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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)連結業績全般
 当連結会計年度の日本経済は、企業収益の改善および設備投資の増加に支えられ、雇用情勢や個人消費にも改善が見られ、景気は緩やかな回復基調をたどりました。しかしながら航空輸送業界においては、依然として燃油価格が高水準で推移するなど、厳しい環境が続きました。
 こうした中、JALグループでは平成18年4月の販売体制の再編に続き、10月には国際旅客事業・貨物事業を担当する日本航空インターナショナルと国内旅客事業を担当する日本航空ジャパンの両事業会社を合併しました。また、持株会社と事業会社の実質一社化を図るなど、グループの組織改正を実施してまいりました。これにより重複業務を解消し、スピードを上げて事業構造および費用構造改革を実行するとともに、「安全」と「お客さまの視点」を徹底的に追求する企業風土を構築してまいりました。
 航空運送事業においては、低収益路線の改廃と高収益、高成長路線への資源再配分の徹底、航空機の小型化など、収益性改善に向けた構造改革を行いました。加えて、契約や業務プロセスの見直し、抜本的な費用構造改革や基本賃金10%カットを含む人件費削減施策等に取り組んでまいりました。燃油価格の高騰に対しては、原油市況を睨んだ機動的ヘッジや燃油サーチャージの追加等により、可能な限りその影響を吸収し、収支の改善に努めてまいりました。
 また中期経営計画に基づく戦略の一環として、経済性の高い航空機を購入するため、7月に公募増資を行い、1,485億円の資金を調達いたしました。
 安全運航への取り組みにつきましては、社外有識者からなる「安全アドバイザリーグループ」の提言に基づき、平成18年4月にグループ内の安全管理体制を総括する「安全推進本部」を設置し、グループ全体の安全性を向上させるよう体制を強化しました。さらに事故の教訓を風化させず、安全運航の重要性を再認識する場として「安全啓発センター」を開設し、社内の安全教育に活用しております。
  また世界3大グローバルアライアンス(航空企業連合)の一つである「oneworld(ワンワールド)」への正式加盟を決定し、ネットワークのさらなる拡大を図ることといたしました。eチケットやマイレージの提携、空港ラウンジの相互提供、コードシェア便の運航など各種サービスにより、一層大きな付加価値、利便性、快適性をお客様へご提供していくこととなりました。
 当連結会計年度の連結ベースでの営業収益は前期比1,025億円増の2兆3,019億円となりました。営業費用は、燃油価格の高騰があったものの、厚生年金基金の代行返上などの費用削減努力等により、同527億円増の2兆2,789億円にとどまり、営業利益は229億円(前期は268億円の営業損失)となりました。一方、営業外収益については為替差益の増加を主因に対前年74億円の増加となり、また営業外費用が支払利息の減少等から49億円減少したことから、経常利益は205億円(前期は416億円の経常損失)となりました。一方、繰延税金資産を代行返上等による97億円に加え447億円を取り崩したほか、平成19年度第一四半期に実施した特別早期退職に係る特別退職金60億円を計上したことから、当期純損失は162億円となりました。
(2)事業の種類別セグメントの業績
(セグメント間売上高・損益を含みます。)
航空運送事業セグメント
 国際旅客については、路線運営面では、需要動向に対応し、より収益性を重視したネットワークの再構築を進めました。具体的には、 7月に合意された日中航空交渉を受けて、東京−上海線、東京−広州線等を増便しました。中国路線は他社とのコードシェア提携も拡大し、日中間最大の便数での運航を行っております。またビジネス需要にあわせ、東京—デリー線、東京−モスクワ線等を増便して利便性の向上に努める一方、大阪−ロサンゼルス線、東京−ラスベガス線等を運休し、路線の選択と集中を進めました。加えて、ヨーロッパ線の多くをボーイング777型機による運航とするなど、機材の更新を加速させるとともに、小型化を実施し、サービスの品質と経済性の向上を図りました。さらに、ジャカルタ線等のアジア路線をグループ航空会社のJALウェイズへ移管し、コスト競争力の一層の強化に取り組みました。また、グローバルアライアンス「oneworld(ワンワールド)」への正式参加を決定するとともに、従来から実施している個別航空会社との提携も拡大しました。
 商品戦略面では、ご好評いただいている「JALシェルフラットシート」の導入路線を一層拡大して、お客さまの快適性向上に努めました。また、ファーストクラスやご搭乗回数の多いお客さまにスムーズにセキュリティチェックをお受けいただけるよう、成田空港に日本の国際線空港で初となる「JALファストセキュリティレーン」を設置するなど、空港サービスの強化も図りました。
 機内食については、欧米路線のファーストクラス、エグゼクティブクラスでご好評をいただいております「炊きたて
ご飯」サービスを、東南アジア路線の一部でも開始いたしました。また中国路線では、エグゼクティブクラスにおいて寿司御膳等の「御膳」シリーズを導入するとともに、エコノミークラスにおいては、一部路線でメニューを半月ごとに変更するなど、機内食の充実を図りました。
 営業面では、ビジネス需要に積極的に対応するため、海外出張に多彩な特典を用意した法人向けプログラム「JALコーポレートフライトメリット」の加盟社数を約600社に拡大するとともに、「JALなら選べる!欧米線お帰りサービス」や、中国へのご出張をサポートする「JAL中国ビジネスゲートウェイプログラム」など、ビジネス旅客向けサービスを拡充しました。
 加えて多様化する観光需要にも対応するため、「直行便」の利便性と快適性を追求したチャーター便をハワイやパラオなど、需要の旺盛な地点を中心に、前年を上回る便数を運航いたしました。
 また国内線と共通する戦略として、マイレージ提携では、小田急電鉄、近畿日本鉄道と提携カードの発行に合意いたしました。さらに、「Yahoo! JAPAN」、「スルッとKANSAI」、関西国際空港とはポイントとマイルの交換を可能にするなど、JALのマイレージサービスをより魅力的なものとすることで、顧客数の拡大を目指しました。
 以上の施策を実施いたしました結果、路線運営の効率化により国際線旅客の供給は有効座席キロベースで前期比9.5%減少したものの、需要は有償旅客キロベースで同7.2%の減少にとどまり、有償座席利用率は71.1%と同1.7%上昇しました。また、国際線旅客収入は、ビジネス需要の拡大に加え、運賃の改定や燃油サーチャージの追加を主因に単価が前期比13.1%上昇したこともあり、前期比5.0%増の7,248億円となりました。
 
 国内旅客については、路線運営面では、季節毎や時間毎の需要にあわせた便数や使用機材の調整等を行いました。特に11月以降は、「需要のある時間帯に最適な機材を最適な頻度で運航する」ことを主眼に、羽田からの札幌線、鹿児島線、熊本線、沖縄線など週末に高需要となる路線において、一部の便で大型化や増便を行う土日ダイヤ『週末BIG』を設定し、お客さまの利便性を向上するとともに、収入の極大化に取り組みました。昨年に引き続き、MD81型機の運航をグループ航空会社のジャルエクスプレスに移管して、低コスト運航体制の拡大を図りました。また平成19年3月には、燃費効率に優れた次世代航空機ボーイング737-800型機を羽田−山口宇部線、羽田−宮崎線に就航させるなど、燃油費の高騰下における収支改善に努めてまいりました。
 商品戦略面では、導入以来お客さまからご好評をいただいている「クラスJ」について、大型機や中型機での増席を図るとともに、ボーイング737型機およびMD90型機といった小型機にも順次導入いたしました。また、「タッチ&ゴー」で親しまれている「JAL ICチェックインサービス」では、10月よりパッケージツアーご参加のお客さまにもご利用いただけるようになりました。
 営業面では、燃油費高騰の対策として運賃の値上げを実施する一方で、需要に合ったきめ細かい価格設定を行う運賃である「先得割引」を新規に設定、宣伝告知を強化したほか、「バーゲンフェア」や「バースデー割引」の利用期間拡大、JALインターナショナル・JALジャパンの統合を記念しての「スペシャル・バーゲンフェア」の設定などを行い、需要喚起に努めました。
 また、販売促進策として、従来からの沖縄、北海道、九州、四国を対象とする各観光キャンペーンに加え、夏休み期間には国際線と共同で「JALみんなの夏空キャンペーン」、冬季には「JALハートフルキャンペーン」を展開し、個人旅客・団体旅客の利用促進を図りました。
 以上の施策を実施いたしましたが、個人旅客については需要の回復が遅く、特にビジネス需要が伸び悩んだ結果、国内線旅客の供給は有効座席キロベースで前期比0.9%増加、需要は有償旅客キロベースで同0.8%増にとどまりました。国内線旅客収入は、単価が前期比1.5%上昇したこともあり、前期比2.4%増の6,756億円となりました。
 貨物・郵便については、国際線貨物の輸出は、欧州向けの需要は伸び悩んだものの、北米向けの需要が建設機械、生産設備関連を中心に回復基調となり、また中国向けも年間を通じて堅調に推移いたしました。輸入では、欧州発はユーロ高により、東南アジア発は旅客便減便による供給減等により、全体として需要が伸び悩みました。
 路線運営面では、ボーイング747-400 型貨物専用機を追加投入し、供給の強化と収支の改善を進めるとともに、9月よりマニラに貨物専用機を新規就航させ、アジアの路線ネットワーク強化を図っております。加えて、24時間空港の利点を生かした関西国際空港発の上海向け深夜貨物便を7月より臨時便として、更に10月からは定期便として運航を開始いたしました。
 他社提携については、米州において6月から米国南部の貨物専用航空会社フロリダウェスト航空と提携し、マイアミ、ダラス発着貨物の需要を取り込み、中国では従来からのトラック転送サービスに加え、7月から中国東方航空との航空便転送サービスも開始し、利便性の向上を図っております。
 以上のような施策を実施した結果、国際貨物総輸送量は有償貨物トン・キロベースで前期比0.6%の減少にとどまりました。国際貨物収入については、燃油サーチャージの追加等により単価が前期比6.1%上昇したことから、前期比5.5%増の1,905億円となりました。
 国内貨物は、年度当初は旅客機材の小型化により貨物スペースが減少する中、時間帯を区別したきめ細やかな販売戦略を展開し、前年を上回る需要を獲得いたしました。路線運営面では、11月からギャラクシーエアラインズとの提携を行い、深夜便による航空貨物輸送を開始いたしました。さらに、ICタグを活用した国内貨物計量システムを実用化し、国内13空港へ本格導入いたしました。これにより、安全性向上のための確実な重量管理を実現するとともに、生産性向上を図りました。
 これらの結果、国際線、国内線をあわせた旅客・貨物等の総輸送量(有償トン・キロ)は前期比3.2%の減少となり、当セグメントの売上高は前期比685億円増の1兆8,015億円、営業利益は26億円(前期は434億円の営業損失)となりました(売上高及び営業利益は航空運送セグメント内消去後、セグメント間連結消去前数値)。
 部門別売上高は、次のとおりです。
科目
前連結会計年度
(自平成17年4月1日
至平成18年3月31日)
構成比
(%)
当連結会計年度
(自平成18年4月1日
至平成19年3月31日)
構成比
(%)
対前年比
(%)
国際線
 
 
 
 
 
旅客収入(百万円)
690,226
39.9
724,889
40.3
105.0
貨物収入(百万円)
180,573
10.4
190,500
10.6
105.5
郵便収入(百万円)
8,441
0.5
9,200
0.5
109.0
手荷物収入(百万円)
2,270
0.1
1,975
0.1
87.0
小計(百万円)
881,513
50.9
926,565
51.5
105.1
国内線
 
 
 
 
 
旅客収入(百万円)
659,998
38.1
675,680
37.5
102.4
貨物収入(百万円)
29,440
1.7
28,938
1.6
98.3
郵便収入(百万円)
10,819
0.6
10,858
0.6
100.4
手荷物収入(百万円)
265
0.0
298
0.0
112.3
小計(百万円)
700,523
40.4
715,774
39.7
102.2
国際線・国内線合計(百万円)
1,582,037
91.3
1,642,340
91.2
103.8
その他の航空運送収益(百万円)
54,935
3.2
60,917
3.4
110.9
付帯事業収入(百万円)
96,010
5.5
98,262
5.4
102.3
合計(百万円)
1,732,983
100.0
1,801,520
100.0
104.0
連結輸送実績は、次のとおりです。
項目
前連結会計年度
(自平成17年4月1日
至平成18年3月31日)
当連結会計年度
(自平成18年4月1日
至平成19年3月31日)
対前年比(%)
(利用率はポイント差)
国際線
 
 
 
 
有償旅客数
(人)
14,187,626
13,467,241
94.9
有償旅客キロ
(千人・キロ)
67,434,613
62,597,923
92.8
有効座席キロ
(千席・キロ)
97,174,777
87,987,011
90.5
有償座席利用率
(%)
69.4
71.1
1.7
有償貨物トン・キロ
(千トン・キロ)
4,541,293
4,515,812
99.4
郵便トン・キロ
(千トン・キロ)
161,690
164,336
101.6
有償(合計)トン・キロ
(千トン・キロ)
10,954,502
10,481,369
95.7
有効トン・キロ
(千トン・キロ)
16,414,876
15,769,219
96.1
有償重量利用率
(%)
66.7
66.5
△0.2
国内線
 
 
 
 
有償旅客数
(人)
43,848,755
43,984,840
100.3
有償旅客キロ
(千人・キロ)
32,910,535
33,187,684
100.8
有効座席キロ
(千席・キロ)
51,415,813
51,864,339
100.9
有償座席利用率
(%)
64.0
64.0
△0.0
有償貨物トン・キロ
(千トン・キロ)
388,443
400,507
103.1
郵便トン・キロ
(千トン・キロ)
85,519
86,985
101.7
有償(合計)トン・キロ
(千トン・キロ)
2,938,796
2,968,868
101.0
有効トン・キロ
(千トン・キロ)
6,034,514
6,073,609
100.6
有償重量利用率
(%)
48.7
48.9
0.2
合計
 
 
 
 
有償旅客数
(人)
58,036,381
57,452,081
99.0
有償旅客キロ
(千人・キロ)
100,345,148
95,785,607
95.5
有効座席キロ
(千席・キロ)
148,590,590
139,851,350
94.1
有償座席利用率
(%)
67.5
68.5
1.0
有償貨物トン・キロ
(千トン・キロ)
4,929,736
4,916,319
99.7
郵便トン・キロ
(千トン・キロ)
247,209
251,321
101.7
有償(合計)トン・キロ
(千トン・キロ)
13,893,298
13,450,237
96.8
有効トン・キロ
(千トン・キロ)
22,449,390
21,842,828
97.3
有償重量利用率
(%)
61.9
61.6
△0.3
(注)1.旅客キロは、各区間有償旅客数(人)に該当区間距離(キロ)を乗じたものであり、輸送量(トン・キロ)は、各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものである。
2.区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機構)の統計資料と同じ算出基準の大圏距離方式で算出してある。
   3.国際線:㈱日本航空インターナショナル+日本アジア航空㈱+㈱ジャルウェイズ
      国内線:㈱日本航空インターナショナル+㈱日本航空ジャパン+日本トランスオーシャン航空㈱
        +㈱ジャルエクスプレス+日本エアコミューター㈱+㈱北海道エアシステム+㈱ジェイエア
        +琉球エアーコミューター㈱
4.数字については切捨処理、比率については四捨五入処理している。
航空運送関連事業セグメント
 機内食販売を行なう㈱ティエフケーは、機内食部門は堅調でしたが、一方でレストラン部門が振るわず減収となったものの、生産性向上等によりコスト削減に努め増益となりました。また、駐機中の航空機への動力販売等を行なう㈱エージーピーは、同社が提供する電力供給方式が、コスト面・環境面共に優れていることで動力事業の収入が引き続き伸びているほか、成田空港や関西空港における諸設備保守管理業務の受託拡大などにより増収となりました。
 以上により、航空運送関連事業セグメントの売上高は前期比258億円増の3,687億円、営業利益は同24億円増の83億円となりました。
(注)売上高拡大の主な要因は海外の燃料調達関連会社(パシフィック フューエル トレーディング コーポレーション)が燃油仕入れ値の上昇を販売額に反映したため、収入・費用ともに大幅に拡大したことによるものです。
 
旅行企画販売事業セグメント
 ㈱ジャルパックは、反日運動の影響から回復が見られた中国方面やヨーロッパ方面での取扱いを増やしましたが、観光路線の減便によりハワイ・ミクロネシア方面を中心に取扱いが減少し、減収となりました。また、㈱ジャルツアーズは、愛知万博の反動の影響からの回復がみられ取扱い人数は前年並みを確保しました。また、旅行代金単価の上昇により増収となりましたが、商品内容の充実を図ったことや仕入れコスト上昇等により減益となりました。
 以上により、旅行企画販売事業セグメントの売上高は前期比356億円減の3,797億円、営業損失は8億円(前期は6億円の営業利益)となりました。
(注)減収減益の主な要因は、販売体制再編に伴い、昨年4月1日に㈱ジャルセールスが㈱日本航空インターナショナルに合併され、セグメントの対象から外れたことによるものです。
カード・リース事業セグメント
 カード事業の㈱ジャルカードは、新規会員獲得施策を積極的に行い会員数が前年同期比11%増の約176万人となるなど大幅な増収となりました。
 以上により、カード・リース事業セグメントの売上高は前期比56億円増の658億円、営業利益は同15億円増の58億円となりました。
その他事業セグメント
 商社の㈱JALUX は、JALグループ外向けの航空機部品売上が引き続き好調なほか、国内空港店舗の「BLUE SKY」において新千歳空港の店舗規模拡大などにより増収となりました。ホテル事業を営む㈱JALホテルズは資産圧縮の観点から運営受託を中心としたビジネスモデルへ移行しており、昨年6月に開業したホテルJALシティ那覇など2005年7月以降に7件の新規運営受託がありましたが、ホテル日航成田や川崎日航ホテルの売却・運営受託化を積極的に進めたことから全体としては減収となりました。
 以上により、その他事業セグメントの売上高は前期比32億円増の2,159億円、営業利益は同11億円増の72億円となりました。
(3)所在地別セグメントの業績
(セグメント間売上高・損益を含みます)
日本
 日本国内の売上高は前期比761億円増の2兆1,126億円、営業利益は224億円(前期は280億円の営業損失)となりました。
その他の地域
 その他の地域の売上高は前期比204億円増の2,838億円、営業利益は同6億円減の7億円となりました。
(4)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 有価証券及び投資有価証券売却損益及び評価損が340億円の利益となったものの、税金等調整前当期純利益が520億円(前期は464億円の純損失)となったことを主因に、営業活動によるキャッシュ・フロー(インフロー)は前期比267億円増の1,277億円となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 航空機・部品の取得や導入予定の航空機に対する前払い等固定資産の取得による支出は62億円増の1,532億円となりましたが、固定資産の売却による収入が前期比62億円増の546億円、有価証券の売却及び償還による収入が60億円、投資有価証券の売却及び償還による収入が431億円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が95億円、更には事業譲渡による収入が49億円となったことから、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は562億円(前期は992億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 平成19年3月に実施された2011年満期ユーロ円建保証付転換社債型新株予約権付社債の繰上償還等により社債の償還による支出が前期比947億円増の1,097億円となったほか、長期借入による収入が同351億円減の221億円となったものの、平成18年7月及び8月の公募及び有償第三者割当による新株式発行により株式の発行による収入が1,476億円となったほか、親会社による配当金支払額が前期比78億円減少したこと等から、財務活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は530億円(前期は913億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。
 これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、1,913億円(前期は1,721億円)となりました。
2【生産、受注及び販売の状況】
 当社グループは、生産、受注及び販売に該当する業種・業態がほとんどないため、「業績等の概要」に含めて記載しております。
3【対処すべき課題】
1.基本方針
 JALグループは、以下の企業理念の下で、総合力ある航空輸送グループとしてお客さま、文化そしてこころを結び、日本と世界の平和と繁栄に貢献します。加えて世界トップクラスの航空輸送グループとなることを目指すとともに、企業価値の最大化を図り、すべてのステークホルダーに成果を還元することを基本方針としております。
(企業理念)
JALグループは、総合力ある航空輸送グループとして、お客さま、文化、そしてこころを結び、日本と世界の平和と繁栄に貢献します。
①安全・品質を徹底して追求します
②お客さまの視点から発想し、行動します
③企業価値の最大化を図ります
④企業市民の責務を果たします
⑤努力と挑戦を大切にします
2.目標とする経営指標
 企業価値の最大化を目的に、資産効率の向上と収益性の改善を図り、財務の健全性を確保するよう努めて参ります。中長期的には株主資本利益率(ROE)の向上と、事業キャッシュ・フローによる有利子負債返済年数の短縮を目標としています。
3.中長期的な会社の経営戦略(目標)
 JALグループは事業基盤の再構築を図り、安定した利益水準を継続していくための「2007-2010年度JALグループ再生中期プラン」を策定し、2007年2月に発表いたしました。
 まず、JALグループの存立基盤である安全運航については、安全水準のさらなる向上を図るため、引き続き「安全アドバイザリーグループ」の提言を具現化し、安全管理体制強化を行うとともに、安全文化を醸成してまいります。また、情報の収集・分析、対策の立案・実行、そして検証という「PDCAサイクル」を定着し、従来の再発防止型の安全対策を更にすすめ、未然防止型の安全対策を目指してまいります。
 事業運営上の重点的な取り組みとしては、収益性の向上を図るために、経済性の高い中小型の航空機を積極的に導入するとともに、経年機の退役を促進してまいります。その上で、2009年度以降に予定されている成田空港の発着枠拡大や羽田空港の再拡張および国際化に的確に対応するとともに、高成長・高収益路線に資源を集中してまいります。また、国内線のファーストクラスおよび国際線のプレミアムエコノミーの導入などによる上質な商品やサービスを提供し、競争力を向上してまいります。
 一方、費用面では低コスト運航会社の運航規模拡大などにより効率的なグループ運営体制を構築し、また一層の人的生産性の向上に取り組み、大幅なコスト削減を実施してまいります。
 加えて、JALグループの本業である航空運送事業へ経営資源を集中させるために、関連事業の再構築を引き続き行ってまいります。
 財務体質の改善は喫緊の課題であり、収益性の向上により安定的にキャッシュ・フローを生み出す体質を早期に構築するとともに、資産効率の向上・継続的な有利子負債圧縮についてスピード感を持って取り組み、安定的な資金調達環境を整えてまいります。
 
 
4.会社の対処すべき課題
 「安全運航は、JALグループの存立基盤であり、社会的責務です。JALグループは安全確保の使命を果たすため、経営の強い意志と社員一人一人の自らの役割と責任の自覚のもと、知識と能力の限りを尽くして、一便一便の運航を確実に遂行していきます。」 これはJALグループの安全に対する決意を「安全憲章」として定めたものであります。社員・役員ともに改めてこの安全憲章の精神に立ち戻り、JALグループへの信頼を回復させ、安心して飛行機をご利用いただけるよう、諸施策を講じてまいります。
 また、JALグループでは、「安心とこだわりの品質で、世界を結ぶ『日本の翼』になる」という新しいビジョンのもと、グループ全社員が改革に取り組んでいます。JALグループの存立基盤である安全運航の堅持を大前提に、お客さまのご要望を正確に把握し、お客さまの視点に立ったサービスを追求するとともに、これまで以上の定時性、快適性、利便性を提供してまいります。
 
 JALグループは、収入の拡大に過度に依存せずとも安定的に利益を生み出せる強固な経営体質を構築することを主眼とし、2007年2月に「2007-2010年度JALグループ再生中期プラン」を策定いたしました。このうち、2007〜2009年度については、来るべき羽田空港の再拡張・国際化、成田空港の発着枠拡大等の新たなビジネスチャンスを確実に自社の継続的成長に繋げていくための事業基盤の再構築期間と位置付け、①人件費等コスト削減による競争力の強化、②ダウンサイジングの推進、③高収益路線へのシフトと総合商品競争力の強化、④航空運送事業への資源集中、等の諸施策を柱としています。
 
 現在JALグループでは、2007年度を企業再生に向けた極めて重要な年と位置づけ、再生中期プランの諸施策の完遂に向けて鋭意取り組んでおります。このうちコスト削減については、安全運航の確保を大前提に、今後も聖域なくあらゆる分野において費用構造改革を拡大してまいります。人件費については、2006年度から継続している基本賃金10%の削減に加え、2007年度は臨時手当の大幅抑制や、早期退職措置、及び退職給付関連制度の改定による退職給付費用の大幅圧縮により、更なる削減を実行してまいります。
 連結人員数については、2009年度までに早期退職措置を含む人的生産性の向上と関連事業の再構築により、着実に削減することを計画しております。
 JALグループは、今次再生中期プランの完遂こそが今後継続的に安定した利益水準を確保していくための必須条件であり、また同時に金融機関ならびに資本市場からの資金調達を円滑に行なうために極めて重要であると認識しております。
 お客様から選ばれ続ける航空会社になるために、JALグループでは国内・国際のネットワークを更に充実させるとともに、徹底的に「お客様の視点」から商品・サービス品質の向上・強化を図ってまいります。
 さらには企業の社会的責任(CSR/Corporate Social Responsibility)を積極的に果たすことにより、全てのステークホルダーからの信頼に応えてまいります。




出典: 更生会社 株式会社日本航空、2007-03-31 期 有価証券報告書