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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は消費税率引き上げ前の駆け込み需要と高水準の公共投資等により、年度前半は緩やかな回復基調で推移しました。年度後半は企業業績回復による雇用環境の改善、賃金の増加等によるプラスの影響が見られたものの、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の一時的な反動減により消費は落ち込み、期待されていたその後の回復の動きは緩慢なものとなりました。
 不動産業界の概況として、金融緩和政策、東京オリンピック決定等を好感し、不動産取得ニーズが高まるとともに、都心優良物件の不足感等から、大型物件の取引を中心に不動産価格は堅調に推移しました。賃貸オフィス市場においては、主要都市の多くで需要回復の動きが加速し、空室率は改善傾向で推移しました。特に東京都心部では、拡張移転や館内増床等の旺盛な需要により空室率の改善のみならず、賃料についても新築ビルやグレードの高いビルを中心に上昇傾向を示しました。分譲住宅市場においては、供給戸数に年度前後半で波があったものの、今後の地価・建築費上昇による住宅価格の先高感、消費税率引き上げの動き、加えて反動減に対する政策支援等により、消費者の購入意欲は維持され、初月契約率は堅調に推移しました。また、不動産投資マーケットにおいては、良好なマーケット環境を背景にJ−REITや海外投資家の投資意欲は強い動きを示し、REIT市場における新規上場、各投資法人における投資口の追加発行及び物件の追加取得についても相次いで実施されました。
 このような事業環境の下、当社グループにおきましては、都市開発事業において、竣工を迎えました大崎駅西口南地区第一種市街地再開発事業「大崎ウィズシティ」をはじめとする継続的な開発の推進と既存保有物件の稼働率向上を図りました。住宅事業においては「パークホームズ品川 ザ レジデンス」の竣工等着実な土地取得・事業推進・販売・引渡しを実現させるとともに、経営資源の有効活用及び効率的な事業運営を追求し、さらなる成長戦略具現化へ向けた体制強化として、当社と日本土地建物販売株式会社の両社で行ってきた住宅事業を当社に統合・集約することといたしました。不動産ソリューション事業においては当社グループのノウハウを最大限かつ的確に提供し、お客様のニーズに応えることで、取引先の拡大と信頼関係の構築に努めました。資産運用事業においては、適切な出口・リファイナンス対応を図るとともにノウハウを活かし、預り資産残高の積み増しに成功するとともに、私募REITへの参入を決定し、組成準備に努めました。また、財務基盤の強化とポートフォリオ改善を目指し、保有資産の見直しを推進したほか、中長期的な成長戦略の強化に向け、日新建物株式会社との事業統合を決定し、今後のシナジー発揮に向け、準備を進めました。

この結果、当連結会計年度の営業収益は57,638百万円(前連結会計年度比12.8%減)、営業利益は9,732百万円(同26.7%減)、 経常利益は8,700百万円(同21.8%減)となりました。
 なお、特別利益として、投資有価証券売却益、固定資産売却益など計4,618百万円を、特別損失として、出資金評価損など計5,319百万円をそれぞれ計上した結果、当期純利益は6,341百万円(前連結会計年度比61.7%減)となりました。

 

当連結会計年度におけるセグメントの業績は次のとおりであります。

(a) 都市開発事業

当セグメントにおきましては、主力である不動産賃貸収入や開発不動産の売上を計上し、営業収益は32,567百万円(前連結会計年度比14.8%減)、セグメント利益(営業利益)は10,191百万円(同21.2%減)となりました。

(b) 住宅事業

当セグメントにおきましては、「パークホームズ品川 ザ レジデンス」、「ブリリアシティ横浜磯子」などのマンション分譲や「新百合ヶ丘・上麻生の家」、「横浜白山第26期」などの戸建分譲の収入を計上し、営業収益は14,521百万円(前連結会計年度比16.3%減)、セグメント利益(営業利益)は2,714百万円(同43.2%増)となりました。

 

 

(c) 不動産ソリューション事業

当セグメントにおきましては、不動産仲介手数料、鑑定評価手数料に加え、事業用不動産の転売収入などを計上し、営業収益は5,754百万円(前連結会計年度比3.1%減)、セグメント損失(営業損失)は140百万円(前連結会計年度はセグメント利益527百万円)となりました。

(d) 資産運用事業

当セグメントにおきましては、不動産証券化や私募ファンドに係る各種収入フィーなどを計上し、営業収益は1,518百万円(前連結会計年度比2.6%減)、セグメント利益(営業利益)は186百万円(同182.8%増)となりました。

(e) その他

その他では、ゴルフ事業などにより、営業収益は3,952百万円(前連結会計年度比5.4%減)、セグメント利益(営業利益)は91百万円(同80.6%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローは、
   営業活動によるキャッシュ・フロー   19,106百万円(前年同期は   19,712百万円)
    投資活動によるキャッシュ・フロー  12,942百万円(前年同期は    5,565百万円)
    財務活動によるキャッシュ・フロー △30,672百万円(前年同期は △34,654百万円)
  となり、現金及び現金同等物は1,506百万円増加し、期末残高は14,492百万円(前年同期比11.6%
 増)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益は減益の7,999百万円(前連結会計年度比47.4%減)となり、減価償却費6,674百万円、有形固定資産売却益△2,218百万円、出資金評価損4,188百万円などにより、19,106百万円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出△5,172百万円、出資金の回収による収入5,330百万円、投資有価証券の売却による収入6,684百万円、有形固定資産の売却による収入6,291百万円などにより12,942百万円の収入となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

借入金の借入・返済によるネット支出△26,350百万円を計上する一方、社債の償還による支出△3,300百万円を計上したことを主因に30,672百万円の支出となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注金額(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

都市開発事業

3,080

△6.4

2,064

3.9

住宅事業

176

+49.2

4

+585.7

 

(注)  上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売金額(百万円)

前年同期比(%)

販売件数(戸・件)

前年同期比(%)

都市開発事業

2,080

△68.0

2

住宅事業

14,350

△12.6

285

△16.9

不動産ソリューション事業

2,946

△13.8

27

+107.7

合計

19,377

△26.4

314

△12.3

 

(注) 1 上記金額には消費税等は含まれておりません。

2 住宅事業の販売金額、販売戸数には、他社との共同事業によるマンション分譲が含まれております。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後のわが国経済は消費税率引き上げによる落ち込みにより回復が遅れている個人消費等需給環境の改善速度のさらなる鈍化、中国や欧州経済の下振れ、エボラ出血熱等の感染症の拡大による貿易量の減少等の懸念材料があるものの、米国経済の拡大の動きや政府及び日銀の経済・金融政策の継続等による雇用・所得環境の改善、資産効果の顕在化等を背景に投資・消費マインドは一時的な停滞から脱し、緩やかながらも回復の動きを示すものと考えられます。
 不動産市場におきましては、良好な資金調達環境が継続するとの見方が強まり、不動産投資に対するマインドの改善、住宅需要の増加等、収益不動産のキャップレート低下等を主因とし地価が上昇に転じる一方、流通市場において品薄感が高まりつつある状況にあります。一方で、不動産賃貸市場においては拡張移転、館内増床等の動きは継続しており、空室率は引き続き低下傾向で推移し、実質賃料の上昇が都心部を中心に顕著になることが見込まれます。また、分譲住宅市場においては土地仕入れ価格や建築費の高騰等を反映し引き上げられた販売価格の設定に懸念があるものの、雇用環境の改善、市況の先高感、旺盛なインバウンド投資等を主因とし、比較的堅調な販売環境が続くものと思われます。
 このような環境の下、当社グループは、基礎的な収益力の改善と構造改革の実行により成長戦略を具現化すべく、中期経営計画「The Challenge Plan 2016 〜未来を切り拓く〜」に取り組んでおります。これまでに第一ステージに掲げた「V字回復達成に向けた抜本的な構造改革の断行」に概ね目処をつけ、今後は「成長戦略の具現化」を基本方針とする第二ステージへ移行するとともに、平成26年11月1日付で日新建物株式会社との事業統合を果たし、新たな体制にてスタートしました。新体制で第二ステージに取り組むにあたり、長期的な視点に立った経営を推進するという観点から長期的に目指すビジョン(10年後のあるべき姿)を「多様な機能と事業展開力により、都市・社会の未来に新しい価値を創出していく質の高い総合不動産会社」とし、ビジョン達成のための5つの基本方針を定めました。
○5つの基本方針
・お客さまから選ばれる「日土地ブランドの確立」
・顧客ニーズの変化に対応したプロダクトやビジネスモデルの進化
・環境変化に耐えうるバランスの取れた事業ポートフォリオの構築
・財務規律に留意した安定的かつ継続的な成長
・不断の変革を推進し、マーケット競争に打ち勝つ人材の育成
 
 これらの長期方針を踏まえた上で、中期経営計画第二ステージ2年間においては、「収益力増強による成長戦略の具現化〜新しい成長ステージへの突破口〜」を基本方針とし、第一ステージに引き続き“変革”(自ら変わる!自ら変える!)をスローガンに、「日新建物株式会社との事業統合によるシナジー効果の発揮」、「資金循環型投資モデルの確立」、「住宅事業の持続的な成長に向けた体制強化」の三つの成長戦略を推し進めてまいります。
 これらの取り組みとともに、戦略的投資の重点エリア及び優先度を明確化した建替戦略を策定・具現化することにより、成長戦略を着実に推進し、真に強い日土地グループの実現を目指してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 有利子負債依存について

当社グループは、設備投資資金および運転資金の多くを借入金や社債に依存しているため、総資産に占める有利子負債の比率が高い水準にあります。

有利子負債に占める固定金利比率が高いため、今後の金利上昇の影響は短期的には限定的ですが、中長期的には、金利上昇の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

また、金融機関の融資スタンスの厳格化や当社格付けの低下などにより、資金調達が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(2) 都市開発事業について

当社グループは、東京、大阪の都心部を中心にオフィスビルを保有し、都市開発事業を行なっておりますが、景気動向の影響を受け、不動産市場が悪化した場合、賃料水準の下落、稼働率の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(3) 法的規制について

当社グループが行なう事業は、「宅地建物取引業法」、「建設業法」、「不動産の鑑定評価に関する法律」、「金融商品取引法」、「都市計画法」、「借地・借家法」などの法令の他、各自治体制定の条例などによる規制を受けております。また、SPCを活用した不動産投資では、「資産の流動化に関する法律」などによる規制を受けております。

将来における、これらの規制の改廃によって、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(4) 不動産価格の下落について

当社グループが保有する不動産(土地・建物)について、将来、経済状況、需給バランスの悪化等の要因により、価格が著しく下落した場合、当該資産の売却等による実現損計上、棚卸資産の評価に関する会計基準や固定資産の減損会計にかかる会計基準適用による評価減計上が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、SPCを活用した不動産投資についても、投資対象不動産の価格下落による評価減計上などにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(5) 株式保有について

当社グループは、多くの上場株式を保有しております。株式市場全体で大幅な株価下落が生じるような場合には、評価損の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(6) 災害による影響について

将来において、地震や風水害等の災害が発生した場合、所有資産の毀損・劣化などにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)日新建物㈱との事業統合 

当社は、平成26年8月29日開催の取締役会において、日新建物㈱の不動産事業を承継することを決定し、同日付で同社と吸収分割契約書を締結いたしました。
 この吸収分割の概要は次の通りです。

   ① 承継する事業の内容

     日新建物㈱の不動産事業

   ② 企業結合の法的形式

       日新建物㈱を分割会社とし、当社を承継会社とした吸収分割方式であります。

      ③ 企業結合の目的

当社は、日新建物㈱との資本関係、事業協力関係を更に発展させ、両社の事業基盤や財務基盤、経営資源等を融合することで、不動産業を取り巻く経営環境の変化に即応できる強靭な経営基盤の構築を図ります。

      ④ 企業結合の効力発生日

         平成26年11月1日

      ⑤ 交付した株式数、割当ての内容及びその算定方法

当社は本吸収分割の対価として、日新建物㈱の株主が保有する同社株式1株につき、当社の株式1.4株を割り当て、504,000株交付しました。両社から独立した第三者機関である㈱AGSコンサルティングによる割当比率に関する算定書に基づき、両社で割当株式数について慎重に協議を重ねた結果、両社は割当株式数が妥当であり、両社の株主の利益に資すると判断し、合意に至りました。

      ⑥ 引継資産・負債の状況

 当社は、本吸収分割に際して、日新建物㈱の不動産事業に関する資産、負債、契約上の地位その他の権利義務を同社から承継いたします。

 

(2)日本土地建物販売㈱住宅事業の統合

当社は、平成26年8月29日開催の取締役会において、日本土地建物販売㈱の住宅事業を承継することを決定し、同日付で同社と吸収分割契約書を締結いたしました。
 この吸収分割の概要は次の通りです。

   ① 承継する事業の内容

     日本土地建物販売㈱の住宅事業

   ② 企業結合の法的形式  

         日本土地建物販売㈱を分割会社とし、当社を承継会社とした吸収分割方式であります。

      ③ 企業結合の目的

当社グループでは、当社及び日本土地建物販売㈱の両社で住宅事業を行っておりましたが、当社に住宅事業を統合・集約することにより、経営資源の有効活用及び効率的な事業運営を追求し、住宅事業の成長を図るものであります。

      ④ 企業結合の効力発生日

         平成26年11月1日

      ⑤ 交付した株式数、割当ての内容

当社は、日本土地建物販売㈱の全株を保有しているため、本吸収分割において、同社に対し株式その他の対価の交付は行いません。

      ⑥ 引継資産・負債の状況

当社は、本吸収分割に際して、日本土地建物販売㈱の住宅事業に関する資産、負債、契約上の地位その他の権利義務を同社から承継いたします。

 

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

(資産)

総資産は、前連結会計年度末に比べ19,901百万円減少し491,464百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,131百万円増加し68,952百万円となりましたが、これは主として、売却等により販売用不動産が減少する一方で、仕掛販売用不動産や営業未収入金が増加したことによるものであります。

また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ21,033百万円減少し422,512百万円となりましたが、これは主として、売却による有形固定資産及び投資有価証券の減少ならびに減損処理・償還等による出資金の減少によるものであります。

(負債)

負債は、前連結会計年度末に比べ23,915百万円減少し385,292百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ19,309百万円減少し156,153百万円となりましたが、これは主として、短期借入金の減少によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ4,605百万円減少し229,138百万円となりましたが、これは主として、長期借入金や社債の減少によるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ4,013百万円増加し106,171百万円となりました。これは主として、その他有価証券評価差額金が減少する一方で、利益剰余金が増加したことによるものであります。

(2) 経営成績の分析

(営業収益・営業利益)

営業収益は、販売用不動産売上の減少を主因に57,638百万円と前連結会計年度に比べ8,425百万円(12.8%)の減収、営業利益は9,732百万円と前連結会計年度に比べ3,536百万円(26.7%)の減益となりました。

(営業外損益・経常利益)

営業外収益は、受取配当金の減少や持分法投資利益の増加などにより4,102百万円と前連結会計年度比239百万円の減少となりました。また、営業外費用は、支払利息の減少を主因に5,134百万円と前連結会計年度比  1,354百万円の減少となりました。これらにより、経常利益は8,700百万円と前連結会計年度に比べ2,420百万円(21.8%)の減益となりました。

(特別損益)

特別利益は、投資有価証券売却益、固定資産売却益など計4,618百万円と前連結会計年度比8,256百万円の減少となりました。一方、特別損失は、出資金評価損、投資有価証券売却損など計5,319百万円と前連結会計年度比3,457百万円の減少となりました。

(当期純利益)

税金等調整前当期純利益7,999百万円を計上し、法人税、住民税及び事業税829百万円、法人税等還付税額△252百万円、法人税等調整額822百万円などを計上した結果、当期純利益は6,341百万円と前連結会計年度に比べ10,216百万円(61.7%)の減益となりました。

なお、各セグメントの業績概要については、「1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。

(3) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 





出典: 日本土地建物株式会社、2014-10-31 期 有価証券報告書