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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、年度前半から設備投資が堅調に推移し、また企業部門の収益改善も進んだことにより、ゆるやかな回復基調で推移しました。しかし、年度後半は原油価格の高騰や輸出の鈍化、また自然災害などにより個人消費の盛り上がりを欠いた為に、景気回復への不透明感を残したまま推移しました。

不動産関連業界におきましては、地価の下落幅も縮小傾向に向かい、また一部で下げ止まる状況の中で、分譲住宅市場は立地や商品企画による顧客の厳しい選別が強まっております。また、不動産証券化市場においては、REITの資産規模も3兆円目前まで成長するなど、マーケット規模が大幅に拡大しました。

  このような事業環境のもと、当社グループは土地の特性に適合した不動産価値創造ビジネスを中核とした不動産コンサルティング事業に加え、高齢者を対象としたシニアハウジング&サービス事業、その他施設運営事業を展開しました。

その結果、当連結会計年度の売上高は12,564百万円(前年同期比111.3%)、営業利益は1,953百万円(前年同期比122.5%)、経常利益は1,539百万円(前年同期比124.3%)となり、当期純利益は732百万円(前年同期比134.7%)と前期に比べ増収増益となりました。

なお、当社グループにおきましては、従来、事業の種類別セグメントを「コンサルティング・CM事業」、「ディベロップメント事業」、「インベストメント・AM事業」、「施設運営事業」の4区分としておりましたが、当連結会計年度より連結の範囲が拡大されたことに伴い、事業の種類別セグメントを事業の実態に即した区分で表示し、その有用性を高めることを目的として、「不動産コンサルティング事業」、「シニアハウジング&サービス事業」、「その他施設運営事業」の3区分に変更しております。

事業の種類別セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。

    なお、当連結会計年度より事業の種類別セグメントを変更したため、前年同期比については、前連結会計年度分を変更後の区分に組み替えて行っております。

 

① 不動産コンサルティング事業

 大手企業向け不動産事業のコンサルティング及び、コンバージョンにおけるコンストラクションマネジメント、不動産証券化関連プロジェクト等を行いました。その結果、売上高7,774百万円(前年同期比93.0%)、営業利益2,594百万円(前年同期比137.2%)となりました。

 

② シニアハウジング&サービス事業

  シニアハウジングの展開を積極的に進め、当連結会計年度においては、要介護者を対象としたアシステッドリビング(介護付き有料老人ホーム)「ボンセジュール」シリーズ5棟、健常高齢者を対象としたシニアレジデンス1棟を新規オープンし、入居募集も順調に推移した結果、売上高3,292百万円(前年同期比151.3%)、営業利益553百万円(前年同期比91.6%)となりました。

 

③ その他施設運営事業

 那須にて、リゾートホテルとゴルフ場の運営を行い、更に新たに群馬、茨城において3施設のゴルフ場を取得しました。新規取得した施設につきましては、再生に要した先行投資などが費用として計上された結果、売上高1,496百万円(前年同期比198.1%)、営業損益は前連結会計年度より87百万円減少し、営業損失195百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の連結ベースでの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産の取得、不動産の賃借に伴う保証金の差入、並びにシニアハウジング建設の為の建設協力金の貸付等により支出が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ、14億1百万円減少し、当連結会計年度末には20億49百万円(前年同期比59.4%)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フロ−の状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロ−)

営業活動の結果得られた資金は、40億54百万円と前連結会計年度に比べて31百万円(前年同期比99.2%)減少しました。これは、主にシニアハウジング&サービス事業の積極的な展開に伴い、長期前受収益が増加したものの、棚卸資産の売却による収入が減少したこと、及び利息の支払いが増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロ−)

投資活動により使用した資金は、193億62百万円と前連結会計年度に比べて119億17百万円(前年同期比260.1%)増加しました。これは、主にシニアハウジング事業並びに施設運営事業を積極的に展開していった結果、用地取得並びに建設資金等の設備投資が増加し、その結果有形固定資産の取得及び建設協力金等の貸付による支出が増加したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロ−)

財務活動の結果得られた資金は、139億6百万円と前連結会計年度に比べて80億39百万円(前年同期比237.0%)増加しました。これは、主に設備投資の増加に伴い、短期及び長期借入れによる資金調達を行ったこと等によるものであります。

 

 

 

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループは、コンサルティング・CM事業、ディベロップメント事業、インベストメント・AM事業及び施設運営事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。

 

(2) 受注実績

当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと次のとおりであります。

なお、当中間連結会計期間から事業の種類別セグメントを変更したため、前年同期比較にあたっては前連結会計年度分を変更後の区分に組み替えて行っております。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成16年6月1日

至 平成17年5月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

不動産コンサルティング事業

7,774,784

93.0

シニアハウジング&サービス事業

3,292,435

151.3

その他施設運営事業

1,496,787

198.1

合計

12,564,007

111.3

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 平成15年6月1日

至 平成16年5月31日)

当連結会計年度

(自 平成16年6月1日

至 平成17年5月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本プライムリアルティ投資法人

710,000

5.7

西松建設㈱

1,033,810

9.2

3 事業の種類別セグメントにおける販売実績を部門別、用途別に示すと次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成16年6月1日

至 平成17年5月31日)

前年同期比

(%)

(部門別)

(用途別)

不動産コンサルティング事業

7,774,784

93.0

シニアハウジング&サービス事業

3,292,435

151.3

 

介護付高齢者住宅

1,850,183

169.6

健常高齢者向け住宅

1,261,136

125.4

その他

181,116

227.9

その他施設運営事業

 

1,496,787

198.1

リゾート部門

 

1,028,438

382.1

カルチャー部門

 

468,348

96.3

合計

12,564,007

111.3

4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 【対処すべき課題】

当社グループでは次の3つの項目を経営課題と認識し事業を行っております。

 

① 人材の育成

当社グループの不動産コンサルティング事業は、不動産・金融・建設に対する広範囲のスキルが必要な為、優秀なスタッフの充実が不可欠です。またシニアハウジング&サービス事業やその他施設運営事業を継続的に拡大するには、施設の展開力に加えて、運営の質の向上が重要な成功要因となり、その為には運営に携わる優秀なスタッフが必要です。その為に、各事業において新卒・中途採用を積極的に進め、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)制度に加え研修制度の充実を図り、優秀な人材の獲得・育成に注力していきます。

 

② 事業企画力の強化

当社グループのコアスキルである不動産コンサルティング事業では、オフィスビル、賃貸マンション、分譲マンション(ファミリー・ワンルームタイプ)、シニアハウジング(高齢者用住宅)、ビジネスホテル、商業施設、娯楽・文化施設等、運営まで含めた多岐にわたる不動産プロジェクトを実行しておりますが、そのノウハウを活用し更なる収益性向上の追求と、新たな事業モデルの検討を進めていく事で事業企画力を強化し、競争力を向上させる方針です。

 

③ 運営ノウハウの向上

「シニアハウジング&サービス事業」及び「その他施設運営事業」では、各種不動産の運営事業を行っております。当社グループは、中長期的に運営ノウハウの向上が他社との差別化要因になっていくものと考えており、人材の育成に加えてノウハウを均一化する仕組みなど構築しながら運営ノウハウの向上を図っていく方針です。

 

4 【事業等のリスク】

 当社グループは、事業等のリスクに関し、組織的に対処することとしておりますが、以下において投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1)有利子負債依存度

当社グループの不動産プロジェクト、シニアハウジングの開発並びにその他施設運営における不動産取得及び建築費の一部は、主に金融機関からの借入金によって調達している為、総資産額に占める有利子負債の割合が高く、当社グループの経営成績及び財政状態は金利変動により影響を受ける可能性があります。

資金調達に際しては、当社グループでは特定の金融機関に依存することなく個別案件毎に金融機関に融資を打診し、融資の了解を得た後にプロジェクトを進行させております。ただし、何らかの理由により資金調達が不十分或いは不調に終わった場合には、当社グループの事業利益が圧迫され、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 法的規制について

当社グループの属する不動産業界において、事業領域は不動産の開発から販売・賃貸までに及び、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、不動産特定共同事業法、借地借家法、建物の区分所有等に関する法律、住宅品質確保促進法、信託業法等により法的規制を受けております。

また、当社グループのシニアハウジング&サービス事業においては、介護福祉法、老人福祉法により規制を受けております。

今後、法的環境が大きく変わることがあれば、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があると考えております。

 

(3) シニアハウジング&サービス部門

① 競合について

高齢化社会の進展に伴い、シニアマーケットは拡大を続けるものと考えられております。その為に、医療法人などの公的非営利主体及び他業種から様々な企業が高齢者住宅事業に参入しております。

従いまして今後の新規参入や競争の激化に伴い、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 入居者の安全管理・健康管理について

当社グループが運営する施設の入居者は平均年齢75歳以上の高齢者であり更にケア付高齢者住宅では、ほぼ全員が要介護認定を受けており、入居者の転倒等によって入居者の生命に関わる重大な事故に発展する可能性があります。また、食事や入浴等を共有する集団生活が行なわれている事から入居者の食中毒・集団感染等の危険度は相対的に高いと考えられます。

当社は、十分な人員体制によって万全の安全管理・健康管理を行なっており、過去に重大な事故や食中毒等を起こした事は有りませんが、万一事故等が発生して、当社の管理責任が問われた場合には、当該事業の展開に支障をきたす可能性があります。

 

③ 施設の売上計上に関して

当社グループの各施設への入居に際して、入居者は入居時費用として入居一時金と、月額利用料が必要となります。入居一時金は、将来に支払われるべき施設の家賃を入居時に前払い家賃分として支払うものであります。従って当該一定期間内に契約が解除された場合には、入居一時金の内、入居経過年数に応じて償却された残預額(未償却分)が入居者に返還される事となります。その為、今後中途解約が発生することにより当社から現金が流出することとなります。

なお、当施設からの売上高は、入居一時金の償却分と、月々の家賃及び管理費の合計から構成されております。会計上、入居一時金は「長期前受収益」勘定とし、その償却分を売上計上するという処理を行っております。また、入居一時金の償却は、アシステッドリビング(要介護者向け住宅)「ボンセジュール」シリーズは5年、シニアレジデンス「チャーミング」シリーズは各施設毎に償却年数が定められており、「チャーミングコート溝の口」は20年4ヶ月、「チャーミング・スクウェア本郷」は16年で終了するスケジュールとなっておりますので、償却終了年以降は入居一時金の償却による売上は発生せず、施設の売上高としては、月々の家賃と管理費のみが計上されることとなります。

その為、何らかの理由により、当社施設の入居者の入替えがスムーズに行なわれない場合(①入替え新規入居者が募集できない場合 ②既存入居者が償却スケジュール以上の期間入居されている場合)には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 現在進行中の大型自社物件開発案件

当該プロジェクトに関わる営業開始までに発生する諸費用(入居募集に関する人件費、広告宣伝費、モデルルームコスト等)については、運営主体(事業主)が新設子会社の場合に限り、「開業費」として繰延資産計上した上で、商法に規定する最長期間(5年)に渡り均等償却を行い、既設子会社が新たに運営主体(事業主)となり、開発を行う場合には、繰延資産計上を行わず、一括費用計上する方針となっております。

現在進行中の「チャーミング・スクウェア舞子」「チャーミング・スクウェア芦屋」「チャーミング・スクウェア白金」に関しては、それぞれ新設子会社が事業主体となっており、開業費として繰延資産計上した上で、5年均等償却を行うため、現在の会計方針に変更はございません。

 

(4) 減損会計について

当社グループは、不動産コンサルティング事業、シニアハウジング&サービス事業、その他施設運営事業において、固定資産(収益不動産等)を所有しており、各所有不動産は当社のCM機能を活用したリノベーション、コンバージョンにより収益性の維持を図っております。しかし、今後の景気動向などにより当社グループ所有不動産の収益性が悪化し、投資額の回収が見込めなくなった場合、一定の条件の下で固定資産の減損処理(減損会計)等の会計基準の適用を受けると、回収可能性を反映させるように帳簿価格を減額する必要性が生じる為に、当該会計処理の具体的内容、地価の動向及び当社の収益状況によっては、当社グループの財政状況及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 個人情報保護について

当社グループの事業遂行上、極めて重要な個人情報を取扱うことを伴います。情報管理については、個人情報保護法に則り、当社グループの個人情報保護方針を制定しております。その方針に則り、情報漏洩のない様に取扱いには留意しております。しかしながら、不測の事態により万が一個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合には当社グループへの信用が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積もりを必要とします。経営者はこれら見積もりについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。

     当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に当該連結会計年度における収益・費用に影響を与える見積もりは、主に貸倒引当金であり、継続して評価を行っております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

    「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績」をご参照ください。

 

(3)経営成績に重大な影響を与える要因について

当社グループの主力マーケットである、不動産関連マーケット、高齢者マーケットでは法的規制の変動による業績への影響、有利子負債への依存による事業展開への影響等、経営成績に重要な影響を与える可能性を含む様々な要因が挙げられます。詳細につきましては、「第2[事業の状況]4[事業等のリスク]」をご参照ください。

 

(4)戦略的現状と見通し

不動産コンサルティング事業につきましては、不良債権処理や、資産リストラ、不動産の収益率向上ニーズや不動産流動化の流れをビジネスチャンスとし、当社の事業モデルを限定せず、多様なニーズに的確に対応する事で、当社の事業成約状況は好調に推移しております。今後も、個別性の高い不動産のニーズに対応した事業モデルの創出に注力してビジネスチャンスを捉え、事業原価の抑制に努める事で収益力の高い事業展開を図る努力を重ねてまいる所存であります。

 シニアハウジング&サービス事業におきましては、特に高齢者用住宅の増加に伴い運営戸数も堅調に増加する予定ですが、展開するシニア住宅において、最高の立地・設備・価格を提供する努力は当然のこと、運営におけるサービスの向上こそが施設運営事業の根幹であるという認識のもと、更なる企業努力に努めてまいります。

 その他施設運営事業におきましては、ホスピタリティあふれるサービスの提供を目的として、ゴルフ場・ホテル等各種施設の運営サービスを行うために、サービスのレベルアップ及び均一化を図る方針であります。

 中期目標としましては、平成20年5月期に連結経常利益50億円を目標とし、不動産コンサルティング事業、シニアハウジング&サービス事業及びその他施設運営事業をバランスよく展開していく方針であります。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

資金の状況につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(6)経営者の問題意識と今後の方針について

     当社グループの経営陣は「社会貢献」をミッションに、現在の事業環境と将来想定される環境の変化に関する入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。

     当社グループの主力事業である不動産コンサルティング事業におきましては、ますます不動産価値創造のスキルが高度化するものと考えられ、ニーズに対応した事業モデルの構築に注力することで、事業成約率の向上を図りたいと考えております。

     また、シニアハウジング&サービス事業及びその他施設運営事業におきましては「ホスピタリティーサービスの提供」を事業ミッションに、住宅・施設の開発から運営に関する様々なサービスまでをトータルして提供するため、社員の採用・教育・モチベーション向上まで注力し、グループ一丸となって企業価値を向上していく所存でございます。

 





出典: 株式会社ゼクス、2005-05-31 期 有価証券報告書