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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

 (1) 業績

当連結会計年度の世界経済は、米国や中国の景気拡大が続き、欧州も回復基調で推移いたしました。わが国経済も、企業収益の改善を背景に引き続き設備投資が増加し、個人消費や輸出も緩やかに増加するなど、景気は回復基調で推移いたしました。

物流業界におきましては、国際貨物は引き続き増加いたしましたが、国内貨物の荷動きは一部に回復傾向がみられるものの総じて横ばい基調で推移し、物流合理化に伴う料金値下げや原油価格高騰によるコスト圧迫が続くなど、業界を取り巻く収益環境は依然として厳しい状態が続いております。

当社グループは、このような環境のもと、お客様の物流効率化の要請にお応えしつつ、「グリーン経営認証制度(トラック運送事業)」の認証取得や「安全性優良事業所」認定取得に加えて、個人情報保護法に対応するための「プライバシーマーク」の認証を取得するなど、高品質かつ総合的な物流サービスの提供により業務受注の拡大に努めるとともに、経営の効率化・合理化を推進してコスト削減を図るなど、引き続き収益構造の改善に努めました。

   その結果、当連結会計年度の営業収益は433億7千5百万円(前期比31億6千4百万円の増収、7.9%増)となり、経常利益は14億2千2百万円(前期比1億7千1百万円の増益、13.7%増)となりました。また、当期純利益は8億7千4百万円(前期比1億6千2百万円の増益、22.8%増)となりました。

 

   当社グループの物流事業に係る事業部門の業績は、次のとおりであります。

 

国際物流部門

  国際物流部門におきまして、複合一貫輸送は、欧州や中国・台湾の輸出入貨物取扱いは低調に推移しましたが、香港の輸出入貨物や北米の輸入貨物取扱いが好調に推移し、取扱量は前期比1.0%の増加となりました。また、輸出車輌やプロジェクト貨物は、貨物取扱いが好調に推移し、大幅な増加となりました。

一方、海運貨物は、輸出入貨物の取扱いが低調に推移し、取扱量は前期比7.5%の減少となりました。航空貨物も、海外主要代理店との提携関係の変更もあって、輸入貨物の取扱いは増加しましたが、輸出貨物の取扱いが減少し、取扱量は前期比4.0%の減少となりました。また、港湾作業も、船内・沿岸作業の貨物取扱いが低調に推移し、取扱量は前期比19.7%の減少となりました。

   以上の結果、国際物流部門の営業収益は165億8千7百万円(前期比11億7千6百万円の増収、7.6%増)となりました。

 

  国内物流部門

  国内物流部門におきまして、倉庫保管は、金属機械の在庫圧縮による影響もあり、保管残高は前期比0.6%の減少となりましたが、倉庫荷役は、食料品を中心に堅調に推移し、入出庫取扱量は前期比1.1%の増加となりました。また、一般貨物輸送も、化学工業品を中心に取扱いが順調に推移し、運送屯数は前期比4.9%の増加となりました。

一方、海上コンテナ輸送は、船社受注コンテナの取扱いが期中に終了し、取扱本数は20フィート換算で前期比13.9%の減少となりました。

   以上の結果、国内物流部門の営業収益は193億5千8百万円(前期比9億9千6百万円の増収、5.4%増)となりました。

 

  宅配物流部門

  宅配物流部門におきまして、宅配は、通信販売商品の取扱いが好調に推移し、取扱件数は前期比16.7%の増加となりました。また、商品センター作業も、通信販売商品や店舗納品商品の取扱いが順調に推移し、取扱個数は前期比9.5%の増加となりました。

   以上の結果、宅配物流部門の営業収益は69億6千7百万円(前期比9億3千2百万円の増収、15.4%増)となりました。

 

  情報部門

   情報部門におきましては、システム開発の業務受託が堅調に推移いたしました。

   以上の結果、情報部門の営業収益は4億6千2百万円(前期比6千万円の増収、14.9%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

   当期における連結キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが23億6千3百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローが13億1千万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが18億5千4百万円の減少となり、これに現金及び現金同等物に係る換算差額(6千1百万円の増加)を加え、全体では7億4千万円の減少となり、これに連結子会社増減による現金及び現金同等物の減少額(1千9百万円の減少)を加え、当期の現金及び現金同等物の期末残高は30億8千3百万円となりました。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

    当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益17億5百万円、減価償却費15億3百万円等により、23億6千3百万円の増加となりました。

    前期(22億8千3百万円の増加)との比較では、8千万円の増加となりました。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

    当期における投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出17億5千万円等により、13億1千万円の減少となりました。

    前期(9億4千8百万円の減少)との比較では、3億6千2百万円の減少となりました。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

    当期における財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済および配当金の支払い等により、18億5千4百万円の減少となりました。

    前期(11億7千1百万円の減少)との比較では、6億8千3百万円の減少となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 事業の部門別営業収益

 

区分

業務の種類

営業収益

収入金額(百万円)

比率(%)

前年同期比(%)

国際物流部門

国際運送取扱業

13,549

31.2

108.2

航空運送業

1,284

3.0

96.2

港湾作業

1,753

4.0

112.7

16,587

38.2

107.6

国内物流部門

陸上運送業

13,920

32.1

105.1

倉庫保管業

3,220

7.4

107.4

倉庫荷役業

1,719

4.0

101.7

その他

497

1.1

115.9

19,358

44.6

105.4

宅配物流部門

陸上運送業

6,967

16.1

115.4

情報部門

物流システム開発等

462

1.1

114.9

合計

43,375

100.0

107.9

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    2 総営業収益の100分の10以上を占める相手先はありません。

 

(2) 事業の部門別取扱高

 

区分

業務の種類

取扱高等

前年同期比(%)

国際物流部門

国際運送取扱業

国際運送取扱高

2,661千トン

95.6

航空運送業

航空運送取扱高

4千トン

96.0

港湾作業

港湾作業取扱高

2,524千トン

80.3

国内物流部門

倉庫保管業

保管残高

(数量・月平均)

155千トン

99.4

貨物回転率

(数量・月間平均)

54.2%

101.9

倉庫荷役業

入庫高

1,008千トン

101.2

出庫高

1,007千トン

101.0

陸上運送業

陸上運送高

1,698千トン

104.9

海上コンテナ輸送業

取扱本数

(20フィート換算)

99千本

86.1

宅配物流部門

陸上運送業

陸上運送取扱件数

7,579千件

116.7

(注) 貨物回転率は貨物荷動きの状況を示すものであり、下記の算式によって算定しております。

貨物回転率(%)

(入庫高+出庫高)×1/2

×100

月末平均保管残高×12ヶ月

 

3 【対処すべき課題】

今後の世界経済は、安定成長が見込まれておりますが、米国や中国経済の減速懸念など先行き不透明な要因もあります。

一方、今後のわが国経済は、民間需要に支えられた景気回復が見込まれておりますが、原油・原材料の価格高騰に加えて、輸出や個人消費の動向が懸念されるなど、必ずしも楽観できない状況にあります。

  物流業界におきましては、物流合理化に伴う料金値下げの影響に加えて、原油価格の高騰によるコスト圧迫が続くなど、依然として厳しい経営環境が続くものと予想されます。

  このような状況下ではございますが、当社グループは物流事業環境の変化を見極めながら、これまで培ってきた経営資源を活用して、事業成長力の回復・強化を推進し、利益の拡大を図るとともに、経営体制の整備および財務体質の改善を図ることを重点目標とした3ヵ年計画「ケイヒングループ経営3ヵ年“STEP FORWARD”計画」を策定いたしました。

当社グループは、これらの重点目標を強力に推し進めることにより、引き続き社業発展に努めてまいる所存でございます。

 

4 【事業等のリスク】

(1) 事業環境の変動

当社グループは、国際物流、国内物流、宅配物流等の物流事業を行っており、荷動きは、国内外の景気動向や在庫調整の影響を受け、また、営業収益は、価格競争等の物流市場動向や顧客企業の物流合理化の影響を受けるなど、事業環境の変動の影響を受けます。

 

(2) 自然災害によるリスク

   当社グループは、東京、横浜、名古屋、大阪および神戸に倉庫を中心とする物流施設を有しており、これら施設は地震、台風等の自然災害の発生を想定し、耐性を十分考慮して建設しておりますが、万一、想定を超えるような自然災害が発生し、これら施設に損害が生じた場合には、業績に相当の影響が生じる可能性があります。

 

(3) カントリーリスク

当社グループは現在、シンガポール、フィリピン、香港および台湾等において現地法人が国際貨物取扱等の物流事業を行っておりますが、これら各国のカントリーリスク要因(予期しない法令の変更、政治的な混乱等)により、当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。

 

(4) 情報ネットワーク等に関するリスク

 当社グループの情報ネットワークに、インターネットを通じて外部から侵入された場合には、情報ネットワークシステムに障害が生じる可能性がありますので、ファイアウォールを設置する等の厳重な管理を実施するとともに、IT賠償責任保険を付保しております。

   また、当社グループは、物流業務において個人情報を含む顧客等の情報を取扱っております。これら情報の外部漏洩やデータ喪失等の問題が発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下を招き、損害賠償請求を受ける可能性があります。

 

(5) 為替レートの変動リスク

当社グループの海外進出国・地域における取引ならびに国際物流事業における海外法人等との取引において、収益・費用・資産を含む現地通貨やUSドル建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらないとしても、円換算後の価値に影響を受ける可能性があります。

 

(6) 金利の変動リスク

   当社グループの必要な設備資金等は、固定金利による長期の安定的な資金調達を基本としておりますが、一部の変動金利による調達資金については金利変動の影響を受けることとなります。また、今後の金利変動により、将来の資金調達コストに影響を受ける可能性があります。

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、財政状態及び経営成績の分析については、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 財政状態

当期末の総資産は、516億1千万円と前期と比較して10億6千1百万円増加いたしました。流動資産は、6億2千8百万円減少の104億4千2百万円、固定資産は、17億1千1百万円増加の411億6千万円となりました。

流動資産の減少の主な要因は、現金及び預金の減少が営業収益の増加に伴う受取手形及び営業未収金の増加を上回ったことによります。

固定資産のうち、有形固定資産は、305億4千7百万円と前期と比較して8千1百万円減少いたしました。この内訳は既存設備の改修に係る設備投資と、減価償却費の計上などによる減少があったことによります。

投資その他の資産は、78億8千2百万円と前期と比較して18億2千5百万円増加いたしました。投資有価証券は、19億2千1百万円増加いたしましたが、これは市場価格のある株式の時価評価差益の増加によるものであります。

当期末の負債合計は、373億3千5百万円と前期と比較して5億5千1百万円の減少となりました。減少の主な要因は、有利子負債が267億9千7百万円と前期と比較して14億8千8百万円減少したことによるものであります。

当期末の資本合計は、142億7千4百万円と前期と比較して16億1千2百万円増加いたしました。増加の主な要因は、利益剰余金の増加とその他有価証券評価差額金の増加であります。

利益剰余金は、当期純利益の増加により26億3千2百万円と前期と比較して4億8千8百万円増加いたしました。また、その他有価証券評価差額金は、20億2千万円と前期と比較して9億8千8百万円増加いたしました。これは、保有する上場株式の株価上昇に伴う評価差益の増加によるものであります。

この結果、自己資本比率は、前期末の25.1%から27.7%に増加し、1株当たり純資産額も前期末の193円83銭から218円51銭に増加いたしました。

 

(2) 流動性および資金の源泉

① キャッシュ・フロー

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前期と比較して8千万円増加の23億6千3百万円を取得いたしました。これは、売上増に伴い売上債権が増加したものの、税金等調整前当期純利益が大きく増加したことに加え、法人税等の支払い額が減少したことが主な要因であります。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、前期と比較して3億6千2百万円増加の13億1千万円を支出いたしました。これは、既存施設の改修、維持更新等固定資産の取得による支出の増加が主な要因であります。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、前期と比較して6億8千3百万円増加の18億5千4百万円を支出いたしました。これは、前期に引き続き財務体質改善のため有利子負債の削減を行ったことによります。

これらの活動に現金及び現金同等物に係る換算差額、ならびに連結子会社増減による現金及び現金同等物の減少額を加えた当期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期と比較して7億6千万円減少の30億8千3百万円となりました。

 

② 資金政策

当社グループにおける主な資金需要は、各種物流サービス提供のための営業費用等に係る運転資金と、営業収益の根幹をなす物流施設の維持・更新等の設備資金であります。

これらの需要に対しまして、自己資金のほか、運転資金については短期借入金による資金調達を、設備資金については長期借入金による資金調達を基本として対応しております。

また、新規大型物流施設投資につきましては、資金回収に相応の期間が必要でありますので、社債発行および日本政策投資銀行よりの制度融資を併せて利用しております。

 

平成18年3月31日現在の借入金の概要は下記のとおりであります。

 

区分

年度別返済予定額

合計

1年以内

1年超2年以内

2年超3年以内

3年超4年以内

4年超

短期借入金

(百万円)

4,976

4,976

長期借入金

(百万円)

18,821

4,675

4,248

3,196

2,921

3,778

社債

(百万円)

3,000

2,000

1,000

 

当社グループは、お客様の要望される物流サービスの提供を通じて引き続き営業キャッシュ・フローを高めるとともに、有利子負債削減による財務体質の改善を図ることにより、当社グループの社業発展に必要な資金確保は可能と考えております。

 

(3) 経営成績

当期の経済環境ならびに当社グループの経営成績や事業部門の業績は、「1 業績等の概要」に記載のとおりであります。

当期の営業収益は、貨物取扱いの増加により、433億7千5百万円(前期比31億6千4百万円の増収、7.9%増)となりました。

営業費用は、貨物取扱いの増加に伴い作業費等が増加し、397億3千5百万円(前期比30億6千9百万円の増加、8.4%増)となりました。

営業利益は、コスト削減および収益構造の改善を含む経営の効率化・合理化の効果もあり、19億3千1百万円(前期比1億2千2百万円の増益、6.7%増)となりました。

経常利益は、営業利益の増益に加え、営業外損益が前期比5千万円改善されたことにより、14億2千2百万円(前期比1億7千1百万円の増益、13.7%増)となりました。売上高経常利益率は3.3%となり、前期と比較して0.2%改善されております。

特別利益として、投資有価証券売却益など3億9千8百万円を計上し、特別損失として、固定資産処分損など1億1千4百万円を計上いたしました。

これらの結果、当期純利益は、8億7千4百万円(前期比1億6千2百万円の増益、22.8%増)となり、1株当たり当期純利益は、13円38銭(前期比2円46銭の増加、22.5%増)となりました。

 

 





出典: ケイヒン株式会社、2006-03-31 期 有価証券報告書