有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度のわが国経済は、海外経済の減速などにより、厳しい状況で推移しましたが、東日本大震災からの復興需要等を背景とする緩やかな回復の動きや、期末にかけて新政権による経済・金融政策の期待感から株価が回復するなど、持ち直しの動きが見られました。

 このような状況のもと、当社グループでは、全事業にわたり積極的な営業活動を展開するとともに、極力諸経費の節減に取り組み、経営基盤の強化と業績の改善に努めました。この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期に比較して620,096千円(2.4%)減収の25,413,439千円となりましたが、営業利益は前年同期に比較して46,579千円(9.1%)増益の558,874千円、経常利益は前年同期に比較して76,345千円(17.3%)増益の517,356千円となりました。

 また、法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額を控除した当期純利益は199,558千円(422.6%)増益の246,779千円となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

 1.自動車運送事業

 バス事業のうち、乗合バスでは、利用実態に応じた運行計画を編成し、利便性の向上と輸送の効率化を図るとともに、自治体との協議のもと地域の主要施設間を結ぶコミュニティバスを運行し、交通空白地帯の解消に努めたほか、八木新宮線運行開始50周年を記念して、特典付きの乗車券を販売するなど増収に努めました。また、貸切バスでは、旅行形態の多様化や事業者間の価格競争による厳しい事業環境のもと、地元団体や旅行業者への積極的な営業活動に努めました。さらに、タクシー事業においてスマートフォンでタクシーを呼べる「全国タクシー配車」アプリに参画したほか、旅行事業において奈良県が主催する「記紀・万葉プロジェクト」に連携したバスツアーを企画するなど、増収に努めました。

 しかしながら、バス事業での旅客の減少や効率的な運用を目的とした貸切バスの減車の影響、タクシー特別措置法による減休車の影響、貨物事業での減便や契約運賃の引き下げなどにより、当事業の売上高は前年同期に比較して236,909千円(1.3%)減収の17,504,808千円となりましたが、営業損失は極力経費削減に努めたため前年同期に比較して51,105千円(23.0%)改善し170,626千円となりました。

 

 2.不動産事業

 賃貸事業においては、近鉄大和八木駅高架下賃貸施設の整備を推進し、新規テナントの誘致に努めました。

しかしながら、景気低迷による賃料の減額や、駐輪・駐車場事業において、大阪府下3ヶ所で駐輪場の受託管理が終了したことなどにより、当事業の売上高は前年同期に比較して74,691千円(3.5%)減収の2,036,919千円となり、営業利益は、32,771千円(4.7%)減益の659,080千円となりました。

 なお、当社総合センターの有蓋車庫に太陽光パネルを設置して売電を開始するとともに、当社第2ビル3階にLED照明による水耕式の野菜工場「まほろば水耕園 奈良三条」を開設して野菜の栽培を開始しました。

 

 3.物品販売事業

 飲食事業においては、「ミスタードーナツ八木駅前店」や「つくし八木店」、「大和路外販センター」をリニューアルしたほか、ミスタードーナツで発売した新商品が好調でありました。小売業においては、前年3月に「奈良銘品館JR奈良駅店」を新規出店しました。

しかしながら、前年同期に「サンマルク宇治店」の閉店や地デジ化に伴う自動車用品の特需などがありましたため、当事業の売上高は前年同期に比較して286,818千円(3.4%)減収の8,162,050千円となりました。なお、営業利益は、経費の減少などにより12,026千円(前年同期は40,502千円の営業損失)となりました。

 

 4.その他事業

 自動車教習所事業において、中型教習の入所者数の増加がありますものの、普通・大型教習生の減少もあり、当事業の売上高は、前年同期に比較して7,586千円(1.8%)減収の410,384千円となり、営業利益は、15,536千円(25.4%)減益の45,729千円となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により1,693,918千円の資金を獲得し、投資活動により624,092千円、財務活動により874,332千円の資金を使用した結果、資金残高は前年同期に比較して195,494千円増加の960,149千円となりました。 


(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 税金等調整前当期純利益が前年同期に比較して115,176千円増加したことに加え、退職給付引当金の増減額が前年同期に比較して175,096千円増加し、未払金の増減額が前年同期に比較して147,024千円増加しましたほか、法人税等の支払額が前年同期に比較して225,989千円減少しましたため、営業活動により得られた資金は、前年同期に比較して974,079千円増加の1,693,918千円となりました。

 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 短期貸付金の貸付による支出が前年同期に比較して311,283千円減少しましたが、短期貸付金の回収による収入が前年同期に比較して439,749千円減少し、固定資産の取得による支出が前年同期に比較して78,680千円増加しましたため、投資活動により使用した資金は、前年同期に比較して241,635千円増加の624,092千円となりました。

 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 短期借入金の純増減額が前年同期に比較して388,489千円の減少となりましたため、財務活動により使用した資金は、前年同期に比較して450,760千円増加の874,332千円となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループの販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また受注形態をとらない商品も多いため、セグメントごとに受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため、生産、受注及び販売の状況については「1 業績等の概要」においてセグメントの業績に関連付けて示しております。

3【対処すべき課題】

 今後の見通しにつきましては、経済・金融政策による景気の回復が期待されるものの、欧州や中国等の経済情勢に加え、TPP交渉参加など不透明な対外経済環境のほか、電気料金等の値上げや消費増税など、景気を下押しするリスクがあります。バス業界におきましても、少子高齢化や軽油価格の高止まりなど、依然として厳しい経営環境にあります。

 こうしたなかにあって当社では、本年7月に創立70周年を迎えるに当たり、次の80年、90年への礎とするため、さらに顧客のニーズに応えるようサービス向上に取り組むほか、昔懐かしいボンネットバスを定期観光バスに復活させるとともに、ビューティフルツアーに謝恩企画コースを設定するなど、記念事業を積極的に展開し、増収に努めてまいります。

 また、社是「お客様第一」のもと、「安全・安心の奈良交通」をさらに推進することにより、公共交通機関としての社会的責任を果たすとともに、内部統制の強化により健全な企業体質を堅持して、奈良交通グループの総合力強化と経営の効率化を図り、持続的な発展に努める所存であります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重大事故による事業の制限について

 自動車運送事業においては、重大事故が発生すると、企業イメージやお客様の信用を大きく失墜させます。 さらに、当局からの車両使用停止や事業計画変更の一定期間停止などの行政処分により、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)旅客の減少について

 自動車運送事業は、少子高齢化による通勤・通学需要の減少や、山間地域における過疎化の進行など、旅客が減少を続ける厳しい経営環境にあります。 
 上記経営環境が改善されず旅客の減少が続けば、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)自然災害、感染症等の発生について

震災など大規模な自然災害の発生や感染症の流行などにより、施設の損壊、旅客の出控えに加え、社員の勤務の確保が困難となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 

(4)燃料価格の高騰について

自動車運送事業を主軸とする当社グループでは、燃料価格が高騰した場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 

(5)金利の変動について

当社グループでは、設備資金のほか運転資金についても主として金融機関からの借入により資金を調達しているため、金利が上昇した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6)減損会計の適用について

当社グループが保有する資産に時価の下落や収益性の低下等が生じた場合、減損損失の計上により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 

(7)補助金及び公共性について

乗合自動車運送事業では、国や地方自治体からの補助金を活用しながら、不採算路線であっても社会的要請の高い路線を維持しております。

補助金制度が廃止または減額された場合、事業規模の縮小など、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 

(8)個人情報の漏洩について

当社グループでは、自動車運送事業をはじめ旅行事業など各事業で顧客情報を保有しており、個人情報の漏洩を防止すべく情報管理体制の整備に取り組んでおります。

個人情報が漏洩した場合、顧客離れや企業イメージの失墜、さらには多額の損害賠償請求による財務的リスクを負うなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 

(9)食品の衛生管理について

当社グループが経営する飲食事業においては、食材の品質など衛生管理の徹底に努めておりますが、食中毒の発生により営業停止処分等を受けた場合、社会的信用の失墜につながり、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)フランチャイズへの依存について

当社グループは、飲食事業、自動車用品販売事業において、フランチャイズ契約により経営を行っております。

提供される商品やサービスに重大な欠陥等が生じた場合、又は本部の経営方針の転換や業績が悪化した場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しておりますが、その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

(2)当連結会計年度末の財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比較して192,551千円増加の35,016,786千円となりました。流動資産合計は、期末日が金融機関の休日に当たったことなどにより現金及び預金が増加したため、前連結会計年度末に比較して79,762千円増加の4,203,078千円となりました。固定資産合計は、バス及びタクシーの代替や、「ミスタードーナツ八木駅前店」や「大和路外販センター」の改装などの設備投資を実施したことなどにより、前連結会計年度末に比較して112,789千円増加の30,813,707千円となりました。

 負債合計は、前連結会計年度末に比較して47,567千円増加の24,728,557千円となりました。その主な原因は、短期借入金と長期借入金を合わせた借入金残高が前連結会計年度末に比較して292,489千円減少しましたが、未払金が前連結会計年度末に比較して202,191千円増加したほか、流動と固定を合わせたリース債務が前連結会計年度末に比較して263,702千円増加したためであります。

 純資産合計は、前連結会計年度末に比較して144,983千円増加の10,288,228千円となりました。その主な原因は、利益剰余金が前連結会計年度末に比較して103,706千円増加したためであります。なお、自己資本比率については、0.3ポイント上昇の29.4%となりました。

 

(3)当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の売上高は、自動車運送事業等営業収益が、旅客の減少や、減休車の影響などにより、前年同期に比較して234,457千円の減収となり、その他の営業収益も、飲食事業での閉店や、小売業での特需の減少などにより前年同期に比較して385,639千円の減収となりましたため、前年同期に比較して620,096千円減収の25,413,439千円となりました。

 売上原価は、燃料の仕入価格の上昇、消費量の増加による燃料油脂費の増加がありましたが、飲食事業、小売業の減収に伴う費用の減少や人件費の減少がありましたため前年同期に比較して358,323千円減少の19,868,280千円となりました。販売費及び一般管理費においても、人件費の減少や諸経費の削減により前年同期に比較して308,352千円減少の4,986,284千円となりました。

 これらの結果、営業利益は前年同期に比較して46,579千円増益の558,874千円となり、経常利益は前年同期に比較して76,345千円増益の517,356千円となりました。

 特別利益は、投資有価証券売却益やバス環境向上事業補助金など116,756千円を計上しております。

 特別損失は、固定資産除却損のほか、固定資産圧縮損、減損損失など171,976千円を計上しております。 

 以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前年同期に比較して115,176千円増益の462,136千円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を控除した少数株主損益調整前当期純利益及び当期純利益は、前年同期に比較して199,558千円増益の246,779千円となりました。

 なお、事業の種類別セグメントの売上高については、前掲の「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。

 

(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、前掲の「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループを取り巻く経営環境については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、様々な要因により影響を受け、変動する可能性があります。自動車運送事業では、外部環境が改善されず、旅客減少が続いた場合、事業規模の縮小につながる可能性があります。さらに世界的な原油需要、産油地域の情勢により、燃料価格が高騰した場合、経営成績に重要な影響があります。また、物品販売事業では、フランチャイズ契約により営業している事業が大半を占めているため、フランチャイザーにおける経営方針の転換や業績の悪化により、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(6)今後の見通し及び経営方針

 今後の見通し及び経営方針は、前掲の「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 





出典: 奈良交通株式会社、2013-03-31 期 有価証券報告書