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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 当連結会計年度における我が国経済は、企業業績の回復に伴い、雇用の確保、賃金の改善等により個人消費は明るい兆しが見えるものの、景気は踊り場から脱却するまでに至りませんでした。
    当業界におきましては、低金利、J−REITの拡大等を背景とする収益マンション取引の拡大により、都心部
   での地価上昇の兆しが見られてまいりました。また、賃貸住宅市場は活発でありますが、分譲マンション着工戸数 
     は横ばいにとどまり、デベロッパーにとっては良質の開発用地の減少、品質面及び価格面での競争は依然厳しい状
     況で推移いたしました。
 このような環境の中で、当社グループは、「一生涯のお付き合い〜Partner For Life」を目指すリビング・サービス・システム(L.S.S.)の推進と、外断熱工法を採用した100年耐用型マンションの供給により業績拡大を目指し分譲・賃貸事業を中心に事業展開を進めてまいりました。
       この結果、当期の売上高は347億60百万円(前期比9.2%増)、営業利益は34億90百万円(前期比29.3%増)、経常
   利益は23億87百万円(前期比25.7%増)となったものの、当期は固定資産売却益等が減少したことにより、当期純利
   益は13億41百万円(前期比9.3%減)となりました。
 
  事業の種類別セグメントの業績は次の通りであります。
    ①不動産分譲事業
    不動産分譲事業につきましては、自社単独分譲事業として、「サンフル池上シェルゼ」(36戸)の竣工前完
 売(平成18年1月竣工)、「サンフル宝塚シティブレス」(155戸)の竣工時完売(平成17年12月竣工)の2件と、
 共同事業物件として「AKISHIMA STATION FRONTグレイディア」、「ガーデンズコート武蔵小杉」等の大型物件を
 はじめ9物件の供給を行い、好調に完売いたしました。また、当社にて開発した賃貸マンションの不動産ファン
 ドへの売却に際し、子会社の㈱明豊プロパティーズによる当初設定賃料を上回る賃料にてリーシングを行い、稼
 働率をほぼ100%まで高めたことにより、当初計画より売上・利益が上回りました。この結果、当期の売上高は、  
 322億69百万円(前期比13.2%増)、営業利益は、36億21百万円(前期比56.8%増)となりました。
②不動産賃貸事業 
不動産賃貸事業につきましては、当期の売上高は、21億60百万円(前期比5.0%増)、営業利益は5億26百万円(前期比61.5%増)となりました。
③不動産仲介事業 
不動産仲介事業につきましては、仙台プロジェクトの仲介をはじめ、4物件の仲介となり、当期の売上高は、1億96百万円(前期比83.0%減)、営業利益は、1億22百万円(前期比75.4%減)となりました。
③その他事業
その他の事業につきましては、不動産事業に派生したものとして、売上高は1億33百万円(前期比4.9%増)、 営業利益1億26百万円(前期比3.5%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
    当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、順調な開発用地取得によりたな卸資産の増加があったものの大型引渡物件の売掛金の減少があり、また新築マンション分譲事業が順調に推移したことや、「エコロジー・リート投資法人」及び不動産ファンドへの有形・無形固定資産の売却による収入、更には長期借入れによる収入があったため、前連結会計年度末に比べ、16億57百万円増加し当連結会計期間末には33億47百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、新築マンション分譲事業が順調に推移したことにより税金等調整前当期純利益24億02百万円の収入がありましたが、順調な開発用地取得に伴うたな卸資産の増加により61億49百万円の支出や仕入債務の減少による47億7百万円の支出等があったため、93億3百万円の支出(前連結会計年度比3.5%支出増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による5億円の収入や投資有価証券の売却による6億7百万円の収入がありましたが、目黒パビリオン建設等による3億60百万円の支出、短期貸付金による3億60百万円の支出、投資有価証券の購入による4億55百万円の支出等があったため、1億13百万円の支出(前期は18億24百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、不動産分譲事業における分譲マンション竣工・販売による事業資金の長期借入金返済額199億96百万円となりましたが、順調な開発用地取得により長期借入による収入が292億34百万円となり、110億74百万円の収入(前連結会計年度比61.3%収入増)となりました。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1) 生産実績
    当社グループは、主として不動産分譲事業、不動産賃貸事業、不動産仲介事業を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
(2) 受注実績
  当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
(3)販売実績
 当連結会計年度における事業の種類別セグメントの販売実績は、次の通りであります。
事業の種類別セグメントの名称
区別
当連結会計年度
(自 平成17年8月1日
至 平成18年7月31日)
戸数・件数
金額(千円)
前年同期比(%)
 
共同事業物件
410
15,947,193
△2.8
不動産分譲事業
自社単独物件
741
16,322,434
35.0
 
小計
1,151
32,269,627
13.2
 
自社保有物件
391
548,221
11.6
不動産賃貸事業
サブリース物件
1,211
1,612,276
2.9
 
小計
1,602
2,160,498
5.0
不動産仲介事業
 
7
196,505
△83.0
その他事業
 
                   -
133,387
4.9
合計
2,760
34,760,019
9.2
 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.不動産分業事業における共同事業物件の戸数は各物件の当連結会計年度における物件ごとの当社グループ事業シェアによる換算戸数であり、売上高は各物件の総売上高に対し、当社グループ事業シェアに応じた当社の売上高であります。
     3.不動産賃貸事業における戸数は対象物件の変動を加味した平均稼動戸数であります。
     4.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。なお、当連結会
     計年度における三井不動産株式会社への販売実績は総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載
     を省略しております。   
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
 三井不動産株式会社
10,646,548
33.4
 エコロジー・リート投
 資法人
            —
             —
8,140,499
23.4
 有限会社MET横浜鴨居開 
 発   
       — 
        —
4,513,359
13.0
合計
10,646,548
33.4
12,653,859
36.4
      5.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
     6.三井不動産株式会社の住宅分譲事業は平成18年10月1日より三井不動産レジデンシャル株式会社に移行して
      おります。
① 不動産分譲事業
当連結会計年度
(自 平成17年8月1日
至 平成18年7月31日)
物件名
共同事業社名
戸数(戸)
売上高(千円)
共同事業物件
 
 
 
AKISHIMA STATION FRONT グレイディア
 双日株式会社/双日都市開発株式会社/セントラル総合開発株式会社
131
4,196,070
ガーデンズコート武蔵小杉
 住友不動産株式会社/NECファシィリティーズ株式会社
211
3,921,057
パークスクエア多摩川グリーンレジデンス
 住友不動産株式会社/NECファシリティーズ株式会社
24
1,080,558
グランフォーラム宮崎台
 株式会社リクルートコスモス
9
1,010,885
パークホームズ六本木乃木坂アーバンレジデンス
 三井不動産株式会社
20
860,269
パークスクエア武蔵小杉
 住友不動産株式会社/NECファシィリティーズ株式会社
5
184,620
ソルシェール須磨北
 株式会社タミー・コーポレーション
8
160,291
その他
 
4,533,439
小計
410
15,947,193
自社単独物件
 
 
 
サンフル宝塚シティブレス
 単独
155
4,012,917
シーアイマンション池袋西
 単独
120
2,074,242
サンフル池上シェルゼ
 単独
36
1,917,093
サンフル木場
 単独
47
1,128,854
その他
 単独
383
7,189,326
小計
741
16,322,434
不動産分譲事業合計
1,151
32,269,627
 (注) 1.共同事業物件の戸数は各物件の当連結会計年度における物件ごとの当社事業シェアによる換算戸数であり、                   売上高は各物件の総売上に対し、当社事業シェアに応じた当社の売上高であります。
     2.株式会社リクルートコスモスは平成18年9月1日より株式会社コスモスイニシアに商号変更しております。
     3.三井不動産株式会社の住宅分譲事業は平成18年10月1日より三井不動産レジデンシャル株式会社に移行して
      おります。
     4.双日都市開発株式会社は平成18年8月1日をもって双日株式会社が吸収合併しております。
② 不動産賃貸事業
当連結会計年度
(自 平成17年8月1日
至 平成18年7月31日)
物件名
所在地
戸数(戸)
売上高(千円)
自社保有物件
 
 
 
フォーラム赤坂
 東京都港区赤坂
3
86,128
サンミヤナガビル
 東京都港区赤坂
3
21,175
イマス港横浜ビル
  神奈川県横浜市南区山王町
9
11,958
その他
 
376
428,958
小計
391
548,221
サブリース物件等
 
1,211
1,612,276
合計
1,602
2,160,498
 (注)上記物件のほか、当連結会計年度中において、自社保有物件「ドルミ中野弥生町」(1戸)「西宮満池谷」(1戸)及び販売用不動産物件「シーアイマンション池袋西」(120戸)等の売却を実施しており、当該物件にかかる                 売上高は「その他」に含めております。
    また、期末戸数に関しましては、自社保有物件73戸、サブリース物件等1,428戸であります。
3【対処すべき課題】
   当社グループをとりまく環境は、内外の諸情勢から見まして、今後とも厳しい状況が予想されますが、当社グ
   ループにおきましては、多様化・高度化するマンションニーズに応えるため、リビング・サービス・システム
  (L.S.S.)、外断熱工法を採用した100年耐用型マンション「シェルゼ」の分譲、賃貸におけるFix-ed30シス
   テムを軸にすえ、積極的かつ柔軟に対応してまいります。
    (1) 多様化・高度化するマンション購入者ニーズへの的確な対応
   個人消費及び雇用環境等にも明るい兆しが見られてきた中、当社グループの経営戦略としては、従来に増し
   て多様化・高度化するマンションニーズへ的確に対応することが不可欠であります。当社グループとしては、
   従来のマンション分譲事業での購入者との関係を見直し、物件引渡しでの購入者との関係完結ではなく、物件
   引渡し後においても長期に亘り購入者との関係を構築し、ソフト・ハードの両面において住生活に係わるサー
   ビスを提供することが、最大の購入者ニーズに合致するとの理解の下、ソフト的対応としてリビング・サービ
   ス・システム(L.S.S.)を、ハード的対応として外断熱工法を採用した100年耐用型マンション「シェル
   ゼ」の供給をもって対処してまいります。
   ①リビング・サービス・システム(L.S.S.)の整備
         従来のマンション分譲事業においては、マンション購入者に物件を引渡す時点で関係を完結させていまし
     た。これに対し当社は、マンション購入後においても、購入者と一生涯に亘る関係を構築するため、リニュー
     アル・買い替え・買取り・転勤時の賃貸等、住まいと暮らしの様々な相談・要望事項に事業主としてお応えす
     るリビング・サービス・システム(L.S.S.)を構築しております。      
    ②外断熱工法を採用した100年耐用型マンション
      当社グループは、お客様との長いお付き合いを続けていくためには、長く・快適にお住まいいただける住宅の供給が前提となるとの認識の下、健康と環境に配慮した外断熱工法を採用した100年耐用型マンションの研究、開発のために平成15年9月に、「サンフル高井戸プロセンチュリー」を賃貸マンションとして竣工・稼動
させ、以降、「サンフル豊洲プロセンチュリー(平成17年1月竣工、住宅223戸、店舗1戸)」、「サンフル
目黒青葉台プロセンチュリー(平成17年2月竣工、40戸)」の2棟を竣工・稼動させてまいりました。これに
より強硬度コンクリートと外断熱を採用することで躯体強度を高め、耐久性を高めるとともに設備の陳腐化に
も対応できるよう二重床構造にして設備の更新、水回り・間取りの変更にも対応した外断熱工法を採用した100年耐用型マンションの供給ノウハウを蓄積するとともに、賃貸住宅資産としての稼動率・賃料面での優位性を確認いたしました。
 外断熱工法は建物全体を断熱材ですっぽり覆うことでマンションの躯体そのものが外部の温度変化の影響を受けにくい構造となり、コンクリートの蓄熱効果を最大限に活用できるとともにコンクリートの劣化抑制効果も期待できる工法であり、結露の抑制、カビ、ダニ等の発生を抑える効果、ヒートショックの抑制効果等の健康面でのメリットとともに、平成17年2月の京都議定書の発効以降、建て替えの回数削減、蓄熱効果による冷暖房費の削減等の地球環境面でのメリットも大きく着目されているものです。
当社は、今後の事業展開において外断熱工法を採用した100年耐用型マンションを当社の主力商品に位置づけ、自社ブランド商品名を「シェルゼ」と命名し、満を持して第一号物件を東京都大田区池上に「サンフル池上シェルゼ」として発表し、平成18年1月の竣工前に好評のうちに完売いたしました。引き続き「シェルゼ府中の森公園(平成19年4月竣工予定)」、「シェルゼ千駄木(平成19年7月竣工予定)」、「シェルゼ木場公園(平成20年3月竣工予定)」が始動しております。そのほか東京都世田谷区砧、杉並区上高井戸、神奈川県鎌倉も計画しております。
 また、外断熱工法の利点をお客様に知っていただき、より良く理解・体感していただくため、平成18年5月に目黒区目黒にシェルゼパビリオンを竣工し、シアター、体感コーナー、体験宿泊ルームを通じ、外断熱の効果、ブランドの認知向上のための広告宣伝活動の推進を続けております。
    ③Fix-ed30システムの推進
     不動産賃貸部門においては、株式会社東京テナントセンター(現明豊プロパティーズ)より、賃貸不動産オ
  ーナーに向けて、外断熱工法を採用した100年耐用型マンションに対して30年間のサブリース対応を行うFix-
  ed30システムを提供しております。Fix-ed30システムは、外断熱工法を採用した100年耐用型マンションの資
  産性の高さをより具体的な形でオーナーの方々に提供するとともに、その入居者にも健康面でのメリットを提
  供できるものとして、今後推進・拡大してまいります。
 (2) 強固な財務体質の構築
  ① 資金調達手段の多様化
     従来より進めてまいりました許可取得済みの不動産特定共同事業あるいはSPC設立によるプロジェク
      ト・ファイナンス(ノンリコースローン)、証券化等の流動化の導入等による資金調達手段の多様化、強固
      な財務体質の構築につきましては、諸条件の変化を踏まえ、継続推進を図ってまいります。
   ② 効率的な事業運営
      従来、マンション分譲事業における市場・相場の変動への対応として、売上高及び収益の一定水準の確保
を目指して展開しておりました不動産賃貸事業につきましては、連結子会社である株式会社東京テナントセンター(現㈱明豊プロパティーズ)の体制整備の進行、限られた人員でのより効率的な収益機会の追求の観点から、当社業務としての不動産賃貸事業は縮小するものとし、当社が保有する賃貸不動産も逐次売却し、今後保有する必要が生じた場合には株式会社東京テナントセンター(現㈱明豊プロパティーズ)にて行うものといたします。
   今後当社グループは、少数精鋭を徹底し、不動産ファンド・J−REIT等への一棟売りを含めたデベロッパー業務に資源を集中し、より高い収益の追求をしてまいります。
   (3)新規事業、新たなビジネス・チャンスへの対処
        ① 不動産投資信託市場への積極的な対応
       当社グループは従来、不動産ファンド・J−REIT等へ向けた賃貸物件供給を通じ、同事業への参画を
           行ってまいりましたが、外断熱工法を採用した100年耐用型マンションを主として、環境配慮型不動産を運用
      対象とするREIT立ち上げのため、平成17年3月にアセットマネジメント会社「エコロジー・アセットマ
      ネジメント株式会社」を当社他4社と設立いたしました。今後、「エコロジー・アセットマネジメント株式
      会社」は、環境に配慮した物件を中心に中長期の安定収益の確保を目指した運用を行っていく予定です。
             当社グループは今後、「エコロジー・アセットマネジメント株式会社」が組成する「エコロジー・リート
      投資法人」及びJ−REIT向けに賃貸分野における外断熱工法を採用した100年耐用型賃貸マンションの供
           給を推進してまいります。
       ② 中国市場への進出に向けた取組み
       将来の当社グループ事業収益確保のため、新たな外断熱工法を採用した100年耐用型マンション分譲マーケ
      ットとしての中国市場の研究を進めてまいります。
4【事業等のリスク】
  以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。
  当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
  なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
1.不動産分譲事業の特徴について
(1)共同事業物件における共同事業主について
  共同事業物件については、デベロッパーを共同事業主としてマンション分譲プロジェクト等を展開しており、各期の事業における相手先別の構成比は毎期変動しております。
  当社グループは、共同事業主との間で、物件ごとに、事業シェア及び費用配分方法等を定めた共同事業協定書を締結しており、その多くには相手先による一定の当社販売リスク低減条項が付されております。
  なお、当社グループは、デベロッパーごとの特性を考慮して最適と考えられる相手先に企画提案を行っておりますが、必ずしも当社グループが提案する企画及びその条件等が相手先に受け入れられるものではありません。
  また、当社グループは、今後も各デベロッパーとの良好な関係を継続し、かつ、必要に応じて新たな共同事業先の開拓を進めていく方針でありますが、各デベロッパーの事業展開又は戦略等に変化が生じた場合には、当社事業展開及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)不動産分譲事業における利益率の変動について
  不動産分譲事業においては、物件規模、共同事業及び自社単独の別、共同事業物件における事業シェアや費用分担方法等に加えて、販売状況その他の諸条件等により、個別プロジェクトごとに利益率は異なるものであります。
  共同事業物件については、相手先デベロッパーに、当社の事業リスクの転嫁が図られたものであると認識しておりますが、その収益性は必ずしも高いものではありません。また、自社単独物件については、収益性を高めることが可能でありますが、その一方でマンション分譲にかかる事業リスクは全て当社が負うこととなります。
  当社グループは、事業リスクのバランスを考慮しつつ、中長期的には自社単独物件の比率を高めていく方針でありますが、短期的には共同事業物件と自社単独物件の割合はそれぞれの各物件規模及び取組件数等により変動する場合もあり、当事業全体の利益率が変動する可能性があります。
  なお、自社単独物件については、不動産ファンド向け物件の開発等、販売形態の多様化による事業リスク軽減も図っていく方針でありますが、その事業規模が拡大した場合には、事業リスクが増加することとなり、当社の業績は、従来以上に外部環境及び各プロジェクトの販売動向等の影響を受けやすくなる可能性があります。
(3)マンション用地の取得について
   当社グループでは、不動産分譲事業において重要要素であるマンション用地取得については、有用な不動産関連情報を効率的に入手するためのネットワーク化を進めており、金融機関及び不動産業者等の協力企業を「明豊会」として組織化しております。平成18年7月末現在における加盟社数は120社であり、当社は、各協力企業からの情報等により良質な用地取得を行うことにより、他社との競争力向上が図られているものと認識しております。しかしながら、当社グループ及び各協力企業における何らかの理由により、十分な不動産関連情報の入手が困難となった場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)資金調達手法の多様化について
  不動産分譲事業における事業資金の調達は、従来、金融機関からの借入金を中心としておりましたが、特別目的会社(SPC)の活用及び不動産特定共同事業に基づく匿名組合方式等、資金調達方法の多様化も進めております。
  これらの手法による資金調達は、企業の信用力をベースとしたものから、プロジェクト案件の資産及びキャッシュ・フロー等をベースとした調達への転換を図るものであり、当社グループにおける事業リスクのコントロールを図ることを目的としております。当社グループは、これらの手法を活用することにより、柔軟な資金調達を図っていく方針でありますが、今後において当社グループの意図する十分な資金調達が出来る保証はありません。
2.不動産業界について
(1)法的規制について
 不動産取引については、「宅地建物取引業法」、「国土利用計画法」、「建築基準法」、「都市計画法」などの法的規制があります。当社グループは宅地建物取引業者としてこれらの規制を受けており、「宅地建物取引業法」に基づく免許を受け、事業を展開しております。また、平成15年2月には、「不動産特定共同事業法」に基づく不動産特定共同事業の認可も受けております。
 今後、これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合等においては、当社事業に影響を及ぼす可能性があります。
(2)外部環境について
 当社グループの業績は、不動産関連法規の制定・改正、不動産に係る税制改正、景気動向、金利動向及び地価動向等の要因により影響を受けております。
 近年、首都圏におけるマンションの新規物件については大量供給が継続しており、一部には供給過剰感も生じ、価格競争の激化及び消費者による物件選別の高まり等もあり、当該事業における外部環境については今後においても厳しい状況が想定されております。
 こうした中、当社グループにおいては、少数精鋭を徹底し、REIT、私募不動産ファンドへの一棟売りを含めた分譲事業に資源を集中し、単に低価格を追求するのではなく、顧客ニーズを把握し、良質な物件を適正な価格で提供することにより差別化を図った事業展開を進めていく方針でありますが、これら外部環境の影響は少なからず受けるものであり、当該動向により当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
3.当社の事業体制について
(1)代表取締役会長への依存について
  当社の代表取締役会長である髙島勝宏は、昭和57年9月に当社代表取締役に就任以降、社長及び会長等を歴任し、現在に至っております。当社事業においても、長年培ってきた業界における信頼及び人脈等の活用並びに対外的な折衝等において重要な役割を果たしており、その依存度は高いものであると考えられます。
  現在、当社事業の運営においては、代表取締役社長である梅木篤郎との2名体制を構築し、業務分担及び権限委譲を行い、協力会社組織「明豊会」による土地情報ネットワークの構築等を図る等の組織的対応の強化をすすめておりますが、何らかの要因により同氏の当社業務遂行が困難となった場合、当社の事業展開や経営成績等に悪影響を与える可能性があります。
(2)小規模組織であることについて
  当社は、平成18年7月末現在、役員7名、従業員50名の計57名、子会社役職員32名を含めて計89名の小規模
組織であり、内部管理体制も組織規模に応じた体制となっております。人的資源を集中させることにより小規
模組織による効率的な経営を指向しており、今後においても、必要に応じて不動産業務等に精通した優秀な人
材等の採用等を行う予定でありますが、基本的には上記方針を継続していく方針であります。
  しかしながら、今後における事業拡大に伴い、当社グループにおいて想定以上の人員が必要となる可能性も
あり、優秀な人材が確保できなかった場合には事業拡大の制約要因となる可能性もあります。
  また、小規模組織による効率的な経営により、当社事業における各人材ごとに重要性は高いものと考えら
れ、有能な人材が社外流出した場合には、当社の事業遂行等に影響を及ぼす可能性があります。
 
(3)不動産分譲事業における共同事業物件の費用分担方法について
  不動産分譲事業における共同事業物件においては、マンション分譲に係る必要資金を共同事業主と分担してプロジェクトを遂行しておりますが、この費用分担の主な方法は、①事業シェアにより全ての費用を按分する方法、②当社が主に土地取得関連費用(又は建設関連費用等)等を負担し、共同事業主がそれ以外の費用を負担する方法等があり、相手先及び物件ごとにその方法が定められております。
  これらの費用分担方法の違いによる、当社分担費用の損益計算書上の計上科目(売上原価と販売費及び一般管理費)等の差異により、物件ごとの売上総利益率は大きく異なる場合があります。このことから、各期におけるこれら費用分担方法の違うプロジェクトの構成及び規模の違いにより売上総利益率に変動が生じる場合があります。
  なお、売上総利益率を含む利益率の変動要因としては、単独及び共同事業並びに各事業ごとの構成比、物件ごとの収益性、市況変動等による販売価格の変動等の場合もあります。
(4)有利子負債への依存について
  当社グループは、不動産分譲事業において、プロジェクト案件ごとに用地取得と開発費用等のプロジェクトの推進に必要な資金を主に借入金で賄っており、用地取得から顧客への引渡しまでに1年以上の期間を要することが多いため、事業拡大等によるたな卸資産等の増加に伴い、有利子負債残高も増加する傾向があります。
  これらの要因から、当社グループの有利子負債残高が総資産額に占める比率は、平成16年7月期末:58.4%、平成17年7月期末:60.4%、平成18年7月期末:73.6%と高い水準となっております。
  今後においても、事業拡大に伴い有利子負債残高は相応の高い水準で推移するものと想定され、マンション用地仕入等に係る必要資金の一部については、前述の通り、SPCを活用したノンリコースローン及び不動産特定共同事業に基づく匿名組合出資等の活用等、資金調達の多様化も進めていく方針であります。
  しかしながら、有利子負債依存度が高いことに起因して、今後において金利が上昇する局面においては支払利息の増加により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、何らかの要因により当社グループが必要とする資金調達に支障が生じた場合には、当社事業に重大な支障を生じる可能性があります。
 
平成16年7月期
平成17年7月期
平成18年7月期 
売  上  高(千円)
28,352,164
31,838,873
34,760,019
経 常 利 益(千円)
1,718,990
1,898,834
2,387,287
支 払 利 息(千円)
642,296
520,798
722,519
た な 卸 資 産 (千円)
23,075,303
33,069,749
39,280,293
有利子負債残高(千円)(A)
19,442,180
26,347,200
35,834,000
総 資 産 額(千円)(B)
33,295,090
43,639,799
48,704,103
有利子負債依存度(%)(A)/(B)
58.4
60.4
73.6
(5)物件の引渡時期等による業績の変動について
   マンション業界においては、一般に転勤及び学期末の時期であること等から3月に物件の引渡時期が集中す
  る傾向にありますが、現在、当社においては、引渡し物件数が多くないことから物件の引渡時期等により売上
 高の計上時期は変動しております。
    (6)特別目的会社(以下、SPCという)等を活用した用地取得について
           当社グループは、不動産分譲事業の開発において、用地取得から許認可取得等まで長期間を要する必要性に
     より、SPC等を活用した用地取得スキームを導入しております。
            平成18年7月期において、2物件のSPC等を活用したスキームを導入しており、合計11億80百万円の匿名
     組合出資をしております。
      なお、SPCについて、実質的な支配権がないこと及び当該スキームにおいて当社グループの土地買取り義
     務が必ずしも発生しないこと等の一定の要件を満たす場合については、連結決算において連結対象としており
     ません。
           現在、会計上、連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲は、実質的支配力基準により決定されてお
          りますが、資産の流動化に関する法律に基づく「特定目的会社」と同様の事業を営み、事業内容の変更が制限
          されている事業体は、一定の要件の下で連結除外とされております。
            当社グループにおいては、今後もSPCに対する関与内容、すなわち法規等を遵守した組成、出資、取引等
     (形式的判断)並びに実質的な支配権及び用地の買取義務(実質的判断)さらには企業会計基準の動向を踏まえて
     総合的に判断し、連結の要否を判断していく方針であります。このことから、当社において異なるスキーム等
     によるSPCの活用を行った場合には連結対象となる場合もあります。
            また、連結範囲の明確化等、会計上の取扱いに変更が生じた場合には、当該基準に即した処理を実施してい
          く方針であります。    
5【経営上の重要な契約等】
 該当する契約等はありません。
6【研究開発活動】
 該当する開発活動等はありません。
7【財政状態及び経営成績の分析】
(1)重要な会計方針及び見積り
  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成され
 ております。この連結財務諸表の作成に当たっては、貸倒債権に関する判断等、過去の実績や状況に応じ合理的
 と考えられる様々な要因に基づいて行った見積りを含んでおります。
  なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、不
 確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
  当社グループは、「一生涯のお付き合い〜Partner For Life」を目指すリビング・サービス・システム
 (L.S.S.)の推進と、外断熱工法を採用した100年耐用型マンションの供給拡大による業績の進展を目指し分 
 譲・賃貸業務を中心に積極的かつ「ものづくりにこだわった」質を重んじる事業展開を行ってまいりました。そ
 の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、不動産分譲事業の売上高が前連結会計年度比13.2%増
 の322億69百万円となりました。また、不動産賃貸事業の売上高が同5.0%増の21億60百万円、不動産仲介事業の
 売上高が同83.0%減の1億96百万円、その他事業の売上高が同4.9%増の1億33百万円となりました。
  資産・負債・資本の状況においては、販売用不動産としてのたな卸資産が同18.8%増の392億80百万円とな
 り、総資産は同11.6%増の487億4百万円となりました。
  また、これにより、負債は同6.0%増の390億58百万円となり、有利子負債については同36.0%増の358億34百
 万円となりました。
     なお、純資産の部におきましては、公募増資を行ったこともあり、純資産96億45百万円、利益剰余金60億46百
    万円、資本金16億81百万円となりました。
 
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
 前項4「事業等のリスク」をご参照下さい。
 
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
  当グループの資金状況については、営業活動によるキャッシュ・フローは、新築マンション分譲事業が順調に
 推移したことにより税金等調整前当期純利益24億2百万円の収入がありましたが、順調な開発用地取得によるた
 な卸資産の増加により61億49百万円の支出や仕入債務の減少による47億7百万円の支出等があったため、93億3百
 万円の支出(前連結会計年度比3.5%支出増)となりました。
  一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による5億円の収入や投資有価証券の売却によ
 る6億70百万円の収入がありましたが、シェルゼパビリオン建設等による3億60百万円の支出、短期貸付金によ
 る3億60百万円の支出、投資有価証券の購入による4億55百万円の支出等があったため、1億13百万円の支出     (前期は18億24百万円の収入)となりました。
  また、財務活動によるキャッシュ・フローは、不動産分譲事業における分譲マンション竣工・販売による事業
 資金の長期借入金返済額199億96百万円となりましたが、順調な開発用地取得により長期借入による収入が292億
 34百万円となり、110億74百万円の収入(前連結会計年度比61.3%収入増)となりました。
 
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
 前項3「対処すべき課題」をご参照下さい。




出典: 株式会社明豊エンタープライズ、2006-07-31 期 有価証券報告書