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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、企業業績に底堅さが見られ、労働需給の改善・雇用者所得の増加等により回復基調が継続していましたが、中国をはじめとするアジア新興国や資源国の景気減速、英国のEU離脱決定などによるグローバル金融市場の動揺を受けた株価・為替の不安定な動きと先行き不透明感の高まりにより、企業の設備投資の伸び悩みや個人消費の低迷、加えて消費のけん引役であったインバウンド需要拡大の動きにも陰りが見え始めるなど、総じて景気回復の動きは非常に緩慢なものとなりました。
 不動産業界の概況としては、世界的な金融緩和と低金利を背景に資金流入圧力は強く、不動産価格の上昇は継続しました。賃貸オフィス市場においては、館内増床や事務所統合に加え、拡張移転等の旺盛な需要により、空室率は低い水準で推移しました。一方で、賃料は上昇傾向にあるものの、都心部の一部のビルを除き、小幅な上昇に留まりました。分譲住宅市場においては、都心部や駅前等の好立地物件は堅調さを維持したものの、郊外部においては値ごろ感のある一部の物件を除き販売に苦戦する物件も目立ち始め、二極化の様相が顕著に表れる結果となりました。また、不動産投資市場においては、Jリート、私募リートともに、緩和的な金融環境を背景に新規上場や各投資法人における投資口の追加発行とそれに伴う不動産取引が活発に行われ、保有資産残高は拡大いたしました。
 このような事業環境下において、当社グループは、中期経営計画「The Challenge Plan2016〜未来を切り拓く」の最終年度として、成長戦略の実現に取り組んでまいりました。都市開発事業においては、空室率の改善、賃料単価の引き上げなど内部成長への取り組みを推進するとともに、長年取り組んでまいりました「京橋エドグラン」の竣工を迎え、加えて新たな挑戦としてオープンイノベーションオフィス「SENQ」の事業展開を決定いたしました。住宅事業においては大型物件等による販売利益を着実に獲得するとともに、中長期的に事業強化を図るべく、「感動が育つ住まい」をスローガンとする新たなブランド「BAUS」を立ち上げました。不動産ソリューション事業においては、お客さまへの最適なソリューション提供に努め、手数料収益増強へ結びつけました。資産運用事業においては、「日本土地建物プライベートリート投資法人」の着実な成長を図りました。

この結果、当連結会計年度の営業収益は74,645百万円(前連結会計年度比4.7%減)、営業利益は14,821百万円(同1.4%増)、経常利益は14,482百万円(同6.2%増)となりました。
 なお、特別利益として、固定資産売却益など計1,309百万円を、特別損失として、固定資産売却損、固定資産除却損など計1,279百万円をそれぞれ計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は11,534百万円(前連結会計年度比27.8%減)となりました。

 

当連結会計年度におけるセグメントの業績は次のとおりであります。

(a) 都市開発事業

当セグメントにおきましては、不動産賃貸収入や私募リート「日本土地建物プライベートリート投資法人」への開発物件売却収入を計上し、営業収益は43,884百万円(前連結会計年度比5.5%減)、セグメント利益(営業利益)は12,414百万円(同0.6%減)となりました。

(b) 住宅事業

当セグメントにおきましては「GLOBAL FRONT TOWER」、「パークホームズ杉並和泉ザ・レジデンス」のマンション分譲収入等を計上し、営業収益は20,792百万円(前連結会計年度比3.7%減)、セグメント利益(営業利益)は4,391百万円(同5.7%増)となりました。

 

 

(c) 不動産ソリューション事業

当セグメントにおきましては、不動産仲介手数料、鑑定評価手数料に加え、事業用不動産の転売収入などを計上し、営業収益は4,171百万円(前連結会計年度比3.0%減)、セグメント利益(営業利益)は1,244百万円(同104.4%増)となりました。

(d) 資産運用事業

当セグメントにおきましては、不動産証券化や私募リートのアクイジションフィー、アセットマネジメントフィーなどを計上し、営業収益は2,098百万円(前連結会計年度比7.5%減)、セグメント利益(営業利益)は310百万円(同38.4%減)となりました。

(e) その他

その他では、ゴルフ場事業などにより、営業収益は4,065百万円(前連結会計年度比1.6%減)、セグメント利益(営業利益)は239百万円(同34.0%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローは、
 営業活動によるキャッシュ・フロー   21,647百万円(前年同期は   25,397百万円)
  投資活動によるキャッシュ・フロー △43,825百万円(前年同期は △19,004百万円)
  財務活動によるキャッシュ・フロー   21,361百万円(前年同期は  △9,789百万円)
となり、現金及び現金同等物は816百万円減少し、期末残高は14,845百万円(前年同期比5.2%減)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益は減益の14,512百万円(前連結会計年度比19.5%減)となり、減価償却費7,425百万円、たな卸資産の減少3,138百万円、預り敷金及び保証金の減少4,306百万円などにより、21,647百万円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出△61,020百万円、出資金の払込による支出△2,480百万円、有形固定資産の売却による収入20,332百万円などにより43,825百万円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

借入金の借入・返済によるネット収入25,190百万円を計上する一方、社債の償還による支出△2,800百万円を計上したことを主因に21,361百万円の収入となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注金額(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

都市開発事業

4,623

+67.3

2,652

+212.4

住宅事業

54

△52.1

1

△98.0

 

(注)  上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売金額(百万円)

前年同期比(%)

販売件数(戸・件)

前年同期比(%)

都市開発事業

6,610

△22.3

3

住宅事業

20,196

△5.7

311

+48.1

不動産ソリューション事業

286

△80.5

6

△68.4

合計

27,093

△13.7

320

+37.9

 

(注) 1 上記金額には消費税等は含まれておりません。

2 住宅事業の販売金額、販売戸数には、他社との共同事業によるマンション分譲等が含まれております。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後のわが国経済は、米国政権交代や英国EU離脱交渉などの動向によっては、金融市場の不安定化及びそれに伴う景気の減速等への懸念はあるものの、堅調な米国経済を中心に世界経済は緩やかながらも成長が見込まれ、国内においては公共投資等による経済対策がけん引し、回復基調で推移するものと考えられます。
 不動産投資市場においては、旺盛な投資ニーズを受け、価格上昇は継続するものの、取引利回りの水準が近年大幅に低下してきたこともあり、上昇幅は縮小することが見込まれます。不動産賃貸市場においては、都心部における大型開発による新規供給が継続するものの、企業の拡張移転等による需要の底堅さは継続し、空室率は下限に近い水準で引き続き推移するものと見込まれ、実質賃料も緩やかながら上昇傾向が続く見通しであります。住宅分譲市場においては、堅調に推移している都心部の需要は継続するものと思われますが、全体的には市況に減速感が感じられ、郊外部においては販売時における価格調整の動きがより顕著になることも予想されます。
 このような事業環境のもと、当社グループは東京五輪前後のマーケット変動の可能性を考慮し、計画期間3年の「中期経営計画2019」を策定し、次の6つの基本方針を掲げ収益基盤の強化と次なる成長へ向けた事業基盤の整備・拡充と戦略強化・推進への取り組みを開始いたしました。
○6つの基本方針
 ・京橋エドグランの早期安定稼働の実現
 ・新規領域の発掘と成長投資
 ・既存領域における選別と業務改善
 ・人材ポートフォリオの強化
 ・生産性と効率性の追求
 ・グループ企業理念の定着
 これらの方針に基づく各事業における戦略を実践し、グループ企業理念に掲げる「ともに考え、ともに創る。」を体現することにより、お客さまへの最適解の提供と当社グループの持続的な成長をともに実現してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 有利子負債依存について

当社グループは、設備投資資金および運転資金の多くを借入金や社債に依存しているため、総資産に占める有利子負債の比率が高い水準にあります。

有利子負債に占める固定金利比率が高いため、今後の金利上昇の影響は短期的には限定的ですが、中長期的には、金利上昇の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

また、金融機関の融資スタンスの厳格化や当社格付けの低下などにより、資金調達が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(2) 都市開発事業について

当社グループは、東京、大阪の都心部を中心にオフィスビルを保有し、都市開発事業を行っておりますが、景気動向の影響を受け、不動産市場が悪化した場合、賃料水準の下落、稼働率の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(3) 法的規制について

当社グループが行なう事業は、「宅地建物取引業法」、「建設業法」、「不動産の鑑定評価に関する法律」、「金融商品取引法」、「都市計画法」、「借地・借家法」などの法令の他、各自治体制定の条例などによる規制を受けております。また、SPCを活用した不動産投資では、「資産の流動化に関する法律」などによる規制を受けております。

将来における、これらの規制の改廃によって、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(4) 不動産価格の下落について

当社グループが保有する不動産(土地・建物)について、将来、経済状況、需給バランスの悪化等の要因により、価格が著しく下落した場合、当該資産の売却等による実現損計上、棚卸資産の評価に関する会計基準や固定資産の減損会計にかかる会計基準適用による評価減計上が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、SPCを活用した不動産投資についても、投資対象不動産の価格下落による評価減計上などにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(5) 株式保有について

当社グループは、多くの上場株式を保有しております。株式市場全体で大幅な株価下落が生じるような場合には、評価損の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(6) 災害による影響について

将来において、地震や風水害等の災害が発生した場合、所有資産の毀損・劣化などにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

(資産)

総資産は、前連結会計年度末に比べ19,257百万円増加し626,863百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ7,663百万円減少し54,645百万円となりましたが、これは主として、取得等により販売用不動産が増加した一方で、売却等により販売用不動産信託受益権が減少したことによるものであります。

また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ26,921百万円増加し572,217百万円となりましたが、これは主として、建設仮勘定が増加した一方で、投資有価証券のうち上場株式の期末評価額が減少したことによるものであります。

(負債)

負債は、前連結会計年度末に比べ13,790百万円増加し471,982百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ23,877百万円減少し146,459百万円となりましたが、これは主として、短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の減少によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ37,668百万円増加し325,523百万円となりましたが、これは主として、長期借入金の増加によるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ5,467百万円増加し154,880百万円となりました。これは主として、その他有価証券評価差額金が減少する一方で、利益剰余金が増加したことによるものであります。

(2) 経営成績の分析

(営業収益・営業利益)

営業収益は、販売用不動産売上の減少を主因に74,645百万円と前連結会計年度に比べ3,701百万円(4.7%)の減収、営業利益は14,821百万円と前連結会計年度に比べ199百万円(1.4%)の増益となりました。

(営業外損益・経常利益)

営業外収益は、主に受取配当金の増加により4,611百万円と前連結会計年度比606百万円の増加となりました。また、営業外費用は、主に支払利息が減少する一方で、シンジケートローン手数料が増加したことにより、4,949百万円と前連結会計年度比43百万円の減少となりました。これらにより、経常利益は14,482百万円と前連結会計年度に比べ849百万円(6.2%)の増益となりました。

(特別損益)

特別利益は、固定資産売却益など計1,309百万円と前連結会計年度比19,141百万円の減少となりました。一方、特別損失は、固定資産売却損、固定資産除却損など計1,279百万円と前連結会計年度比14,771百万円の減少となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益14,512百万円を計上し、法人税、住民税及び事業税2,587百万円、法人税等調整額126百万円などを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は11,534百万円と前連結会計年度に比べ4,441百万円(27.8%)の減益となりました。

なお、各セグメントの業績概要については、「1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 





出典: 日本土地建物株式会社、2016-10-31 期 有価証券報告書