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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績全般の状況

当期における九州経済は、昨年4月に発生した「平成28年熊本地震(以下「震災」という)」により、被災地域を中心に生活基盤や企業活動に多大な影響を受けましたが、各種観光支援策の効果による観光面での回復、被災企業における操業再開や復興需要などにより、企業の生産活動や雇用、所得環境は回復しつつあります。一方で、九州全域における個人消費につきましては、節約志向の高まりや生鮮食料品の相場高なども影響し、衣料品、高額商品を中心に伸び悩みました。

このような状況の下、当社は「九州でNo.1の信頼される企業」の実現を加速させるべく、活性化や販促施策の変更等により、地域ごとのお客さまのニーズに合わせた品揃えや売場展開、ショッピングセンター(SC)づくりに努め、既存店の収益力向上に注力してまいりました。また、小売業の使命である「地域のライフライン」として、震災により被害のあった地域へのさまざまな物資の提供や募金活動、被災地への移動販売の実施や仮設住宅団地への出店など、復興に向けたさまざまな支援活動を行ってまいりました。

 

当期における経営成績につきましては、売上高とその他営業収入を加えた営業収益は、2,364億10百万円(前期比98.4%)となりました。

売上高につきましては、天候不順や閉店等の影響により前期比97.9%となりましたが、食料品において、お客さまのニーズに合わせて惣菜を強化したことにより、利益率の高い商材の売上構成比が高まったことや、衣料品、住居余暇商品において在庫の適正化に取り組んだこと等により、売上総利益率は、前期から0.7ポイント改善し、売上総利益高は前期比100.5%となりました。

販売費及び一般管理費においては、WAONPOINTカードの導入やブラックフライデーセールスなど新たな販促施策に取り組む一方で、コストの低減および効率的な店舗運営に努めた結果、既存比99.2%となりました。

その結果、営業利益は、前期より9億65百万円改善し、7億79百万円(前期は1億86百万円の損失)、経常利益は、前期より9億77百万円改善し、9億47百万円(前期は29百万円の損失)、当期純利益は、前期より24億55百万円改善し、4億8百万円(前期は20億47百万円の損失)となりました。

 

 <セグメント別の状況>

[総合小売事業]

・総合スーパー(GMS)イオンでは、地域、店舗特性に合わせた品揃えの実現に向けて、SC全体の活性化や食料品売場を中心にした活性化を行うとともに、当社が店舗運営業務を受託しているイオンストア九州株式会社との間で、お互いの強みを積極的に取り入れることで売場改善の取り組みを進めてまいりました。

・新規出店としては、イオン姶良店(鹿児島県姶良市)をイオンタウン姶良の核店舗として3月にオープンいたしました。地域の幅広いお客さまのニーズに対応できるように、メンズ服飾ブランドコーナー「MARCHE blanc」を展開、3階キッズ&ホビーのフロアでは、子育てファミリーに向けた商品を集め、品揃えを充実いたしました。また、住居余暇商品売場では、自然派志向のライフスタイルを応援するコスメやフードをご提案するナチュラル&オーガニックコスメコーナーを展開いたしました。食料品売場では、地元で親しまれている味付けで調理した和惣菜・魚惣菜の品揃えを行ったデリカコーナー等、各売場で「個食・少量」「簡便・即食」商品や「こだわり」商品を積極的に導入いたしました。

・既存店については、地域のお客さまに新たな価値をご提供するための活性化に取り組みました。イオンモール香椎浜(福岡市東区)では、地元百貨店が手掛ける小型セレクトショップや幅広い世代から支持を集める専門店を導入するなど、さらなる「快適な場所」「快適な品揃え」「快適なサービス」を提供する新しいSCとしてリニューアルし、お客さまからの支持をいただいております。また、震災の影響を受けたイオン熊本店(熊本県上益城郡嘉島町)については、7月の2階衣料品売場に続き、10月には1階食料品、住居余暇商品売場のリニューアルを行いました。食料品売場では、店内で生地から伸ばし、専用の高温窯で焼き上げた本格ナポリピザや惣菜専門店による量り売りの導入など、より専門性の高い売場を導入いたしました。

・イオンストア九州とのシナジー効果を発揮する取り組みとして、イオンストア九州の店舗であるイオン笹丘店(福岡市中央区)を、9月に「イオンスタイル笹丘」としてリニューアルいたしました。食料品売場では、鮮魚売場においてライブ感あるサークル型売場を導入するなどお客さまとの対話を重視した売場づくりを行いました。また、衣料品売場では、商圏特性に合わせて専門性の高い服飾雑貨売場を導入したほか、お客さま視点でSCの回遊性を高めることを目的に直営売場と専門店の配置を見直しました。住居余暇商品売場では、「こだわり」商品やライフスタイル提案型の売場を導入し、ダイニング、寝具、ヘルス&ビューティー売場を刷新いたしました。活性化後、ご来店いただいたお客さまより「新しい店に生まれ変わった」との声をいただいており、笹丘店での導入事例を当社店舗にも水平展開しております。

・商品面では、地域や店舗特性に合わせて商品構成の見直しを図るとともに、専門性の高い「ユニット」売場の導入をすすめました。また、変化するお客さまのニーズに対応するべく、品揃えを強化している惣菜や冷凍食品、医薬品や化粧品などの売上は前期より伸長いたしました。また、衣料品、住居余暇商品を中心に取り組んでいる在庫の適正化などの取り組みにより荒利益率は0.6ポイント改善いたしました。

・販促面では、昨年6月からスタートした「WAONPOINT」カードについて、当社にこれまで無かった現金ポイントカードとして会員獲得をすすめており、新たな顧客づくりに努めました。また、11月に「ブラックフライデー」セールス、2月のプレミアムフライデーにあわせて「ビッグフライデー」セールスを実施したほか、お客さまに商品情報をよりわかりやすく伝えることで来店促進につなげる取り組みの一環として、9月より拡張現実(AR)アプリケーションを導入し、チラシ紙面だけでは伝えきれない商品特性を動画で説明できるようにする等、新たな取り組みを実施いたしました。

・当期末の総合小売事業の店舗数は、GMS1店舗の開店を含め、合計52店舗となりました。

・以上の結果、売上高は、1,943億20百万円(前期比97.8%)、セグメント利益は、34億53百万円(前期比109.2%)となりました。

 

[ホームセンター(HC)事業]

・HC事業では、設立から40周年を迎えるにあたり、『ありがとう〜今までも、これからも〜』をコンセプトに、お客さまへ感謝の気持ちを込めて、「創業40周年記念商品」を季節ごとに選定し、販売いたしました。

・店舗面においては、お客さまのご要望に応えて営業時間の見直しをすすめており、当期においては新たに3店舗で早朝7時開店をスタートし、計12店舗となりました。また、お客さまの幅広いニーズに対応できるよう、8店舗の活性化を実施してまいりました。特に震災の影響を受けた阿蘇店におきましては、地域の産業に対応すべく、建築資材・作業衣料・工具などのDIY商品や園芸用品・農業資材の品揃え拡大を実施いたしました。

・商品面では、地域で使用されている商品の品揃えを充実させるとともに、園芸用品では昨年以上に希少品種や契約生産者が栽培した苗の取り扱いを増やし、高鮮度な商品を展開してまいりました。その結果、園芸用品やDIY商品の売上は前期より伸長し、荒利益率は0.7ポイント改善いたしました。

・販促面では、建築資材市・リフォームフェア・農業資材市・ガーデンフェスティバル・ペットフェアの販促チラシで専門的な商品の訴求を実施いたしました。

・地域に根ざしたホームセンターを目指し、お客さまのより良い暮らしをサポートするため、DIYやガーデニングに関して適切なアドバイスが行える専門スタッフの育成に努め、期末時点における公的資格取得者数は、DIYアドバイザー124名、グリーンアドバイザー39名となりました。また、初めてのお客さまでも簡単に行えるDIYや寄せ植え教室など、専門スタッフを講師にした様々な教室・実演販売を各店舗で実施いたしました。

・当期末のHC事業の店舗数は、2店舗を閉店し、36店舗となりました。

・以上の結果、売上高は、198億9百万円(前期比96.6%)、セグメント利益は1億62百万円(前期比2,459.7%)となりました。

 

[その他の事業]

・ワイドマートドラッグ&フード(D&F)では、店舗立地や地域特性を踏まえ、小容量・個食対応商品や簡便商材の品揃えを拡充するなど、さらなるお客さまの利便性向上に努めました。また、時間帯別作業の見直しを行い店舗オペレーションの効率改善をすすめたことにより、営業総利益は前期比108.7%、経費は前期比95.8%となりセグメント利益改善に貢献いたしました。

・イオンバイクでは、地域特性に合わせた品揃えを行うなかで、スポーツ自転車など専門性の高い商品の品揃えを拡大するとともに、従業員の自転車安全整備士などの資格取得を推進し、販売力の向上に努めました。また、GMS店舗のサイクル売場を自転車専門店イオンバイクに転換し、品揃えの拡大や接客サービス向上を図りました。8月にはイオン下大利店(福岡県大野城市)内にイオンバイク下大利店を出店、10月にはイオン熊本店内にイオンバイク熊本店を出店し、専門店の品揃えとサービスレベル向上により、売上高は転換前より30%以上伸長いたしました。

・当期末のその他事業の店舗数は、イオンバイク2店舗出店および3店舗閉店を含めD&F10店舗、イオンバイク15店舗、合計25店舗となりました。

・以上の結果、売上高は、40億38百万円(前期比98.0%)、セグメント損失は3億66百万円(前期は4億68百万円の損失)となりました。

 

 <ダイバーシティ経営推進の取り組み>

・平成28年3月の機構改革において、ダイバーシティ推進室を新設いたしました。

・当期におきましては、厚生労働大臣が「子育てサポート企業」として認定する「くるみん」の取得、さらに九州で初めて女性活躍推進法に基づき定められた基準(「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」)を満たし、実績が優秀な企業に交付される「えるぼし」マークの最高ランクを取得いたしました。また、「パートタイム労働者活躍推進企業表彰」において、「奨励賞(雇用均等・児童家庭局長奨励賞)」を受賞いたしました。

・イオンモール佐賀大和(佐賀県佐賀市)内に、九州地区初のイオングループ事業所内保育施設「イオンゆめみらい保育園佐賀大和」を開園いたしました。今後も事業所内保育施設の設置拡大に取り組むことで、グループ企業の従業員をはじめ、より多くの方々の仕事と育児の両立支援、待機児童解消の一助となれるように努めてまいります。

・このような女性活躍推進の取り組みが評価され、九州の小売業では初めて、株式会社三井住友銀行が取り扱う「SMBCなでしこ融資」の認定を受けました。

 

(2)環境保全・社会貢献活動の取り組み

[環境保全活動]

・当社は、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)の「DBJ環境格付」において、小売業としては初めて4年連続で「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」という最高ランクの評価をいただきました。これは、九州地域全体にて環境配慮型商品の販売や廃棄物削減および再資源化、CO2削減に向けた植樹活動やレジ袋無料配布中止、環境取り組みを通じた地域社会貢献活動を積極的に行っていることが評価されたものです。また、2017年2月には、当社の事業継続に対する取り組みが優れていると評価され、「DBJ BCM格付」において、九州の小売業として初めて認定を取得いたしました。

・イオン チアーズクラブ活動については、GMS39店舗で実施しており、会員数は約570名(平成29年2月末現在)となりました。イオン鹿児島店チアーズクラブは、公益財団法人日本環境協会主催で平成28年3月20日に開催された「こどもエコクラブ全国フェスティバル2016」において、鹿児島県代表として参加をし、鹿児島の自然を代表する活火山「桜島」の恩恵を受ける作物や、マングローブ等、鹿児島特有の自然環境に注目し、その環境下で育つ植物や、実際に作物を栽培した体験について発表を行い、「こどもエコクラブ大賞」を受賞いたしました。

・11月12日には、公益財団法人イオン環境財団と大分県竹田市との協働により、3ヶ年計画の初回となる「大分県竹田市植樹」を実施し、地域のお客さま約600名にご参加いただき約7,400本の植樹活動を実施しました。

[社会貢献活動]

・平成13年から継続している「イオン幸せの黄色いレシートキャンペーン」においては、平成29年2月期に投函していただいたレシート合計金額は約26億83百万円となり、その1%に当たる物品を1,167団体に還元させていただきます。

・震災で被災された皆さまが一日も早く平常の生活に戻られることを願い、店頭において「緊急支援募金」活動および「熊本・大分支援 イオン黄色いレシートキャンペーン」を実施いたしました。皆さまからお預りした募金を含む支援金総額6億951万8,957円は、熊本県と大分県に贈呈いたしました。また当社の労使協働の活動として7月〜8月には、菊池市災害支援ネットワークの主催により開催された「こどもみらいきゃんぷ」に参加し、被災した子ども達をサポートするプログラムの運営の手伝いを実施いたしました。12月には、「まごころサンタボランティア企画」を実施し、従業員による復興支援グッズ購入の収益金により準備したプレゼントと、熊本地区の従業員が手作りで作ったクリスマスリースを益城テクノ仮設団地にお住まいの約500名の皆さまにお届けしました。

・九州のイオングループ各社では、震災により練習場を失ってしまった熊本県益城町のサッカー少年少女達による「グラウンドを作ろう」募金活動をバックアップし、より多くの方々と共にこの活動を支援し、早期の練習場完成を実現する為、九州のイオングループ各店舗において募金活動を実施いたしました。

・地域の環境保全活動や文化振興に役立てていただくため、ご利用金額の一部を寄付する機能が付加された「ご当地WAON」については、新たに「姶良きんこうWAON」「延JoyのべおかWAON」「熊本・大分がんばろうWAON」「桜島・錦江湾ジオパークWAON」を発行いたしました。また、ご利用金額の一部がプロサッカーJリーグに所属するクラブのホームタウン活動に役立てられる「サッカー大好きWAON」については、新たに「大好きアビスパ福岡WAON」「大好きギラヴァンツ北九州WAON」「大好き鹿児島ユナイテッドFC WAON」を発行いたしました。九州7県の「ご当地WAON」20種類および「サッカー大好きWAON」3種類の平成29年2月期のご利用金額に対する寄付金額は37百万円、平成23年からの累計では1億37百万円となりました。

・地震等による大規模な災害が発生した場合に、災害応急対策および、災害復旧対策が円滑に実施されることを目的とした「災害時における支援協力に関する協定書」について、福岡県大野城市、長崎県島原市、宮崎県日向市、鹿児島県霧島市、長崎県壱岐市と締結いたしました。さらに、宮崎県延岡市とイオン株式会社は、より緊密な連携を図り、地域の一層の活性化、市民サービスの向上を図るべく、地方創生等に関する「地域連携協定」を締結いたしました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ8億16百万円(前年同期は2億21百万円の収入)減少し、当事業年度末には27億81百万円となりました。

 <営業活動によるキャッシュ・フロー>

当事業年度における営業活動による資金の増加は52億36百万円であり、前事業年度に比べ45億91百万円(前年同期は6億45百万円の収入)増加しました。これは主に、たな卸資産の減少や税引前当期純利益が増加したことによるものです。

 <投資活動によるキャッシュ・フロー>

当事業年度における投資活動による資金の減少は20億73百万円であり、前事業年度に比べ46億85百万円(前年同期は67億59百万円の支出)増加しました。これは主に、有形固定資産の取得によるものです。

 <財務活動によるキャッシュ・フロー>

当事業年度における財務活動による資金の減少は39億79百万円(前年同期は63億35百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の減少によるものです。

 

2 【販売の状況】

(1) セグメント別売上状況

 

セグメントの名称

売上高 (百万円)

構成比 (%)

前期比 (%)

 

衣料品

44,148

20.2

95.7

食料品

110,954

50.8

98.9

住居余暇商品

39,208

17.9

97.3

その他

8

0.0

30.6

総合小売事業

194,320

88.9

97.8

ホームセンター事業

19,809

9.1

96.6

その他の事業等

4,492

2.0

109.0

合計

218,622

100.0

97.9

 

(注)1 各セグメント別の取扱商品群は以下のとおりであります。

総合小売事業

 

衣料品・・・・・・

衣料品、靴、鞄、服飾雑貨等

食料品・・・・・・

食料品

住居余暇商品・・・

情報通信機器、化粧品、医薬品、日用雑貨、寝具、バス用品等のホーム

ファッション、消耗品等

ホームセンター事業・

建材・木材、補修材、家庭用品、ペット用品、園芸用品、食料品等

その他の事業等・・・

食料品、医薬品、自転車関連商品等

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

① 当社を取り巻く環境は、「メリハリ消費」の更なる拡大やディスカウンターの新規出店、さらには業種業態を越えた競争の激化等、今後も引き続き厳しい経営環境が続くことが予想されます。当社では、平成29年度からスタートする新たな中期経営計画において、既存店の収益力向上に努めるとともに、新たな成長ステージへとステップアップを図ってまいります。

 

(ⅰ)既存店収益力向上の取り組み

・商品本位の改革として、店舗の役割・位置づけを明確にした上で、地域特性を考慮した商品の品揃え、イオンならではのグローバルな品揃えに取り組んでまいります。また、お客さまの豊かなライフスタイルをサポートするため、地域・店舗特性に合わせて、深掘りした商品の品揃えやサービスを提供する「ユニット」を売場に導入し、イオンならではの特徴ある売場を構築してまいります。

・「地元に一番うれしいお店へ」の実現に向け、既存店舗の活性化を積極的に行ってまいります。これまでの売上規模や面積に合わせた画一的な品揃えから脱却し、商圏や店舗特性に合わせた品揃えを実現するため、ユニット、テナント、コンセッショナリーを組み合わせ、魅力あるSCへと生まれ変わる活性化を実施してまいります。

・不採算店舗の早期黒字化に向けて、取締役および執行役員が担当する店舗を決め、店舗と本社スタッフが連携して対策を講じてまいります。

 

(ⅱ)新たな成長領域への取り組み

・今後の中長期的な成長戦略としては、以下の取り組みをすすめてまいります。

・新設した「新業態開発プロジェクト」を中心に、従来のGMSよりも小型のSCや都市部における新たな小型店フォーマットの構築をすすめてまいります。

・「ワイドマートドラッグ&フード」においては、人口が集中する都市部において、より利便性を追求した店舗フォーマットづくりをすすめ、早期にドミナントを構築できる体制を整えてまいります。

・「デジタル事業の推進」においては、イオングループのインフラを活用しつつ、当社としてこれまで取り組んできたネットスーパーや「AE-STORE」、「タッチゲット」に加え、LINE@などSNSを活用した取り組みや、アプリ会員の顧客分析等、リアル店舗との相互送客施策にも取り組んでまいります。

・インバウンド需要に対しては、グループで拡大を進めるアジアのグループ企業と連動し、個人旅行のお客さまに対するプロモーションの強化と、快適にお買い物をしていただくための環境整備をさらに推進してまいります。

 

(ⅲ)信頼される企業経営に向けて

・当社は、新生イオン九州のスローガンである「九州を、もっとおいしく。九州を、もっとたのしく。」そして、「地元に一番うれしいお店へ」の実現に向けた取り組みを加速させてまいります。お客さまに気持ちよくお買い物をしていただくための基本の徹底は勿論、本社組織をスリム化し、人材の現場へのシフトをすすめてまいります。

・リスクマネジメントにおいては、社内研修・教育の実施と店内監査、重大なリスクを想定した報告ルート等、全従業員で共有認識を持ち取り組んでまいります。また、コーポレートガバナンス・コードの適用に伴い、持続的な成長・中長期的な企業価値増大を実現するための戦略およびガバナンス体制を強化してまいります。

・環境保全・社会貢献活動についてもこれまで同様、地域のお客さまとともに積極的に取り組んでまいります。

 

(ⅳ)革新的な企業風土づくり

・平成26年のダイバーシティの取り組み開始から、特に女性管理職の育成については育児との両立を実現し、女性経営者育成セミナーを通して、意欲ある従業員が仕事へのモチベーションを維持しながら、自発的にキャリアアップを目指せる環境を構築し定着を図ってまいりました。平成28年度にダイバーシティ推進室を新たに設置し、個々人の多様な価値観から新たな業務体制の構築に取り組んでおります。今後についても、ワークライフバランスを重視した多様な働き方に対応できる組織・風土づくりをすすめてまいります。

 

②中期経営計画の実現に向け、現場主義に徹する業務体制構築を行うべく、平成29年3月に本部組織を再編し、組織機能のスリム化に着手いたしました。

(ⅰ)既存店収益力向上の取り組み

・GMS・SuC事業本部下の「サイクル事業部」を7エリアのマネージャー制とし、GMS店舗内のサイクル売場を管轄します。

・GMS・SuC事業本部下に「新業態開発プロジェクト」を新設し、新たな業態開発を推進します。

・HC事業本部下のHC事業部長下の6エリアを5エリアに再編しました。

(ⅱ)本社組織の業務集約と効率化の推進

・社長直轄下の「Eコマース事業部」を「デジタル事業推進部」に改称し、戦略的かつ横断的なデジタル業務を推進します。

・社長直轄下の「社長室」を廃止し、渉外・広報・秘書機能を「総務部」に移管しました。

・SC開発本部下の「SC営業部」を廃止し、機能を「リーシング部」に移管しました。

 

4 【事業等のリスク】

当社の事業に関してリスク要因となると考えられる事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在における当社による判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測等であり、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)小売業界における消費の継続的な低迷又はさらなる悪化のリスク

当社は、主に九州地域において事業を営んでおり、その収益は同地域の小売市場に大きく依存しております。過去数年間、小売業界は、個人消費の冷え込み、小売業者間の熾烈な競争等により低迷しておりました。今後、個人消費が回復せず若しくは更に悪化した場合、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(2)競争激化に関するリスク

当社は、総合スーパー、スーパーマーケット、ディスカウントストア、コンビニエンスストア等の小売企業に加え、特定の小売部門に特化した専門店やEコマース事業などの店舗を有しない販売業者とも競合しております。また近年、低価格を武器としたディスカウントストアやドラッグストアが出店を加速しております。このような九州における競争の激化により、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(3)天候不順に関するリスク

当社の売上は、季節的変動による影響を受けます。当社は、季節的な商品動向に基づいて販売計画を立てておりますが、季節的な気象パターンが予想外に変化した場合、一部の商品に対する需要が低下し、売上の減少と過剰在庫を招く可能性があります。これにより、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(4)食品の安全性及び品質の水準低下に伴うリスク

食品の安全性と品質保証に対する消費者の関心は、偽装表示、異物混入等の発生により高まっています。当社は、食の「安全」と「安心」を守るために様々な取り組みを進めておりますが、当社が提供する食品の安全性や品質に対する消費者の信頼が何らかの理由で低下した場合、食品部門を含む店舗の売上が低下する可能性があり、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(5)人件費の増加等に関するリスク

厚生年金保険料率、雇用保険率及び健康保険組合保険料率の引き上げ、今後の労働法改正等、種々の要因により従業員に係る費用が増加する可能性があります。
 当社は、多数のパートタイム従業員を雇用しているため、種々の要因によりパートタイム従業員に係る費用が増加した場合、当社の販売費及び一般管理費は影響を受ける可能性があります。

 

(6)都市計画法、建築基準法及び大規模小売店舗立地法に関するリスク

床面積の合計が1万㎡を超える商業施設(大規模集客施設)の開発に関しては、都市計画法及び建築基準法により制限されています。その主旨は郊外地域における大規模集客施設の開発を制限し、市町村等が推進する中心市街地の再生を促進することにあります。商業地域、近隣商業地域及び準工業地域として指定された区域以外の用途地域においては、原則として大規模集客施設を開発することができず、また、非線引き都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域において大規模集客施設の開発を行うには、都道府県知事等により用途地域の指定又は用途を緩和する地区計画決定がなされることを要します。当社は地方自治体との共同取り組みを行い地域への貢献を重視しておりますが、都市計画の内容等によっては、郊外地域における当社の店舗開設に制限が課される可能性があり、当社の成長戦略に支障が生じたり店舗の開設に要する費用が増加したりする可能性があります。

 

 

(7)地震や台風等の災害、テロ活動等に関するリスク

当社の店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害或いは予期せぬ事故等が発生し、店舗・施設に物理的に損害が生じ、当社の販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
 また、当社の店舗・施設では防火対策を重点的に取組んでおりますが、不測の事態により店内・施設より出火し、建物・施設に被害が拡大し当社の販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
 当社の店舗・施設の周辺地域において、新型インフルエンザ等の感染症災害が発生し、当社の販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(8)資金調達に関するリスク

当社は、成長戦略のために資金を調達する必要があります。当社は多様な資金調達手段を検討しており、金融環境の変化に迅速に対応できる体制を整えております、また、取引金融機関とは常に良好な関係を築いております。
 しかしながら、景気の後退、金融収縮など全般的な市況の悪化や、格下げ等による当社の信用力の低下、当社の事業見通しの悪化等の要因により、当社が望む条件で適時に資金調達が出来ない可能性もあります。これにより、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(9)保有株式の市場価格の下落に関するリスク

当社が保有する株式の時価が、当該株式の帳簿価額を著しく下回ることとなった場合、当該株式の評価損を計上する必要が生じ、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(10)顧客情報の漏洩に関するリスク

当社は、顧客から得た個人情報を保管・管理しております。当社は、かかる個人情報の漏洩が生じないよう、情報システムのセキュリティを確実にするなど、万全の処置を講じておりますが、万が一顧客に関する個人情報が何らかの事情により漏洩した場合、被害者に対して損害賠償義務を負ったり、当社の社会的信用に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社の事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(11)減損に関するリスク

当社は、店舗に係る有形固定資産等の固定資産を保有しています。当社は、店舗の収益性の低下により各店舗の簿価が回収できない場合、もしくは会計基準の変更がある場合、当該店舗について減損処理を行うことがあります。当社の店舗に係る減損損失額は、平成28年2月期は20億20百万円、平成29年2月期は11億85百万円をそれぞれ計上しており、今後も減損損失を計上する可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)親会社、兄弟会社との契約

当社は、親会社であるイオン株式会社とコーポレート負担金・ブランドロイヤルティの契約を締結しております。また、兄弟会社であるイオンリテール株式会社と商品供給契約を締結、またイオンリテール株式会社及びイオンモール株式会社と店舗賃貸借契約を締結しております。

 

(2)店舗の賃貸借契約

当社は、イオンリテール株式会社より賃借している店舗以外に、店舗の所有者と店舖賃貸借契約を締結しているものがあります。また、同友店(テナント)については、出店契約を締結し店舗の一部を貸与しております。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社が判断したものであります。

(1)当期の財政状態

<資産>

当事業年度末の資産は986億59百万円となり、前事業年度末に比べ48億64百万円減少いたしました。内訳としましては、流動資産が38億35百万円、固定資産が10億28百万円それぞれ減少したためであります。流動資産の減少は、商品が23億6百万円減少したことが主な要因であります。固定資産の減少は、差入保証金が11億14百万円減少したことが主な要因であります。

 <負債>

当事業年度末の負債は843億81百万円となり、前事業年度末に比べ51億57百万円減少いたしました。 内訳としましては、流動負債が57億94百万円減少したことに対して、固定負債が6億37百万円増加したためであります。流動負債の減少は、短期借入金が38億34百万円、買掛金が17億41百万円減少したことが主な要因であります。固定負債の増加は、長期借入金が9億8百万円増加したことが主な要因であります。

<純資産>

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ2億93百万円増加し、142億77百万円となりました。これは主に繰越利益剰余金が2億35百万円増加したためであります。

 

(2)当期の経営成績

当期における経営成績につきましては、売上高とその他営業収入を加えた営業収益は、2,364億10百万円(前期比98.4%)となりました。

売上高につきましては、天候不順や閉店等の影響により前期比97.9%となりましたが、食料品において、お客さまのニーズに合わせて惣菜を強化したことにより、利益率の高い商材の売上構成比が高まったことや、衣料品、住居余暇商品において在庫の適正化に取り組んだこと等により、売上総利益率は、前期から0.7ポイント改善し、売上総利益高は前期比100.5%となりました。

販売費及び一般管理費においては、WAONPOINTカードの導入やブラックフライデーセールスなど新たな販促施策に取り組む一方で、コストの低減および効率的な店舗運営に努めた結果、既存比99.2%となりました。

その結果、営業利益は、前期より9億65百万円改善し、7億79百万円(前期は1億86百万円の損失)、経常利益は、前期より9億77百万円改善し、9億47百万円(前期は29百万円の損失)、当期純利益は、前期より24億55百万円改善し、4億8百万円(前期は20億47百万円の損失)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要]」に記載しております。

 

 (4)中長期的な会社の経営戦略

  1)会社の経営の基本方針

当社は、「すべてはお客さまのために」を原点に、お客さま満足と従業員の自己実現のため、絶えず「変革」と「挑戦」を続け、九州の成長とくらしの豊かさに貢献することを基本方針としております。

2)目標とする経営指標

当社は、キャッシュ・フローの創出による自己資本の増強が財務上の課題と認識しており、本業の実力を表わす営業利益、キャッシュ・フローの最大化を最重要の経営指標とし、継続的な売上総利益高の増大とローコスト経営体質の確立による営業利益の拡大に努め、健全な成長による企業価値の向上を行ってまいります。

3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

① 長期目標

当社は九州におけるイオンの中核企業として絶えざる変革を進め、強固な経営基盤の確立と継続的な成長によりグローバル水準の経営効率を実現し、高収益企業をめざします。

② 中期経営戦略

当社を取り巻く環境は、人口減少・高齢化社会の到来、都市部への人口集中化、デジタル社会の発展による急速なマーケット変化がおこっております。また、業態を越えた競争がさらに激しさを増していく事が予想されます。このような環境の下で健全な成長を続けるために、イオングループの戦略である「アジアシフト」「都市シフト」「シニアシフト」「デジタルシフト」の4シフトを通じて収益力の向上を図ってまいります。また、環境変化やお客さまニーズの変化に対応して、イオンだからできる安全・安心な商品・サービスの提供を通じて、九州のお客さま満足の実現を追求するとともに、地域密着型経営に取り組んでまいります。さらに地域との信頼関係をより強固なものにしていき『いつもそこにあって欲しいイオン』を目指してまいります。





出典: イオン九州株式会社、2017-02-28 期 有価証券報告書