第2 【事業の状況】
1 【業績等の概要】
(1) 業績
当事業年度におけるわが国経済は、緩やかな景気回復を続けてきましたが、後半 原油価格の高騰や米国のサブプライムローン問題で景気全体に不透明感が広がり、個人消費にも翳りが出てまいりました。当外食業界におきましては、同業他社のみならず中食業界との競合激化に加えて、食材価格の高騰やパート人件費の上昇、飲酒運転の社会問題化による外食離れ、食品偽装問題、さらには中国産冷凍加工食品事件等、多くの要因が重なり合い、経営環境は極めて厳しい状況で推移いたしました。
このような環境のもと、当社におきましては、既存業態の「団欒れすとらん ボンズ」から新業態「産直鮮魚と寿司・炉端 源ぺい」への業態転換と都市型居酒屋「和み料理と味わいの酒 土筆んぼう」の新規出店ならびに不採算店・低採算店の閉鎖を柱とした事業構造の改革に全力を挙げて取組んでまいりました。
店舗増減につきましては、当事業年度中に新業態を18店舗(内 業態転換12店舗)出店し、既存業態を20店舗(内 業態転換12店舗)閉店いたしましたので、当事業年度末の総店舗数は前事業年度末比2店舗減少し、129店舗となりました。
商品政策につきましては、“健康・安全・おいしさ”の見地から食材を厳選し、お値打ちな商品の提供と同時にライブ感を味わっていただけるように努めました。また、健康応援の観点から「食事バランスガイド」(財団法人 食品産業センター)を参考にしたメニュー作りにも取組んでおります。食の安全・衛生管理につきましては、「フレンドリー購買基準」の構築と衛生管理・検査体制を確立し、ISO 9001とともに厳格に運用しております。
業績につきましては、環境の悪化に加え、昨年9月に発生した「源ぺい」の食中毒事故とその後暫く客足が鈍化したことや「源ぺい」への業態転換・出店に精力を注ぐ余り、店舗オペレーションに乱れが生じた影響で売上が伸び悩みました。また、予想を超えた食材価格の高騰に伴う原価率や広告宣伝費・人件費等をコントロールしきれなかったことにより営業損失の計上を余儀なくされました。
なお、固定資産売却益、店舗移転補償金、店舗閉鎖損失引当金戻入益等 250百万円の特別利益と事業構造の改革に伴う業態転換と不振店の閉店による減損損失・除却損等 252百万円の特別損失を計上いたしました。また、法人税等調整額等の税金費用は前事業年度比354百万円減少いたしました。
以上の結果、当事業年度の売上高は 16,130百万円(前事業年度比 △260百万円・△1.6%)、営業損失は165百万円(前事業年度は営業利益104百万円)、経常損失は148百万円(前事業年度は経常利益145百万円)、当期純損失は204百万円(前事業年度は当期純損失901百万円)となりました。
部門別の概況は、次のとおりであります。
「ファミリーレストラン フレンドリー」
「おいしい・たのしい・ここちいい」をコンセプトとする洋食のレストランです。オーソドックスなファミリーレストランを堅持し、フレンドリーなお店作りに邁進してまいりました。こだわりのバイキング料理やハンバーグ、カレーライスの他、付加価値の高いメニュー政策の一環として「牛ステーキフェア」を実施いたしました。また、「食事バランスガイド」による“健康バランスメニュー”を提案してきましたが、お子様向けには“ぱくぱくキャンペーン”として推進しております。当部門の店舗数は前事業年度末比5店舗減少(内 業態転換3店舗)し、47店舗となりました。この結果、部門売上高は 5,630百万円(前事業年度比 △714百万円・△11.3%)となりました。
「産直鮮魚と寿司・炉端 源ぺい」
旬の魚と寿司、炉端のお店です。素材の良さと一本仕入れの本マグロはご好評をいただいております。オープンキッチンの店内は活気に溢れ、大きな手ごたえを感じております。「ボンズ」からの転換と新規出店により、業容は順調に拡大しております。当部門の店舗数は前事業年度末比13店舗増加(内 業態転換10店舗)し、33店舗となりました。この結果、部門売上高は 4,486百万円(前事業年度比 2,367百万円・111.7%増)となりました。
「団欒れすとらん ボンズ」
和・洋・中の料理と団欒をテーマにしたお店です。“四季折々の旬のメニューと彩り”にこだわり、お友達やご家族の方々に和気藹々と“団欒(だんらん)のひととき”を楽しんでいただきました。当業態は道路交通法の改正による影響が大きく、寿司の「源ぺい」への転換を急いでおります。当部門の店舗数は前事業年度末比14店舗減少(内 業態転換8店舗)し、27店舗となりました。この結果、部門売上高は 3,203百万円(前事業年度比 △2,126百万円・△39.9%)となりました。
「和み料理と味わいの酒 土筆んぼう」
日本の原風景“里山”をテーマにした居酒屋です。ノスタルジックな雰囲気と素材にこだわった45日サイクルのメニューはお客様から高い支持をいただいておりますが、当事業年度は良質な物件不足で新規出店に苦戦いたしました。当部門の店舗数は前事業年度末比3店舗増加し、18店舗となりました。この結果、部門売上高は 2,396百万円(前事業年度比 280百万円・13.3%増)となりました。
「しゃぶしゃぶ・鍋 季節の和膳 竹〇屋」
かぐや姫の里 安芸の小京都“竹原”をテーマにした本格的な和食のお店です。昨年7月に2号店を出店し、2店舗で実験しております。部門売上高は 212百万円(前事業年度比 70百万円・49.7%増)となりました。
「ダイニング・ビュッフェ い〜とみ〜と」
健康応援バイキング・レストランです。サラダ・スープ・ドリンク・デザートなど毎日60種類以上の彩り豊かなメニューを週替り・月替りでご用意しております。当部門は1店舗閉店し、1店舗で実験を継続しております。部門売上高は 137百万円(前事業年度比 △133百万円・△49.2%)となりました。
「ギンガムキッチン」
昨年7月、実験店をオープンいたしました。ビーフ100%ハンバーグ、厚切りステーキ、具だくさんパスタを中心メニューとし、サラダバーを併設したレストランです。オープンキッチンによる店内の雰囲気はライブ感が溢れております。部門売上高は 64百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末比36百万円減少して2,820百万円となりました。その要因は、営業活動と財務活動を合わせて420百万円増加しましたが、投資活動によって456百万円使用されたことであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、前事業年度比97百万円減少して339百万円となりました。主な要因は、減価償却費461百万円、減損損失205百万円等の他、税引前当期純損失149百万円、固定資産売却益100百万円、店舗閉鎖損失引当金の減少86百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用されたキャッシュ・フローは、前事業年度比338百万円増加して456百万円となりました。主な要因は、店舗設備など有形固定資産の取得による支出609百万円の他、固定資産の売却による収入110百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られたキャッシュ・フローは、前事業年度比95百万円減少して80百万円となりました。主な要因は、長期借入による調達が600百万円の他、借入金の返済445百万円、配当金の支払73百万円等であります。
2 【生産、受注及び販売の状況】
(1) 生産実績
当事業年度における生産実績を品目別に示すと次のとおりであります。
品目
|
生産高(千円)
|
前年同期比(%)
|
ソース類
|
341,517
|
86.1
|
肉スライス類
|
330,235
|
107.8
|
ハンバーグ類
|
110,160
|
100.8
|
その他
|
140,812
|
99.8
|
合計
|
922,724
|
96.8
|
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当社はレストラン業であり、見込生産によっておりますので、受注高及び受注残高について記載すべき事項はありません。
(3) 販売実績
当事業年度における販売実績を業態別、品目別、地域別に示すと、次のとおりであります。
イ 業態別品目別販売実績
業態・品目
|
販売高(千円)
|
構成比(%)
|
前年同期比(%)
|
|
ファミリーレストラン
フレンドリー |
アラカルト類
|
2,275,814
|
14.1
|
88.6
|
スナック類
|
750,972
|
4.7
|
95.1
|
|
定食類
|
809,708
|
5.0
|
86.6
|
|
ソフトドリンク類
|
978,802
|
6.1
|
82.4
|
|
その他
|
815,196
|
5.0
|
94.3
|
|
計
|
5,630,492
|
34.9
|
88.7
|
|
産直鮮魚と寿司・炉端
源ぺい |
一品料理類
|
3,224,589
|
20.0
|
219.0
|
アルコールドリンク類
|
935,252
|
5.8
|
195.0
|
|
ソフトドリンク類
|
181,130
|
1.1
|
219.1
|
|
その他
|
145,187
|
0.9
|
172.2
|
|
計
|
4,486,159
|
27.8
|
211.7
|
|
団欒れすとらん
ボンズ |
一品料理類
|
2,223,738
|
13.8
|
60.1
|
アルコールドリンク類
|
626,649
|
3.9
|
57.1
|
|
鍋料理類
|
220,187
|
1.4
|
66.8
|
|
ソフトドリンク類
|
132,320
|
0.8
|
65.0
|
|
その他
|
220
|
0.0
|
96.5
|
|
計
|
3,203,114
|
19.9
|
60.1
|
|
和み料理と味わいの酒
土筆んぼう |
一品料理類
|
1,013,669
|
6.3
|
112.5
|
アルコールドリンク類
|
910,768
|
5.6
|
116.9
|
|
ソフトドリンク類
|
40,775
|
0.3
|
105.5
|
|
その他
|
430,858
|
2.7
|
108.6
|
|
計
|
2,396,070
|
14.9
|
113.3
|
|
しゃぶしゃぶ・鍋 季節の和膳 竹○屋
|
212,452
|
1.3
|
149.7
|
|
ダイニング・ビュッフェ い〜とみ〜と
|
137,139
|
0.8
|
50.8
|
|
ギンガムキッチン
|
64,665
|
0.4
|
─
|
|
合計
|
16,130,094
|
100.0
|
98.4
|
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
ロ 業態別地域別販売実績
業態・都道府県
|
販売高(千円)
|
構成比(%)
|
前年同期比(%)
|
|
ファミリーレストラン
フレンドリー |
大阪府
|
3,918,681
|
24.3
|
90.0
|
京都府
|
628,882
|
3.9
|
89.8
|
|
兵庫県
|
420,039
|
2.6
|
76.7
|
|
奈良県
|
324,355
|
2.0
|
80.5
|
|
和歌山県
|
247,003
|
1.5
|
101.2
|
|
滋賀県
|
91,529
|
0.6
|
94.1
|
|
計
|
5,630,492
|
34.9
|
88.7
|
|
産直鮮魚と寿司・炉端
源ぺい |
大阪府
|
2,673,633
|
16.6
|
163.7
|
京都府
|
63,709
|
0.4
|
─
|
|
兵庫県
|
1,065,511
|
6.6
|
349.4
|
|
奈良県
|
443,493
|
2.7
|
245.6
|
|
和歌山県
|
239,811
|
1.5
|
─
|
|
計
|
4,486,159
|
27.8
|
211.7
|
|
団欒れすとらん
ボンズ |
大阪府
|
2,157,247
|
13.4
|
67.4
|
京都府
|
181,802
|
1.1
|
71.2
|
|
兵庫県
|
202,704
|
1.3
|
31.0
|
|
奈良県
|
372,009
|
2.3
|
56.9
|
|
和歌山県
|
176,313
|
1.1
|
43.2
|
|
三重県
|
113,036
|
0.7
|
70.6
|
|
計
|
3,203,114
|
19.9
|
60.1
|
|
和み料理と味わいの酒
土筆んぼう |
大阪府
|
1,944,899
|
12.1
|
100.6
|
京都府
|
145,035
|
0.9
|
─
|
|
兵庫県
|
306,135
|
1.9
|
167.8
|
|
計
|
2,396,070
|
14.9
|
113.3
|
|
しゃぶしゃぶ・鍋
季節の和膳 竹○屋 |
大阪府
|
133,610
|
0.8
|
94.1
|
兵庫県
|
78,841
|
0.5
|
─
|
|
計
|
212,452
|
1.3
|
149.7
|
|
ダイニング・ビュッフェ い〜とみ〜と
|
大阪府
|
137,139
|
0.8
|
50.8
|
ギンガムキッチン
|
大阪府
|
64,665
|
0.4
|
─
|
合計
|
16,130,094
|
100.0
|
98.4
|
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
3 【対処すべき課題】
(1) 事業構造の改革
従来、とりわけ直近2事業年度間は、経営資源を好調な新業態に集中配分することと、不採算店ならびに一定以上の業績の確保が難しいと見込まれる業態・店舗からの撤退を柱とする事業構造の改革に取組み、相応の成果を挙げてまいりました。しかしながら、新業態(「源ぺい」・「土筆んぼう」・その他)の出店・転換のスピード(過去2年間39店舗)に店舗のマネジメントが追いつかず、オペレーションの乱れがお客様のご不満を買う要因となりました。また、原価や人件費も予想を超えたペースで上昇しており、これのコントロールも後手に廻ってしまいました。従いまして、翌事業年度は出店・転換のペースをスローダウンさせ、店舗オペレーションの立て直しと原価・人件費対策に重点を移します。
具体的には、①各業態の店舗オペレーション見直しによる運営コストの低減、②商品構成の見直しによる原価の改善と適正な粗利益の確保、③恒常化した販売促進(割引)費の適正化、④顧客満足度向上への取組みと従業員満足度の向上、等の施策をより木目細かく実行してまいります。これらの施策は当第4四半期からスタートさせて、既に目途がついておりますので、あとは徹底するのみとなっております。なお、翌々事業年度以降の2年間で、残る業態転換の完了と収益構造の再構築で事業構造改革を仕上げる所存です。
(2) 新業態の開発
常に時代にマッチした業態の開発に取組んでまいります。昨今、お客様の消費・購買においては、価格の安さだけが基準ではなく、従来にない新しさ・安全性・健康・おいしさ・雰囲気などの商品価値と満足感が重視されつつあります。“里山”をテーマとした都市型居酒屋「和み料理と味わいの酒 土筆んぼう」と「産直鮮魚と寿司・炉端 源ぺい」は既に多店舗展開中でありますが、今後さらに内容を充実させ主力業態に育ててまいります。
また、本格的な和食の「しゃぶしゃぶ・鍋 季節の和膳 竹〇屋」と、健康応援「ダイニング・ビュッフェ い〜とみ〜と」「ギンガムキッチン」の3業態を実験中でありますが、「フレンドリー」の活性化に繋がる新しいブラッシュアップモデルの開発にも取組んでまいります。
(3) 新規出店の強化
厳選された好立地に積極的に出店し、営業基盤を拡大することを基本戦略として引続き取組んでまいります。
(4) 商品開発力の強化
より一層の顧客満足を実現するため、新商品の開発や既存商品の見直しを積極的に行い、お値打ちで魅力ある商品の開発に取組んでまいります。また新しい食材と原価の低減を求めて国内・国外を問わず、仕入・調達活動を一層強化推進してまいります。
(5) 接客サービスの向上
店舗にわざわざ来ていただいたお客様に、気持ちよくお帰りいただくことが基本であり、そのためにお客様の立場・視点に立つこと、お客様の声に耳を傾けることが大切であります。その結果、お客様のご支持をいただけるという当たり前のことを実践してまいります。
(6) 人材の育成
成果に重点を置いた人事評価制度と目標管理制度の定着を図ると同時に、計画的・組織的にスペシャリストの育成に取組んでおります。また、ホスピタリティーの精神に溢れた、お客様満足を実現できる人材の育成に力を注いでまいります。
(7) 品質管理・環境問題への対応
品質保証センターを設置し、産地から食卓までトータルに安全・衛生を厳しくチェックできる体制を品質保証システムとして構築しております。具体的には、食材の納入段階における微生物検査・残留農薬検査・トレーサビリティーといった購買基準の構築、製造・物流段階におけるISO9001による品質保証体制、店舗段階における衛生管理・検査体制の確立と厳格な運用に取組んでおります。また、食品廃棄物等の発生の抑制、減量、再生利用や省エネ対策にも積極的に取組んでまいります。
4 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 法的規制について
当社は、レストラン事業を行っているため、食品衛生法による規制を受けています。
食品衛生法は、飲食に起因する衛生上の危害の発生防止及び公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的としており、飲食店を営業するに当たっては、食品衛生管理者を置き、厚生労働省令の定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければなりません。
当社では、店舗や工場における食材の管理・取扱い並びに設備機器、従業員等の衛生状態について十分留意し、定期的に厳格な衛生検査を実施しております。また、外注先に対しても同様に厳しい基準を要求しておりますが、食中毒事故を起こした場合、食品等の廃棄処分、一定期間の営業停止、営業の禁止、営業許可の取消を命じられることがあります。
また、環境の保護に関して、食品リサイクル法、容器包装リサイクル法等、各種環境保全に関する法令の制限を受けております。環境関連規制をはじめとするこれらの法的規制が強化された場合、法的規制に対応するための新たな費用が増加することにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 食材について
食材につきましては、ここ数年来、狂牛病や鳥インフルエンザ、食材の偽装、残留農薬等の諸問題が発生しました。このように食材についての安全性や信頼性が疑われる問題が生じますと、需給関係に変動が生じる事態も予想され、良質な食材を安定的に確保することが難しくなることが懸念されます。
当社におきましては、食材の品質保証システムを構築し、衛生管理と検査体制を確立しておりますが、このような事態が発生すれば、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 出店政策について
出店にあたっては、社内基準に基づき、出店候補地の商圏人口、交通量、競合店状況、賃借料等種々の条件を検討したうえで、選定を行っております。
ただし、当社の出店条件に合致した物件がなく、計画通りに出店ができない場合や、出店後に立地環境等に変化が生じた場合には、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
また、当社の都合により、賃貸借契約の期限前に不採算店を閉鎖することがあります。その場合、店舗の減損処理に加え、差入保証金・敷金の返還請求権を放棄することによる賃貸借解約損が生じることがあります。
なお、好採算店であっても、賃貸人の事情により閉店を余儀なくされる場合があり、賃貸人の財政状況によっては保証金・敷金の回収が困難となる可能性があります。
このような事態が発生すれば、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 店舗が近畿圏に集中していることについて
当社の店舗並びに工場は平成20年3月末において近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県、三重県)に100%(内大阪府下67%)集中しております。このため、地震予知連絡会の予測にある東南海・南海地震等広範囲な大災害が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人材の確保・育成について
当社は、営業基盤を拡大するため、毎年積極的に新規出店を行っております。そのため、人材の確保や育成にはとりわけ注力しておりますが、店長やエリアマネジャー等の育成には時間がかかり、人材が不足しがちであります。人材育成が出店ペースに追いつかない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 固定資産の減損について
当社は、平成18年3月から「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、当社の営業用資産について個別店の収益が著しく低下し、今後新たな固定資産の減損処理が必要となった場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5 【経営上の重要な契約等】
特記すべき事項はありません。
6 【研究開発活動】
特記すべき事項はありません。
7 【財政状態及び経営成績の分析】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 財政状態について
|
前事業年度
|
当事業年度
|
増減
|
|
資産
|
(百万円)
|
11,976
|
11,534
|
△441
|
負債
|
(百万円)
|
3,594
|
3,497
|
△96
|
純資産
|
(百万円)
|
8,381
|
8,037
|
△344
|
自己資本比率
|
|
70.00%
|
69.70%
|
△0.3P
|
1株当たり純資産額
|
(円)
|
572.93
|
549.49
|
△23.44
|
① 資産、負債及び純資産の状況
資産は、前事業年度末比441百万円減少して11,534百万円となりました。主な要因は、店舗建物の増加185百万円の他、未収入金の減少82百万円、器具備品の減少149百万円、投資有価証券の減少110百万円、差入保証金の減少100百万円等であります。
負債は、前事業年度末比96百万円減少して3,497百万円となりました。主な要因は、借入金の増加155百万円、長期未払金の増加87百万円の他、役員退職慰労引当金の減少153百万円、店舗閉鎖損失引当金の減少86百万円等であります。
純資産は、前事業年度末比344百万円減少して8,037百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の減少277百万円、その他有価証券評価差額金の減少65百万円等であります。
(2) 経営成績の分析と流動性および資金の源泉について
経営成績につきましては、「第2事業の状況」・「第5経理の状況」に、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2事業の状況 3対処すべき課題」・「第2事業の状況 4事業等のリスク」に、また、流動性および資金の源泉につきましては、「第2事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に詳しく記載しております。
①財務政策について
当社は、売上金のうちその殆んどが現金回収であるため手許流動性は厚く、基本的に運転資金の調達は不要であります。設備投資資金につきましては、内部資金および借入により調達しております。このうち借入による資金調達につきましては、期間5年程度の固定金利の長期借入が一般的であります。平成20年3月31日現在、長期借入金の残高は1,430百万円であります。またこれ以外に無担保社債(銀行保証付)の残高が600百万円あります。
資金需要に機動的に対応するため、総額14億円の当座借越枠を設定しておりますが、決算日現在利用残高はゼロでありました。
当社では、その健全な財務状態、営業キャッシュ・フローを生み出す能力および未使用の当座借越枠により、今後成長を維持するために必要な資金を調達することが可能と考えております。
②今後の方針について
当社は、好立地に積極的な店舗展開を行うことが、すなわち、企業の存立基盤を確固たるものにし、来店客数・売上高の増加と利益の確保・最大化に繋がるものと考えております。
当社を取り巻く経営環境は同業他社や中食業界との競合激化でさらに厳しさを増すことが予想されますが、新業態の開発や郊外型店舗のブラッシュアップはもとより、「和み料理と味わいの酒 土筆んぼう」・「産直鮮魚と寿司・炉端 源ぺい」業態の都市部・駅前立地での店舗展開を強化し、売上高の伸長をめざしながら、資本効率の向上・収益構造の改善を進めてまいります。