有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

1.当期の経営成績

当事業年度におけるわが国経済は、サブプライムローン問題に端を発した米国金融不安の影響が拡大し、原油価格や原材料価格の高騰による景気の減速感が次第に増していく状況でのスタートとなり、昨秋以降は、米国金融機関の破綻をきっかけとした世界的な景気後退によって、企業収益の減少、設備投資の減退、雇用への先行き不安、個人消費の落ち込みなど、国内景気も急速に悪化いたしました。

当社の主力とする石油業界におきましては、ドバイ原油が7月に1バーレル当たり140ドル台と史上最高値を更新しましたが、急激な景気悪化などからその後は反落基調をたどり、3月末には1バーレル当たり47.3ドルまで下落するという、まさしく激動の一年となりました。国内の石油製品需要は、省燃費車の普及や省エネ意識の高まりなどを背景とするなかで、上期の原油高による買い控えと秋以降の景気後退の影響により減少し続け、大変厳しい事業環境となりました。

このような状況のなか、石油事業におきましてのサービスステーションでは、直近の店舗状況および収益構造を再点検し、不採算店舗を5店閉鎖するとともに、収益性の高い店舗へ経営資源の集中を行い、利益体質の改善および顧客満足の向上に努めました。また、高い品質で維持された「サービス」の提供を行うための仕組み作りとして位置づけた「社内ライセンス制度」は、順調に成果を上げ進捗中であります。卸・直販では、自社油槽所のフル活用に努め、小口直販先の開拓や燃料販社への拡販を図りますとともに、石油外商品の拡充を図ってまいりました。

その他の事業のサイクルショップ「コギー」におきましては、拡大する市場に対応するために新たに2店舗を開店し(平成20年7月)、事業の拡充を図ってまいりました。

これらの結果、当期の業績につきましては、売上高は67億円(前期比 55.7%減)、経常損失は2億83百万円(前期、経常損失5億46百万円)、当期純損失は3億47百万円(前期、当期純損失9億90百万円)となりました。

事業別の結果は、次のとおりであります。

(石油事業)「サービスステーション」では、景気の大幅な後退による影響に加え、省エネ意識の高まりを背景に消費者の節約志向がさらに強まるなか、当社サービスステーションの強みである「フルサービス=人」の根幹となるスタッフ教育の強化に努めてまいりました。具体策として導入した「社内ライセンス制度」は順調に進捗中で、特に「洗車」「車検」といった燃料油以外の商品およびサービスの底上げに寄与しております。ガソリンの想定販売単価の大幅な下落に加え、不採算店舗5店の閉鎖による影響で売上高は減少したものの、営業利益の下げ止まりは顕著になり、既述の燃料油以外の商品については回復傾向を見せました。

卸・直販では、想定販売単価の大幅な下落を主因に、販売先のサービスステーションの廃業や景気悪化による産業用燃料の需要量減少などの要因も加わり、大変厳しい環境のもと、販売数量は計画を下回りました。休眠顧客の掘り起こし(再アプローチ)および新規お取引先様の開拓は、ほぼ計画通り進みましたが、既存販売先の大幅な落ち込みをカバーするには至らず、売上総利益は計画未達に終わりました。

これらの結果、石油事業の売上高につきましては、62億20百万円(前期比16.5%減)となりました。

(その他の事業)サイクルショップ「コギー」では、より以上に大型店や競合専門店との差別化を図るべく、スタッフ一人ひとりの接客力や技術力のほか、専門知識の向上を追求してまいりました。環境問題や健康志向が高まるなか、団塊世代をメインターゲットに、懐かしさやヨーロピアンテイストを加えた本物志向の品揃えに変更し、「お好みの色や仕様へカスタマイズしませんか?」という提案力の向上を追求し、販売力の強化に取り組んでまいりました。また、更なる満足度向上のために「自転車メンテナンス講習会」や「体験試乗キャンペーン」などを開催し、これから始めようとする方、ご購入いただいた後の自転車の遊び方、乗り方、楽しみ方などのご提供にも取り組んでまいりました。

不動産事業を含めましたその他の事業の売上高につきましては4億80百万円(前期比4.7%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ11億3百万円減少し、当事業年度末には33百万円となりました。

なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金につきましては、売上債権の減少額2億94百万円と税引前当期純損失3億96百万円を計上したことにより、4億22百万円(前事業年度は、7億35百万円の支出)の支出となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により得られた資金につきましては、有形固定資産の売却による収入などがあり、4億77百万円(前事業年度は、19億90百万円の収入)の収入となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金につきましては、借入金の返済を進めたことにより、11億58百万円(前事業年度は、3億69百万円の支出)の支出となりました。

 

2 【商品仕入及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社は、石油製品の卸売及び小売販売を主な業務としており、生産設備を保有しておりません。

従って生産実績の記載はしておりません。

 

(2) 商品仕入実績

 

事業部門
当事業年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
構成比(%)
石油事業
5,145,571
△16.3
95.2
その他の事業
259,743
78.7
4.8
5,405,315
△50.9
100.0

(注) 1 前年同期比の算定に当たり、前事業年度ホームセンター事業の商品仕入実績4,712,387千円を、含めております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

 

事業部門
当事業年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
構成比(%)
石油事業
6,220,814
△16.5
92.8
その他の事業
480,036
△4.7
7.2
6,700,850
△55.7
100.0

(注) 1 前年同期比の算定に当たり、前事業年度ホームセンター事業の販売実績7,170,756千円を、含めております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

厳しい経済環境・事業環境のなか、中期経営計画に加えて、平成22年3月期は営業黒字を達成すべく再建計画を立案し、以下の施策に取り組みます。

<石油事業>

サービスステーションでは、煩雑な実績データをスリム化させPOSデータの高効率な活用による日々の実績管理の強化を行うとともに、これまで本部一元管理・一元指導の体制から、本部マネージャー(東京3名、仙台1名)担当制へ移行させ、タイムリーな実績管理と指導を施し、各担当店舗での実績進捗と問題点を強く意識させることにより期中はもとより月中での販売施策などの変更・是正を図ります。

また、様々な商材への派生効果が高い「車検」を燃料油以外の収益の柱として定め、車検を通したアプローチの質の向上、新車販売数の減少により1台の車の使用年数増加を受けアフターフォローの強化、とりわけ精度の高い顧客データの蓄積と活用を行います。さらにお客様の定着率と販売単価UPのためにメーカー提携カードの積極的な推奨を行います。

卸・直販では、今後ますます加速するエネルギー転換や買い控え、環境への配慮による節約などから需要の減少が進むなか、石油の市場動向を見極め販売に取り組んでまいります。また国内外ともに石油製品の需給のタイト化が予想されるなか、貴重な資源であり依然としてエネルギー源の主力である石油製品を、今後ともお取引先様に安定してお届けする努力をしてまいります。さらに、取扱商品を石油商品に限定せず、既存のゴムネットやポリ袋の販売促進に加えて、新規商材の拡大にも取り組んでまいります。

<その他の事業>

サイクルショップ「コギー」では、環境問題や健康への関心が高まるなか、オリジナル商品の開発に注力し、収益力の向上を目指してまいります。

新規事業開発室におきましては、現在の厳しい環境を新しいビジネスチャンスと捉え、収益が得られる当社の新しい柱作りにチャレンジしてまいります。

さらに引き続き、大幅な財務リストラの一環として保有資産の売却処分による有利子負債の圧縮を行い、償還できるのに十分な収益体質への早期転換を図りますとともに、営業力の強化により不況に強い体質を作り、全社一丸となって利益の出せる企業を目指してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

①原油価格の変動によるリスク

当社の石油製品の仕入価格は、原油価格の高騰などによる市況価格変動の影響を直接的に受ける構造となっておりますので、販売価格の決定に関しましては調達コストを考慮しながら行っております。しかしながら他社との競合上その対応次第では、業績に影響を与える可能性があります。

 

②気象条件の変動のよるリスク

当社の石油事業の売上計画は、季節変動を考慮しております。しかしながら予想以上の暖冬などの気候変動があった場合、灯油・A重油など暖房油種関連の需要変動により、業績に影響を与える可能性があります。

 

③土壌汚染など環境汚染によるリスク

当社の石油事業の店舗(SS)および油槽所では、危険物である石油製品を取り扱っておりますので、保安の確保、危害予防には万全を期しております。また石油製品の流出による土壌汚染・河川の水質汚染の恐れに対しては、日次の貯蔵タンクや配管の漏洩チェックを実施して万全の管理体制を取っております。さらに賠償責任保険に加入し、流出事故などへの保障体制を取っております。しかしながら、その賠償額が予想をはるかに越えた場合に相応のコストが発生し、業績に影響を与える可能性があります。

 

④個人情報等の漏洩に関するリスク

当社は、店舗における顧客情報を始めとして種々の個人情報を保有しており、その管理に関して
「個人情報管理規程」を策定し、スタッフ教育を通して周知徹底を図っております。しかしながら個人情報が漏洩した場合、業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤システム障害によるリスク

当社の情報システムが、地震・火災などの自然災害や機械の故障などの原因により、長期にわたる使用不能または大規模のデータ破壊などを引き起こした場合には、業務遂行に影響を与える可能性があります。

 

⑥金利変動によるリスク

当社は有利子負債の圧縮を促進しておりますが、今後の借入金の金利変動により金利が上昇した場合、業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦継続企業の前提に関する重要事象等

当社は、平成16年度830,127千円、平成17年度833,402千円、平成19年度990,475千円の当期純損失を計上し、また当事業年度においても347,803千円の当期純損失を計上しております。また営業キャッシュ・フローは平成19年度735,396千円、当事業年度422,757千円のマイナスとなっております。当該状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(当社と新日本石油株式会社との特約店契約)

当社は新日本石油株式会社との間に石油製品の販売等に関して特約店契約を締結しております。なお、本契約は、双方いずれか一方が解約の申し入れをしない限り継続いたします。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 財政状態の分析

当期の総資産は、前事業年度末(以下「前期末」という)に比べて、19億10百万円(32.0%)減少し、40億62百万円となりました。

流動資産は、前期末に比べ14億8百万円(66.2%)減少し、7億18百万円、固定資産は前期末に比べ5億1百万円(13.1%)減少し、33億43百万円となりました。

流動資産についての主な要因は、店舗閉鎖による売掛金、現預金の減少によるものであります。固定資産についての主な要因は、所有不動産や投資有価証券の売却などによるものであります。

また負債は、前期末に比べ15億70百万円(35.1%)減少し、29億6百万円となりました。

流動負債は、前期末に比べ11億36百万円(39.2%)減少し、17億62百万円、固定負債は、前期末に比べ4億33百万円(27.5%)減少し、11億43百万円となりました。

流動負債減少の主な要因は、買掛金、短期借入金および1年内返済予定の長期借入金、未払金が減少したことによるものであります。

なお、有利子負債は、前期末に比べ11億83百万円(41.7%)減少し、16億56百万円となりました。

その増減の内訳としては、短期借入金は9億33百万円(42.4%)の減少、長期借入金は2億25百万円(53.6%)の減少となり財務面での改善を進めております。

純資産につきましては、前期末に比べ3億40百万円(22.7%)減少し、11億56百万円となりました。

 

(2) 経営成績の分析

① 売上高

売上高は、前事業年度(以下「前期」という)に比べ、84億23百万円(55.7%)減少し、67億00百万円となりました。

石油事業は、卸、直販部門の販売数量が減少したことにより、前期に比べ12億28百万円(16.5%)減少し、62億20百万円となりました。

その他の事業は、前期に比べ23百万円(4.7%)減少し、4億80百万円となりました。

 

② 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、前期に比べ64億55百万円(53.5%)減少の56億10百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、不動産賃借料の減少や人件費の削減により、前期に比べ22億39百万円(62.8%)減少し13億26百万円となりました。

 

③ 営業損失

営業損失は、販売費及び一般管理費を削減しましたが、売上高の減少及び売上総利益の減少に伴う影響があり、2億35百万円となりました。

 

④ 経常損失

営業外損益の受取利息から支払利息を差し引いた純額は、52百万円の費用計上で前期に比べ24百万円減少しましたが、経常損失は、営業損失の影響により2億83百円となりました。

 

⑤ 特別損益

特別利益から特別損失を差し引いた純額は、1億13百万円の損失計上になりました。主な要因は、減損損失、固定資産売却損を計上したことによるものです。

 

⑥ 当期純損失

当期純損失は、3億47百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

「1〔業績等の概要〕、(2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(4) 継続企業の前提に関する重要事象等を解消又は改善するための対応策

当社は、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
 このような状況を解消しまたは改善すべく、平成20年3月期を始期とする中期経営計画を遂行することにより収益の改善を図っておりますが、当事業年度は暫定税率問題、原油価格の乱高下、新価格体系の導入に伴う市況の混乱などに加えて、石油製品価格の上昇や環境問題などの影響によりクルマ離れと節約志向が強まり、経済環境・事業環境ともに厳しさを増すなかで、当事業年度においても業績回復に遅れが生じております。このような環境下、中期経営計画の戦略方針を引き続き遂行するとともに、追加の改善策として再建計画を立案し、お取引先様のご支援のもと遂行中であります。主力部門である石油事業においては、一層のフルサービスの充実化による油外収益の確保を図ると同時に、店舗の統廃合を実施し確実に利益の出る体質にすることと、その他の事業においてもスタッフの接客力・技術力を追求すると同時に、徹底的に無駄を省いた筋肉質の体質へ改善することに取り組んでおります。さらに本社管理部門においても大幅な経費削減に取り組んでおります。
 また、取引金融機関と緊密な関係を維持しており、借入金返済条件の変更に関する合意に基づき、資金計画を見直し、所有資産の売却による有利子負債の圧縮を進めるなど、引き続きご支持いただきながら再建計画を遂行しております。さらに今後の収益体制を確立するために、月次ベースで速やかに正確な損益を把握し、タイムリーに且つ厳格な予算実績管理を行う体制が必須であり、引き続き改善してまいります。

 





出典: ダイヤ通商株式会社、2009-03-31 期 有価証券報告書