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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景に設備投資の増加基調が続くとともに、雇用・所得環境も改善するなか個人消費も底堅く推移するなど、景気は緩やかな世一様基調で推移しました。

当不動産業界におきましては、賃貸オフィスビル市場では、企業業績回復によるオフィス面積拡張ニーズや新規拠点開設などの需要拡大に加え、特に都心部では、優良オフィスビルの品薄感もあって、空室率は低水準で推移しており、これを受けて賃料水準の上昇傾向が続いております。住宅市場では、用地取得費や建築工事費の上昇とともに新築マンションを中心に販売価格が上昇を続け、立地条件や商品企画に対する消費者の選別思考が強まってきたことに加えて、建築基準法の改正を受けて住宅着工件数が減少するなど、これまで堅調に推移してきた事業環境は調整局面を迎えております。

このような環境のもと、当社グループは、綜合デベロッパーとしての永続性を前提とした事業展開と、これによる信頼の構築というスタンスに立脚し、それぞれの分野で積極的な営業活動を展開する一方、証券化技術を活用した効率的な不動産投資や大型私募集ファンドの組成などにより新たな収益構造の確立を図るとともに、将来の収益寄与が期待される数々の大型物件取得や既存ビルのリニューアルを推し進めてまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業収益は62,327百万円と21,413百万円(前連結会計年度比52.3%)の増収、営業利益は10,187百万円と3,351百万円(同49.0%)の増益となりましたが、経常利益は持分法投資利益の大幅な減少もあって8,962百万円と1,634百万円(同15.4%)の減益となりました。

一方、特別利益として、投資有価証券売却益など計149百万円を、特別損失として、ゴルフ会員権評価損など計671百万円をそれぞれ計上し、更に法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額等を計上した結果、当期純利益は3,810百万円と3,561百万円(同48.3%)の減益となりました。

 

当連結会計年度における事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

(a) 土地建物賃貸事業

土地建物賃貸事業においては、前期竣工の「汐留芝離宮ビルディング」、「虎ノ門イーストビルディング」などの通期稼動に加え、好調なオフィスビル市場を背景とした既存ビルの賃料アップに加え、匿名組合の新規連結子会社化などの要因もあって、営業収益は32,070百万円(前連結会計年度比15.8%増)、営業利益は11,790百万円(同33.2%増)となりました。

(b) 不動産販売事業

不動産販売事業においては、既存団地を中心とした53棟の戸建住宅分譲に加え、私募ファンド向けの事業用ビル売却収入や分譲予定地の更地売却収入などを計上した結果、営業収益は25,063百万円(前連結会計年度比171.0%増)、営業利益は1,677百万円(同22.1%増)となりました。

(c) 完成工事事業

完成工事事業においては、ビルのバリューアップ、リニューアル工事に加え、新築工事や戸建住宅も順調に推移し、営業収益は8,995百万円(前連結会計年度比6.0%増)、営業利益は620百万円(同26.8%増)となりました。

(d) その他の事業

その他の事業においては、不動産証券化に係るコンサルティングフィー収入の大幅増により営業収益は2,254百万円(前連結会計年度比40.4%増)、営業利益は974百万円(同211.9%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により6,729百万円減少し、投資活動により66,725百万円減少し、財務活動において76,679百万円増加し、この結果、現金及び現金同等物は3,224百万円の増加となり、新規連結による増加2,475百万円もあって、期末残高は17,506百万円(前年同期比48.3%増)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金については、税金等調整前当期純利益8,439百万円、減価償却費6,257百万円を計上しましたが、たな卸資産の大幅増加18,075百万円等を主因に6,729百万円の減少(前連結会計年度比4,183百万円減)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金については、有形固定資産の取得による支出42,390百万円、出資金の出資による支出16,433百万円、貸付けによる支出11,122百万円等を計上したことにより66,725百万円の減少(前連結会計年度比29,072百万円減)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金については、借入金の借入・返済によるネット収入77,942百万円等により76,679百万円の増加(前連結会計年度比39,905百万円増)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産の状況

該当事項はありません。

 

(2) 受注の状況

当連結会計年度の受注状況を示すと、次のとおりであります。なお、事業の性格上、完成工事事業セグメント以外で受注実績を把握することは困難であります。

 

セグメント名
受注金額
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
完成工事業
5,159
△51.0
1,460
△69.4

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。なお、事業の性格上、不動産販売事業セグメント以外で販売実績を把握することは困難であります。

 

不動産販売事業セグメント

 

区分
販売金額
(百万円)
前年同期比
(%)
販売戸数(区画数)
(戸・件)
前年同期比
(%)
住宅分譲(マンション・
戸建)
3,084
+7.4
53
△26.4
宅地分譲
13
△52.7
1
ファンド組入
18,470
+406.7
5
+25.0
その他
3,002
+23.3
7
+250.0
合計
24,570
173.6
66
△16.5

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

今後のわが国経済は、米国サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融不安や原油価格の上昇による物価の動向などの不安要因があるものの、景気は引き続き成長基調で推移するものと期待されます。

当不動産業界においても、堅調なオフィス需要に支えられ、特に都心部での賃料上昇が期待される一方で、不動産投資市場の拡大を背景とした収益不動産の高騰、優良物件の調達難あるいは金融機関の融資スタンスの厳格化、さらには金融商品取引法施行などの環境変化への対応が不可欠になっております。

当社はこうした環境変化を的確に認識し、時代のニーズに即応した経営戦略の展開と各事業戦略の更なる強化を目的として、平成19年11月に組織変更を含めた業務推進体制の整備・拡充を図りました。具体的には、都市再開発事業においては、開発利益享受型の「動く不動産投資」に加え、証券化技術を活用した「持たざる不動産投資」による外部成長を図るとともに、アセットマネジメント機能の強化を通じて、既存物件のバリューアップによる内部成長や、物件の入れ替えを通じたキャッシュ・フロー向上を推進し、不動産トータルマネジメントの推進に努めます。また、ファンド事業においては、優良私募ファンドをより一層積み上げるとともに、金融商品取引法に対応した体制整備を図っていきます。さらに、CRE戦略支援事業においては、今後の需要拡大が見込まれるCRE戦略ビジネスについて長期的・経営的視点のもとで最適なソリューションを提供していきます。

これらの新たな業務推進体制により、当社グループは、「新時代に挑戦する伝統と創造の日土地グループ」という経営理念のもと、「顧客企業」と「都市」そして「人とくらし」に対して新たな価値を創造する「VALUECREATION」をテーマに、グループ会社のノウハウと機能を「チーム日土地」のもとに結集して、クオリティの高い都市空間・商品・サービスの提供に努め、『高成長企業グループの実現』をより確かなものにしていく所存であります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 有利子負債依存について

当社グループは、設備投資資金および運転資金の多くを借入金や社債に依存しているため、総資産に占める有利子負債の比率が高い水準にあります。

有利子負債に占める固定金利比率が高いため、今後の金利上昇の影響は短期的には限定的ですが、中長期的には、金利上昇の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

また、何らかの要因により資金調達が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(2) 不動産賃貸事業について

当社グループは、東京、大阪の都心部を中心にオフィスビルを保有し賃貸事業を行なっておりますが、賃料水準の下落、稼働率の低下やオフィスビル市場における収益環境の変化の影響により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(3) 法的規制について

当社グループが行なう事業は、「宅地建物取引業法」「建設業法」「都市計画法」「借地・借家法」等の法規制を受けております。また、SPCを使用した不動産投資では、「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」等による規制を受けております。

将来における、これらの規制の改廃によって、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(4) 不動産価格の変動について

当社グループが保有する不動産(土地・建物)について、将来、経済状況、需給バランスの悪化等の要因により、価格が著しく変動した場合、当該資産の売却等による実現損益計上、販売用不動産の評価減及び減損会計に基づく会計処理等が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 株式保有について

当社グループは、多くの上場株式を保有しております。将来、株式市場全体で大幅な株価下落が生じるような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(6) 災害による影響について

将来において、地震や風水害等の災害が発生した場合、所有資産の毀損・劣化等により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 財政状況の分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ104,665百万円増加し488,339百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ30,121百万円増加し85,349百万円となりましたが、これは主として、販売用不動産の増加と短期貸付金の増加によるものであります。

また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ74,543百万円増加し402,990百万円となりましたが、これは主として、㈲ネオパス・エフアイエスを営業者とする匿名組合の新規連結や新規取得・竣工等による有形固定資産の増加によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ106,400百万円増加し397,596百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ45,770百万円増加し166,814百万円となりましたが、これは主として短期借入金の増加によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ60,630百万円増加し230,782百万円となりましたが、これは主として、長期借入金の増加によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,735百万円減少し90,742百万円となりました。これは当期純利益の計上等により利益剰余金が3,405百万円増加し、連結子会社増により少数株主持分が1,996百万円増加したものの、その他有価証券評価差額金が7,137百万円減少したためであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

(営業収益・営業利益)

当連結会計年度の営業収益は、販売用不動産売上の増加を主因に62,327百万円と前連結会計年度に比べ21,413百万円(52.3%)の増収となり、営業利益は10,187百万円と前連結会計年度に比べ3,351百万円(49.0%)の増益となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は、持分法投資利益の大幅な減少を主因に8,962百万円と前連結会計年度に比べ1,634百万円(15.4%)の減益となりました。

 

(特別損益)

当連結会計年度は、特別利益として、投資有価証券売却益など149百万円、特別損失として、ゴルフ会員権評価損など671百万円を計上しました。

 

(当期純利益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は8,439百万円と前連結会計年度に比べ2,092百万円(19.9%)の減収となりました。

また、税金ならびに少数株主利益調整後の当期純利益は3,810百万円と前連結会計年度に比べ3,561百万円(48.3%)の増益となりました。

 

なお、各セグメントの業績概要については、「1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。

 





出典: 日本土地建物株式会社、2007-10-31 期 有価証券報告書