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セクション一覧

第2【事業の状況】

 

1【業績等の概要】

(1)連結業績全般

 当連結会計年度の世界経済は、米国のほか中国、韓国、台湾、シンガポール等アジアにおいて景気は順調に拡大した一方、欧州でも英国をはじめ穏やかな景気回復が見られたことから、全体として着実な回復基調にありました。日本経済においても、高水準の企業収益を背景に設備投資が増加したほか、個人消費も雇用環境の好転を背景に回復基調を強めており、全体的に、企業部門の好調さが徐々に家計部門に波及する形で景気は緩やかな回復基調を辿りました。

 こうしたなか、当社の国際旅客需要は反日運動以降の中国線の低迷や東南アジア線の回復遅れを主因に前年を下回ったほか、国内旅客需要も一連の安全問題等の影響が長引き個人旅客を中心に需要が伸び悩みました。一方、国際貨物需要も日本発米国・アジア向けが軟調で全体として前年割れとなりました。この間、燃油価格は高騰を続け、JALグループを取り巻く経営環境は厳しい状況が続きました。この結果、グループを挙げて収入の拡大と費用の削減に努めましたが、連結ベースでの当期売上高は前年対比695億円増の2兆1,993億円、営業損失は268億円(前期は561億円の営業利益)、経常損失は416億円(前期は698億円の経常利益)、当期純損失は472億円(前期は300億円の当期純利益)となりました。

 

(2)事業の種類別セグメントの業績

(セグメント間売上高・損益を含みます。)

 

航空運送事業セグメント

 国際旅客については、米大陸線、韓国線、台湾線で需要が堅調に推移しましたが、欧州線、東南アジア線が若干前年を下回ったほか、オセアニア線も低調でした。また、中国線については、反日運動の影響が長引き、観光需要を中心に伸び悩みました。その結果、有償旅客数では前年対比96.2%、有償旅客キロベースでも同97.8%となりました。路線運営については、中長期的に成長が見込まれる中国線(東京−青島線)・アジア線(大阪−ソウル線等)やビジネス需要の強い東京−シカゴ線、東京−モスクワ線を増便致しました。特に、中国線については中国企業とのコードシェア提携も拡大し、日中間最大を誇るネットワークの更なる充実を図りました。一方で、中期的に安定した利益確保が困難な東京、大阪からのサイパン線、福岡からのホノルル線、香港線、ソウル線、名古屋からのグアム線について自社定期便を運休し、一部の路線については、コードシェア便やチャーター便の活用を図るなど、路線運営の見直しを図りました(有効座席キロ 前年対比97.7%)。また、生産体制の見直しを行い、JALウェイズへ路線移管を促進し、コスト競争力の一層の強化に努めました。営業面では、平成17年4月より「FLY JAL!10000マイルプレゼントキャンペーン」を実施したほか、12月からは国際線と国内線共同で「冬のホットなキャンペーン」を行い、観光需要の拡大に努めました。また、ビジネス需要を積極的に取込むために、4月より中小企業のお客さまのために「JALコーポレートフライトメリットプログラム」を開始致しました。更にサービス改善施策として、2回目のお食事をご希望の時間にお選びいただける「free style dining(フリースタイルダイニング)」サービスをロンドン線等のエグゼクティブクラスで開始致しました。

 以上の結果、JALグループ全体での国際線旅客収入は、運賃の改定や燃油サーチャージの追加を主因に単価が前年対比5.2%上昇したこともあり、同2.8%増の6,902億円になりました。

 国内旅客については、団体旅客が前年を上回って推移したものの、個人旅客が一連の安全上のトラブルの影響を主因に伸び悩み、有償旅客数では前年対比98.1%、有償旅客キロベースでは同98.6%となりました。こうした中、路線運営面では平成18年2月の神戸空港開港に際して、羽田線、札幌線、那覇線など6路線で計10便の運航を開始したほか、3月の新北九州空港開港に伴い、羽田線の大型化、名古屋(小牧)線、那覇線を開設するなど、今年度開港した新空港への乗り入れを積極的に行い、利用者の拡大を図りました。商品戦略面においては、導入以来高い利用率で推移している「クラスJ」の増席に着手したほか、「JAL ICチェックインサービス」の利用可能空港を44空港に拡大し、先進性のあるJAL ICサービスを一層充実することで、お客様の利便性の向上を図りました。営業面では、「バーゲンフェア」運賃の設定日拡大や、「バースデー割引」及び「おともdeマイル割引」の継続により、需要喚起に努めるとともに、「ムシキング」「たまごっち」キャラクターを起用した販促キャンペーンを実施致しました。

 以上の施策を実施致しましたが、一連の安全上のトラブルが個人旅客需要を中心に影響を及ぼしたことから、単価は前年対比99.2%とほぼ横ばいに推移したものの、JALグループ全体での国内線旅客収入は前年対比2.2%減の6,599億円となりました。

 国際貨物については、世界経済の景気拡大を背景に、荷動きは概ね堅調に推移致しましたが、活況だった前年の反動もあり有償貨物トン・キロベースでは前年対比97.0%となりました。品目面では、秋口以降、薄型テレビや半導体関連出荷の拡大に加え、日系自動車メーカーの部品出荷が伸び、荷動きは活発化しました。一方輸入は、生鮮貨物がやや低迷したものの、自動車関連、部材等底堅く堅調に推移致しました。路線運営面では、下期の繁忙期に太平洋線や香港線の増便を実施したほか、11月からは欧州線の一部復路便にボーイング747-400型貨物機を新しく導入したことで、アンカレッジを経由しない直行化を実現し、運航時間短縮によるサービス向上を図るとともに、燃油費等のコスト削減を実施致しました。 

 以上の結果、単価が燃油サーチャージの追加を主因に前年対比8.6%上昇し、収入は同5.4%増の1,805億円となりました。

 燃油価格の高騰に対しては、運賃改定や燃油サーチャージの追加等による増収施策の他、各種コスト削減策、路便修正等を柱とする収支改善策を着実に実施することによりそのインパクトの吸収に努めました。

 以上により、国際線、国内線をあわせた旅客、貨物等の総輸送量(有償トン・キロ)は前年対比97.7%となり、売上高は同316億円増の1兆7,329億円、営業損失は434億円(前期は416億円の営業利益)となりました(売上高及び営業利益は航空運送セグメント内消去後、セグメント間連結消去前数値)。

 

 部門別売上高は、次のとおりです。

科目

前連結会計年度

(自平成16年4月1日

至平成17年3月31日)

構成比

(%)

当連結会計年度

(自平成17年4月1日

至平成18年3月31日)

構成比

(%)

対前年比

(%)

国際線

 

 

 

 

 

旅客収入(百万円)

671,291

39.5

690,226

39.9

102.8

貨物収入(百万円)

171,399

10.1

180,573

10.4

105.4

郵便収入(百万円)

7,632

0.4

8,441

0.5

110.6

手荷物収入(百万円)

2,487

0.1

2,270

0.1

91.3

小計(百万円)

852,810

50.1

881,513

50.9

103.4

国内線

 

 

 

 

 

旅客収入(百万円)

674,732

39.7

659,998

38.1

97.8

貨物収入(百万円)

30,534

1.8

29,440

1.7

96.4

郵便収入(百万円)

9,963

0.6

10,819

0.6

108.6

手荷物収入(百万円)

234

0.0

265

0.0

113.4

小計(百万円)

715,464

42.1

700,523

40.4

97.9

国際線・国内線合計(百万円)

1,568,275

92.2

1,582,037

91.3

100.9

その他の航空運送収益(百万円)

46,473

2.7

54,935

3.2

118.2

付帯事業収入(百万円)

86,619

5.1

96,010

5.5

110.8

合計(百万円)

1,701,367

100.0

1,732,983

100.0

101.9

 

連結輸送実績は、次のとおりです。

項目

前連結会計年度

(自平成16年4月1日

至平成17年3月31日)

当連結会計年度

(自平成17年4月1日

至平成18年3月31日)

対前年比(%)

(利用率はポイント差)

国際線

 

 

 

 

有償旅客数

(人)

14,743,222

14,187,626

96.2

有償旅客キロ

(千人・キロ)

68,986,317

67,434,613

97.8

有効座席キロ

(千席・キロ)

99,492,256

97,174,777

97.7

有償座席利用率

(%)

69.3

69.4

0.1

有償貨物トン・キロ

(千トン・キロ)

4,681,726

4,541,293

97.0

郵便トン・キロ

(千トン・キロ)

149,058

161,690

108.5

有償(合計)トン・キロ

(千トン・キロ)

11,252,602

10,954,502

97.4

有効トン・キロ

(千トン・キロ)

16,613,543

16,414,876

98.8

有償重量利用率

(%)

67.7

66.7

△ 1.0

国内線

 

 

 

 

有償旅客数

(人)

44,705,084

43,848,755

98.1

有償旅客キロ

(千人・キロ)

33,367,574

32,910,535

98.6

有効座席キロ

(千席・キロ)

52,410,183

51,415,813

98.1

有償座席利用率

(%)

63.7

64.0

0.3

有償貨物トン・キロ

(千トン・キロ)

394,566

388,443

98.4

郵便トン・キロ

(千トン・キロ)

77,769

85,519

110.0

有償(合計)トン・キロ

(千トン・キロ)

2,973,756

2,938,796

98.8

有効トン・キロ

(千トン・キロ)

6,157,241

6,034,514

98.0

有償重量利用率

(%)

48.3

48.7

0.4

合計

 

 

 

 

有償旅客数

(人)

59,448,306

58,036,381

97.6

有償旅客キロ

(千人・キロ)

102,353,891

100,345,148

98.0

有効座席キロ

(千席・キロ)

151,902,439

148,590,590

97.8

有償座席利用率

(%)

67.4

67.5

0.1

有償貨物トン・キロ

(千トン・キロ)

5,076,292

4,929,736

97.1

郵便トン・キロ

(千トン・キロ)

226,827

247,209

109.0

有償(合計)トン・キロ

(千トン・キロ)

14,226,358

13,893,298

97.7

有効トン・キロ

(千トン・キロ)

22,770,784

22,449,390

98.6

有償重量利用率

(%)

62.5

61.9

△ 0.6

(注)1.旅客キロは、各区間有償旅客数(人)に該当区間距離(キロ)を乗じたものであり、輸送量(トン・キロ)は、各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものである。

2.区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機構)の統計資料と同じ算出基準の大圏距離方式で算出してある。

   3.国際線:㈱日本航空インターナショナル+日本アジア航空㈱+㈱ジャルウェイズ

     国内線:㈱日本航空インターナショナル+㈱日本航空ジャパン+日本トランスオーシャン航空㈱

        +㈱ジャルエクスプレス+日本エアコミューター㈱+㈱北海道エアシステム+㈱ジェイエア

        +琉球エアーコミューター㈱

4.数字については切捨処理、比率については四捨五入処理している。

航空運送関連事業セグメント

 機内食販売を行なう株式会社ティエフケーにおいては、成田空港における取扱量が堅調であった一方、羽田空港においては新規受託や国際チャーターの増便等があり取扱量が増え、増収となりました。また、航空機への動力販売等を行なう株式会社エージーピーにおいては、羽田空港において第2ターミナル開業後の動力事業収入が増加しているほか、中部国際空港関係の売上が加わったこと等により、増収となりました。

 以上により、航空運送関連事業セグメントの売上高は3,429億円、営業利益は58億円となりました。

 

旅行企画販売事業セグメント

 株式会社ジャルパックは、JALグループの国際線旅客事業において路線運営の見直しを行ったこと等により取扱人数が減少し、減収となりました。株式会社ジャルツアーズは、沖縄方面を中心としてほとんどの方面で取扱人数が増加し、増収となりました。

 以上により、旅行企画販売事業セグメントの売上高は4,153億円、営業利益は6億円となりました。

 

カード・リース事業セグメント

 カード事業の株式会社ジャルカードは、各種新規会員獲得施策により会員数が前年対比13%増の約158万人となるなど取扱高が大幅に増加し、増収となりました。

 以上により、カード・リース事業セグメントの売上高は601億円、営業利益は43億円となりました。

 

その他事業セグメント

 商社の株式会社JALUX は、2004年12月の羽田空港第2ターミナル開業により利用客が分散し、羽田空港のBLUE SKYで減収となったものの、不動産・食品関連やグループ外への航空機部品の売上が好調で、増収となりました。ホテル事業を営む株式会社JALホテルズは、昨年4月以降に7ホテルの新規運営受託がありましたが、川崎日航ホテルの売却による運営受託化や近隣に競合ホテルが開業したホテル日航ベイサイド大阪の減収などにより、全体としては減収となりました。

 以上により、その他事業セグメントの売上高は2,126億円、営業利益は61億円となりました。

 

(3)所在地別セグメントの業績

(セグメント間売上高・損益を含みます)

 当連結会計年度から所在地別セグメント情報を開示しているため、前連結会計年度との比較はありません。

日本

 日本国内の売上高は2兆365億円、営業損失は280億円となりました。

その他の地域

 その他の地域の売上高は2,634億円、営業利益は14億円となりました。

 

(4)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純損失464億円、減価償却費1,251億円等により、営業活動によるキャッシュ・フローが1,009億円のキャッシュ・インフロー(前期は1,452億円のキャッシュ・インフロー)となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローについては、航空機の取得等がある一方、固定資産の売却が減少したこと等から、992億円のキャッシュ・アウトフロー(前期は214億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金による調達を行う一方、借入金の返済・社債の償還を進めた結果913億円のキャッシュ・アウトフロー(前期は62億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。

 これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、1,721億円(前期は2,609億円)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループは、生産、受注及び販売に該当する業種・業態がほとんどないため、「業績等の概要」に含めて記載しております。

 

 





出典: 更生会社 株式会社日本航空、2006-03-31 期 有価証券報告書