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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における日本経済は、上半期は企業収益の改善を背景に設備投資や雇用は比較的堅調に推移しましたが、昨夏以降、米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的な金融市場の混乱や原油・原材料・一次産品価格の高騰などを背景として世界経済は迷走状態となり、日本においても景気の先行きは一段と不透明感が広がっており、特に下半期には下降局面が顕在化してまいりました。

不動産業界におきましては、J-REIT市場は低迷、建築基準法改正による基準の厳格適用から住宅着工数は激減、さらに建築原材料価格の急騰等により建築費は高騰、金融機関は不動産投融資に対する急激な圧縮を図るなかで、内需は一層低迷し、不動産事業収益の悪化と供給資金の急激な減少を招くこととなり、極めて厳しい状況に陥っております。 
 

当社グループは、従来、土地の特性に適合した不動産価値ビジネスである不動産コンサルティング事業、高齢者を対象としたシニアハウジング&サービス事業、リゾート&スポーツ等の総合的バランスを考慮した不動産事業展開を行ってまいりましたが、こうした経済環境の悪化に伴い、ゴルフ場事業ならびにホテル事業からの撤退、さらに子会社の株式会社中央コーポレーションの株式売却に伴う関連会社への移行等により経営資源の選択と集中を進めてまいりました。

しかしながら、不動産開発事業の大型案件の動きが市況低迷による鈍化から、次期にずれ込んだこと、また、シニアハウジング事業の資産流動化に関連した売上の一部を繰延処理等実施したこともあり、営業利益および経常利益は計画に対し大幅な未達となりました。さらに、当社子会社による静岡県での事業である「すんぷ夢ひろば」の財務内容の改善を図るため、保有する有形固定資産について思い切った減損処理を実施いたしました結果、多額の特別損失が発生する事態になりました。 
 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は84,264百万円(前期比43.0%増)、営業利益は4,524百万円(前期比28.1%減)、経常利益は1,600百万円(前期比57.4%減)、当期純損失6,520百万円(前期は1,663百万円の当期純利益)と、上場以来、初の赤字決算を計上することとなりました。

 

事業の種類別セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。

① 不動産コンサルティング事業

不動産に関わる大手企業向けコンサルティング、REIT・ファンド向け不動産事業、コンバージョンにおけるコンストラクションマネジメント、不動産証券化事業、また持分法適用関連会社である株式会社中央コーポレーションによるマンション分譲事業等を行いました。当初売上計上を予定していた、沖縄のホテルの土地建物売却が特別利益(固定資産売却益)として計上されたこと、昨今の金融環境の激変に伴い大型案件の売却時期が遅れたことなどから、売上高は68,042百万円(前期比46.6%増)、営業利益は10,894百万円(前期比3.0%増)となりました。 
 

② シニアハウジング&サービス事業

 当連結会計年度においては、要介護者を対象としたアシステッドリビング(介護付有料老人ホーム)「ボンセジュール」シリーズ4棟の新規オープン、営業譲受による介護付有料老人ホーム3棟の取得、ならびに健常高齢者を対象としたシニアレジデンス「チャーミング・スクウェア」シリーズ2棟を新規オープンいたしました。また、平成19年12月、グッドウィル・グループ株式会社より介護付有料老人ホーム「コムスンガーデン(現ボンセジュール・グラン)」4棟、住宅型有料老人ホーム「バーリントンハウス」2棟の運営を承継いたしました。 

 前年度末に積極的な施設展開を行った結果、入居率が低い施設の割合が高まったことか ら、売上高は10,661百万円(前期比85.1%増)、営業損失は1,788百万円(前期は、703百万円の営業損失)となりました。

③ リゾート&スポーツ、その他事業

  事業の選択と集中として、ゴルフ場事業からの撤退、沖縄にて運営しておりましたホテル事業の売却を行いました。 
 温浴レクリエーション施設「すんぷ夢ひろば」事業に関しては、一部に改善の兆しは見られるものの、未だ当初計画を達成することができませんでした。 
 この結果、売上高は5,561百万円(前期比17.5%減)、営業損失は1,225百万円(前期は、602百万円の営業損失)となりました。 

  なお、前連結会計年度まで「その他施設運営事業」として分類しておりましたセグメント名称を当連結会計年度より「リゾート&スポーツ、その他事業」と変更しております。

(2) 総資産、負債および純資産の状況

総資産は、ゴルフ事業ならびにホテル事業からの撤退や子会社であった㈱中央コーポレーションの非連結化等により、96,755百万円(前年同期比34.1%減)となりました。

負債は、有利子負債の圧縮等により、88,920百万円(前年同期比30.5%減)となりました。

純資産は、㈱中央コーポレーションの非連結化に伴う少数株主持分の減少、当期純損失の増加等により、7,834百万円(前年同期比58.4%減)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の回収が進んだことおよび長期前受収益(入居一時金)による収入が増加したものの、資産オフバランス化に伴う有利子負債圧縮やたな卸資産及び有形固定資産の取得による支出により、前連結会計年度に比べ3,700百万円減少し、5,950百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フロ−の状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロ−)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比7,452百万円の資金が増加し、2,701百万円の支出となりました。これは主として、分譲マンション事業等不動産コンサルティング事業にかかる土地等のたな卸資産の取得および法人税等の支出が大幅に増加した一方で売上債権の回収が進んだことおよび長期前受収益(入居一時金)による収入が増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロ−)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比13,313百万円の資金が増加し、75百万円の収入となりました。これは主として、子会社及び関連会社株式を取得したことによる支出ならびに有形固定資産取得による支出があったものの、ゴルフ場事業ならびにホテル事業の売却により関係会社株式売却収入および有形固定資産の売却による収入が増加したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロ−)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比27,719百万円の資金が減少し、847百万円の支出となりました。これは主として、有利子負債の返済が進んだことによるものです。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループは、コンサルティング・CM事業、ディベロップメント事業、インベストメント・AM事業及び施設運営事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。

 

(2) 受注実績

当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成19年6月1日
至 平成20年5月31日)
販売高(百万円)
前年同期比(%)
不動産コンサルティング事業
68,042
46.6
シニアハウジング&サービス事業
10,661
85.1
リゾート&スポーツ、その他事業
5,561
△17.5
合計
84,264
43.0

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先
前連結会計年度
(自 平成18年6月1日
至 平成19年5月31日)
当連結会計年度
(自 平成19年6月1日
至 平成20年5月31日)
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
合同会社ヘムロック・デベロップメント
9,700
16.5
エルシーピー投資法人
7,168
12.2

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

米国におけるサブプライムローン関連損失の増加と世界原油高から世界経済全般の景気の下振れリスクについても十分な注意を払う必要があります。また、国内経済は原油価格・一次産品・原材料価格のさらなる高騰による個人消費の一層の冷え込みにより景気の減速感がさらに強まることが懸念されます。 
 

こうした経済環境のもとで、当社は事業基盤の再構築と財務体質の強化が喫緊の課題であります。不動産開発事業としてはREIT市場の悪化、不動産市況の低迷の長期化が予想されるなかで、厳格なリスクマネジメント体制と資産の効率化を図り早期に筋肉質への体質改善を行い、施設運営事業につきまして経営資源の集中による高品質・効率化により収益の安定的確保ができる均衡的拡大体制への整備を行うことで、安定した持続的成長が可能な企業となるため、当社グループは、来年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「ゼクスリバイバルプラン2011」をスタートいたします。 

①事業基盤の再構築

不動産コンサルティング事業は、リスクの精査(案件の厳選)と収益の最大化(不動産バリューアップ)に重点を置いた新体制とし、人材と組織力を活かした展開を行ってまいります。また、当該事業はファイナンス上の観点から効率性をより重視する体制へと変革いたします。

シニアハウジング&サービス事業は、積極的な事業展開が収益の悪化を招いたため、ビジネスモデルを再構築するとともに、運営効率の改善に重点を置いた新体制といたします。また、ファイナンス・収益上の観点より新規出店は厳選する方針とし、既存施設の入居率改善を優先することで、早期に営業赤字を解消し、安定的な収益を生み出す事業へと変革いたします。

リゾート&スポーツ、その他事業は、当社独自での展開を図っておりましたが、今後は第三者との提携等を含め、より付加価値の高いサービス提供ができる体制を模索してまいります。 

②キャッシュフローの安定的創出

来年度より、営業キャッシュ・フローを黒字化させるとともに、シニアハウジング&サービス事業を安定的な収益を生み出す事業として早期に立ち直りを図り、営業キャッシュ・フローの拡大を図ります。

また、営業経費の削減により外部環境の変化への対応力を備えた収益構造へと脱皮するとともに、営業経費の効率化の観点から、費用対効果の向上と人件費等固定費の縮小、当該計画初年度の販売費・一般管理費を対前年度比20%削減いたします。

③財務体質の強化

経営基盤の再構築をもとにした、自助努力による利益の積み増しに加え、新たな資本増強を計画しております。 

また、保有不動産の売却や事業の見直し等の資産圧縮を積極的に進めることで、有利子負債の削減を行ってまいります。 

   (会社の支配に関する基本方針)

当社は、平成19年7月12日開催の取締役会に於いて、会社法施行規則第127条に定める「当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を以下のように決定いたしました。

 

  ① 基本方針の内容

     当社は公開会社であることから、当社が当社株式の大量買付けによる当社グループへの経営への関与または支配権の移転を伴う買付提案を受けた場合には、その提案・実施に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。

     しかしながら、将来起こりうる当社株式の大量買付行為の中には、その目的等から見て明らかに企業価値を損なうと考えられるもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討するに十分な情報や時間を提供しないものなど、濫用目的によるものがないとは言えず、その結果として、企業価値を毀損し、株主の皆様の利益を損なう可能性もあります。

     そのため、当社は当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループ・ミッションおよび社会的存在価値を踏まえた企業経営を十分に理解し、当社の企業価値および株主の皆様の共同の利益を中長期的に確保、向上していくことに理解あることが必要であり、上記に挙げたような大量買付行為を一方的かつ強行に行う者に対しては必要かつ相当な対策を講じることとし、これをもって、会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針としております。

 

② 不適切な支配の防止のための取組み

     当社は、当社株式の大量買付の提案・実施がなされるに際しては、株主の皆様が不適切な買付行為等ではないかどうかを判断されるために十分な情報や時間の提供がなされること、また、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を毀損する買付等を未然に防止するために一定のルールを策定しました。

     当ルールは、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付、または、当社が発行者である株券等について、公開買付にかかわる株券等の株券等所有者割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付等を対象とし、イ.買付者等が買付等を行う前に、買付等の内容の検討に必要な情報および当ルールに定める手続を遵守する旨を記載した書面を提出すること、ロ.買付行為は買付者等が当社取締役会に対して前述の情報および書面を提出した後、一定の評価期間の経過後に開始されることを必要条件といたしました。

     当ルールが遵守されない場合、または、当ルールが遵守された場合であっても、当社の企業価値、株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合、当社は、当該買付者等による権利行使は認められないとの行使条件、および当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引換に新株予約権を取得することができる旨の取得条項、が付された新株予約権を、その時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当の方法により割り当てます。

     なお、当新株予約権無償割当手続きの実施、不実施の判断については、当社取締役会の恣意的判断を排するため、当社の経営陣から独立した者で構成される独立委員会を設置しており、同委員会の判断を仰ぎ、取締役会はその判断を最大限尊重するものとしています。

 ③ 具体的な取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

     当社取締役会は、上記②の施策を上記①の基本方針に則り設計し、企業価値および株主の皆様の共同の利益を確保、向上させることを前提に導入いたします。

     それは、当社株式の大量買付の提案・実施がなされるに際しては、株主の皆様が不適切な買付行為等ではないかどうかを判断されるために十分な情報や時間の提供がなされることを確保し、①の基本方針のとおり、その提案・実施に応じるか否かの判断を、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきことを原則としつつ、さらに、上記②の実施、不実施の判断については、当社の経営陣から独立した者で構成される独立委員会を設置し、同委員会の判断を経ることが定められていることから、公共性・客観性は充分担保されており、当社取締役の地位の維持を目的とするものではない仕組みの確保が出来るものと考えております。

 

4 【事業等のリスク】

 当社グループは、事業等のリスクに関し、組織的に対処することとしておりますが、以下において投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成20年5月31日)現在において、当社グループが判断したものであり、将来発生するすべてのリスクおよび可能性について網羅したものではありません。

 

① 経済環境におけるリスク

わが国の経済情勢が急速に悪化した場合、そのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映して不動産市場等に変動が生じ、不動産価格の下落等によって当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  ② 有利子負債におけるリスク

当社グループの事業に係る土地、建物の取得費及び建築費等は、主に金融機関からの借入金によって調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率が高くなっております。将来において、金利が上昇した場合には資金調達コストが増加する事により当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。資金調達については特定の金融機関に依存することなく、案件ごとに複数の金融機関と交渉しておりますが、突発的な内外部環境の変化等により、資金調達が出来なかった場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 

  ③ 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク

    不動産には、権利、地盤、地質、構造などに関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性があります。当社グループは、当社技術部を中心にこれらの品質チェックを行って事業を推進しておりますが、欠陥、瑕疵等の状態によっては、資産価値の低下を防ぐ為に、予定外の費用を負担せざるを得ない場合がある等、当社の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  ④ 災害等によるリスク

将来において、火災、地震、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下、「災害等」という)が発生した場合には、グループとして保有・運営する不動産が滅失、劣化又は毀損し、その資産価値が低下する可能性があります。このような被害を受けた場合、その修復の為に建物の使用が一定期間不能となり、賃料収入の減少や資産価値の低下等によって、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑤ 法的規制に関するリスク

当社グループは、不動産の収益性改善に関する事業を行う過程で、不動産の取得、開発、賃貸借等を行っており、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法等の法的規制を受けながら事業を行っております。また、シニアハウジング&サービス事業においては、介護福祉法、老人福祉法等による規制を受けながら、事業を行っております。今後、法令等の制定・改正や規制の変更への対応に伴い、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑥ 減損会計について

当社は各セグメントにおいて固定資産を所有しており、各所有不動産は当社のコンストラクションマネジメント機能を活用したリノベーション、コンバージョンにより収益性の維持を図っております。しかし今後の景気動向などにより当社グループ所有不動産の収益性が悪化し、投資額の回収が見込めなくなった場合、一定の条件下で固定資産の減損処理(減損会計)等の会計基準の適用を受けると、回収可能性を反映させるように帳簿価額を減損する必要性が生じるために、当該会計処理の具体的な内容、地価の動向及び当社の収益状況によっては、当社グループの財政状況及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑦ 運営事業全体について

当社グループはグループ会社において、シニアハウジング&サービス事業及びその他施設運営事業を行っております。シニアハウジング事業等の施設運営事業は、高齢化社会の進展に伴い、様々な企業の参入が予測されます。今後の新規参入や競争の激化に伴って、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、運営において万一、事故が発生し当社グループの管理責任を問われた場合、また顧客情報の漏洩により、当社が個人情報保護法違反を問われた場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑧ シニアハウジング&サービス事業について

(イ)入居者の安全管理・健康管理について

当社グループが運営する施設の入居者は平均年齢75歳以上の高齢者であり、更に介護付高齢者住宅では、ほぼ全員が要介護認定を受けており、入居者の転倒等によって入居者の生命に関わる重大な事故に発展する可能性があります。また、食事や入浴等を共有する集団生活が行なわれている事から入居者の食中毒・集団感染等の危険度は相対的に高いと考えられます。当社は、十分な人員体制によって万全の安全管理・健康管理を行なっており、過去に重大な事故や食中毒等を起こした事は有りませんが、万一事故等が発生して、当社の管理責任が問われた場合には、当該事業の展開に支障をきたす可能性があります。

(ロ)施設の売上計上に関して

当社グループの各施設への入居に際して、入居者は入居時費用として入居一時金と、月額利用料が必要となります。入居一時金は、将来に支払われるべき施設の家賃を入居時に前払い家賃分として支払うものであります。従って当該一定期間内に契約が解除された場合には、入居一時金の内、入居経過年数に応じて償却された残預額(未償却分)が入居者に返還される事となります。その為、今後中途解約が発生することにより当社から現金が流出することとなります。

なお、当施設からの売上高は、入居一時金の償却分と、月々の家賃及び管理費の合計から構成されております。会計上、入居一時金は「長期前受収益」勘定とし、その償却分を売上計上するという処理を行っております。また、入居一時金の償却は、アシステッドリビング(介護付有料老人ホーム)「ボンセジュール」シリーズは5年、シニアレジデンス「チャーミング」シリーズは各施設毎に償却年数が定められており、「チャーミング・コート溝の口」と「チャーミング・スクウェア舞子」は20年4ヶ月、「チャーミング・スクウェア本郷」は16年で終了するスケジュールとなっておりますので、償却終了年以降は入居一時金の償却による売上は発生せず、施設の売上高としては、月々の家賃と管理費のみが計上されることとなります。

その為、何らかの理由により、当社施設の入居者の入替えがスムーズに行なわれない場合(①入替え新規入居者が募集できない場合 ②既存入居者が償却スケジュール以上の期間入居されている場合)には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(ハ)株式会社コムスンの居住系サービス事業の承継に関して

株式会社コムスンの居住系サービス事業より事業承継した「バーリントンハウス」事業の建物に関して、耐震性等に関する疑義が発生いたしました。これに伴い、事業承継いたしました「バーリントンハウス」の運営経費に関し、貸倒引当金を計上しております。
 耐震性等に関する疑義については、特定行政庁である東京都にその判断を仰いであり、その結果次第では、当社が予期せぬ重要事項が発生する場合があります。

 

  ⑨ 税務会計制度について

当社グループ業務の中でも、特に不動産流動化・証券化に関わる取引については、わが国では1990年代後半から本格的に始まった比較的新しい取引であり、取引に関わる税務・会計の法規や基準等の制度が、細部に至るまで確立されていません。当社は、個別案件での取り組みの際に、取引に関わる税務・会計上の処理及びスキームに及ぼす影響等について、税理士・公認会計士等の専門家とともに慎重に検討・判断を行っております。今後、取引に関わる税務・会計制度が新たに制定される場合や現行法規等の解釈に変化が生じた場合には、当社業務が影響を受ける可能性があります。

 

  ⑩ 個人情報について

当社グループについては、特にシニアハウジング&サービス事業及びリゾート&スポーツ、その他事業において多くの個人情報を取り扱っております。個人情報の漏洩が社会問題ともなっておりますように、当社グループでそのような事態が発生した場合には、損害賠償や信用失墜といった有形無形の損害を被る可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は平成19年9月21日開催の当社取締役会において、グッドウィル・グループ㈱より、住宅型有料老人ホーム「バーリントンハウス馬事公苑」及び「バ−リントンハウス吉祥寺」の固定資産を取得することを決議いたしました。
 ところがその後、物件引渡し書類の精査の過程において、当該2物件の現状建物と図面等の一部に不整合と思われる箇所が見つかりました。このため、グッドウィル・グループ㈱と協議のうえ、特定行政庁である東京都に相談しましたところ、平成20年3月28日に東京都都市整備局市街地建築部建築指導課から「バーリントンハウス馬事公苑」の建物について「現状建物、竣工図及び施工図に基づく原設計者以外の第三者による構造計算の実施」を行うようグッドウィル・グループ㈱に対し、建築基準法第12条第5項に基づく報告要請が行われました。
 なお、東京都は、その結果に基づいて公的な第三者機関に諮問した後、当該建物の建築基準法適合性について最終的な判断を行うこととなっております。
 現在、グッドウィル・グループ㈱は前記、再計算を委託する第三者再検証者を確定し、再検証が開始されております。
 また、「バーリントンハウス吉祥寺」につきましても、同様に特定行政庁である三鷹市に相談しておりましたところ、平成20年5月28日に三鷹市長から、グッドウィル・グループ㈱に対し、建築基準法第12条第5項に基づく報告要請が行われました。
 物件引渡し時期は、特定行政庁による両物件の建築基準法適合性の判断後となるため、当連結会計年度末から起算して3ヶ月後を目処に延期いたしております。 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積もりを必要とします。経営者はこれら見積もりについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。

     当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に当該連結会計年度における収益・費用に影響を与える見積もりは、主に貸倒引当金であり、継続して評価を行っております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

    「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績、(2)総資産、負債および純資産の状況、(3)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(3)経営成績に重大な影響を与える要因について

当社グループの主力マーケットである、不動産関連マーケット、高齢者マーケットでは法的規制の変動による業績への影響、有利子負債への依存による事業展開への影響等、経営成績に重要な影響を与える可能性を含む様々な要因が挙げられます。詳細につきましては、「第2[事業の状況]4[事業等のリスク]」をご参照ください。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

資金の状況につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](3)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(5)戦略的現状と見通し、及び経営者の問題意識と今後の方針について

不動産業界を取り巻く環境は厳しさが増しており、金融環境の悪化等の影響もあり、取引全体の停滞が続くことも予想されます。このような状況の下、当社グループは、中期経営計画(ゼクスリバイバルプラン2011)において経営基盤の再構築を図るとともに、既存の不動産事業に加え、施設運営事業の立て直しを行うことにより、成長力と収益力の回復を図ってまいります。

その改革の初年度である平成21年5月期は、役員報酬の20%〜40%カットとともに販売費・一般管理費を前期比20%超削減する自助努力に加え、新たな資本増強も計画しているほか、バランスシートの圧縮を中心とした財務内容の改善、グループ内の各事業の競争力を向上させるプロジェクトに着手いたしました。    

不動産コンサルティング事業は案件の厳選と不動産のバリューアップに重点を置き、ファイナンス上の観点から効率性をより重視する体制へ変革します。シニアハウジング&サービス事業はファイナンスならびに収益上の観点から新規出店を厳選し、既存施設の入居率改善を優先いたします。また、リゾート&スポーツ、その他事業は、平成21年5月期よりその他事業に名称変更し、これまでの当社独自での事業展開から、第三者との提携等、より付加価値の高いサービス提供ができる体制を模索してまいります。     

 





出典: 株式会社ゼクス、2008-05-31 期 有価証券報告書