有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における世界経済は、期初より米国金融市場の混乱、資源価格等の高騰によるインフレ懸念等で不透明感がありましたが、平成20年9月のリーマンショック以降、それまで比較的堅調であった新興国経済にも影響が及び、世界的な景気後退により一層拍車がかかりました。下半期後半から、原油価格をはじめとした資源価格は落ち着いた動きになっており、年度末にかけては需要収縮に若干の一服感は出たものの、世界同時不況の底を脱する気配はまだ見えない状況が続いております。 

 これに伴い、日本経済も、秋頃から外需の急激な悪化により輸出が急減したのに加え、雇用不安や消費者の節約傾向の強まりを背景に個人消費も低迷と内需環境も厳しさを増し、実質GDP成長率はマイナスへと大幅な落ち込みとなりました

 このような状況下、国内外の国際貨物市場の荷動きも平成20年10月から11月にかけて急減しており、特に、日本発の輸出航空貨物、同6月頃から自動車関連部品や電子部品等を中心にほぼ全ての業種で在庫調整等が行われたことによって取扱量が激減しました。また海上貨物でも荷動きの鈍化が続いており、いまだ低迷を脱する兆しが見えません。

 なお、当社は、国際航空貨物利用運送業務の取引分野において、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたとして、平成21年3月18日に、他の11社とともに公正取引委員会より、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。その後、本命令の内容を精査、確認し、慎重に検討を重ねてまいりましたが、公正取引委員会の判断と当社の見解や考え方に相違があり、当社の意見を述べ公正な判断を求めるために、平成21年4月30日付で公正取引委員会に対し審判手続の開始を請求いたしました。然しながら、当連結会計年度において、保守的な経理処理として、課徴金納付に係る引当1,728百万円を特別損失に計上しております。

 これらの結果、当社グループの当期の連結業績は、次のとおりとなりました

 

(単位:百万円) 

 

平成21年3月期

平成20年3月期

対前期比

増減

増減比

営業収益

167,460

187,518

△20,058

△10.7

営業利益

4,574

10,216

△5,642

△55.2

経常利益

5,354

11,962

△6,608

△55.2

当期純利益

1,083

7,271

△6,188

△85.1

 

 

事業の種類別セグメントの業績は次のとおりです。

①貨物運送事業

 第2四半期までは原油価格高騰による輸送コストの大幅増加などを受けて航空貨物の回避傾向が顕在化し、海上輸送への移行が進みましたが、第3四半期以降は、原油価格の下落に伴う航空貨物に関する燃油サーチャージ低減にもかかわらず、世界的な景気後退の影響により、企業収益や景況感の悪化に歯止めがかからず、自動車関連部品や電子部品等、さまざまな業種での販売不振と生産調整に伴って、航空貨物の取扱重量及び件数は対前期比で大幅に減少、また、海上貨物の荷動きも急速に鈍化に転じました。

 当連結会計年度からスタートした中期経営計画に沿って業務改善とコスト削減運動(アタック10)を推進し、平成20年9月のリーマンショック以降の日本発輸出航空貨物の激減に対しては、損益改善を主目的とした追加的なコスト削減の為の緊急プロジェクトを立ち上げ強力に推進しておりますが、その効果は取扱いの急減を補うには至りませんでした。

 特に日本での取扱いの落ち込みが著しく、この結果、貨物運送事業の営業収益は162,686百万円(対前期比10.5%減)、営業利益は4,069百万円(同57.2%減)となりました。

 

②旅行事業

 旅行事業については、経済環境悪化により、年度後半より企業の海外出張自粛・規制により法人の業務渡航取扱いが大幅に落ち込み、それに伴い航空会社からの販売手数料も大きく減少しました。クルーズ事業の取扱いも、富裕層の消費意欲後退のため、前期を下回り、コスト削減に取り組んだものの、営業収益は4,618百万円(対前期比16.2%減)、営業利益は255百万円(同51.0%減)となりました。

③その他事業

 その他事業に関しましては、営業収益は1,597百万円(対前期比5.0%増)、営業利益は236百万円(同28.7%増)となりました。

 

所在地別セグメントの業績は次のとおりです。 

①日本

 航空輸出は、期初から第2四半期にかけて燃油サーチャージが加速的に高騰して輸送コストが大幅に増加したことなどから、航空輸送の回避が一層顕在化しました。第3四半期に入ってからは、米国経済の景気悪化が日本を含む世界同時不況へと波及し、原油価格や燃油サーチャージは下落したものの、荷動きはさらに鈍化いたしました。特に、米州及び東アジアへ自動車関連部品や液晶関連部材の出荷が著しく減少したため、第3及び第4四半期の航空輸出の取扱いは、前年同期比でそれぞれ38.2%減、57.9%減となり、通期でも前期比24.7%減という結果となりました。航空輸入は、期初より市況の低迷が続き、また、中国からの食料品への不安やボジョレーヌーボーの取扱量の減少等も影響し、当社の取扱いも前期実績を12.5%下回りました。

 海上貨物は、航空輸送からの切り替え需要もあり、第2四半期までは堅調な取扱いでしたが、第3四半期に入って世界経済の影響により荷動きは鈍化に転じ、輸出入とも前期の取扱いを下回りました。

 旅行事業も同様に世界的景気後退の影響を受け、法人取引の取扱人数や販売手数料収入が減少しました。

 当社では経済環境の急激な悪化に対し、業務体制の改編、コストの見直し等の緊急プロジェクトを進めてまいりましたが、その効果は当期においては、荷量急落による収益の減少を補うまでには至りませんでした。  

 この結果、国内連結子会社を含めた営業収益は72,337百万円(対前期比17.2%減)、営業利益は157百万円(同96.3%減)となりました。  

②北米

 サブプライムローン問題に端を発する米国景気の後退が平成20年10月に入って鮮明となり、航空輸出の取扱いは、日本を含むアジアへの荷動きが自動車関連部品を中心に減少しました。航空輸入においても、日本や東アジアからの自動車関連部品の輸入が大きく減少し、取扱いは前期を下回りました。

 海上貨物においては、航空貨物からの輸送切り替え需要などにより、輸送用資材を中心に輸出入ともに概ね順調な取扱いとなりました。

 ロジスティクス事業では、カナダ自社倉庫における保安規格・TAPAクラスA取得などの品質・セキュリティ強化や、中南米向けの要衝であるマイアミのロジスティクス機能を強化し、部品保管・配送サービスの充実に努め、取扱いは堅調に推移しましたが、倉庫拡張や人員増強に伴う先行費用も増加いたしました。

 この結果、営業収益は16,696百万円(対前期比6.0%減)、営業利益は528百万円(同46.9%減)となりました。

③欧州 

 航空輸出は、平成20年7月頃までは医療機器や自動車関連部品の取扱いが堅調に推移し、ほぼ前期並みの実績を残すことができましたが、同年10月以降はアジア及び米州向けの自動車及び航空機関連の取扱いが減少しました。航空輸入においては、欧州のゲートウェイ拠点であるドイツ及びオランダへの混載集約を進め、東欧圏への定期トラック輸送サービスの拡充を図った結果、アジアからの事務機器取扱いの拡大、自動車関連部品等の緊急輸送取扱いなどに結びつき、堅調な結果になりました。

 海上貨物は、輸出で自動車関連部品の取扱量が減少しましたが、輸入はベルギーのアントワープ海上貨物事務所の拡張等による販売強化やNYKグループとの協調を進めた結果、順調に推移しました。

 ロジスティクス事業は、英国のスウィンドン・ロジスティクスセンターでの倉庫増床をはじめ、欧州各地で各種ロジスティクスサービスの拡充、品質向上を図り、堅調に取扱いを拡大しました。

 この結果、営業収益は20,564百万円(対前期比4.0%減)、営業利益は824百万円(同17.7%減)となりました。

④東アジア

 航空輸出は、上半期において欧州向け事務機器の出荷増や米州向け緊急出荷の取扱い等により、販売は堅調に推移しましたが、平成20年10月以降の世界的な景気後退の影響を受け、日本、北米向け及びアジア域内での荷動きが鈍化し始めました。航空輸入は、北京オリンピック開催に伴う一時的な取扱量減少の後、世界経済悪化による消費需要の低下、韓国での急激なウォン安進行の影響などにより、日本発貨物を中心として大幅な取扱量減少に転じました。

 海上貨物においては、航空貨物同様に荷動きの鈍化は見られるものの、全体としては、輸出入ともに順調に推移しました。

 ロジスティクス事業では、中国蘇州の総合保税区にハイテク関連物流に対応する物流倉庫会社を設立し、中国国内の当社グループ会社と連携してより高品質なサービス提供を行う体制作りを進めました。

 この結果、営業収益は33,079百万円(対前期比6.0%減)、営業利益は1,668百万円(同28.4%減)となりました。

⑤南アジア・オセアニア

 航空輸出は、米国向け取扱量が平成20年10月以降に急減しましたが、欧州向け事務機器・デジタル機器の取扱いが堅調で、通期では取扱量の落ち込みも僅かに留まりました。航空輸入は、期初よりシンガポールへの半導体関連の大口輸送や北京オリンピック開催に伴う薄型テレビの購買需要の高まりなどにより堅調に推移しましたが、同年10月以降に荷動きが急速に鈍化し、前年の第4四半期を下回る取扱いとなりました。

 海上貨物においては、シンガポールにおける海上貨物ゲートウェイ機能の強化による新サービスの提供やオペレーション品質の向上に努めた結果、液晶関連部材や電子部品、自動車部品の取扱いのほか、建設用鉄鋼材の取扱いが増加し堅調な販売となりました。

 ロジスティクス事業においては、部材保管・製品管理、非居住者在庫管理などの顧客ニーズに対応するため、フィリピンにおいてパレットラックを利用した効率化の推進や、ベトナム及びインドでの新倉庫稼動などの積極的な展開を図りました。

 この結果、営業収益は26,958百万円(対前期比5.5%減)、営業利益は1,459百万円(同16.1%減)となりました。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、8,213百万円の営業活動による収入、3,819百万円の投資活動による支出、2,780百万円の財務活動による支出、これらに為替相場変動の影響を加味し、前連結会計年度末に比べ2,568百万円減少し(前連結会計年度比12.4%減)18,196百万円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況とそれぞれの増減要因は次のとおりであります。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は8,213百万円と、前連結会計年度に比べ86百万円の増加(前連結会計年度比1.1%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益や営業債務の減少による支出が増加したものの、営業債権や法人税の支払額が減少したこと等によります。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

 当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は3,819百万円と、前連結会計年度に比べ947百万円の増加(前連結会計年度比33.0%増)となりました。これは主に固定資産の取得による支出が減少した一方で、貸付金が増加したことや定期預金からの払戻による収入が減少したこと等によります。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は2,780百万円と、前連結会計年度に比べ856百万円の増加(前連結会計年度比44.5%増)となりました。これは主に長期借入金の返済や配当金の支払額等の支出が増加したこと等によります。

2【生産・受注及び販売の状況】

 当社グループは貨物運送事業を中核とした事業であるため、生産・受注の各実績を求めることが、実務的に困難であり、生産実績に代え輸送実績及び取扱人数を記載し、受注状況は記載しておりません。

(1)輸送実績及び取扱人数

区分

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

至 平成21年3月31日)

対前期比(%)

貨物運送事業(トン)

298,690

85.5

旅行事業(人)

145,247

88.3

 (注)1.貨物運送事業は輸送取扱重量、旅行事業は取扱人数によっております。

2.その他事業につきましては、事業内容が多岐にわたるため、省略しております。

(2)営業収益

 当連結会計年度における営業収益を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称

金額(百万円)

対前期比(%)

貨物運送事業

162,686

89.5

旅行事業

4,618

83.8

その他事業

156

94.2

合計

167,460

89.3

 (注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.営業収益合計に対し10%以上に該当する相手先はありません。

3.セグメント内及びセグメント間の内部取引は相殺消去しております。

 

3【対処すべき課題】

 中期経営計画「YAS FIVE-STAR PROJECT」の目標である「世界に確固たる存在感のあるTOTAL LOGISTICS PROVIDER」を目指し、平成20年4月に掲げた営業戦略、組織戦略、基盤戦略の3大戦略を引き続き推進してまいりますが、前期からの経営環境の変化に合わせた競争力の向上と体制構築を急ぐため、次の諸項目を優先的に推進してまいります

 

(1)営業戦略

 ・卓抜した総合サービス品質の追及

 ・重点施策地域である北米・中国への戦略的展開

 ・取扱量に見合う体制の再構築

 ・ITを利用した業務効率の向上によるコスト競争力の強化

 ・品目別マーケティングの強化

 ・TOTAL LOGISTICS PROVIDERとしての総合営業力の強化と販売拡大

 

(2)組織戦略

 ・将来に向け有能な人材確保と事業環境の変化に合わせた組織・人員の再配置

 ・新設した「YASプロフェッショナル・カレッジ」の運用による教育・研修の更なる充実

 ・海外各地のナショナルスタッフの育成促進

 

(3)基盤戦略

 ・コンプライアンス、コーポレート・ガバナンス、内部統制などを中心としたリスクマネージメントの強化

 ・環境問題・社会貢献への取り組み

 

 なお、当社は、平成21年3月18日に、公正取引委員会より、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けましたが、公正取引委員会の判断と当社の見解や考え方に相違があり、当社の意見を述べ公正な判断を求めるために、平成21年4月30日付で公正取引委員会に対し審判手続の開始を請求いたしました。

 株主をはじめ、関係の皆さまに多大のご心配、ご迷惑をおかけすることになり、心よりお詫び申し上げます。  

 当社では、平成18年1月より「コンプライアンス委員会」を設置するなどコンプライアンス体制の整備・充実に鋭意努めてまいりましたが、これを機会に改めて法令はもとより企業倫理の遵守や周知徹底を図り、信頼の回復に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては次のことが考えられます。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)一般的な景気動向によるリスク

 国際物流需要は、進出先の国・地域での景気動向に加えて、世界経済に大きな影響がある欧米諸国の景気動向の影響を受ける可能性があります。特に、航空輸送需要につきましては、IT関連やデジタル家電などの個人消費向けの製品・部品の比重が高く、これら消費国での景気動向の影響を強く受けることになります。

 当社グループでは、安定的な成長を達成できる事業体制を目指して、比較的に景気変動の波が小さい医療機器・医薬品関連、並びに自動車関連品目の取扱い増加にグループを挙げて取り組んでいます。

 

(2)燃油価格変動によるリスク

 短期間での燃油価格の変動に伴って航空会社から賦課される燃油サーチャージは、通常、航空運賃とは別に顧客にご負担をお願いするものであり、それ自体が当社グループの経営成績及び財務状態に甚大な影響を及ぼすべきものではないはずです。しかし、燃油サーチャージが急激に引き上げられるような事態になった場合には、当社グループの利益率が一時的に低下する可能性があります。

 

(3)グローバルな事業展開に潜在するリスク

 当社グループの事業展開は、日本国内のみならず、米州、欧州、アジア、オセアニア、中近東を網羅しており、グループ全体の販売活動のおよそ半分は海外市場で行われております。こうしたグローバルな展開にあたっては、次に掲げるリスクが常に内在しております。

①政治的または経済的要因

②事業・投資許可、租税、為替管理、通商制限など公的規制の影響

③地震、津波、台風、ハリケーン等の自然災害の影響

④戦争、国際紛争、暴動、テロリズム、ストライキその他の要因による社会的混乱

⑤急激な為替の変動による世界経済の混乱

⑥新型インフルエンザなど伝染性の強い高致死率を示す疾病の蔓延

 当社グループでは、新たに海外へ進出する際には現地の政情や経済、さらには文化・慣習、衛生等を十分調査し、その時点で考えられるリスクを可能な限り排除しております。しかしながら、情報通信技術の高度化や経済・文化のボーダレス化、テロ行為の頻発、新たな感染症の蔓延等、さまざまな予期せぬ事象が世界中で発生しております。このような当社グループが想定し得ない事象や国際情勢の変化によっては、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)コンピューターウィルス、クラッカー行為並びにサイバーテロリズムによるリスク

 当社は、コンピューター回線のバックアップ体制を整えており、ハードウェアやデータについても、地震や風水害等の天災時にも被害を最小限にとどめ、速やかにリカバリーできるよう、さらなるバックアップ強化に努めています。また、外部からの不正なアクセスやコンピューターウィルスの感染等を防止するため、ファイアーウォール、ウィルスチェックソフトをメールサーバー及び各端末に導入し、万全な防御を施しています。しかしながら、想定しているセキュリティレベルを超える技術による社内情報システムへの侵入など、予測できない事態によって一時的なシステム機能不全や情報漏洩が発生することにより、当社グループの業績及び財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)顧客情報の流出による社会的信用の低下や損害賠償請求を受けるリスク

 当社グループは、多くの顧客情報を取扱っています。更に、当社グループは、通関業も営んでおり、顧客情報に対する守秘義務があり、情報の漏洩防止に努めておりますが、不測の事態により情報が外部に漏洩した場合、当社グループの社会的信用の低下や損害賠償請求の発生などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)為替レート変動によるリスク

 当社グループは、外貨建て債権債務を有しているものの、為替予約や通貨スワップなどのヘッジ取引により為替レート変動の影響の軽減に努めておりますので、当社グループの経営に大きな影響を及ぼすようなリスクは負っていません。但し、当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、海外の連結子会社の財務諸表を円換算しており、為替レートが変動した場合、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法的な規制

 現在、当社グループでは、貨物運送事業法第20条に基づく「第二種貨物利用運送事業」の許可を国土交通大臣より受け、当社グループにおける主要な事業である貨物運送事業を行っております。当該許可には、期限の定めはなく、同法第33条に定める事業の停止及び取消し事由に該当した場合、期間を定めて事業の全部若しくは一部の停止または許可が取り消されることとなっております。提出日現在、当社グループにおいてこれらの事由に該当する事実はありませんが、将来何らかの理由により、許可取消し等の事態が発生した場合には当社グループの経営成績及び財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの事業は、世界各地において各種法的な規制が実施されています。その主な内容は、社会的規制(安全性確保のための規制)、輸送事業に関する法的な規制などであり、日本国内では、前記の「第二種貨物利用運送事業」を含め、次のような許認可を所轄官庁等より受け事業を行っております。これらについても法的な規制が変更、または、許認可が取消しになった場合、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等の名称

所轄官庁等

許認可等の内容

有効期限

 第二種貨物利用運送事業

 国土交通大臣

 事業経営の許可

 期限の定めなし

 航空運送代理店業

 国土交通大臣 

 事業経営の届出

 同上

 通関業

 管轄地税関長

 事業経営の許可

 同上 

 第一種貨物利用運送事業

 (自動車) 

 管轄地運輸局長

 事業経営の登録

 同上 

 倉庫業

 管轄地運輸局長

 事業経営の登録

 同上 

 医療機器製造業

 都道府県知事

 事業経営の許可

 平成17年9月26日から 

 平成22年9月25日まで 

高度管理医療機器等 販売 業・賃貸業

 都道府県知事

 事業経営の許可 

 平成19年6月12日から 

 平成25年6月11日まで 

 

 当社は、平成21年3月18日に、公正取引委員会より、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けましたが、公正取引委員会の判断と当社の見解や考え方に相違があり、当社の意見を述べ公正な判断を求めるために、平成21年430日付で公正取引委員会に対し審判手続の開始を請求いたしました。然しながら、当連結会計年度において、保守的な経理処理として、課徴金納付に係る引当1,728百万円を特別損失に計上しております。

 

(8)日本郵船グループとの関係

①日本郵船グループにおける位置付け

 日本郵船グループは平成21年3月末現在連結子会社693社、持分法適用関連会社78社で構成され、海上運送事業を中心とした総合物流事業を行っております。
 当社グループは、主として利用航空運送事業を行っておりますが、日本郵船グループ企業の中には国土交通大臣より「第二種貨物利用運送事業(航空)」の許可を受けて、当社と同様に利用航空運送事業を行っている会社はありません。
 また、当社は上場会社としての独立性を確保することに努めており、当社の意思決定に関して日本郵船株式会社に対して事前に承認を要する事項はありません。

 

②日本郵船グループとの人的関係

 提出日現在における当社役員11名のうち、日本郵船グループ企業で兼職するものは2名であります。当該2名の当社における役職、氏名、日本郵船グループ企業における役職は次のとおりであります。

当社における役職

氏名

日本郵船グループ企業(当社グループを除く)における役職

 取締役

 村上 章二

 日本郵船株式会社経営委員

 取締役

 二見 昭夫

 日本郵船株式会社物流グループ長

 

③日本郵船株式会社及び日本郵船株式会社の連結子会社(当社グループを除く)との取引関係

 当連結会計年度における当社と日本郵船株式会社及び日本郵船株式会社の連結子会社との主な取引関係は次のとおりであります。なお、営業取引については市場実勢を勘案の上、一般的取引と同様の条件によっております。不動産取引については近隣相場を勘案し、両社折衝の上、条件を決定しております。

1)日本郵船株式会社との取引

 当社と日本郵船株式会社との主な取引関係は、当社が同社から航空貨物運送を受託する取引等であります。当連結会計年度における営業取引は206百万円であります。

2)日本郵船株式会社の連結子会社との取引

 当社と日本郵船株式会社の連結子会社との主な取引関係は、株式会社ユニエックス他18社に対して委託している海上輸送及びその周辺業務にかかる取引、当社の本社及び神奈川支店事務所等を郵船不動産株式会社他1社より賃借している取引等であります。当連結会計年度における営業取引は5,165百万円、不動産賃借取引は239百万円であります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態及び経営成績の分析】

 当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は、次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)当社グループの重要な会計方針

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に準拠して作成されております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

「第2 事業の状況 1業績等の概要(1)業績」をご参照下さい。

 

(3)経営成績に重要な営業を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

 当社グループを取り巻く事業環境は想定を超える厳しさが続いていますが、緊急対策としてこれまで以上に業務改善によるコスト削減等の経営努力に努めていくと同時に、顧客ニーズの要請に応えるべく、得意とする航空輸送だけではなく海上貨物の輸送から倉庫保管、在庫管理、梱包、輸配送手配などのロジスティクスの分野に至るまで高次元の輸送サービスが提供できる「世界トップクラスのトータル・ロジスティクス・プロバイダー」への成長を目指してまいります。この長期的な目標を達成すべく営業、組織、(経営)基盤の3方面からの経営戦略を相互に連携させながら事業展開を進めております。

 

(4)財政状態の分析

 当連結会計年度末における総資産は75,733百万円となり、前連結会計年度末に比べ22,633百万円、23.0%の減少となりました。これは、現金及び預金が2,123百万円減少したこと、受取手形及び営業未収入金が18,192百万円減少したこと、及び有形固定資産が2,739百万円減少したこと等が主な要因です。

 一方負債は24,484百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,268百万円、36.8%の減少となりました。これは、有利子負債が1,682百万円減少したこと、支払手形及び営業未払金が11,000百万円減少したこと等が主な要因です。

 純資産は利益剰余金や為替換算調整勘定の減少等により51,249百万円となり、自己資本比率は65.4%となりました。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの運転資金需要の主なものは、当社グループの航空貨物輸送のための航空会社等への支払運賃やトラック輸送に係る輸送運賃等の直接原価のほか、輸送オペレーションや通関に係る人件費、ターミナル賃借料等の間接原価、並びに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。

 現在、当社グループでは運転資金及び設備投資資金を内部資金または金融機関からの借入により調達することとしております。

 運転資金につきましては、それぞれの連結法人において使用する主たる通貨にて借入金で調達しております。平成21年3月31日現在の運転資金を目的とする借入金の残高は1,100百万円となっております。設備投資資金につきましては、将来のキャッシュ・フローにあわせた安定的で低コストでの資金の調達を行っております。平成21年3月31日現在の設備投資を目的とする借入金の残高は400百万円となっております。また、国内グループ会社につきましてはグループ内での資金を有効に活用するため、キャッシュマネージメントシステムを導入し、資金効率化を推進しております。

 当社グループは、健全な財政状態を保つこと、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出すこと、及び複数の金融機関に十分な借入枠を有していることにより、当社グループの成長を支える十分な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。 

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 厳しい事業環境にあって、当社グループは、中期経営計画の3大戦略(営業戦略、組織戦略、基盤戦略)を推し進めると同時に、一方では業務体制の見直しやコスト削減等の緊急対策を行います。また、この機会に、企業体質の一段の強化を図って次の飛躍に備え、「世界トップクラスのトータル・ロジスティクス・プロバイダー」への成長を果たすべく、社員一丸となって邁進してまいります。 

 





出典: 郵船ロジスティクス株式会社、2009-03-31 期 有価証券報告書