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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績

平成29年2月16日に発生した埼玉県入間郡三芳町にある当社物流センター「ASKUL Logi PARK 首都圏(以下、ALP
首都圏)」における火災事故により近隣住民の皆様、お客様、お取引様等多くの皆様に多大なご迷惑・ご心配をお
掛けいたしました。改めて心より深くお詫び申し上げます。

近隣住民の皆様をはじめとする当社グループに関わる全ての皆様に安心していただける様、他の物流センターの
防火設備点検の実施と、外部の専門家を含めた再発防止委員会および安全管理の専門組織を設置いたしました。引
き続き、再発防止委員会からの提言等に従い、一層安全・安心な物流センター体制の構築・運営を行ってまいりま
す。

また、サービス面については、お客様のご不便を早期に解消すべく、平成29年9月末までの通常サービスの復旧に向け全社一丸となり真摯に取り組んでまいります。

当連結会計年度(平成28年5月21日から平成29年5月20日まで)におけるわが国経済は、雇用環境等に改善が見られた一方、国際情勢の変化等による株価や為替の不安定な動向、個人消費の停滞感などにより、景気の回復は引き続き足踏み状態が続いております。

売上高につきましては、第4四半期に火災事故の影響を大きく受け減速となりましたが、総じて堅調に推移し、前期比6.6%の増収となりました。主要な事業であるeコマース事業では、BtoB事業は繁忙期にあたる3月に火災の影響を若干受けたものの、前期比4.8%増収と着実に成長しました。事業開始以来高成長を続けていたBtoC事業の「LOHACO(ロハコ)」については、火災事故のあった「ALP首都圏」が主力物流センターであったため、最新設備が不十分な臨時センターでの出荷対応に追われるなど、火災事故の影響を強く受けました。非常時の社員総出の出荷対応の努力等もあり、18.8%の増収を確保しました。

利益面については安定的に推移し、BtoB事業を中心に売上高の伸長と、為替の好影響や利益率の高いプライベートブランド商品の拡充等により各商品カテゴリーで売上総利益率が改善し、差引売上総利益で64億27百万円増加しました。これらにより火災の影響を受け増加した物流費用と「ALP首都圏」に代わる物流センターの賃借料、「LOHACO」の売上拡大に向けた先行投資的な費用の増加の全てを吸収し、営業利益では増益となりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,359億14百万円(前期比6.6%増)、営業利益88億65百万円(前期比4.1%増)、経常利益88億66百万円(前期比3.4%増)となりました。火災損失112億50百万円を特別損失に計上しましたが、火災事故に係る保険金49億29百万円を受領したことから、最終赤字は回避することができ、親会社株主に帰属する当期純利益は、10億14百万円(前期比80.7%減)となりました。

 

セグメント別の業績につきましては、以下のとおりです。

<eコマース事業>

当社グループは、「イノベーション(新受取りサービス「Happy On Time」とロボット導入)によりサービス進化と物流効率化を実現」、BtoB事業は「ECテクノロジーと商材拡大によりすべての仕事場で圧倒的No.1へ」、BtoC事業の「LOHACO」は「メーカーとの共創と認知度向上で第2世代のeコマースNo.1へ」を方針に掲げ、生産性の高い最新鋭の物流拠点の新設、当社グループ独自の新受取りサービスの早期立ち上げ、メーカーとの共創によるデザイン性に優れた独自商品の展開を行いました。また、「LOHACO」の認知度向上のための積極的な販売促進策の実行等が当社グループの成長戦略実現に大きく寄与するものと判断し、計画的に長期戦略投資を実施してまいりました。

BtoB事業につきましては、取扱商材数の拡大や販促効果によりお客様の購入点数が増加したこと等から、売上高は増収となりました。商品の種類別でみると、店舗等で頻繁にご利用される日用消耗品や消耗紙、オフィスでご利用される飲料等の生活用品の売上高が成長を牽引し、戦略分野である工場・建設現場・研究所でご利用されるMRO商材(注)と、メディカルサイトとアスクルWebサイトの統合によりお客様の利便性が図られ、医療・介護施設向け商材の売上高も、それぞれ2桁伸長いたしました。従来からご購入いただいていた文具等の商材の売上も堅調に推移したことで、売上高は順調に拡大し、前期比で133億84百万円増収の2,919億37百万円(前期比4.8%増)となりました。

 

「LOHACO」につきましては、テレビCMの放映や積極的な販売促進策による新規ご利用者の獲得と、お客様からご要望の多い商材の取り扱い開始による定期的なご利用の促進や購入点数の増加に注力した結果、売上高は順調に拡大してまいりましたが、火災発生後は日々の出荷量に制限があり、前期比で61億70百万円増収の390億16百万円(前期比18.8%増)に留まりました。

火災発生時点で「LOHACO」全体の取扱物量の62%を賄っていた「ALP首都圏」の機能を代行する新物流センターの早期本格稼働は現在の最重要課題であり、従来通りにお客様がご不便を感じることなくお買い物ができるように全力で取り組んでおります。

以上の結果、eコマース事業合計の売上高は3,309億54百万円(前期比6.3%増)となりました。差引売上総利益は、オフィス生活用品やMRO商材等の増収と売上総利益率の改善が寄与し、764億46百万円(前期比8.9%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、売上高の拡大に伴う通常掛かる物流費用等の増加に加え、火災発生後の費用増加が影響しました。最繁忙期であることから、BtoBは通常配送サービス品質の維持、「LOHACO」は長期化していた配送リードタイムの短縮によるお客様へのご不便の早期解消実現を最優先に、「ALP首都圏」に代わる物流センターの新設と各物流センターでの夜勤対応等の臨時コストを掛けての出荷作業等を実施したことで地代家賃と物流費用が増加しました。また、国内物流業者による取扱い総量規制等が行われている状況下において、当社独自の差別化戦略としての「Happy On Time」の早期拡充に向けた自社配送体制の整備等や「LOHACO」の認知度向上の広告宣伝費の戦略施策を実施した結果、前期比9.6%増加の670億79百万円となりました。

以上の通り、増収と売上総利益率の改善効果により、販売費及び一般管理費の増加を吸収したことと併せて、成長基盤を確保するため、全社一丸となって一層の経営の合理化・経営体質の強化による費用削減を断行した結果、当連結会計年度のeコマース事業における営業利益は、対前期比で増益となる93億67百万円(前期比4.0%増)となりました。

 

<ロジスティクス事業>

流通プラットフォームを環境面でより強化する目的で前連結会計年度に子会社化した株式会社エコ配が寄与し、売上高が増加しました。株式会社エコ配は労働環境の改善等による費用が増加し、引き続き営業損失の状況ではありますが、新規のお客様獲得など売上高の増加に全力をあげて取り組んでおります。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は44億1百万円(前期比36.8%増)、営業損失は4億69百万円(前期は営業損失4億45百万円)となっております。

 

<その他>

前連結会計年度に子会社化した嬬恋銘水株式会社が寄与し、売上高が増加しました。当連結会計年度において製造ラインを増設し、売上高は順調に拡大しております。販路の拡大と工場の稼働率を上げることで、早期の黒字化に向けて取り組んでおります。

この結果、当連結会計年度の売上高は7億74百万円(前期比63.0%増)、営業損失は43百万円(前期は営業損失47百万円)となっております。

 

 (注) Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称で、工場・建設現場等で使用される消耗品・補修用品等の間接材全般を指します。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は470億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ182億33百万円増加いたしました。

なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、162億27百万円(前期比23億95百万円増)となりました。これは税金等調整前当期純利益21億69百万円、火災損失112億50百万円、固定資産の減価償却費とソフトウエア償却費およびのれん償却額の合計50億62百万円、仕入債務の増加37億14百万円、未払消費税等の増加13億34百万円等の増加要因に対し、売上債権の増加22億28百万円、法人税等の支払額36億54百万円等の減少要因があったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、52億17百万円(前期比64億45百万円減)となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出19億57百万円、ソフトウエアの取得による支出27億47百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、72億41百万円(前期は106億6百万円の使用)となりました。これは長期借入れによる収入129億円、セール・アンド・リースバックによる収入32億87百万円の増加要因に対し、借入金の返済による支出21億2百万円、自己株式の取得による支出42億20百万円、配当金の支払額18億59百万円等の減少要因があったことによります。

 

2 【生産、仕入および販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

その他 (注)1

554

+65.2

合計

554

+65.2

 

(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、水の製造を行っております。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

eコマース事業

 253,612

+4.4

合計

 253,612

+4.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、仕入価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4 ロジスティクス事業につきましては、物流・小口貨物輸送サービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

eコマース事業

330,954

+6.3

ロジスティクス事業

4,401

+36.8

その他

558

+37.2

合計

335,914

+6.6

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(平成29年7月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針および中長期的な経営戦略等

当社グループは、「お客様のために進化するアスクル」を企業理念とし、オフィスに必要なものやサービスを「迅速かつ確実にお届けする」トータルオフィスサポートサービスにおけるパイオニアとして平成5年の事業開始以来、お客様の声を聞きながら、商品・サービス・システムを絶えず進化させてグローバルな競争に挑む企業やそれを支える中小事業所を始めとするお客様の多様なニーズにお応えし、圧倒的No.1の地位を確立してまいりました。これに加え、情報技術の発展、少子高齢化や女性就業人口の増加といった社会構造・生活環境の変化等により、eコマース(インターネット等を介して行われる電子商取引ビジネス)へのニーズは、一般消費者へも急速に高まっており、当社グループは、このような状況を絶好の成長機会と捉え、平成24年11月20日に一般消費者向けインターネット通信販売サイト「LOHACO」のサービスを開始しました。当社グループでは「いつでも、どこでも、誰にでも、欲しいものを欲しいときにお届けする革新的生活インフラを、最もエコロジーな形で実現します。」というミッションに基づき、オフィス通販No.1から第二世代のeコマースNo.1への変革を目指していきます。また、当社の強みである物流・配送とマーケティング力に加え、プラットフォームのオープン化により企業間連携を強化してまいります。

BtoB事業においては、事業基盤・事業収益のさらなる強化に向けて、戦略分野と位置付けております工場・建設現場・研究所や医療・介護施設などのお客様数の拡大、MRO商材を中心に取扱商材の飛躍的な拡充、ビッグデータ等のテクノロジーを活用したマーケティング施策の実行により、「収穫逓増、全ての仕事場で圧倒的No.1」を目指してまいります。

「LOHACO」においては、働く女性の日常生活をサポートし、ダイバーシティの推進と親世代の高齢化社会への対応を支援します。中期経営戦略の目標指標の一つであるBtoC事業の売上高1,000億円を目指し、早急に「LOHACO」の認知度を高めてまいります。業務・資本提携契約を結ぶヤフー株式会社とノウハウや人的リソースの結集により集客力の向上、「LOHACO ECマーケティングラボ」に参加いただいているメーカーと連携したマーケティング手法の活用による差別化商品の投入や「1時間単位の指定」「30分単位のお届け予定」「10分前の直前お知らせ」の3つの時間を約束する新たな配送サービス「Happy On Time」のエリア拡大等により、あらゆる点において優位性を有するeコマースを構築してまいります。

併せて、BtoB事業と「LOHACO」の売上拡大によるスケールメリットを生かした原価低減や、「LOHACO」のメディア価値の拡大による広告収入の増加等に取組み、収益性の飛躍的な向上を実現してまいります。

また、当社の事業を支えるプラットフォームであり、利益の源泉である物流センターの新設等については、当社の成長・拡大にあわせ継続的に行ってまいりますが、次期(平成30年5月期)においては、平成29年9月にLOHACO専用センターである「ASKUL Value Center 日高(以下、AVC日高)」が本格稼働し、平成30年2月には、最先端設備の導入により生産性を徹底的に追及した、流通業における1社単独の物流施設としては関西最大級となる物流拠点「ASKUL Value Center 関西(以下、AVC関西)」の全面稼働を予定しております。

引き続き、お客様サービス向上や物流効率によるコスト低減を図るため、在庫商品の最適配置や梱包・補充作業の平準化施策に加え、最新鋭設備の導入に伴う省人化により物流生産性の向上を進めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、事業本来の収益性を重視し、市場シェアの拡大とオリジナル商品・高付加価値商品の拡充による売上総利益率の改善と継続的なコスト構造改革によるローコストオペレーションを同時に実現して売上高営業利益率の向上を目指しております。これに加え、株主重視の経営という観点から企業価値を高めるため、中長期におけるROEの向上に努めております。

当連結会計年度(平成29年5月期)は、「ASKUL Logi PARK 首都圏(以下、ALP首都圏)」火災の影響を大きく受けたものの、連結売上高は着実に成長し、売上総利益率についても改善が図られたことで、火災の影響で発生した一時的な費用や代替センターの賃借料等を吸収し、売上高営業利益率は前連結会計年度の2.7%から横ばいの2.6%を確保することができました。またROEは、火災損失を112億50百万円計上した影響で、前連結会計年度の9.4%から2.1%となりました。

 

次期(平成30年5月期)においても、火災の影響による物流費用等の高止まりが上期まで続くものと見込まれること、また「AVC関西」の稼働に当たり一時的な費用が発生することから、売上高営業利益率は1.0%、ROEは3.3%となる見通しです。

平成31年5月期には、「AVC日高」の本格稼働によるLOHACOサービスの完全復旧による売上高の伸長や、AVC日高とAVC関西の物流生産性向上が年間を通じて寄与することにより、業績のV字回復を目指してまいります。その結果として、売上高営業利益率、ROEも改善され、中長期的には両指標ともになお一層の向上を目指してまいります。

 

(3)会社の対処すべき課題

以下の4つのテーマについて、注力して取り組んでまいります。

 

①  「AVC日高」の立ち上げ

火災の影響を強く受けた「LOHACO」は、火災発生直前と比べ売上高が半減しております。「ALP首都圏」の機能を代行する新物流センターである「AVC日高」が平成29年9月末に本格的な稼働を予定しており、出荷能力の回復と取扱い商材数の拡大により、「LOHACO」の月次売上高は、第3四半期末には火災発生前までの水準へ回復、第4四半期中には、過去最高を達成できるよう取り組んでまいります。

また、「AVC日高」での「LOHACO」出荷量が拡大することにより、火災発生以降に他の物流センターで行っていた夜勤対応の一部が解消され、夜勤対応コスト等の減少が見込まれますので、早期に実現してまいります。

 

② 最新鋭の「AVC関西」の立ち上げ

平成30年2月に稼働する「AVC関西」は、従来に比べ圧倒的に巨大な物流センターであり、その立ち上げに際し、一過性のコストが発生する見通しです。「AVC関西」は売上の拡大が続いている西日本エリアを支える基幹センターであり、早期安定稼働の実現と、ロボティクスなど新たなテクノロジーを活用した労働生産性の徹底的な追求により、平成30年5月期以降において、西日本エリアの物流費用が最適化され収益性の向上に寄与してまいります。

 

③ ASKUL Value Centerにおける新たな収益の創出

新たな収益の創出としてASKUL Value Centerはビッグデータを活用したリアルな広告販促の拡大(データセグメントに合わせチラシ・メーカーサンプル同梱)および外部事業者からのフルフィルメント受託による収益拡大を実施することによりコストセンターからプロフィットセンターへの変化を目指してまいります。

 

④ 自社グループ配送の拡大

「LOHACO」の完全復活と成長にあわせ、当社独自の配送サービスである「Happy On Time」を拡大してまいります。これらによりお客様の配送ニーズにお応えすることで、他のEC事業者とのサービスの差別化が図られ、「LOHACO」の売上拡大に寄与するものと確信しております。

また、国内物流業者による取扱い総量規制等が行われている状況下において、配送ドライバーの増員やグループ会社の活用により、自社グループ配送網の拡大を図ってまいります。

最先端の技術であるAI(人工知能)やビッグデータの活用により、最適なルートを計算し、配送ドライバーの効率配送を支援することで、コストの抑制を実現し、当社独自の持続可能な自社グループ配送体制の強化を図ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当有価証券報告書提出日(平成29年7月28日)現在において判断したものであり、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありません。

 

当社グループの経営成績、財政状態および株価等に影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

(1)ヤフー株式会社との業務・資本提携契約の内容と株式の希薄化等について

当社およびヤフー株式会社は、平成24年4月27日付けで業務・資本提携契約を締結して以降、両社は事業運営の独立性をお互いに尊重し、イコールパートナーシップの精神の下、それぞれが有する集客能力、顧客、仕入先、決済システム、インターネットサービスに係るシステムおよびデザイン技術、物流・配送設備および物流・配送のオペレーション能力、ならびに、それらに関するノウハウ、人材その他のリソースを相互に提供し合い、「お客様に最高のeコマースを提供する」という壮大な目標を実現すべく、当社が運営する「LOHACO」をeコマース史上最も早い成長速度で立ち上げてまいりました。

両社は「LOHACO」をさらに大きく成長させるとともに収益性の向上を図るために、3年間培ってきた信頼関係をベースにさらなる発展および連携の強化を図ることが最善であると判断し、平成27年5月19日付けで、業務・資本提携契約を更改いたしました。

両社は、これにより「LOHACO」がECビジネスにおいて圧倒的No.1となることを目指してまいります。

当社は、更改された契約日以降、当社の株式の議決権希薄化行為(注)を行おうとする場合には、ヤフー株式会社に対して、議決権希薄化行為を行う旨およびその条件を書面にて通知した上で、議決権希薄化行為の直前の時点におけるヤフー株式会社の当社の株式に係る議決権割合を維持するために必要なあらゆる措置を適時かつ適切に講じるものとします。加えて、当社は、当社の新株予約権その他の潜在株式の行使又は株式への転換(以下「新株予約権行使等」という。)により、当該新株予約権行使等の直後の時点におけるヤフー株式会社の当社株式に係る議決権割合が、(a)平成27年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下し、かつ、(b)直前に上記措置を講じた時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社の株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下した場合には、ヤフー株式会社に対して、その旨を書面にて通知した上で、平成27年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるヤフー株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合を回復又は維持するために必要なあらゆる措置を講じるものとしております。このため、当該措置を講じた場合、当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性があります。

なお、ヤフー株式会社は、更改された契約日以降、自ら又は第三者をして、当社の株式を追加取得(ヤフー株式会社又は第三者が当社の株式を有するその他の第三者(有価証券報告書又は四半期報告書の大株主の状況の記載により、当社の株式を有することが合理的に認知可能な第三者に限る。)の株式その他の持分を取得することにより、当社の株式を間接保有することとなる態様による取得を含む。)することを希望する場合は、事前に当社に対して書面により通知し、ヤフー株式会社および当社の書面による合意に基づいて実施するものとします。

その他、ヤフー株式会社は、ヤフー株式会社および契約更改後にヤフー株式会社の子会社となった当該子会社(以下「ヤフーグループ」という。)の保有する当社の株式に係る議決権割合が、平成27年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるヤフーグループの保有する当社の株式に係る議決権割合の合計よりも100分の1以上上昇した場合には、速やかに、市場取引等により当社の株式を売却し又は売却せしめることその他、ヤフーグループの当社の株式に係る議決権割合の合計を、本自己株式取得の終了時点におけるヤフー株式会社の議決権割合の合計に復するために必要な措置を講じます。但し、上記に定めるヤフー株式会社および当社の書面による合意に基づいて行われる取引により、又は当社による自己株式取得その他ヤフーグループの作為によらずに、ヤフーグループの当社の株式に係る議決権割合の合計が上昇した場合は、この限りではありません。上記等により株価等に影響を及ぼす可能性があります。

(注)当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性のある一切の行為(募集株式の発行、自己株式の処分、株式の発行を伴う組織再編等、議決権の希薄化が現に生じる行為のほか、新株予約権、議決権のある株式に転換可能な種類株式その他の潜在株式の発行等、将来議決権の希薄化が生じる可能性のある行為を含みます。但し、既に発行済の新株予約権の行使による当社の株式の発行若しくはそれに伴う自己株式の交付、または、当社の単元未満株式を有する株主から、会社法第194条第1項および当社の定款第10条に基づく単元未満株式の売渡請求がなされた場合において、当社がその保有する自己株式を当該株主に売り渡す行為を除きます。)を指します。

 

 

(2)当社の通信販売事業モデルについて

① 事業モデルを支えるコンセプト

当社グループの主たる事業は、サプライヤーをはじめとして、実質的に当社グループに代わってお客様開拓や集金業務および債権管理を担う当社グループ独特のエージェント、運送会社、情報システムの開発および保守・運用会社等多くの協力会社によって支えられております。それぞれの機能により、役割を分担・補完し合い、お互いにパートナーとして戦略的に連携(コラボレーション)し、業務や機能の重複、時間やコストの無駄を排除して顧客価値の最大化を図るバリューチェーンの考え方が当社グループの基本スタンスにあります。当社グループでは、事業モデルを支えるパートナー企業との良好な関係の維持に努めておりますが、各社の経営状況の変化等によって、提携による業務委託等の継続ができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

② BtoBの通信販売事業モデルにおけるエージェントの役割

当社のBtoBの通信販売事業モデルにおいて、エージェント制度の採用が大きな特徴となっております。お客様への販売代金回収は、担当エージェント側でその回収リスクを負い、当社側ではエージェント(約1,400社)に対する売掛金について回収リスクを負う体制であります。当社では、エージェントの成長力を維持・向上させるためのインセンティブプランなどによりエージェント活動の活性化を促すとともに、エージェントの経営基盤を強固にするための施策を実施しております。また、経済環境の悪化などによりエージェントに倒産等の事由が生じた場合には、当該エージェントが担当しているお客様は速やかに当社グループさらには後任の担当エージェントに引継がれますので、当社グループの経営成績に与える影響は限定的と考えられますが、潜在的な可能性として、エージェントの倒産等によって回収リスクが発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社はお客様開拓を優先するためにエージェントを無制限に増やすようなことはせず、エージェントの選定や契約に際して一定の基準および手続を設け、エージェントに対してアスクル事業を展開する財務基盤等を有しているかの確認をし、かつ当社グループの事業コンセプトへの理解を促しております。

③ 広告宣伝とエージェントとの関係

エージェントがお客様開拓を行う一方、当社グループでも新聞広告・インターネット広告等全国的な広告宣伝やキャンペーンを実施しております。広告宣伝等の効果により、お客様から当社グループへ直接登録のお申込みが数多くあり、その際は、社内の規定に従って担当エージェントを決定し、集金業務および債権管理を行っております。決定した担当エージェントからは、当社グループが実施した広告宣伝費の一部として、顧客獲得に応じて広告宣伝協力金を負担いただいておりますが、広告宣伝等の効果が低下して直接申込み比率が低下することによる広告宣伝協力金の減少や広告宣伝等のコスト増加に伴い当社グループが負担する広告宣伝費が増加した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

④ カタログ発刊に関するリスク

当社では、インターネットによるご注文が大半を占めておりますが、主要商品を掲載したカタログも発刊しております。カタログ掲載商品の選定とカタログ制作におきましては、表示品質を管理する専門組織を設置し、細心の注意を払っておりますが、カタログの表示内容に重大な瑕疵が発生した場合には、カタログを回収せざるを得ない事態が考えられます。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)商品の仕入と在庫リスクについて

商品に関して、サプライヤーとの間では当社グループの販売力に応じて安定した商品供給体制を整えていただくよう要請しております。しかしながら、社会経済環境の変化等から生じる原材料の高騰や入手困難等による生産制限または製造原価の上昇や、為替レートの急激な変動などにより安定した商品仕入ができない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループの販売数量が多い商品についてはサプライヤーの分散を図っておりますが、災害や事故等により特定のサプライヤーからの供給がストップした場合で速やかなサプライヤーの代替が困難なときは、販売に支障をきたす可能性があります。各商品につきましては、お客様の購買動向を「需要予測システム」にて分析し「SYNCHROMART(シンクロマート)」システムで、サプライヤーと在庫・需要予測情報を共有することにより、サプライヤー側で需要予測に応じた生産計画や在庫保有が可能となり、品切れによる販売機会ロスを減らし、お客様満足度の低下の極小化を目指しております。

 

しかし、新規取扱商品や夏場の飲料水等季節商品、感染症対策のための衛生用品、災害や事故等で一時的に需要に供給が追い付かない商品などで品切れが生じるケースもあります。さらに「LOHACO」においては、嗜好が多岐にわたりかつトレンド変化の早い一般消費者向け商品を多数取り揃えなければならないことから、今後さらに需要予測の精度向上を図り、サプライヤーとも充分な連携を行い、品切れリスクや偏在リスクをなくすなど、適正在庫を維持するよう効率的なデマンドチェーン・マネジメントに努めますが、予測を誤った場合またはシステムトラブル等により在庫不足または過剰在庫となる可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)商品の安全性および品質水準の低下リスクについて

当社グループで製造している食品・飲料等の取扱商品については、食品衛生に関わる設備の充実、品質チェック体制の確立など、お客様に安全な商品をお届けできるよう努めておりますが、品質や商品情報等に瑕疵等が発生した場合、商品回収や製造物責任賠償が生じることもあり、その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)設備投資について

当社グループのコア・コンピタンスを支える基盤は、情報技術(IT)の活用によるところが多くあります。ITやインターネット関連の技術は著しく変化し、当社グループではそれらのテクノロジーにいち早く対応するために、ソフトウエアを中心に継続的投資を行っております。ITの進歩が著しく、投資したソフトウエア等の利用可能期間が、当初予定したものより短くなった場合、残存期間分の償却が一時に発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、継続的に実施しているソフトウエアの追加投資や大幅な改良を伴うシステムの再構築を行う場合、ソフトウエアのバグなどの要因による開発スケジュールの遅延や稼動後にソフトウエアの品質に問題が生じる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、ソフトウエアを対象とした投資に加え、業容拡大に伴う物流センターの新設や増改築などの投資を継続的に行うと共に、「LOHACO」の拡大のため、物流インフラや情報システムについて大規模な新規設備投資を進めております。いずれの設備投資の実施に際しましても、充分な投資対効果の検証を行った上で実施しておりますが、その効果が充分でない場合、またはその効果の発現が予測より遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)インターネット通信販売について

① インターネットの障害等について

当社グループでは、FAXによるカタログ通信販売と並列して、Web上の「アスクル」「ソロエルアリーナ」「ソロエルエンタープライズ」および「LOHACO」等のサイトを通じてインターネットによる注文を受付けております。

インターネットの急速な普及と相俟って、当社グループにおけるインターネット注文比率は上昇しております。このような状況下、インターネットに特有な技術的または社会的なリスク要因が増大すると見込まれますが、当社グループではインターネットサーバーの分散化、最新化および通信回線容量の増強を図るとともに、万一の障害や事故に備えた基幹システムの二重化およびリアルタイムのバックアップ体制の整備、不正アクセスやコンピュータウィルスを防御するネットワーク・セキュリティの強化を行っております。また、当社グループでは、個人情報保護マネジメントシステムの要求事項(JIS Q 15001)の審査を受け、平成18年1月に財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)よりプライバシーマーク付与を認定されており、同要求事項に沿ったマネジメントシステムを確立し、お客様情報および個人情報の保護においても必要な管理体制を整えております。今後も引き続きネットワーク・セキュリティと情報管理に関しまして強化を図ってまいります。

しかし、基幹システムやネットワークの障害、ウィルスの侵入等を完全に予防または回避することは困難であり、当社グループの事業運営に重大な支障が発生する可能性やお客様情報の流出等によって社会的な信用の低下や損害賠償請求を受ける可能性があります。これにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

② インターネット通信販売の法的規制について

当社グループは、通信販売業者として、また、「アスクル」「ソロエルアリーナ」および「LOHACO」等はインターネットによる電子商取引に該当するため、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の規制を受けております。また、社団法人日本通信販売協会が制定した「通信販売業における電子商取引のガイドライン」等の自主規制に準拠して事業を運営しております。今後、これらの規制の改正や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(7)物流サービスについて

① 物流サービス品質について

当社グループは、高品質なサービスの提供に努めておりますが、重大な荷物の破損、紛失等といった不具合が発生した場合や荷札などに記載されているお客様情報が管理の不徹底などにより外部に流出した場合には、社会的な信用の低下や損害賠償請求を受ける可能性があり、この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

② 重大な交通事故の発生について

当社グループの配送業務における車両の利用に際しては、交通法規遵守のための教育や安全対策を実施しておりますが、重大な交通事故や法令違反が発生した場合、社会的信用の低下や行政処分が行われる可能性があり、この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③ 燃料などの市況について

当社グループで取り組んでいる環境活動や無駄を排除する活動などにより、効率的な配送を行っておりますが、車両に用いる燃料価格が高騰した場合や災害等により燃料の調達網が被害を受けた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

④ 配送制限等が発生した場合について

当社グループでは、配送パートナーの協力のもと最適な配送網を構築し、「当日配送、翌日配送(一部離島等を除く)」を遵守することでお客様のご支持を得てまいりました。一方、社会的なeコマースの普及と配送ドライバーの人手不足問題等により、国内物流業者による総量規制等が行われております。当社グループとしては、お客様とのお約束を遵守するため、配送パートナーの協力は引き続き得ながら、当社グループ配送ドライバーの増員やグループ会社の活用により、当社グループ配送網の強化を図ってまいりますが、お客様からのご注文量の増加に対応した配送網の構築が間に合わない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8)薬機法をはじめとする関連法規等による規制

当社グループは、医療・介護施設向け用品や医療機関向けの医療専門商材、一般消費者向けの医薬品、健康食品、酒類等をはじめ多岐にわたる商材を取り扱っております。これらの商材の販売および管理は、「医薬品、医療機器等の品質、 有効性及び安全性の確保等に関する法律(「薬機法」)」をはじめとする関連法規等により規制を受けるものもあり、必要な各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。

その他、当社グループは、特定・一般建設業の許可、第一種貨物利用運送事業の登録、一般貨物自動車運送事業の許可、貨物軽自動車運送事業の届出、倉庫業の登録、その他各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。

これらに関連する法令の規制の改正や新たな法的規制が設けられる場合、あるいはこれらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの営業活動が制限され、業績が影響を受ける可能性があります。

 

 

(9)商品調達について

世界レベルでの原材料価格や為替レートの急激な変動により、仕入価格の上昇などの影響が発生する可能性がありますが、このような場合でも、お客様に対し仕入価格の上昇分を充分に転嫁しきれない場合があります。これに対し、当社グループではコスト削減のための企業努力に注力いたしますが、企業努力によっても仕入価格の上昇分を補いきれない場合、或いは一時的な流行や災害等による需給バランスの悪化や、持続可能な原材料不足などにより、商品の供給が不足する場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、商品品質の管理部署を設置し、商品および商品調達先の選定・管理に万全を期しておりますが、商品の品質問題に起因するリコール等が発生した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(10)カントリーリスクについて

当社グループは、輸入商品の取り扱いや連結子会社において中国等での商品販売の実施など、海外での取引を行っており、諸外国政府による規制や法令の改正、政治的、経済的な不安定さ、信用経済の発達度合いおよび資金移動の制約などに起因したカントリーリスクが存在します。カントリーリスクに対しては、案件ごとにその回避策を講じてリスク管理に努めておりますが、これらカントリーリスクを完全に回避できるものではなく、リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(11)災害におけるリスクについて

当社グループでは、地震等の自然災害に備え、受注センター・お問合せセンター・物流センターを複数設置することで、リスク分散を図っております。また、事業、拠点、体制等の拡大や当社グループ内外の変化に応じて、事業継続計画の見直しを継続して行っております。しかしながら、地震や台風等による自然災害の発生確率は依然として高いことから、想定以上の地震やその他自然災害が発生し、事業所等が被害を受けた場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

また、自然災害以外の火災等の災害については、「ASKUL Logi PARK 首都圏」の火災事故を受け、防火設備点検等の実施や物流センター運営体制の強化等により再発防止に努めておりますが、災害等が発生した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(12)人材の確保におけるリスクについて

当社グループの事業は、物流センターの庫内業務や配送業務など労働集約型の業務がお客様との接点を支えており、質の高い人材の確保が重要であります。また、今後更なる事業拡大およびサービスの進化に挑戦していく際には優秀な人材を採用し、労働環境を整備して社員の定着を図ることが、当社グループの成長には不可欠な要素となりますが、これらが実現できず必要な人材が確保できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(13)投資有価証券等の減損によるリスクについて

当社は、継続的な成長発展に向けて、当社事業とシナジー効果を有する企業への投資や、次世代のイノベーションを起こすために優れた技術・エンジニアを有するベンチャー企業への投資を実施しております。投資に際しては、財務・経営状態・事業計画等を精緻に検討し、投資後も投資先の財務状況を随時把握するように努めておりますが、投資先の事業が計画通り進捗せずに、収益性の悪化等により価値が毀損されたことで有価証券の減損を実施する場合や、投融資した金額等が回収できなくなる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(平成29年7月28日)現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針および見積り

重要な会計方針等につきましては、経理の状況に記載のとおりですが、連結財務諸表の作成にあたり計上した主要な引当金の算定方法を下記に記載いたします。

 

貸倒引当金

売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

 

販売促進引当金

エンドユーザーの購入実績に応じて発生する販売促進費の支出に備えるため、過去の実績を基礎として当連結会計年度の売上に対応する発生見込額を計上しております。

 

賞与引当金

従業員に対する賞与の支給に備えるため、将来の支給見込額のうち、当連結会計年度末までに発生していると認められる額を計上しております。

 

火災損失引当金

火災事故により損壊した建物等の原状回復や焼失した商品等の撤去に係る支出に備えるため、今後の発生見込額を計上しております。

 

(2)財政状態および経営成績の分析

当連結会計年度の概況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。なお、財政状態および経営成績の分析につきましては、下記のとおりです。

 

「ASKUL Logi PARK 首都圏(以下、ALP首都圏)」火災事故が財政状態に与える主な影響は以下の通りです。
 資産の部では、商品及び製品が滅失により25億16百万円(注)減少、火災損失額確定時の将来の税金減少効果を見込み繰延税金資産が24億39百万円増加、負債の部では、資産の原状回復費用等見込額を火災損失引当金(流動・固定)として79億60百万円を計上し、増加しております。

(注)火災発生時点における「ALP首都圏」の帳簿価額に対する影響額を記載しております。

 

資産の部

当連結会計年度末における総資産は1,556億78百万円となり、前連結会計年度末と比べ161億26百万円増加いたしました。主な増加要因は、セール・アンド・リースバック取引に係る売却額の入金、「ALP首都圏」火災に係る保険金の受取額、借入の実行等により現金及び預金が182億33百万円、売上高の増加による受取手形及び売掛金が24億69百万円、火災損失を計上したこと等の影響で繰延税金資産(固定)が21億21百万円増加したことであります。主な減少要因は、火災事故等の影響を受け、商品及び製品が8億43百万円、リース資産が18億79百万円、また、セール・アンド・リースバック取引に係る債権の入金等により未収入金が31億3百万円減少したことであります。

 

負債純資産の部

当連結会計年度末における負債は1,094億46百万円となり、前連結会計年度末と比べ211億37百万円増加いたしました。主な増加要因は、当連結会計年度末が金融機関休業日等の影響により電子記録債務が55億29百万円、借入の実行等により1年内返済予定の長期借入金および長期借入金が112億12百万円、火災損失引当金(流動・固定)が79億60百万円増加したことであります。また、主な減少要因は、未払法人税等が4億32百万円、リース債務(固定)が19億3百万円減少したことであります。

当連結会計年度末における純資産は462億31百万円となり、前連結会計年度末と比べ50億11百万円減少いたしました。主な減少要因は、親会社株主に帰属する当期純利益10億14百万円、配当金の支払18億59百万円により、利益剰余金が8億44百万円減少し、また、自己株式の取得により自己株式が42億20百万円増加したことによるものです。

 

売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ208億90百万円増加し、3,359億14百万円(前期比6.6%増)となりました。これは、第4四半期に火災事故の影響を大きく受け減速となりましたが、総じて堅調に推移したこと等によります。主要な事業であるeコマース事業では、BtoB事業は繁忙期にあたる3月に火災の影響を若干受けたものの、着実に成長し増収となりました。事業開始以来高成長を続けていたBtoC事業の「LOHACO(ロハコ)」は、最新設備が不十分な臨時センターでの出荷対応に追われるなど、火災事故の影響を強く受けました。社員総出の出荷対応等により増収を確保しました。

 

差引売上総利益

当連結会計年度の差引売上総利益は、767億55百万円(前期比9.1%増)となりました。BtoB事業を中心に売上高の伸長と、為替の好影響や利益率の高いプライベートブランド商品の拡充等により各商品カテゴリーで売上総利益率が改善し、前連結会計年度に比べ64億27百万円増加いたしました。

 

販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は678億90百万円(前期比9.8%増)となりました。売上高の拡大に伴う通常掛かる物流費用等の増加に加え、火災発生後の費用増加が影響したこと、また自社配送体制の整備等や広告宣伝費の戦略施策を実施したことにより、売上高販管費比率は、前期比で0.6ポイント上昇し20.2%となりました。

 

営業利益

上記の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比較して3億47百万円増加し、88億65百万円(前期比4.1%増)となりました。

 

経常利益

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比較して2億92百万円増加し、88億66百万円(前期比3.4%増)となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して42億40百万円減少し、10億14百万円(前期比80.7%減)となりました。これは主に、火災損失112億50百万円を特別損失に計上し、火災事故に係る受取保険金49億29百万円を特別利益に計上したためです。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。

 





出典: アスクル株式会社、2017-05-20 期 有価証券報告書