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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、世界的な金融・経済危機に伴い、景気後退に拍車がかかり深刻な不況に陥りましたが、各国当局の危機対策等により金融不安は当年度央には収束に向かい、わが国の景気も回復し始めてきたところであります。 
 不動産業界におきましても、金融機能の低下や実体経済の悪化の影響を強く受けました。とりわけ、不動産証券化や不動産売買に係る業務は、大幅に縮小しました。賃貸オフィスビル市場でも、企業収益の悪化と新規オフィス需要の減少により、賃料の下落や空室率の悪化が顕著となるなど厳しさが増しております。住宅市場では、既に前年度からマンション価格の高騰や雇用情勢に対する不安などから顧客の購買意欲が減退していましたが、住宅ローン減税の後押しや販売価格の調整などによって当年度後半には需要が持ち直し始めました。
 このような環境のもと、当社グループは、綜合デベロッパーとして、土地建物賃貸事業を中心に、不動産販売事業、不動産ソリューション事業など、それぞれの分野で業容の拡大を図るとともに財務の健全性向上にも取り組んでまいりました。最適不動産ポートフォリオ構築の観点から、新たな収益機会の獲得のための投資を継続する一方、内部成長余地の乏しい既存ビルの売却を推進しました。また不動産市場の悪化に伴い、販売用不動産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」の厳正適用により保有資産の健全性を維持するとともに、完成在庫の早期売却に努めました。
 更に、財務の健全性向上と投資資金確保を目的として、第三者割当による増資を当連結会計年度末に実施しました。
 なお、当連結会計年度から、不動産関連事業の効率化のため、日土地ビルディング㈱および日土地アセットマネジメント㈱を新たに連結子会社化する一方で、持分法適用会社であった東京リース㈱について、合併により持分比率が低下したため、持分法の適用範囲から除外しました。
 この結果、当連結会計年度の営業収益は63,462百万円(前連結会計年度比8.1%増)、営業利益 は7,029百万円(同33.8%減)、経常利益は6,803百万円(同46.1%減)となりました。
 なお、特別利益として、固定資産売却益、投資有価証券売却益など計10,577百万円を、特別損失として、販売用不動産評価損、固定資産売却損など計15,108百万円をそれぞれ計上した結果、当期純損失は2,682百万円(前連結会計年度は当期純利益4,145百万円)となりました。 

 

当連結会計年度における事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

(a) 土地建物賃貸事業

土地建物賃貸事業においては、「原町ビル本館・新館」、「藤沢ビル」などの売却による減収があったものの、前期竣工物件の通期稼動や当期竣工の「芝浦ルネサイトタワー」、「湘南鵠沼シルバホーム」の稼動に加え、日土地ビルディング株式会社の連結子会社化が収益に貢献し、営業収益は33,882百万円(前連結会計年度比0.9%減)、営業利益は12,060百万円(同4.7%減)となりました。 

(b) 不動産販売事業

不動産販売事業においては、既存分譲地を中心とした戸建住宅分譲や「パークホームズ千歳烏山ガーデンコート」、「ラヴィアンコート亀有」などのマンション分譲の収入を計上し、更に、販売用不動産に係る賃貸収入を計上した結果、営業収益は22,748百万円(前連結会計年度比37.4%増)となりましたが、販売用不動産評価損1,337百万円により、売上原価が増加した結果、営業損失は1,253百万円(前連結会計年度は営業利益746百万円)となりました。

(c) 完成工事事業

完成工事事業においては、ビル系、住宅系ともに大幅な受注減少となった結果、営業収益は   5,083百万円(前連結会計年度比30.9%減)、営業損失は136百万円(前連結会計年度は営業利益325百万円)となりました。

(d) その他の事業

その他の事業においては、不動産仲介手数料収入の減少を主因に営業収益は6,912百万円(前連結会計年度比13.2%減)、営業利益は272百万円(同82.4%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により3,637百万円増加し、投資活動により346百万円増加し、財務活動において3,739百万円減少し、この結果、現金及び現金同等物は244百万円の増加となり、新規連結による増加643百万円もあって、期末残高は23,091百万円(前連結会計年度比4.0%増)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金については、税金等調整前当期純利益2,273百万円、減価償却費7,020百万円を計上する一方、法人税等の支払額4,146百万円等を計上したことにより3,637百万円の増加(前連結会計年度は12,608百万円の減少)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金については、有形固定資産の売却による収入40,552百万円、有形固定資産の取得による支出34,709百万円、出資金の払込による支出11,106百万円等を計上したことにより346百万円の増加(前連結会計年度は25,076百万円の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金については、株式の発行による収入15,600百万円を計上する一方で、借入金の借入・返済によるネット支出17,774百万円等を計上したことにより3,739百万円の減少(前連結会計年度は39,532百万円の増加)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産の状況

該当事項はありません。

 

(2) 受注の状況

当連結会計年度の受注状況を示すと、次のとおりであります。なお、事業の性格上、完成工事事業セグメント以外で受注実績を把握することは困難であります。

 

セグメント名
受注金額
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
完成工事業
4,497
△44.1
2,607
△6.6

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。なお、事業の性格上、不動産販売事業セグメント以外で販売実績を把握することは困難であります。

 

不動産販売事業セグメント

 

区分
販売金額
(百万円)
前年同期比
(%)
販売戸数(区画数)
(戸・件)
前年同期比
(%)
住宅分譲(マンション・
戸建)
12,733
+133.5
238
+140.4
宅地分譲
543
+1,224.6
14
+1,300.0
ファンド組入
1,900
△32.5
1
△66.7
その他
4,555
△32.7
7
△68.2
合計
19,731
30.8
260
108.0

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

今後のわが国経済は、政権交代に伴う政策転換が景気の先行きに不透明感を与えておりますが、海外経済の改善などを背景に、基本的には緩やかな回復が続くものと思われます。
 不動産市場におきましても、景気の回復や金融機能の改善を反映し、東京都心部を中心に次第に調整局面を脱していくものと予測されます。しかしながら、企業は設備投資や雇用拡大には引き続き慎重な姿勢で臨むものとみられ、オフィスや商業施設への需要は捗々しく回復せず、空室率や賃料の水準はなお厳しい状況が続くとみられます。一方、CO2削減ニーズの高まりに伴い、不動産業界も本格的な取り組みを求められており、これが新たな需要や投資を生み出しつつあります。
 このようななか、当社グループは、引き続き、各事業において顧客ニーズに応えながら業容の拡大を図るとともに、財務の健全性の向上に努めてまいります。
 土地建物賃貸事業では、不動産市況が底値圏にある中で優良物件への投資を進めるとともに、進行中案件、既存物件にかかわらず、テナント確保とコスト圧縮に努め、賃貸収益の向上に努めてまいります。また、ポートフォリオマネジメントに基づく保有資産の入れ替えを推進することにより、売却利益を獲得するとともに、中長期的な収益基盤の強化を図ってまいります。不動産販売事業では、グループ各社の連携を一層強化することにより市場競争力のある商品を提供し、事業収支の改善を図ってまいります。その他事業では、大手企業に加え中堅企業に対してもCRE戦略支援ビジネスを展開し、顧客基盤の拡大を図るとともに、グループ全体の手数料収入強化に向けた取り組みを更に強化してまいります。また、不動産投資市場の回復を睨んで、新たな不動産私募ファンドの組成に取り組んでまいります。更に、賃貸事業や住宅事業においては、環境問題への対応を更に強化し、より環境性能の優れたビルや住宅の提供に努めてまいります。
 財務の健全性向上につきましては、資産回転型投資開発モデルの運用により、有利子負債の増加を極力抑制し、財務指標の改善を図ってまいります。
 こうした施策により、厳しい環境下でも相応の収益水準を確保するとともに、長期的な収益基盤の強化と財務基盤の向上を目指してまいる所存です。
 これらの業務推進体制により、当社グループは「新時代に挑戦する伝統と創造の日土地グループ」という経営理念のもと、「質への挑戦」という行動指針を下に、「プロジェクトの質」「ポートフォリオの質」「財務の質」「人材の質」の4つの質を向上させ、業容の拡大と財務健全性を維持した上で、強固な経営基盤と高度な価値創造を備えた「エクセレントカンパニー」の実現を目指していく所存であります。 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 有利子負債依存について

当社グループは、設備投資資金および運転資金の多くを借入金や社債に依存しているため、総資産に占める有利子負債の比率が高い水準にあります。

有利子負債に占める固定金利比率が高いため、今後の金利上昇の影響は短期的には限定的ですが、中長期的には、金利上昇の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

また、金融機関の融資スタンスの厳格化や当社格付けの低下などにより、資金調達が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(2) 不動産賃貸事業について

当社グループは、東京、大阪の都心部を中心にオフィスビルを保有し、不動産賃貸事業を行なっておりますが、景気動向の影響を受け、不動産市場が悪化した場合、賃料水準の下落、稼働率の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(3) 法的規制について

当社グループが行なう事業は、「宅地建物取引業法」、「建設業法」、「不動産の鑑定評価に関する法律」、「金融商品取引法」、「都市計画法」、「借地・借家法」などの法令の他、各自治体制定の条例などによる規制を受けております。また、SPCを活用した不動産投資では、「資産の流動化に関する法律」等による規制を受けております。

将来における、これらの規制の改廃によって、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(4) 不動産価格の下落について

当社グループが保有する不動産(土地・建物)について、将来、経済状況、需給バランスの悪化等の要因により、価格が著しく下落した場合、当該資産の売却等による実現損計上、棚卸資産の評価に関する会計基準や固定資産の減損会計にかかる会計基準適用による評価減計上が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、SPCを活用した不動産投資についても、投資対象不動産の価格下落による評価減計上等により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(5) 株式保有について

当社グループは、多くの上場株式を保有しております。株式市場全体で大幅な株価下落が生じるような場合には、評価損の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(6) 災害による影響について

将来において、地震や風水害等の災害が発生した場合、所有資産の毀損・劣化等により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

(資産)

総資産は、前連結会計年度末に比べ1,443百万円減少し566,152百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,951百万円減少し123,834百万円となりましたが、これは販売用不動産及び仕掛不動産が減少する一方で、繰延税金資産が増加したことなどによるものであります。

また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,508百万円増加し442,317百万円となりましたが、これは主として、有形固定資産取得・売却によるネット増加によるものであります。

(負債)

負債は、前連結会計年度末に比べ14,996百万円減少し472,332百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ7,110百万円減少し206,078百万円となりましたが、これは主として、短期借入金が減少する一方で、1年以内返済予定の長期借入金や1年以内償還予定の社債が増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ7,886百万円減少し266,253百万円となりましたが、これは主として、長期借入金や社債の減少によるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ13,552百万円増加し93,819百万円となりました。これは主として第三者割当増資による資本金及び資本準備金の増加によるものであります。

(2) 経営成績の分析

(営業収益・営業利益)

営業収益は、販売用不動産売上の増加や日土地ビルディング株式会社の新規連結子会社化などにより63,462百万円と前連結会計年度に比べ4,762百万円(8.1%)の増収となりましたが、不動産販売事業の不振や販売用不動産評価損計上などにより、営業利益は7,029百万円と前連結会計年度に比べ3,590百万円(33.8%)の減益となりました。

(営業外損益・経常利益)

営業外収益は、受取配当金や持分法による投資利益の減少を主因に8,046百万円と前連結会計年度比1,767百万円の減少となりました。一方、営業外費用は、支払利息の増加を主因に8,271百万円と前連結会計年度比459百万円の増加となりました。これらにより、経常利益は6,803百万円と前連結会計年度に比べ5,817百万円(46.1%)の減益となりました。

(特別損益)

特別利益は、固定資産売却益、投資有価証券売却益など計10,577百万円と前連結会計年度比2,237百万円の増加となりました。一方、特別損失は、販売用不動産評価損、固定資産売却損など計15,108百万円と前連結会計年度比2,133百万円の増加となりました。

(当期純損失)

税金等調整前当期純利益2,273百万円を計上しましたが、法人税等4,937百万円を計上したことにより、当期純損失2,682百万円(前期は当期純利益4,145百万円)を計上しました。

なお、各セグメントの業績概要については、「1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。

(3) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。





出典: 日本土地建物株式会社、2009-10-31 期 有価証券報告書