有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、日銀によるマイナス金利政策や量的・質的緩和策等の金融政策などを背景に緩やかな回復基調がみられたものの、米国新政権の経済政策が見通せないこと、欧州の政治的不安定化によるユーロ加盟国の経済問題など、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移しました。

 当社を取り巻く環境におきましては、消費者の節約志向は依然として変わらず、パターンメイドスーツにおける企業間競争が激化し、厳しい経営環境が続きました。

このような環境のもと当社グループは「安定した利益とキャッシュ・フロー」を出せる経営基盤の確立の方針のもと、収益力向上に努めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の業績はオーダーメイド業界における競争激化により小売業態の売上高が微増となり、売上高52億9百万円(前期比1.4%増)となりました。

 オーダーメイドスーツ売上高は数量が減少し受託縫製事業において生産ラインの安定した稼働が出来なかったものの、より良いものを求めるお客様に対し、品質に拘り、テーラー銀座山形屋のプロとして一着一着を大切に販売することを“ぶれることなく”継続しつづけてきたことにより、結果として、1着当たりの販売単価が1,250円ほどアップしたことにより増加いたしました。販売費及び一般管理費は3店舗の出店、1店舗の改装による費用・新卒採用の増加等により増加いたしましたが、経常利益は2億9千1百万円(前期比0.3%増)となりました。また、税効果会計に伴う法人税等調整額2千8百万円計上等により、当期純利益は2億7百万円(前期比35.1%減)となりました。

なお、店舗の状況につきましては、銀座山形屋オーダー館1店舗、ブレフ2店舗を出店し、当連結会計年度末における店舗網は、㈱ウィングロード24店舗、日本ソーイング㈱11店舗であり、グループ合計で35店舗になっております。

 セグメント別では、小売事業が売上高22億7千6百万円(前期比0.5%増)、営業利益1億1千9百万円(前期比19.5%減)、卸売事業が売上高18億3千3百万円(前期比1.3%増)、営業利益1億1千7百万円(前期比14.7%増)、受託縫製事業が売上高30億5千1百万円(前期比1.6%増)、営業利益2千8百万円(前期比35.4%減)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度末における現金及び現金同等物は13億5千2百万円であり、前連結会計年度末に比べ1億5千8百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フロ−は3億円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益2億9千万円や減価償却費7千9百万円を計上した一方で、法人税等の支払7千万円があったこと等によるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは4千9百万円の支出となりました。差入保証金及び敷金の返還による収入5千1百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出9千4百万円及び差入保証金及び敷金の預入による支出6百万円があったこと等によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは9千2百万円の支出となりました。これは配当金の支払額8千5百万円及びリース債務の返済による支出7百万円があったこと等によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

 前年同期比(%)

小売事業(千円)

卸売事業(千円)

受託縫製事業(千円)

2,012,906

104.7

   報告セグメント計(千円)

2,012,906

104.7

その他(千円)

    合計(千円)

2,012,906

104.7

 (注)1 金額は販売価格によっております。

   2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

 

前年同期比

(%)

受注残高(千円)

 

前年同期比

(%)

小売事業(千円)

1,805,990

101.5

106,007

92.2

卸売事業(千円)

1,772,773

101.8

96,746

98.8

受託縫製事業(千円)

1,036,952

104.4

58,153

111.0

  報告セグメント計(千円)

4,615,715

102.2

260,906

98.4

その他(千円)

    合計(千円)

4,615,715

102.2

260,906

98.4

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

      当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

小売事業(千円)

2,276,926

100.5

卸売事業(千円)

1,833,296

101.3

受託縫製事業(千円)

1,088,722

103.6

   報告セグメント計(千円)

5,198,946

101.4

その他(千円)

10,324

99.4

     合計(千円)

5,209,271

101.4

 (注)1 主要な販売先につきましては、いずれの販売先も総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載は
     省略しております。

    2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 「私たちグループ企業は、お客様から見た商品やサービスの価値を最大化する努力をすることにより、お客様に対し、ファッションを通じ、いきいきとした生活、楽しい生活、充実した生活を提案し続けることにより、お客様より支持され続ける企業を目指します。」という企業理念に基づき、企業活動を実行し、結果として「事業規模の大小にかかわらず、それぞれが目指す分野において、“オンリーワン”としてお客様にその存在価値を認められる、質的に高い一流企業」を目指し、事業を遂行してまいります。

(2)経営戦略等

 第一として、銀座山形屋の服づくりのこだわり「メイド・イン・ジャパン」、「着心地と品質」を柱に、「世界一のオーダーメイド企業」をつくる。

 第二として「お客様から見た商品やサービスの価値を最大化する努力をすることにより、ファッションを通じ、いきいきとした生活、楽しい生活、充実した生活を提案し続ける」という経営理念に基づき行動する。

 第三として「従業員全員がオーダーメイドのプロ」として、服づくり・採寸接客の技術を“ぶれることなく”継続して磨きつづけることによりグループ企業一体となり下記の施策を実行いたしました。

①販売員一人ひとりがレベルアップし「満足されたお客様は2度目もご愛用いただける100%のリピートオーダーを目指す」を目標に再客(リピーター)を満足度のものさしとし、品質・品揃え・価格・接客・知識すべての分野において接客レベルを上げ、本物のプロとしてのテーラー集団をつくりあげてまいりました。

②ブランドにおいては、更なる魅力的なブランドを認知していただくために、「銀座山形屋ブランド」は、銀座発信の良質な大人の装いをテーマに、安心と信頼の品質でお客様に満足感を提案してまいりました。創業100年スーツとして銀座山形屋のハウスモデルを開発し、素材においてもメーカーとの共同開発により独自性を提案してまいりました。「サルトリアプロメッサブランド」は、イタリアンテイストにこだわり「あなたを包む価値ある一着」のコンセプトを提案させていただきました。「ミスターナブランド」は、新たにジャケットとボトムの開発を行い、テーラーメイドスーツを基本に、よりエレガンスなラインとビジネスファッションスタイルの融合を提案させていただきました。また、トレンドなスタイリングにもチャレンジいたしました。

   この3基幹ブランドの複合店「オーダー館」を今年2月平塚市のOSC湘南シティに出店し「お客様の満足度」を高める独自性のある展開を進めてまいりました。

③「ブレフブランド」は、オーダースーツの入門編として28歳をメインターゲットに自分だけの一着をつくる楽しさを体感してもらうため「伝統と若者のミックス」をテーマに取り組んでまいりました。また、昨年9月渋谷109メンズ館に6号店を出店し、今年3月西新宿ぺぺに7号店を出店いたしました。

   インターネットによるオーダースーツブランド「スーツファクトリーdpi」は、楽天・ヤフーのショッピングモールを中心に、さまざまなネット販売方法・ホームページ・ターゲット層等を解析し、オーダースーツとして更に販売強化してまいりました。

④製造部門におきましては、プロ人材教育の対象者を拡大し、より実践的にグレードアップさせていきました。また、「メイド・イン・ジャパン」へのこだわりのもと昨年12月福岡工場を増築しセミハンド縫製(VRCO級クラス)の強化をはかり、設備投資と人材投資を軸に、お客様にご満足のいただける品質を作り上げてまいりました。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は「安定した利益とキャッシュ・フローを出せる経営基盤の確立」の方針のもと、継続的に企業価値の向上を図ることが株主重視の経営と認識し、成長性の確保を図りながら、売上高経常利益率の向上と総資産回転率の向上を目指しております。

(4)経営環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、日銀によるマイナス金利政策や量的・質的緩和策等の金融政策などを背景に緩やかな回復基調がみられたものの、米国新政権の経済政策が見通せないこと、欧州の政治的不安定化によるユーロ加盟国の経済問題など、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移しました。

 当社を取り巻く環境におきましては、消費者の節約志向は依然として変わらず、パターンメイドスーツにおける企業間競争が激化し、厳しい経営環境が続きました。

  このような環境のもと当社グループは「安定した利益とキャッシュ・フロー」を出せる経営基盤の確立の方針のもと、収益力向上に努めてまいりました。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 今後の見通しにつきましては、景気の緩やかな回復が期待されるものの、個人消費につきましては不透明であることに加え、企業間競争も一段と厳しさを増すものと予想されます。

このような状況のもと当社グループは、営業利益及び営業キャッシュ・フローの継続的黒字化の基盤を構築するため既存事業の接客・品質を向上させながら販売・生産の拡大・強化を図ってまいります。

その結果、基本的な対処すべき課題は以下のとおりであります。

①テーラー銀座山形屋の原点に戻り「満足されたお客様は2度目もご愛用いただける100%のリピートオーダーを目指す」を目標に再客(リピーター)を満足度のものさしとし、品質・品揃え・価格・接客・知識すべての分野における接客レベルを向上し、本物のプロとしてのテーラー集団をつくりあげてまいります。

②ブランド事業においては更なる強化をはかり、「今のお客様、今の一着を大切に」、「また銀座山形屋で買いたい」と言って頂けるために「リピート率100%を目指す」を合言葉に「銀座山形屋ブランド」は、銀座発信の良質な大人の装いをテーマに、安心と信頼でお客様に満足感を提案してまいります。昨年デビューしたサヴィルロードレープモデルのデザインを増やし更なるバージョンアップをはかってまいります。

  また、テキスタイル(服地)におきましても、仕入先様との共同開発によるオリジナル素材を増やし、よりオリジナリティの強い商品を展開してまいります。

  「サルトリアプロメッサブランド」は、イタリアンテイストを更に強化し、ファッションを極めたお客様にオーダー市場での価値観と高感度の両立を体感していただける様、努めてまいります。

  また、この春にデビューしたローマンルックモデルも順調に推移しております。

  「ミスターナブランド」は新たなカラーレスジャケットとオーダーブラウスの展開をはかりバリエーションのアップをはかってまいります。

  また、パターンナーの育成にも力を入れて、よりファッション性の追求をはかってまいります。

③「ブレフブランド」はオーダースーツ入門編と言う事とで若年層に大変指示されるブランドと成ってまいりました。店舗数もこの春で7店舗となり、今後も更に出店を目指してまいります。

  更に顧客層の年代を思考してインターネットでの販売にも着手してまいります。

④製造部門におきましては品質の安定と人材育成を柱に取り組んでまいります。生産性を高めるべく工程内不良「ゼロ」を目指し、「ムダ・ムリ・ムラ」のない製造工程管理と品質の向上にむけてオペレーター 一人ひとりのスキルアップのために、服作りの業務に精通した次の人材を育てる教育を重点的に実施してまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

    有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び
   財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
    なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 ① 経営成績の季節的変動
  当社グループの主な製造・販売品目はスーツを中心とした重衣料でありますが、商品の持つ季節的特性と
 して、単価、数量いずれにおいても下半期に集中していることから、売上高、営業損益が下半期に偏る傾向
 があります。
 ② 出店条件
  新規出店する際の物件の選定にあたっては、店舗の採算性を最も重視しており、保証金、賃借料、商圏内
 人口等について事前に調査を実施し、損益シミュレーション、投資回収期間予測を行い、一定条件を満たす
 物件を対象としております。
  このため、出店条件を満たす物件を確保できない場合は、想定している売上高の成長性に影響を及ぼす可
 能性があります。
 ③ 製造コストの海外生産品との比較
   当社グループの注文服は国内製造子会社において製造しておりますが、同業他社においてはコスト優位の面に

  着目して、海外での生産による加工代の極めて安い製品の取扱を一部で展開し始めております。
    現在は納期、運搬コスト、品質等の問題もあり、その生産の急激なシフトは起こっておりません。
    しかし、将来海外での生産による製品の調達が常態化すれば、当社製造子会社への影響は大きく、結果として

   当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。
 ④ 製造部門における労働力の確保
   当社グループの製造拠点は、北海道(芦別市)・岩手県(二戸郡一戸町)・福岡県(飯塚市)の三拠点であり

  ます。地域特性はあるものの、製造部門の労働力の確保は大変厳しい環境にあります。製造部門の労働力は、生

  産ラインの安定稼動及び品質改善にむけた取り組みを実現させる為に高い縫製スキルをもつ社員を育成させる事

  が重要な要素となってまいります。オーダー事業の成長性を実現させる上でも製造部門の労働力が確保できない

  場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積もり

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり、貸倒引当金の計上、固定資産の評価、繰延税金資産の回収可能性など、資産・負債及び収益・費用の計上金額に重要な影響を与える見積もりを行っておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるためそれらの見積もりと相違する場合があります。

 なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

(2)経営成績の分析

詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

(3)財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して2億4千5百万円増加し、50億6千9百万円となりました。

 資産の部では、流動資産が前連結会計年度末と比較して1億7千3百万円増加しました。売上が比較的順調に推移したことにより現金及び預金が1億5千8百万円増加があった事等によるものであります。

 固定資産は前連結会計年度末と比較して7千1百万円増加しました。主な要因は有形固定資産の増加9千6百万円があった一方で敷金保証金の返還等による減少4千1百万円があった事等によるものであります。

 負債の部では、負債合計が前連結会計年度末と比較して8千2百万円増加し18億3千4百万円となりました。これは、主に有形固定資産取得により未払金が5千6百万円増加したこと等によるものであります。

 純資産の部においては、主に親会社株主に帰属する当期純利益2億7百万円の計上をした一方で、剰余金の配当8千6百万円を行った結果、当連結会計年度末の株主資本は、前連結会計年度と比較して1億2千1百万円の増加となりました。

 また、その他有価証券評価差額金は4千1百万円の増加でありました。

(4)キャッシュ・フローの状

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 





出典: 株式会社銀座山形屋、2017-03-31 期 有価証券報告書