は堅調に推移したものの、訪日旅行客の消費マインドが高価格の耐久品から低価格の消耗品へと推移し当社の販売商品構成が急速に変化し、平均購買単価は前期末平均33,820円から当期末平均では22,344円へと下落するなど店舗効率を見直す必要から6店舗を閉店いたしました。

また、中国国内店舗の閉鎖や中国国内向けの紙オムツ販売事業の縮小、移管手続きを進めるなど、事業整理を実施し、コスト削減による収益構造の改善を図りました。

更に、当期は婦人靴事業の強化も図り、新たに株式会社シンエイの婦人靴企画・卸売販売事業と新興製靴工業株式会社の靴製造事業の事業譲受を行いました。これにより、商品力と販売力の強化にとどまらず、企画から製造、販売までの一貫体制の強化が実現いたしました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は627億64百万円(前年同期は926億93百万円、32.3%減)、営業損失は9億55百万円(前年同期は85億86百万円の利益)となりました。今後、訪日旅行客は増加していく中、平均購買単価の向上と坪効率および人的生産性の改善による店舗の販売効率の向上を重要課題としながら、将来の市場の変化を見据え新たな顧客の獲得を行い、更なる業績の向上と事業の成長を目指して取り組んでまいります。

 

事業の種類別セグメントの業績は、次の通りです。

(イ)国内リテール事業

当事業部門におきましては、主力の免税品販売での主要顧客である中国人観光客が大幅に増加するとともに、上期には春節やお花見来店誘致施策、クルーズ船受け入れ体制強化施策を実施いたしましたが、中国人を中心とした当社顧客の消費マインドの変化にともない顧客一人当たりの平均購買単価が下落し、結果として売上高が減少いたしました。また、訪日来店客数の増加に対応するための積極的な新規出店による地代家賃の増加や、新規採用による人材増強に伴う人件費などの固定費が増加したことにより、収益性が悪化しました。一方で、事業譲受の実施により事業規模が拡大した婦人靴販売が収益に貢献したものの、当連結会計年度の売上高は602億15百万円(前年同期は837億82百万円、28.1%減)、営業利益は16億89百万円(前年同期は110億81百万円、84.8%減)と前年同期に比べ大幅な減収減益となりました。

 

(ロ)海外事業

当事業部門におきましては、当第1四半期連結会計期間において中国国内での店舗を閉鎖したため、売上高が減少いたしました。一方で、紙オムツをはじめとした中国向け商品の新たな販売網整備と物流体制の再構築に注力いたしましたが、採算性が改善せず事業整理を行うこととしました。また、越境ECビジネス強化のためにインフラ整備と販売体制の強化を進めてまいりましたが、中国国内向けの販売商品の在庫コスト等の費用が嵩み、当連結会計年度の売上高は、21億36百万円(前年同期は83億25百万円、74.3%減)、営業損失は7億63百万円(前年同期は6億45百万円の損失)となりました。

(ハ)その他事業

当事業部門におきましては、主に不動産賃貸事業としての当連結会計年度の売上高は、5億62百万円(前年同期は6億円、6.3%減)、営業損失は44百万円(前年同期は21百万円の損失)となりました。

 

 (2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、28億63百万円と前期に比べ27億53百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、14億58百万円の増加(前連結会計年度は17 億41百万円の減少)となりました。これは主に、仕入債務の減少7億81百万円と棚卸資産の減少20億69百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、68億10百万円の減少(前連結会計年度は251億60百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出41億8百万円、関係会社出資金の取得による支出25億74百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、26億69百万円の増加(前連結会計年度は293億5百万円の増加)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出19億98百万円と短期借入による収入47億59百万円によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

連結子会社において、生産を行っておりますが、連結全体における重要性が低いため、生産実績については記載しておりません。

 

(2) 受注状況

該当事項はありません。

 

(3) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

国内リテール事業

36,694

60.5

海外事業

1,789

29.7

その他事業

455

88.4

合計

38,939

57.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 記載の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

国内リテール事業

60,200

71.9

海外事業

2,000

24.0

その他事業

562

93.7

合計

62,764

67.7

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 記載の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、ジャパンプレミアムを世界に届けることを最重要課題としております。

不透明感が高い経済情勢にかかわらず、訪日外国人観光客の増加が見込まれる中、異業種やグローバル免税店の参入、既存小売店の免税ビジネス強化によりインバウンド業界の競争も激化してきております。その中で、日本における総合免税ネットワークの先駆者としてのポジションを維持強化するため、商品とサービスを拡充し「国内リテール事業」を大きく発展させていきます。また「その他事業」を収益事業として確立し、「海外事業」の抜本的な対策に取り組んでまいります。引き続き事業の拡大スピードに応じた内部統制の整備、経営管理体制の強化を行い、業務オペレーションの効率化、人材の採用・育成を推進し、課題解決に取り組んでまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループにおいて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがございます。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び対応に努める所存であります。

  ①カントリーリスクについて

当社グループが行っている主要3事業「国内リテール事業」「海外事業」「その他事業」、とりわけ「国内リテール事業」における免税品販売事業は、海外諸国、なかでも中国の政治・経済情勢、外国為替相場等の変動に大きな影響を受けます。何らかの事由により、中国や海外諸国において政治・社会不安、経済情勢の悪化、法令政策の変更などが発生し、訪日観光客の大幅な減少や当社グループが提供する商品に対する需要減退等が生じた場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

  ②国内店舗の競合について

当社は、総合免税店として日本最大級の充実した店舗ネットワークを構築するため、多店舗展開をしておりますが、インバウンド市場が拡大すると共に、異業種からの新規参入やグローバル免税店の出店、既存小売店の免税ビスネス強化により各店舗間の競合状況は激化しており、総合免税ネットワークの先駆者としてのポジションを維持するため日々売り場の見直し、店舗の改装等により集客力の強化をしておりますが、当社の計画通りに集客力の強化が出来なかった場合は、当社グループの業績に影響を及す可能性があります。

  ③特定経営者への依存及び幹部人材確保について

当社グループは、代表取締役を含む役員・幹部社員等の知識・経験などがグループの経営、業務執行において重要な役割を果たしており、これらは当社グループにおける重要な経営資源と考えられます。しかし、これらの役職員が何らかの理由によって退任、退職し、後任者の採用が困難になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 

   ④店舗販売員の確保及び教育のリスク 

当社グループでは、主に国内リテール事業において、店舗販売は商品自体の魅力度もさることながら、店舗販売員の販売力に依存する部分も多いため、販売員の商品知識の習得や説明能力の向上等のため社員教育を徹底して行うと同時に、すぐれた多くの人材を確保するため、人事ローテーションの実施、キャリアパスの整備、人事制度の充実により、職場環境の活性化及び改善を図っております。また、当社では、留学生を含め10数か国に上る国々の外国人労働者を数多く雇用しており、これら外国人労働者に対しては、特に法令順守の観点で、より徹底した教育を実施しております。具体的には、平成27年9月以降、各事業所単位での研修や勤怠管理強化施策を行い、また全社的な勤怠管理システムの新規導入や本社でのチェック体制等の施策を順次実行しております。しかしながら、労働環境の変化等により、予定どおり人材の確保・育成・教育が行えなかった場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

  ⑤個人情報保護について

当社グループでは、メンバーズカード会員をはじめ店舗及びインターネット通販顧客などに関する多くの個人情報を保有しており、社内に「コンプライアンス委員会」及び「内部監査室」を設置し、当社グループの業務が法令順守の方針に沿って運営されているかを監査しております。しかし、コンピュータ・システムのトラブル等による予期せぬ情報漏洩が発生する可能性は残っており、その場合、当社は社会的信用を失うとともに、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 ⑥商品の安全性について

当社グループでは、店舗での商品の販売のほか、自社PB商品の開発・販売を行っております。商品の安全性に関する社会の期待、関心は高まっており、当社グループにおいても仕入に際しての品質基準の見直しや品質検査、適法検査等を強化し、安全な製品の供給に努めております。しかしながら、当社グループが販売した商品に不具合等が発生した場合は、大規模な返品、製造物責任法に基づく損害賠償や対応費用の発生、信用失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑦自然災害・事故等について

当社グループにおいて、大地震や台風の自然災害、著しい天候不順、予期せぬ事故等が発生した場合、客数低下による売上減少のみならず、店舗等に物理的な損害が生じ、当社グループの販売活動・流通・仕入活動が妨げられる可能性があります。また、国内外を問わず、災害、事故、暴動、テロ活動、また当社グループの取引先や 仕入・流通ネットワークに影響を及ぼす事象が発生した場合も同様に当社グループの事業に支障をきたす可能性があります。

  ⑧法的規制によるリスク

当社グループは、国内及び海外において様々な法令や規制の適用を受けて事業展開を行っております。当社グループでは、コンプライアンスを経営上の重要な課題と位置づけ、その強化に努めておりますが、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできません。当社グループの事業活動が法令や規制に抵触するような事態が発生したり、予期せぬ法令や規制の新設・変更が行われた場合、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

  ⑨役員・社員の不正によるリスク

当社グループは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営上の重要な課題と位置付けており、内部統制システム整備の基本方針を定め、同システムの継続的な充実・強化を図っております。業務運営においては役員・社員の不正及び不法行為の防止に万全を期しておりますが、万一かかる行為が発生した場合、経営成績、財政状態及び当社の社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 店舗の賃貸借契約

当社は、店舗1物件を当社元取締役谷口健二とその親族で所有している朝日無線電機株式会社から賃借(延面積3,563㎡、賃借料月額13,823千円(消費税除く)、敷金39,321千円、保証金764,000千円)しております。

なお、当社と朝日無線電機株式会社との賃貸借契約の有効期間は昭和62年4月21日(原契約日昭和59年4月21日)から1ヶ年とし、期間満了6ヶ月前までに契約当事者双方から解約の申し入れがないときには、さらに1ヶ年更新されるものとし、以降も同様の自動更新により、現在に至っております。また、賃借料は昭和59年4月21日以降3ヶ年毎に不動産鑑定士の鑑定評価額を基準にして見直しを行うこととしております。

(2) 当座貸越契約

当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行と当座貸越契約を締結しております。

(3)シンジケート方式によるコミットライン契約

当社は、平成28年9月16日付で、株式会社三井住友銀行をアレンジャーとする総額110億円のシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結致しました。

1.コミットメントライン組成の目的

今後のグループ事業展開における資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するとともに、財務基盤の強化を図る為です。

 

2.コミットメントラインの概要

(1) 組 成 金 額

110億円

(2) 契 約 締 結 日

平成28年9月16日

(3) 契 約 期 限

平成29年9月29日

※コミット契約期間1年にて2回の延長が可能

(4) 契 約 形 態

シンジケーション方式コミットメントライン

 (5) ア レ ン ジ ャ ー 兼

 エ ー ジ ェ ン ト

株式会社三井住友銀行 

(6) 参 加 金 融 機 関

株式会社三井住友銀行

株式会社東京スター銀行

株式会社新生銀行

株式会社りそな銀行

株式会社三重銀行

(7) 使 用 用 途

運転資金

(8) 財務制限条項

①平成28年12月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における単体の

貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、平成27年12月

期末日における単体の貸借対照表に記載される純資産の部の合計

金額の75%に相当する金額、又は直近の事業年度末日における単

体の貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の75%に相当

する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。

 

②平成28年12月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における単体の

損益計算書に記載される経常損益を損失としないこと。

 

当連結会計年度末において、シンジケートローン契約(平成28年12月31日現在借入残高4,843,300千円)について、上記財務制限条項の②に抵触している状況にありますが、株式会社新生銀行を除く参加金融機関からの合意を得られ、平成29年3月23日付で上記財務制限条項の②を以下のとおり変更する契約を締結しております。

②平成29年12月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における単体の損益計算書に記載される経常損益
 を損失としないこと。

(4)事業譲渡契約

当社は、平成28年8月19日開催の取締役会において、平成28年8月31日を以って、民事再生続中の株式会社シンエイの婦人靴企画・卸売販売事業を当社子会社の株式会社モード・エ・ジャコモが譲り受け、同じく民事再生手続中の新興製靴工業株式会社の靴製造事業を当社子会社の青葉ライフファミリー株式会社が譲り受けすることについて決議し、同日付で事業譲渡契約を締結し、平成28年9月1日を以って事業を譲り受けております。なお、青葉ライフファミリー株式会社は、平成28年8月31日を以って、社名を新興製靴工業株式会社に変更しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」をご参照ください。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性がございます。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては一定の会計基準の範囲内で見積りがなされ、たな卸資産の評価、引当金の計上等の数値に反映されております。これらの見積りについては、必要に応じて見直しを行っておりますが、不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計期間における世界経済は、先進国においては原油安、新興国においては経済成長の減速の影響などにより、前会計年度における成長率の停滞に目立った回復傾向がみられず、オリンピック効果も限定的でありました。また、訪日外国人の多くを占める中国においては、貿易不振や不動産バブルによる経済成長の鈍化が懸念されるなど、世界経済は依然として不安定な状況が続いております。また、米国大統領任期満了に伴うトランプ政権への移行により経済のグローバリゼーションに対する不確実性が増すなかで、わが国経済への影響は依然として不透明感が残る状況となっております。

 このような経済環境のなか、訪日外国人観光客の消費動向に関しましては、急激な円高の影響を受け、インバウンド需要は一時的に減速いたしました。しかし、年度後半の円安トレンドにより訪日外国人観光客の消費傾向は緩やかな回復基調で推移しはじめるとともに、当社主要顧客である中国人訪日客数は、個人旅行、団体旅行ともに前年を上回り637万人(前年比27.6%増)と過去最高を記録しております。一方で、関税率の変更やライフスタイルの変化などにより訪日外国人1人当たりの旅行支出額は内訳が変化しており、支出項目別構成比においては、買い物の支出比率は依然として最高であるものの、飲食や観光といったサービス関連の支出比率が増加傾向にあります。

当連結会計期間の当社事業におきましては、インバウンド市場の中長期的な発展を見据え、全国で15店舗を開店いたしましたが、来店客数は堅調に推移したものの、訪日旅行客の消費マインドが高価格の耐久品から低価格の消耗品へと推移し当社の販売商品構成が急速に変化し、平均購買単価は前期末平均33,820円から当期末平均では22,344円へと下落するなど店舗効率を見直す必要から6店舗を閉店いたしました。

また、中国国内店舗の閉鎖や中国国内向けの紙オムツ販売事業の縮小、移管手続きを進めるなど、事業整理を実施し、コスト削減による収益構造の改善を図りました。

更に、当期は婦人靴事業の強化も図り、新たに株式会社シンエイの婦人靴企画・卸売販売事業と新興製靴工業株式会社の靴製造販売事業の事業譲受を行いました。これにより、商品力と販売力の強化にとどまらず、企画から製造、販売までの一貫体制の強化が実現いたしました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は627億64百万円(前年同期は926億93百万円、32.3%減)、営業損失は9億55百万円(前年同期は85億86百万円の利益)となりました。今後、訪日旅行客は増加していく中、平均購買単価の向上と坪効率および人的生産性の改善による店舗の販売効率の向上を重要課題としながら、将来の市場の変化を見据え新たな顧客の獲得を行い、更なる業績の向上と事業の成長を目指して取り組んでまいります。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

中国を初めとしたアジア新興国の経済成長率は大幅な減速傾向が見られますが、中長期的な成長トレンドは持続し、その消費購買力も徐々に拡大していくものと思われます。また国際政治問題の不安要素、原油価格の暴落、ドル高の進行と先行きの不透明感は高いものの、訪日観光客は年々増加する傾向にあり、2015年では45年ぶりに訪日外国人数と出国日本人数が逆転しました。この傾向は今後も続くと予想されます。

中国やアジア新興国の経済成長率に減速傾向が見られますが、中長期的な成長トレンドは持続しその消費購買力も徐々に拡大していくものと思われます。また、日本政府目標の2020年の訪日観光客数4,000万人の達成に向け、国内外に向けた積極的な施策も期待できることから、インバウンド市場は引き続き成長をつづけるものと考えております。

このようなインバウンド市場の発展を見据え、当社はこれまで主要な人気観光スポットを中心に多くの新規出店を行ってきました。このネットワークを活用し、引き続き中国・アジアを始めとした世界のマーケットに対して、ジャパンプレミアムの「商品」と「サービス」を届けてまいります。

特に福岡と沖縄を中心とした九州地区においては、寄港時の大量顧客の来店に耐える大型店の出店の可能性を検討しつつ、クルーズ客の取り込みを強化してまいります。

一方で、訪日旅行客の傾向として、個人旅行(FIT=Foreign Independent Tour)の割合が急速に増加しており、従来の団体客向けを中心とした販売戦略に加え、FIT客向けの広告宣伝活動を強化し競争力を高めてまいります。また、中国最大手のCtrip.com International Ltdとの提携など、大手旅行会社やメーカー、ブランドとの協業に加えて、今後は異業種事業提携も積極的に検討していく予定であります。

更に、当社グループの新たな成長戦略として、飲食やエンターテイメントなどを中心とした新規事業にも積極的に参入してまいります。食事や観光、エンターテイメントなど幅広く旅行を楽しむ傾向を捉え、訪日外国人旅行客の需要を一括して取り込める事業展開、すなわち「モノ+コト」、を推し進めることで、従来の販売事業にとっても更なる活性化が期待できます。

このように、次期は、これまで投資してきた経営資源を最大限に活用し、インバウンド市場のリーディングカンパニーとして国内リテール販売事業の収益改善と業績回復を実現するとともに、将来の成長のための新規事業投資にも積極的に取り組んでまいります。

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「1.業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご覧下さい。

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、日本の良さを世界に届けることを理念とし、ジャパンプレミアムの創出による「お客様満足度の最大化」を基本方針としております。各々の市場において最適な商品・サービスの提供を行うことにより、企業の持続的成長を進めていきます。また中国有数の小売業であり強固な業務提携関係にある蘇寧雲商集団股份有限公司と連携し、日本の総合免税店のリーディングカンパニーとしてグローバル企業への深化を目指します。

 





出典: ラオックス株式会社、2016-12-31 期 有価証券報告書