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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の世界経済は、欧州で債務危機を背景に景気が弱い動きとなったものの、米国では緩やかな回復が続き、中国など新興国では期後半にかけて景気拡大のテンポに持ち直しの動きが見られました。またわが国経済は、世界景気の減速等を背景として弱い動きとなったものの、個人消費や公共投資が底堅く推移するなど、期後半には持ち直しの動きが見られました。

こうした経済情勢にあって、当社グループを取り巻く事業環境は、倉庫及び港湾運送等物流業界においては、物流合理化の影響等により、また不動産業界においては、賃貸オフィスビルの需給改善の兆しがあるものの一部に賃料の低下が見られるなど、引き続き厳しい状況のうちに推移しました。

このような状況の下、当社グループは、東日本大震災による顧客の物流拠点見直し等に対応するとともに積極的な営業活動を推進し、物流事業では、医薬品等の配送センター業務の拡大、海外拠点の拡充等に努め、不動産事業では、テナントの確保及び賃料水準の維持・向上に努めました。他方、コスト管理の徹底と業務の効率化を一層推し進め、業績の確保に努めました。

この結果、当連結会計年度の営業収益は、物流事業で倉庫、陸上運送の両事業において医薬品、紙製品等の取扱が堅調に推移したものの港湾運送、国際運送取扱の両事業において貨物取扱量が減少したため収入が減少し、不動産事業で、オフィスビル等の需要減退の影響を受けたほか、マンション販売物件の減少により収入が減少したため、全体として前期比114億3千6百万円(5.6%)減の1,922億6千万円となりました。また営業原価は、物流事業において貨物取扱量の減少に伴い作業運送委託費が減少、不動産事業においてマンション販売物件の減少に伴い不動産販売原価が減少し、物流、不動産の両事業において施設賃借費、減価償却費が減少したほか、コスト管理の徹底及び業務の効率化に努めたこともあり、全体として前期比107億4千4百万円(5.9%)減の1,709億円となり、販売費及び一般管理費は、連結子会社における費用の表示方法変更等により、同4億6千4百万円(4.9%)減の90億5千4百万円となりました。

このため、営業利益は、物流事業で増益、不動産事業で減益となり、全体として前期比2億2千8百万円(1.8%)減の123億5百万円となりましたが、経常利益は、受取配当金や持分法による投資利益の増加等により、同1千7百万円(0.1%)増の145億2千6百万円となりました。また当期純利益は、税制改正による法人実効税率引下げに伴う繰延税金資産の取り崩しを行った前期に比べ10億2千6百万円(13.6%)増の85億9千1百万円となりました。

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

① 倉庫・港湾運送等の物流事業

  倉庫・陸上運送の両事業は、全体としてやや荷動きが伸び悩んだものの、医薬品、紙製品等の取扱が堅調に推移したこともあり、営業収益は倉庫事業で前期比0.9%増の365億9千4百万円、陸上運送事業で同2.0%増の405億7千8百万円となりました。他方港湾運送事業は、コンテナ貨物の取扱が減少したため、営業収益は前期比4.1%減の167億4千万円となりました。また国際運送取扱事業は、輸出入貨物の取扱減少等により、営業収益は前期比7.5%減の436億2千7百万円となりました。

この結果、物流事業全体の営業収益は、前期比29億9千4百万円(1.9%)減の1,553億2千2百万円となりました。また営業費用は、貨物取扱量の減少に伴い作業運送委託費が減少したほか、施設賃借費や減価償却費の減少もあり、全体で前期比35億4千6百万円(2.3%)減の1,497億4千9百万円となりました。このためセグメント利益(営業利益)は、前期比5億5千2百万円(11.0%)増の55億7千2百万円となりました。

 

② 不動産事業

主力の不動産賃貸事業は、テナントの確保及び賃料水準の維持・向上に努めたもののオフィスビル等の需要減退の影響により、営業収益は前期比3.7%減の302億5千4百万円となりました。その他の営業収益は、マンション販売物件の減少により前期比45.8%減の84億9千4百万円となりました。

この結果、不動産事業全体の営業収益は、前期比83億2千7百万円(17.7%)減の387億4千9百万円となりました。また営業費用は、マンション販売物件の減少に伴い不動産販売原価が減少したほか、施設賃借費や減価償却費の減少もあり、前期比78億1千5百万円(22.0%)減の276億4千1百万円となりました。このためセグメント利益(営業利益)は、前期比5億1千2百万円(4.4%)減の111億7百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の連結キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローの増加、投資活動によるキャッシュ・フローの減少、財務活動によるキャッシュ・フローの増加に「現金及び現金同等物に係る換算差額」(2億4千5百万円の増加)を加えた全体で50億4千5百万円の増加となり、現金及び現金同等物の期末残高は324億6千1百万円となりました。

なお、当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー(50億4千5百万円の増加)は、営業活動によるキャッシュ・フローの増加から投資活動によるキャッシュ・フローの減少を差し引いた額(フリーキャッシュフロー)が前期を上回ったほか、財務活動によるキャッシュ・フローの増加もあり、前期(20億6千7百万円の増加)に比べ、29億7千8百万円上回りました。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却による資金の留保、前期末のマンション販売代金の回収等により、195億5千2百万円の増加となりました。

なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローは、前期末のマンション販売代金の回収等により、前期(146億3千万円の増加)に比べ、49億2千1百万円上回りました。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出や連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の取得による支出等により、165億1千3百万円の減少となりました。

なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出が多かったほか、連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の取得による支出もあり、前期(124億7千8百万円の減少)に比べ、40億3千4百万円下回りました。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等があったものの、借入れによる収入により、17億6千万円の増加となりました。

なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローは、借入れによる収入により、前期(6百万円の減少)に比べ、17億6千7百万円上回りました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの主たる事業は、倉庫事業を中核とする物流事業及びビル賃貸を中心とする不動産事業であり、役務の提供を主体とする事業の性格上、生産、受注及び販売の実績を区分して把握することは困難であります。

これに代えて、当連結会計年度におけるセグメント毎の主要業務の営業収益及び取扱高等を示すと、次のとおりであります。

(1) セグメント毎の主要業務の営業収益

 

セグメント
営業収益(百万円)
前連結会計年度比増減
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
(%)
倉庫・港湾運送等の物流事業
 
 
 
 
(倉庫事業)
36,253
36,594
341
0.9
(陸上運送事業)
39,776
40,578
801
2.0
(港湾運送事業)
17,462
16,740
△721
△4.1
(国際運送取扱事業)
47,142
43,627
△3,515
△7.5
(その他)
17,682
17,781
99
0.6
158,316
155,322
△2,994
△1.9
不動産事業
 
 
 
 
(不動産賃貸事業)
31,408
30,254
△1,153
△3.7
(その他)
15,668
8,494
△7,174
△45.8
47,076
38,749
△8,327
△17.7
セグメント間取引消去
△1,695
△1,810
△114
合計
203,697
192,260
△11,436
△5.6

(注) 上記金額には、消費税等は含まない。

 

 

(2) セグメント毎の主要業務の取扱高等

 

セグメント
業務の種類
取扱高等
前連結会計年度
当連結会計年度
前連結会計年度
比増減
倉庫・港湾運送等の
物流事業
 
 
 
 
 
(倉庫事業)
倉庫保管
保管残高
(数量・月末平均)
776千トン
763千トン
△13千トン
 
 
貨物回転率
(数量・月間平均)
51.3%
48.0%
△3.3
 
倉庫荷役
入庫高
4,799千トン
4,424千トン
△376千トン
 
 
出庫高
4,744千トン
4,368千トン
△376千トン
(陸上運送事業)
陸上運送
陸上運送高
21,025千トン
20,019千トン
△1,005千トン
(港湾運送事業)
沿岸荷役
沿岸荷役高
71,592千トン
67,002千トン
△4,590千トン
 
船内荷役
船内荷役高
54,777千トン
50,507千トン
△4,270千トン
(国際運送取扱事業)
国際運送取扱
国際運送取扱高
9,939千トン
9,396千トン
△543千トン
不動産事業
不動産賃貸
不動産賃貸面積
(延床面積・月末平均)
 
 
 
 
 
オフィス用
420千㎡
418千㎡
△2千㎡
 
 
商業用
437千㎡
437千㎡
0千㎡
 
 
住宅用
36千㎡
36千㎡
△0千㎡

 

(注) 貨物回転率(月間平均)の算出方式………
(入庫高+出庫高) ÷2÷12ヵ月
×100
月末平均保管残高

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の世界経済は、欧州で当面景気が弱い動きとなるものの、米国では緩やかな回復が見込まれ、中国など新興国でも景気拡大のテンポに持ち直しの動きが続くものと予想されます。またわが国経済は、海外経済の底堅さや円安傾向による輸出環境の改善及び政策効果などを背景に、次第に景気回復へ向かうことが期待されます。

こうした経済情勢にあって、当社グループを取り巻く事業環境は、倉庫及び港湾運送等物流業界においては、物流合理化の影響等により、また不動産業界においては、賃貸オフィスビルの需給改善が見込まれるものの競争の激化もあり、厳しい状況が続くものと思われます。

このような事業環境の下、当社グループは、新たに策定した平成26年3月期を初年度とする3カ年の中期経営計画[2013‐2015]に沿い、グローバル化に対応したロジスティクス事業の一層の拡充及び賃貸を中心とする不動産事業の拡充等により、持続的な成長を図ります。

具体的には、

(1) 物流事業においては、お客様から信頼を得ている高品質な配送センター業務や高効率のコンテナターミナル業務を拡充するとともに、国内の物流事業の基盤強化を図ります。また、成長が望めるアメリカ、中国、東南アジア等を中心に、当社グループの強みを活かした国内外一体のロジスティクス事業の展開を加速します。

(2) 不動産事業においては、長期安定した収益性を確保するため、既存賃貸施設の機能の維持・向上及びビル賃貸事業以外のビジネスの拡大を図ります。

(3) 各種リスクの高まりに対応し、自然災害を中心としたリスク管理の強化を推進し、あわせて対策の徹底を図ります。

(4) グループ全体での環境配慮意識の向上に努め、企業の社会的責任を果たすとともに、事業の競争力向上を図ります。

(5) 人材の育成と活用、財務基盤の安定、コンプライアンスの徹底、グループ経営強化、シナジーの高いM&A・業務提携の実施等により、事業を支える経営基盤の強化を図ります。

 

また、株式会社の支配に関する基本方針を以下の通り定めております。
○会社の支配に関する基本方針

当社グループの主たる事業は、倉庫事業を中核とする物流事業並びにビル賃貸を中心とする不動産事業であります。
 物流事業については、倉庫事業を中核として陸上運送・国際運送取扱・港湾運送の各事業を情報通信技術の活用により有機的かつ総合的に運営することを目指し、不動産事業については、所有地の立地に適した活用により、主としてオフィスビル・商業施設の賃貸事業の展開を図っており、これら事業のフェアな遂行を通じて、適正な利潤の確保と安定した成長を図り、株主及び社員に報いるとともに、豊かな社会の実現に貢献していきたいと念願しております。
 両事業とも、好立地の土地、建物、設備等を要する性格上、多額の投資を必要としますので、事業の拡大・発展を目指して、資金をはじめとする経営資源の投入は、長期的視野に立ち、継続的、計画的に展開しております。
 
 

当社は、当社株式の大量取得を目的とする買付けの意義を一概に否定するものではありませんが、上記に反するような当社の企業価値ひいては株主の共同の利益を損なう買付けは適切でないと考えております。

現在のところ、当社株式を大量に取得しようとする者の存在は認識しておりませんが、当社株式の異動状況を常に注視し、このような考え方に反して当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、それが当社の企業価値、株主共同の利益向上に資するものでないときは、適切な対抗措置を検討し、速やかに実施する体制を整えることとしております。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、原則として当連結会計年度末(平成25年3月31日)現在において判断したものであります。

 

(1) 事業環境の変動

当社グループの主たる事業は、倉庫事業を中核とする物流事業並びにビル賃貸を中心とする不動産事業であり、計画的な設備投資や高度なサービスの提供により安定した成長を図るよう努めておりますが、物流事業では国内外の景気変動や顧客企業の物流合理化・事業再編の影響等、不動産事業では賃貸オフィス市場における需給バランスや市況動向等、事業環境の変動の影響を受けます。

 

(2) 事業用資産(倉庫、賃貸ビル等)の災害による被災

当社グループの主たる事業は、倉庫事業を中心とする物流事業並びにビル賃貸を中心とする不動産事業でありますが、倉庫事業、ビル賃貸事業とも施設に多額の投資を必要とし、またこれらの施設は東京、横浜、名古屋、大阪、神戸及び福岡の6大都市圏を中心に立地しており、万一これらの地域で地震等の大規模災害が発生した場合は、当社の施設も被災し、会社経営に相当の影響が生じる事態も予想されます。なお、当社は、地震災害等への備えとして次の対策を行っております。

① 建物の耐震対策

イ 昭和56年建築基準法改正以前の耐震基準の設計による建物について耐震診断を行い、耐震性能が不充分な建物については現行基準並みの耐震強化工事を実施し、東京ダイヤビル1〜4号館については免震化工事を実施しました。

ロ 阪神大震災以降に建設する建物について、現行基準を上回る耐震性能を付与した設計としております。

② 外部保険の付保及び自家保険積立金の積立

イ 保有する事業用資産(有形固定資産)について、原則として全て火災保険を付保することとしており、全損の恐れの少ない建物(鉄筋又は鉄骨鉄筋コンクリート造若しくは耐火構造の鉄骨造)は実損填補として保険金額を減額して付保しております。

ロ また、首都圏(東京、神奈川、埼玉)及び東海地域(愛知、静岡)の重要性の高い倉庫、賃貸ビル等について、地震災害に備えて地震保険を付保しております。

ハ このほか、火災保険や地震保険で填補されない事態の発生に備えて、剰余金の処分による自家保険積立金の積立を行っております。

 

(3) 事業用資産(土地、建物等)の時価下落

当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により、土地・建物等の時価下落や収益性低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合、将来に損失を繰り越さないため、回収の可能性を反映させるように減損処理を行う可能性があります。

 

(4) 投資有価証券の時価変動

当社は、主として営業上の取引関係維持・強化のため、取引先の株式を中心に当連結会計年度末において937億6千万円の投資有価証券を保有しておりますが、「金融商品に関する会計基準」の適用により、株式相場等の時価変動の影響を受けております。なお、当社は、その他有価証券で時価のあるものについて、時価が取得原価に比べて30%以上下落した場合、回復の可能性を考慮のうえ減損処理を行うこととしており、また時価のない株式・出資の実質価額低下による損失に備えるため、発行会社の純資産額が簿価を下回るものについて、回復の可能性を考慮した引当額を投資損失引当金に計上することとしております。

 

(5) 退職給付債務

当社及び一部連結子会社においては、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けておりますが、「退職給付に係る会計基準」に基づき、退職給付債務の割引率及び年金資産の期待運用収益率の変更、年金資産の運用実績等により未認識数理計算上の差異が変動し、これに伴い退職給付費用も変動する可能性があります。

 

(6) 海外事業展開におけるカントリーリスク

当社は、海外において北米、中国・アジア及び欧州に合計19社(北米2社、中国・アジア15社、欧州2社)の子会社を設置し、倉庫・国際運送取扱等の物流事業を営んでおります。海外での事業展開においては、現地の法令・商習慣等に則した経営活動の実践に努めるとともに、出資先において倉庫施設等の固定資産の取得を伴う場合は、カントリーリスクの度合いを考慮し海外投資保険を付保することとしております。

 

(7) 環境保全に係る規制強化等

当社グループは、環境問題の重要性を認識し、環境方針や環境ボランタリープランを定め、地球環境に配慮した事業活動を推進しております。具体的には、倉庫や不動産賃貸施設の省エネ対策に取り組むほか、お客様や委託先等と協力のうえ環境負荷を軽減するサービスの開発に努めております。しかしながら、今後、関係法令や規制の強化等により、新たな設備投資等の必要性が生じた場合には、資金やコスト負担の増加により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を受ける可能性があります。

 

(8) 情報ネットワークのセキュリティ

当社は、ホストコンピュータを外部からの物理的侵入が困難な当社所有コンピュータ専用ビルに設置しておりますが、インターネットにより外部から社内ネットワークに侵入された場合には重大な障害が発生する事態も想定されるため、インターネットを経由して顧客との間で物流情報を受付け又は提供するシステムにおいては、専用サーバーを設置してインターネットと社内ネットワークの接続ポイントを限定し、許可されたユーザーからのデータのみ通過させる等の厳重な管理を実施しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

重要な会計方針等として、有価証券の評価基準及び評価方法、固定資産の減価償却の方法、重要な引当金の計上基準等が挙げられますが、これらは「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 営業収益

イ 物流事業においては、物流合理化の影響等により引き続き厳しい状況のうちに推移する中、医薬品等の配送センター業務の拡大、海外拠点の拡充等に努めました。この結果、物流事業の営業収益については、倉庫・陸上運送の両事業は、全体としてやや荷動きが伸び悩んだものの、医薬品、紙製品等の取扱が堅調に推移したこともあり増収となり、他方港湾運送事業は、コンテナ貨物の取扱が減少したため減収となりました。また国際運送取扱事業は、輸出入貨物の取扱減少等により減収となったため、全体として前期比29億9千4百万円(1.9%)減の1,553億2千2百万円となりました。

ロ 不動産事業においては、賃貸オフィスビルの需給改善の兆しがあるものの一部に賃料の低下が見られるなど引き続き厳しい状況のうちに推移する中、テナントの確保及び賃料水準の維持・向上に努めました。この結果、不動産事業の営業収益については、主力の不動産賃貸事業がオフィスビル等の需要減退の影響により減収となったほか、マンション販売物件の減少もあり、全体として前期比83億2千7百万円(17.7%)減の387億4千9百万円となりました。

ハ この結果、全体の営業収益は、前期比114億3千6百万円(5.6%)減の1,922億6千万円となりました。

② 営業原価

営業原価は、物流事業において貨物取扱量の減少に伴い作業運送委託費が減少、不動産事業においてマンション販売物件の減少に伴い不動産販売原価が減少し、物流、不動産の両事業において施設賃借費、減価償却費が減少したほか、コスト管理の徹底及び業務の効率化に努めたこともあり、全体として前期比107億4千4百万円(5.9%)減の1,709億円となりました。

③ 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、連結子会社における費用の表示方法変更等により、前期比4億6千4百万円(4.9%)減の90億5千4百万円となりました。

④ 営業利益、経常利益

この結果、営業利益は、前期比2億2千8百万円(1.8%)減の123億5百万円となりましたが、経常利益は、受取配当金や持分法による投資利益の増加等により、同1千7百万円(0.1%)増の145億2千6百万円となりました。

⑤ 当期純利益

当期純利益は、税制改正による法人実効税率引下げに伴う繰延税金資産の取り崩しを行った前期に比べ10億2千6百万円(13.6%)増の85億9千1百万円となりました。

 

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

① 総資産

当連結会計年度末の総資産は、当連結会計年度の設備投資(大阪・茨木3号配送センター、埼玉・三郷2号配送センターの竣工等)に伴い「建物及び構築物」等が増加したほか、株式相場回復に伴い「投資有価証券」が増加したため、前期末比219億1千万円増の3,751億8千万円となりました。

② 負債合計

当連結会計年度末の負債合計は、主として株式相場回復に伴い「繰延税金負債」が増加したため、前期末比56億1千9百万円増の1,473億5千2百万円となりました。

③ 純資産

当連結会計年度末の純資産は、当期純利益の計上により「利益剰余金」が増加したほか、株式相場回復に伴い「その他有価証券評価差額金」が増加したため、前期末比162億9千1百万円増の2,278億2千7百万円となりました。

④ 自己資本比率

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前期末を0.9ポイント上回る60.2%となりました。

⑤ 有利子負債

当連結会計年度末の有利子負債は、「借入金」の増加により前期末に比べ47億9百万円増加し、588億9千2百万円となりました。

(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度の連結キャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」において、税金等調整前当期純利益や減価償却による資金の留保、前期末のマンション販売代金の回収等により、195億5千2百万円の増加となり、「投資活動によるキャッシュ・フロー」において、固定資産の取得による支出や連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の取得による支出等により、165億1千3百万円の減少となったものの、「財務活動によるキャッシュ・フロー」において、配当金の支払等があったものの借入れによる収入により、17億6千万円の増加となったため、「現金及び現金同等物に係る換算差額」(2億4千5百万円の増加)を加えた全体で50億4千5百万円の増加となり、現金及び現金同等物の期末残高は324億6千1百万円となりました。

 





出典: 三菱倉庫株式会社、2013-03-31 期 有価証券報告書