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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の日本経済は、企業収益の回復に支えられた設備投資の増加や雇用環境や所得の改善等により、個人消費が底堅く推移し、景気は緩やかな回復局面となりました。

不動産関連業界におきましては、J-REITの上場銘柄数や私募ファンド等の増加による運用総額が増大し、都心部の空室率改善及び賃料上昇等、不動産投資市場は拡大しております。

しかしながら、不動産価格の高騰、耐震強度偽装問題による不動産に対する不信感、日本銀行が5年間続けてきた金融の量的緩和政策の解除による金利上昇懸念等により、不動産の需要にも先行きの不透明感が現れております。

このような事業環境のもと、当社グループは土地の特性に適合した不動産価値創造ビジネスを中核とした不動産コンサルティング事業に加え、高齢者を対象としたシニアハウジング&サービス事業、その他施設運営事業を展開しました。

その結果、当連結会計年度の売上高は23,058百万円(前年同期比183.5%)、経常利益は2,255百万円(前年同期比146.5%)となり、当期純利益は928百万円 (前年同期比126.7%)と前連結会計年度に比べ増収増益となりました。

 

事業の種類別セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。

    ① 不動産コンサルティング事業

REIT向け不動産事業、大手企業向け不動産事業のコンサルティングおよび、コンバージョンにおけるコンストラクションマネジメント、不動産証券化関連プロジェクト等を行いました。その結果、売上高は15,266百万円(前年同期比196.4%)、営業利益4,686百万円(前年同期比180.6%)となりました。

② シニアハウジング&サービス事業

 シニアハウジングの展開を積極的に進め、当連結会計年度においては、要介護者を対象としたアシステッドリビング(介護付き有料老人ホーム)「ボンセジュール」シリーズ3棟、健常高齢者を対象としたシニアレジデンス「チャーミング・スクウェア」シリーズ1棟を新規オープンした結果、売上高は4,497百万円(前年同期比136.6%)、営業利益619百万円(前年同期比111.9%)となりました。

③ その他施設運営事業

  リゾートホテル1施設とゴルフ場4施設の運営及びリゾートホテル運営のコンサルティングを行い、新たに山梨において1施設のゴルフ場を取得しました。売上高は3,293百万円(前年同期比220.1%)、営業損失は前連結会計年度より83百万円減少し、営業損失111百万円となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の連結ベースでの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、たな卸資産及び有形固定資産の取得、並びに株式公開買付(TOB)による子会社株式の取得等の支出が増加したものの、長期借入れおよび社債の発行等により収入が増加した結果、前連結会計年度に比べ、41億52百万円増加し、当連結会計年度末には62億1百万円(前年同期比302.6%)となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フロ−の状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロ−)

営業活動により使用した資金は、36億78百万円(前年同期は、得られた資金40億54百万円)と前連結会計年度に比べて77億32百万円増加しました。これは、主に中央毛織株式会社を新たに連結子会社としたことに伴い、分譲マンション事業等のディベロップメント部門にかかる土地等のたな卸資産の取得による支出並びに利息の支払いが大幅に増加したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロ−)

投資活動により使用した資金は、237億30百万円と前連結会計年度に比べて43億67百万円(前年同期比122.6%)増加しました。これは、主に中部圏、近畿圏等の首都圏以外での事業基盤の拡大、および当社グループにおけるより一層の運営事業の拡大に資するため、運営体制の強化を目指し、株式公開買付(TOB)等により子会社及び関連会社株式を積極的に取得したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロ−)

財務活動の結果得られた資金は、312億24百万円と前連結会計年度に比べて173億17百万円(前年同期比224.5%)増加しました。これは、主にたな卸資産及び有形固定資産の取得、並びに子会社及び関連会社株式の取得に伴い、長期借入れおよび社債の発行による資金調達を行ったこと等によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループは、コンサルティング・CM事業、ディベロップメント事業、インベストメント・AM事業及び施設運営事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。

 

(2) 受注実績

当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成17年6月1日

至 平成18年5月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

不動産コンサルティング事業

15,266,374

196.4

シニアハウジング&サービス事業

4,497,947

136.6

その他施設運営事業

3,293,703

220.1

合計

23,058,025

183.5

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 平成16年6月1日

至 平成17年5月31日)

当連結会計年度

(自 平成17年6月1日

至 平成18年5月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈲ゼット・スター

1,363,070

5.9

日本プライムリアルティ

投資法人

710,000

5.7

3 事業の種類別セグメントにおける販売実績を部門別、用途別に示すと次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成17年6月1日

至 平成18年5月31日)

前年同期比

(%)

(部門別)

(用途別)

不動産コンサルティング事業

15,266,374

196.4

シニアハウジング&サービス事業

4,497,947

136.6

 

介護付高齢者住宅

2,812,377

152.1

健常高齢者向け住宅

1,483,569

117.6

その他

202,000

111.5

その他施設運営事業

 

3,293,703

220.1

リゾート部門

 

2,262,391

220.0

カルチャー部門

 

473,198

101.0

その他部門

 

558,113

合計

23,058,025

183.5

4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

当社グループでは次の3つの項目を経営課題と認識し事業を行っております。

① 人材の育成

当社グループの不動産コンサルティング事業は、不動産・金融・建設に対する広範囲のスキルが必要な為、優秀なスタッフの充実が不可欠です。またシニアハウジング&サービス事業やその他施設運営事業を継続的に拡大するには、施設の展開力に加えて、運営の質の向上が重要な成功要因となり、その為には運営に携わる優秀なスタッフが必要です。その為に、各事業において新卒・中途採用を積極的に進め、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)制度に加え研修制度の充実を図り、優秀な人材の獲得・育成に注力していきます。

② 事業企画力の強化

当社グループのコアスキルである不動産コンサルティング事業では、オフィスビル、賃貸マンション、分譲マンション(ファミリー・ワンルームタイプ)、シニアハウジング(高齢者用住宅)、ビジネスホテル、商業施設、娯楽・文化施設等、運営まで含めた多岐にわたる不動産プロジェクトを実行しておりますが、そのノウハウを活用し更なる収益性向上の追求と、新たな事業モデルの検討を進めていく事で事業企画力を強化し、競争力を向上させる方針です。

③ 内部統制システムの強化

当社グループでは、企業価値を高めるために、CSR重視の経営を進めておりますが、コーポレート・ガバナンス充実の一環として会社法が求める内部統制システムの構築につきましても、さらにその運用の充実を図ることが必要と判断しております。その取組として、経営の意思決定と業務執行機能を分離し、それぞれの効率・迅速化を図り、経営体制を強化する人事異動を行いました。

 

4 【事業等のリスク】

 当社グループは、事業等のリスクに関し、組織的に対処することとしておりますが、以下において投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 なお、本文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① 経済環境におけるリスク

わが国の経済情勢が急速に悪化した場合、そのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映して不動産市場等に変動が生じ、不動産価格の下落等によって当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

  

  ② 有利子負債におけるリスク

当社グループの事業に係る土地、建物の取得費及び建築費等は、主に金融機関からの借入金によって調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率が高くなっております。将来において、金利が上昇した場合には資金調達コストが増加する事により当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。資金調達については特定の金融機関に依存することなく、案件ごとに複数の金融機関と交渉しておりますが、突発的な内外部環境の変化等により、資金調達が出来なかった場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 

  ③ 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク

    不動産には、権利、地盤、地質、構造などに関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性があります。当社グループは、当社技術部を中心にこれらの品質チェックを行って事業を推進しておりますが、欠陥、瑕疵等の状態によっては、資産価値の低下を防ぐ為に、予定外の費用を負担せざるを得ない場合がある等、当社の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  ④ 災害等によるリスク

将来において、火災、地震、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下、「災害等」という)が発生した場合には、グループとして保有・運営する不動産が滅失、劣化又は毀損し、その資産価値が低下する可能性があります。このような被害を受けた場合、その修復の為に建物の使用が一定期間不能となり、賃料収入の減少や資産価値の低下等によって、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑤ 法的規制に関するリスク

当社グループは、不動産の収益性改善に関する事業を行う過程で,不動産の取得、開発、賃貸借等を行っており、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法等の法的規制を受けながら事業を行っております。また、シニアハウジング&サービス事業においては、介護福祉法、老人福祉法等による規制を受けながら、事業を行っております。今後、法令等の制定・改正や規制の変更への対応に伴い、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑥ 減損会計について

当社は各セグメントにおいて固定資産を所有しており、各所有不動産は当社のCM機能を活用したリノベーション、コンバージョンにより収益性の維持を図っております。しかし今後の景気動向などにより当社グループ所有不動産の収益性が悪化し、投資額の回収が見込めなくなった場合、一定の条件下で固定資産の減損処理(減損会計)等の会計基準の適用を受けると、回収可能性を反映させるように帳簿価格を減損する必要性が生じるために、当該会計処理の具体的な内容、地価の動向及び当社の収益状況によっては、当社グループの財政状況及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑦ 運営事業全体について

当社グループはグループ会社において、シニアハウジング&サービス事業及びその他施設運営事業を行っております。シニアハウジング事業等の施設運営事業は、高齢化社会の進展に伴い、様々な企業の参入が予測されます。今後の新規参入や競争の激化に伴って、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、運営において万一、事故が発生し当社グループの管理責任を問われた場合、また顧客情報の漏洩により、当社が個人情報保護法違反を問われた場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

  ⑧ シニアハウジング&サービス事業について

(イ)入居者の安全管理・健康管理について

当社グループが運営する施設の入居者は平均年齢75歳以上の高齢者であり更にケア付高齢者住宅では、ほぼ全員が要介護認定を受けており、入居者の転倒等によって入居者の生命に関わる重大な事故に発展する可能性があります。また、食事や入浴等を共有する集団生活が行なわれている事から入居者の食中毒・集団感染等の危険度は相対的に高いと考えられます。当社は、十分な人員体制によって万全の安全管理・健康管理を行なっており、過去に重大な事故や食中毒等を起こした事は有りませんが、万一事故等が発生して、当社の管理責任が問われた場合には、当該事業の展開に支障をきたす可能性があります。

(ロ)施設の売上計上に関して

当社グループの各施設への入居に際して、入居者は入居時費用として入居一時金と、月額利用料が必要となります。入居一時金は、将来に支払われるべき施設の家賃を入居時に前払い家賃分として支払うものであります。従って当該一定期間内に契約が解除された場合には、入居一時金の内、入居経過年数に応じて償却された残預額(未償却分)が入居者に返還される事となります。その為、今後中途解約が発生することにより当社から現金が流出することとなります。

なお、当施設からの売上高は、入居一時金の償却分と、月々の家賃及び管理費の合計から構成されております。会計上、入居一時金は「長期前受収益」勘定とし、その償却分を売上計上するという処理を行っております。また、入居一時金の償却は、アシステッドリビング(要介護者向け住宅)「ボンセジュール」シリーズは5年、シニアレジデンス「チャーミング」シリーズは各施設毎に償却年数が定められており、「チャーミングコート溝の口」と「チャーミングスクウェア舞子」は20年4ヶ月、「チャーミング・スクウェア本郷」は16年で終了するスケジュールとなっておりますので、償却終了年以降は入居一時金の償却による売上は発生せず、施設の売上高としては、月々の家賃と管理費のみが計上されることとなります。

その為、何らかの理由により、当社施設の入居者の入替えがスムーズに行なわれない場合(①入替え新規入居者が募集できない場合 ②既存入居者が償却スケジュール以上の期間入居されている場合)には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積もりを必要とします。経営者はこれら見積もりについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。

     当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に当該連結会計年度における収益・費用に影響を与える見積もりは、主に貸倒引当金であり、継続して評価を行っております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

    「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績」をご参照ください。

 

(3)経営成績に重大な影響を与える要因について

当社グループの主力マーケットである、不動産関連マーケット、高齢者マーケットでは法的規制の変動による業績への影響、有利子負債への依存による事業展開への影響等、経営成績に重要な影響を与える可能性を含む様々な要因が挙げられます。詳細につきましては、「第2[事業の状況]4[事業等のリスク]」をご参照ください。

 

(4)戦略的現状と見通し

不動産コンサルティング事業につきましては、不良債権処理や、資産リストラ、不動産の収益率向上ニーズや不動産流動化の流れをビジネスチャンスとし、当社の事業モデルを限定せず、多様なニーズに的確に対応する事で、当社の事業成約状況は好調に推移しております。今後も、個別性の高い不動産のニーズに対応した事業モデルの創出に注力してビジネスチャンスを捉え、事業原価の抑制に努める事で収益力の高い事業展開を図る努力を重ねてまいる所存であります。

 シニアハウジング&サービス事業におきましては、特に高齢者用住宅の増加に伴い運営戸数も堅調に増加する予定ですが、展開するシニア住宅において、最高の立地・設備・価格を提供する努力は当然のこと、運営におけるサービスの向上こそが施設運営事業の根幹であるという認識のもと、更なる企業努力に努めてまいります。

 その他施設運営事業におきましては、ホスピタリティあふれるサービスの提供を目的として、ゴルフ場・ホテル等各種施設の運営サービスを行うために、サービスのレベルアップ及び均一化を図る方針であります。

 中期目標と致しましては、各セグメントの業績伸張を図るとともに、セグメント間のシナジー効果を追求することでグループ全体の成長を目指していく方針であります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

資金の状況につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(6)経営者の問題意識と今後の方針について

     当社グループの経営陣は「社会貢献」をミッションに、現在の事業環境と将来想定される環境の変化に関する入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。

     当社グループの主力事業である不動産コンサルティング事業におきましては、ますます不動産価値創造のスキルが高度化するものと考えられ、ニーズに対応した事業モデルの構築に注力することで、事業成約率の向上を図りたいと考えております。

     また、シニアハウジング&サービス事業及びその他施設運営事業におきましては「ホスピタリティーサービスの提供」を事業ミッションに、住宅・施設の開発から運営に関する様々なサービスまでをトータルして提供するため、社員の採用・教育・モチベーション向上まで注力し、グループ一丸となって企業価値を向上していく所存でございます。

 





出典: 株式会社ゼクス、2006-05-31 期 有価証券報告書