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第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
わが国経済は、世界経済の悪化や為替円高を背景に輸出が大幅に減少していることに加え、企業部門の収益悪化に伴う設備投資の減少や雇用削減など、景気は急速な悪化が続いております。
一方、当社業務区域の沖縄県の経済においては、個人消費は買い控えが強まったことによって幅広い品目で販売が伸び悩んでおり、また観光関連では景気悪化による旅行市場全体の冷え込み等により、昨年11月以降、入域観光客数が前年同月を下回って推移しているほか、雇用・所得情勢も弱い動きが続いているなど、県内景気も悪化しております。
この間、国内の携帯電話加入者(PHS除く)は平成21年3月末時点で107,487千契約(前期末比4,762千契約増)、沖縄県では980千契約※1(前期末比43千契約増)となり、携帯電話市場の成熟化とお客様ニーズが多様化する中、各携帯電話事業者は、料金割引サービスの拡充や、幅広いニーズに対応した多種多様な携帯電話端末を導入するなど、事業者間のお客様獲得に向けた競争環境はより厳しいものとなっております。
このような情勢のもと、平成21年3月期(平成20年4月1日〜平成21年3月31日)における当社の経営成績は、以下のとおりであります。
 
  (業績の概要)                                              
 
平成20年3月期
平成21年3月期
増減
増減率(%)
営業収益(千円)
48,054,526
46,087,206
△1,967,319
△4.1
 
電気通信事業(千円)
38,178,602
36,332,363
△1,846,238
△4.8
 
附帯事業(千円)
9,875,923
9,754,842
△121,080
△1.2
営業費用(千円)
37,882,206
35,732,399
△2,149,806
△5.7
営業利益(千円)
10,172,319
10,354,806
182,487
1.8
経常利益(千円)
10,301,079
10,513,549
212,469
2.1
当期純利益(千円)
6,466,837
5,997,615
△469,221
△7.3
当事業年度における営業収益については、前期比1,967,319千円減少(4.1%減)の46,087,206千円となりました。このうち、電気通信事業営業収益については、累計契約数が前期比3.5%増加したものの、料金割引サービスの拡充等によってARPU※2が前期比8.3%減少したことにより、前期比1,846,238千円減少(4.8%減)の36,332,363千円となりました。附帯事業営業収益については、安心ケータイサポート収入の増加等があったものの、新しい携帯電話販売方法の導入によりお客様の流動が鈍化したことに伴い、代理店への携帯電話販売収入が減少したことから、前期比121,080千円減少(1.2%減)の9,754,842千円となりました。
営業費用については、南城ネットワークセンターの建設や周波数再編に伴い減価償却費や通信設備使用料などが増加し、またauBOXや電池パック無料サービスなどの新サービスに係る費用が新たに発生したものの、新規契約数や機種変更数、並びに携帯電話の販売台数が減少したことに伴い、販売手数料や売上原価が減少したことなどから、営業費用全体では前期比2,149,806千円減少(5.7%減)の35,732,399千円となりました。
営業利益については前期比182,487千円増加(1.8%増)の10,354,806千円、経常利益については前期比212,469千円増加(2.1%増)の10,513,549千円となりました。
当期純利益については、周波数再編に係る設備の減損損失1,030,207千円を特別損失に計上したため、前期比469,221千円減少(7.3%減)の5,997,615千円となりました。
 
※1.EMOBILEの数値は含まれておりません。また、当社の推計による数値です。
※2.ARPU(Average Revenue Per Unit):1契約あたりの月間平均収入。音声・データ両サービスにおいて算出。
(事業の状況)
 
平成20年3月期
平成21年3月期
増減
増減率(%)
純増契約数
16,700
16,400
△300
△1.8
累計契約数
463,900
480,300
16,400
3.5
 
うち「CDMA 1X WIN」
287,400
351,200
63,800
22.2
 
うち「プリペイド※3
3,900
2,700
△1,200
△30.9
EZweb※4契約数
387,700
399,000
11,300
2.9
携帯電話出荷台数
230,000
171,000
△59,000
△25.7
(注)1.契約数には、通信モジュールサービスの契約数も含まれております。
2.契約数は百契約未満を四捨五入して表示しております。
3.携帯電話出荷台数は千台未満を四捨五入して表示しております。
 
平成20年3月期
平成21年3月期
増減
増減率(%)
解約率※5(%)
0.79
0.51
△0.28ポイント
 
ポストペイド※6解約率(%)
0.73
0.48
△0.25ポイント
機種変更率※7(%)
3.55
2.40
△1.15ポイント
総合ARPU(円)
6,892
6,319
△573
△8.3
 
音声ARPU(円)
4,970
4,318
△652
△13.1
 
データARPU(円)
1,922
2,001
79
4.1
当事業年度における事業の状況については、通話料金割引サービスの拡充や、au携帯電話のラインナップとサービスの充実、ネットワーク品質の向上等、お客様重視のサービスに取り組んだ結果、前期末と比較して累計契約数が16,400契約増加(3.5%増)の480,300契約、EZweb契約数が11,300契約増加(2.9%増)の399,000契約となりました。
携帯電話出荷台数については、新しい携帯電話販売方法の導入によりお客様の流動が鈍化したことで、代理店への携帯電話の販売台数が減少したため、前期比59,000台減少(25.7%減)の171,000台となりました。
解約率については、『誰でも割』や家族間通話の無料化の効果などによりお客様の定着化が図られた結果、前期比0.28ポイント減少の0.51%と改善しております。 
機種変更率については、平成19年11月に導入した『au買い方セレクト』などの影響により、お客様の機種変更サイクルが長くなる傾向がみられ、前期比1.15ポイント減少の2.40%となりました。 
ARPUについては、前期比573円減少(8.3%減)の6,319円となりました。このうち、音声ARPUについては、家族間通話の無料化の影響を主因として前期比652円減少(13.1%減)の4,318円となりました。データARPUについては、第三世代携帯電話『CDMA 1X WIN』ならびにパケット通信料定額サービスの契約比率の増加により、前期比79円増加(4.1%増)の2,001円となりました。 
 ※3.プリペイド:ご利用料金前払い方式による携帯電話サービス。
 ※4.EZweb:auが提供する携帯電話によるインターネット接続サービスの名称。
 ※5.解約率:対象期間の解約数を、対象期間の前月末累計契約数で除したもの。
 ※6.ポストペイド:ご利用料金後払い方式による携帯電話サービス。
 ※7.機種変更率:対象期間の機種変更数を、対象期間の前月末累計契約数で除したもの。
(2)キャッシュ・フロー
 
平成20年3月期
平成21年3月期
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)
9,458,541
9,304,871
△153,669
投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)
△9,018,635
△8,899,150
119,484
財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)
△1,913,202
△1,912,493
708
現金及び現金同等物の増減額(千円)
△1,473,296
△1,506,772
現金及び現金同等物の期首残高(千円)
4,069,441
2,596,145
現金及び現金同等物の期末残高(千円)
2,596,145
1,089,372
△1,506,772
フリー・キャッシュ・フロー(千円)
439,905
405,721
△34,184
(注)フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。
当事業年度における現金及び現金同等物については、携帯電話通信料の収入等があったものの、有形固定資産の取得による支出や法人税等の支払い並びに配当金の支払い等により、前期末比1,506,772千円減少(58.0%減)の1,089,372千円となりました。
なお、当事業年度におけるフリー・キャッシュ・フローについては405,721千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、減損損失の発生や法人税等の支払額の減少等があったものの、携帯電話の割賦販売による売上債権の増加や税引前当期純利益の減少等により、前期比153,669千円減少(1.6%減)の9,304,871千円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、親会社であるKDDI株式会社への短期貸付金による支出の増加や有形固定資産の取得による支出の増加等があったものの、KDDI株式会社への短期貸付金の回収による収入の増加等により、前期比119,484千円支出が減少(1.3%減)し8,899,150千円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローついては、前年比708千円支出が減少(0.0%減)し1,912,493千円の支出となりました。配当金の支払額が前期と同水準であったため、ほぼ前期並みとなりました。
2【仕入及び営業の状況】
(1)仕入実績
 当事業年度の仕入実績は、次のとおりであります。
品種別
当事業年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
前年同期比(%)
携帯電話端末機器及び付属品
(千円)
7,148,795
△20.4
 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)営業実績
 当事業年度の営業実績は、次のとおりであります。
事業部門
当事業年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
前年同期比(%)
電気通信事業(千円)
36,332,363
△4.8
附帯事業(千円)
9,754,842
△1.2
合計(千円)
46,087,206
△4.1
 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3【対処すべき課題】
当社の携帯電話事業は、携帯電話市場の成熟化と料金割引サービスの拡充によりARPUが低下するなど、収益環境は一層厳しいものとなりましたが、ご契約いただいているお客様へ低廉な料金で付加価値の高いサービスを提供することにより、ブランド力の強化に努め、解約率の低減を図ってまいります。また、KDDIグループとの強力な連携のもと、固定電話や放送といった携帯電話の枠組みをこえた通信サービスの融合や魅力のある新サービスの導入に積極的に取り組んでまいります。
4【事業等のリスク】
当社の事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、現時点では必ずしもリスクとして認識されない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
なお、当社は、これらのリスクによる問題発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の適時適切な対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当事業年度末現在において判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。
(1)他の事業者や他の技術との競争、市場の急激な変化
移動通信市場においては、各社において通信料と携帯電話端末価格を分離させた料金プランが主流となり、携帯電話端末価格の上昇、複数年契約型サービスの浸透に加えて、足元の景況感の悪化により前事業年度に比べて携帯電話端末販売台数が大幅に減少しております。一方、低廉な料金サービスの提供、多種・多様な携帯電話端末、音楽・映像等のコンテンツサービスの提供等によりお客様獲得に向けた競争が一段と激しさを増しております。
当社は、通信料と携帯電話端末価格を分離した料金プラン「シンプルコース」を改定し、端末の購入代金の分割払いを導入するとともに、お客様の多様なニーズに合わせた充実した端末ラインナップ、新たなコンテンツの提供等、サービス内容の拡充とお客様満足度の向上に努めておりますが、他の移動通信事業者や他の技術との競争、市場の急激な変化により、主に以下の事項に不確実性が存在し、当社の財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
・当社の期待通りの需要が存在するかどうか
・当社の期待通りに契約数を維持拡大できるかどうか
・競争激化に伴う料金値下げによる1契約あたりの月間平均収入(ARPU)の低下、販売コミッションやお客様維持コストの増大
・契約者のサービス利用頻度が下がることによるARPUの低下  
・不測の事態が発生した場合であってもネットワーク及びコンテンツの品質等がお客様の満足度を維持できるかどうか 
・他の事業者と比較して、常により魅力ある携帯電話端末やコンテンツを提供できるかどうか  
・携帯電話端末の高機能化等に伴う価格の上昇、販売コミッションの増加
・迷惑メール等の不適正利用によるお客様の満足度の低下や防止対応コストの増加
・新周波数再編による2GHz帯及び新800MHz帯の基地局建設に伴うネットワークコストの増加
・新たな高速データ無線技術による競争激化 
・通信方式、携帯電話端末、ネットワーク、ソフトウェア等における特定技術への依存による影響
・通信と放送の連携、移動通信と固定通信の融合等の事業環境の変化に伴う競争激化
(2)通信の秘密及び個人情報・顧客情報の保護
当社は電気通信事業者として通信の秘密の保護を遵守するとともに、個人情報・顧客情報保護に関して、内部統制・リスク管理室を設置して内部及び業務委託先等からの情報漏洩防止、及び外部ネットワークからの不正侵入の防止に関わる全社的対応策の策定及び実施に取り組んでおります。
また、個人情報・顧客情報を管理している情報システムの利用制限、利用監視の強化、「情報セキュリティポリシー」の制定、情報セキュリティ管理者を各部に配置し、個人情報・顧客情報が適切に保護されるよう管理に努め、個人情報・顧客情報保護に関する監督組織として情報セキュリティ委員会を設置し、個人情報・顧客情報の取り扱いの監督をするとともに、適切な個人情報・顧客情報保護推進のために必要な施策を講じております。このように個人情報・顧客情報については社内管理体制を整備し、社員及び業務委託先等の個人情報・顧客情報に対する意識を高めるよう全社を挙げて取り組んでおりますが、将来において情報の漏洩が発生しないという保証はありません。情報の漏洩が発生した場合、当社に対する信頼性の失墜や莫大な補償を伴う可能性があり、当社の財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に通信の秘密及び個人情報・顧客情報保護体制の整備のため、更なるコストが増加する可能性があります。
(3)自然災害・事故等
当社は携帯電話サービスを提供するため、国内外の通信ネットワークに依存しており、これら通信システムにトラブル等が発生する可能性も否定できず、サービスの提供が一時的にできなくなる可能性があります。当社のシステムは以下の事由によりダウンする可能性があり、システムに障害が発生し修復に長時間を要した場合は、当社の財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
・地震、台風、洪水等の自然災害
・感染症の流行
・戦争、テロ、事故その他不測の事態
・電力不足、停電
・コンピューターウィルス、サイバーアタック
・オペレーションシステムのハード、ソフトの不具合
・通信機器等の製品やサービスに係る欠陥
(4)電気通信に関する法規制、政策決定等
電気通信に関する法律、規制の改廃または政策決定等が、当社の財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社のブランドイメージや信頼性に悪影響を与える社会的問題を含め、こうした法規制や政策決定等に対して当社は適切に対応していると考えておりますが、将来において適切な対応ができなかった場合にも、当社の財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
電気通信に関する法律、規制の改廃または政策決定等の観点で、主に以下の不確実性が存在し、当社の財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
・モバイルビジネスモデルの見直し
・事業者間接続料金の算定方式、会計制度の見直し
・指定電気通信設備制度の見直し(規制強化)
・ユニバーサルサービス制度の見直し
・MVNO等による移動通信事業への新規事業者参入
・有害サイトの増加等によるモバイルインターネットに対する規制
・携帯電話の利用に対する規制
・電波の健康への影響
(5)公的規制
当社は、独占禁止法、消費者、租税、環境、リサイクル関連、労働、金融等の法規制の適用を受けております。これらの規制が強化された場合や当社及び業務委託先等において規制を遵守できなかった場合に、当社の活動が制限される、あるいは費用の増加等につながる可能性があります。
(6)訴訟等
当社の商品、技術またはサービスに関して、知的財産権を含む各種権利等の侵害を理由とする訴訟が提訴され、当社の財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材確保及び育成
今後事業拡大に伴う適切な人員の増強、内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、業容拡大に対して適切かつ十分な人材の確保及び育成または組織的な対応を迅速に行うことができない場合には、当社の業務に支障が生ずる可能性があります。
(8)電気通信業界の再編
国内外における電気通信業界の再編は、当社の財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)減損会計
当社は、当事業年度において、現行800MHz帯設備について減損損失を計上しております。なお、将来において、保有する固定資産等の使用状況等によっては、さらに損失が発生する可能性があります。
(10)KDDI株式会社との関係
当社の親会社であるKDDI株式会社(平成21年3月31日現在、当社の発行済株式総数の51.51%保有)は、多数株主として取締役の任免権など経営に影響を及ぼし得る立場にあります。 
現在、当社は自ら経営責任を持ち独立して事業運営を行っておりますが、通信設備の開発やその他研究開発、取引の多くをKDDI株式会社へ高く依存しており、KDDI株式会社の財政状態及び業績が何らかの原因により著しく低下した場合、あるいはKDDI株式会社の方針の変更等により当社事業への協力体制が著しく変更された場合には、当社の財政状態及び業績、今後の事業展開に影響を受ける可能性があります。また、当社がKDDI株式会社に吸収合併されたり、完全子会社化された場合には、当社株主は当該株主としての地位の変更を余儀なくされる可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
 該当事項はありません。
6【研究開発活動】
 該当事項はありません。
7【財政状態及び経営成績の分析】
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社の財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 固定資産の償却方法及び耐用年数
当事業年度において機械設備の償却方法を定額法から定率法へ変更いたしました。この変更は、料金値下げ競争の激化により収益構造の不透明さが増していることを踏まえ、投下資本の早期回収による財務体質の健全化を図るため、また、近年のお客様ニーズの高度化に起因する激しい技術開発競争により、同業他社に対抗した更新投資が必要不可欠であることから、ネットワーク設備の経済的陳腐化の加速に対応した償却方法に変更することにより、費用の期間配分の適正化を図るために行ったものであります。
また、平成20年度の法人税法改正を契機に、機械設備の耐用年数の見直しを実施いたしました。
なお今後につきましては、想定される以上に市場・環境及び技術上の変化が急速に進展した場合、あるいは、新たな法律や規制が制定された場合には、適正な見積もりを実施した上で耐用年数又は償却方法を変更する可能性があります。
② 固定資産の減損 
減損損失の算定にあたっては、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位によって資産のグループ化を行っておりますが、電気通信事業では、通信ネットワーク全体でキャッシュ・フローを生成していることから、全社を1つの資産グループとしております。
当事業年度におきましては、周波数再編により平成24年7月以降使用を停止する現行800MHz帯設備について、当該設備に対応した携帯電話端末の契約者が減少傾向にあることを受け、当該設備から生み出すキャッシュ・フローの収支管理体制を整備し、収支の把握が実現可能となったことから、同資産グループを独立した資産グループに区分変更いたしました。更に当該設備に対応した携帯電話端末を保有する契約者が減少し、設備稼働が減少傾向にあること等から、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、1,030,207千円の減損損失を計上いたしました。
また将来において、保有する固定資産等の使用状況等によっては、さらに損失が発生する可能性があります。
③ 退職給付費用及び退職給付債務
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、予定死亡率、予定退職率、予定昇給率などがあります。割引率は日本の長期国債の市場利回りを基礎に算出しており、予定死亡率、予定退職率、予定昇給率は統計数値に基づいて算出しております。期待運用収益率は、保守主義の原則により、割引率に連動して設定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
当事業年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、本稿に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。 
(2)当事業年度の経営成績の分析
① 当社の状況
当社は、沖縄県においてau携帯電話サービスを営む電気通信事業者であります。当事業年度末の県内における累計契約シェアは49.0%※1で沖縄県内においてトップシェアを有しており、480,300契約のご契約をいただいております。
※1.EMOBILEの数値は含まれておりません。また、当社の推計による数値です。
② 携帯電話市場の状況と当社の対応
国内の携帯電話加入者(PHS除く)は平成21年3月末時点で107,487千契約(前期末比4,762千契約増)、沖縄県では980千契約※2(前期末比43千契約増)となり、携帯電話市場の成熟化とお客様ニーズが多様化する中、各携帯電話事業者は、料金割引サービスの拡充や、幅広いニーズに対応した多種多様な携帯電話端末を導入するなど、事業者間のお客様獲得や囲い込みに向けた競争環境は厳しいものとなっております。
このような情勢のもと、多様化するお客様ニーズにお応えすべく様々な施策を実施いたしました。
(au携帯電話)
・世界初※3、3D対応3.1インチフルワイドVGA IPS液晶を搭載、「LISMO Video」やワンセグ、ゲームを2WAYオープンスタイル&3D立体表示で楽しむ『Wooo※4ケータイ H001』を発売。
・8.1メガカメラ&世界初※53.3インチフルワイドVGA有機ELディスプレイ※6を搭載し、グローバルパスポートに対応した、世界中で使える『Cyber-shotTMケータイ S001』を発売。 
・au初、タッチパネル対応3.1インチフルワイドVGA液晶搭載し、タッチ操作とモーションセンサーでスポーツや音楽等を快適に楽しむスポーツ&プレイケータイ『CA001』を発売。
上記を含め、「CDMA 1X WIN」を36機種発売いたしました。 
(料金サービス) 
・『au買い方セレクト』の『シンプルコース』に、基本使用料がより低廉な7つの料金プランを導入いたしました。
・au携帯電話からご自宅への通話料が半額となる『au→自宅割』において、ご自宅がKDDI固定電話(マイライン除く)でかつ、『KDDIまとめて請求』をご利用であれば、au携帯電話からご自宅への通話が24時間無料となる『auまとめトーク』を提供開始いたしました。
(購入代金の分割払いの取り扱い開始) 
・au携帯電話を『シンプルコース』でご購入いただく場合、従来の一括払いに加え、最長24回の分割払いでもお支払いいただけるようになりました。
(新サービス) 
・いつでも、どこでも、高画質、高音質な映画やドラマをau携帯電話やPCで、まるごと1本お楽しみいただける『LISMO Video』を提供開始いたしました。
・お客様のお好みの情報サイトやサービスに簡単にアクセスできるよう、メニューデザインやボタン操作、コンテンツなど携帯電話の中をauショップ、PiPit(一部除く)の店頭で簡単に変更できるサービス『ナカチェン』を提供開始いたしました。
・au携帯電話の外装全面とコンテンツなど、外も中もまるごと変えることができる『フルチェン』サービスを開始いたしました。
・PCをお持ちでないお客様でも、簡単に音楽や映像をお楽しみいただけるケータイ専用アミューズメント・ボックス『au BOX』のレンタルを開始いたしました。
・圧縮コーデックにAAC※7方式を採用し、オリジナルのオーディオ情報を損なうことなく、高音質で音楽を楽しむことができる『着うたフルプラスTM※8』の提供を開始いたしました。
(その他)
・『auプレミアメンバーズ』の会員限定の特別優遇プログラムとして、対象期間の累計ご利用額に応じ、様々な優遇サービスをご提供する『ロイヤルメンバーステージ』を導入いたしました。
・お客様が特定のauショップまたはPiPitにて会員登録していただくことにより、auからのお得な情報に加え、登録店舗の情報やお客様にあわせたタイムリーな情報をお届けするサービス『auマイプレミアショップ』を提供開始いたしました。
・今後のお客様の増加や新サービスの導入を見据え、沖縄県南城市に新しく「南城ネットワークセンター」を建設いたしました。
・「南城ネットワークセンター」建設などにより、当期の設備投資額(竣工ベース)は8,425,275千円となりました。 
※2.EMOBILEの数値は含まれておりません。また、当社の推計による数値です。
※3.フルワイドVGAの3D液晶を搭載した携帯電話において。(2009年1月現在メーカー調べ)
※4.「Wooo」は株式会社日立製作所の登録商標です。
※5.2008年12月現在メーカー調べ。
※6.VisualフルワイドVGAとして。
※7.「AAC」は音声圧縮方式のひとつでAdvanced Audio Codingの略です。
※8.「着うたフルプラスTM」は株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの登録商標または商標です。
③ 営業収益
当事業年度における営業収益は46,087,206千円と前期比1,967,319千円(4.1%減)の減収となりました。
(電気通信事業営業収益)
営業収益のうち、電気通信事業営業収益につきましては36,332,363千円となり、前期比1,846,238千円(4.8%減)の減収となりました。この要因として以下のことが挙げられます。
・ARPU※9の減少
ARPUについては、前期比573円減少(8.3%減)の6,319円となりました。このうち、音声ARPUについては、家族間通話の無料化の影響を主因として前期比652円減少(13.1%減)の4,318円となりました。データARPUについては、第三世代携帯電話『CDMA 1X WIN』ならびにパケット通信料定額サービスの契約比率の増加により、前期比79円増加(4.1%増)の2,001円となりました。 
・累計契約数の増加
平成21年3月末の累計契約数は、通話料金割引サービスの拡充や、au携帯電話のラインナップとサービスの充実、ネットワークの品質向上など、お客様重視のサービスに取り組んだ結果、前期末と比べて16,400契約増加の480,300契約となりました。
累計契約数の増加は増収要因となるものですが、ARPUの低下による減収要因がこれを上回ったため、電気通信事業営業収益は前期比減収となりました。
(附帯事業営業収益)
営業収益のうち、附帯事業営業収益につきましては9,754,842千円となり、前期比121,080千円(1.2%減)の減収となりました。この要因として以下のことが挙げられます。
・携帯電話販売収入の減少
代理店に対する携帯電話販売単価は上昇したものの、通信料と携帯電話端末価格を分離させた販売方法の導入によりお客様の流動が鈍化し、代理店への携帯電話販売台数が前期比59,000台減少(25.7%減)の171,000台となったことから、携帯電話販売収入が減少いたしました。
・安心ケータイサポート収入の増加
安心ケータイサポート契約数の増加により、安心ケータイサポート収入が増加しました。
安心ケータイサポート収入等の増収要因があったものの、代理店への携帯電話販売収入の減収要因がこれを上回ったため、附帯事業営業収益は前期比減収となりました。
※9.ARPU(Average Revenue Per Unit):1契約あたりの月間平均収入。音声・データ両サービスにおいて算出。
④ 営業費用
当事業年度の営業費用は、前期比2,149,806千円減少(5.7%減)し、35,732,399千円となりました。主な要因として以下のことが挙げられます。
・販売手数料及び売上原価の減少
通信料と携帯電話端末価格を分離させた販売方法の導入により携帯電話端末の市場価格が上昇し、お客様の流動が鈍化したことで、新規契約や機種変更及び代理店への携帯電話の販売台数が減少したことにより、代理店へ支払う新規契約及び機種変更に係る販売手数料が前期比1,847,671千円減少(22.2%減)し6,476,152千円となり、売上原価が前期比1,586,070千円減少(18.4%減)し7,045,263千円となりました。
・減価償却費の増加
ネットワーク品質の向上のため基地局設備の新設及び増設、並びに沖縄県南城市に「南城ネットワークセンター」を建設したことなどにより、減価償却費が前期比574,822千円増加(20.3%増)の3,411,726千円となりました。
・通信設備使用料の増加
周波数再編により、2GHz帯及び新800MHz帯の整備を行ったことによる通信設備の新設・増設に伴い、これらを結ぶ伝送路の使用料等が増加したことなどから、通信設備使用料が前期比215,656千円増加(4.0%増)し5,671,876千円となりました。
・携帯電話修理費用の増加
お客様に安心して携帯電話をご利用いただけるよう、前事業年度より水濡れや全損による修理を開始しましたが、当事業年度においてこれらの費用が増加いたしました。
・新サービスに係る営業費用の発生
auBOXや安心ケータイサポートの電池パック無料サービスなど、これらに係る費用が新たに発生いたしました。
⑤ 営業利益
当事業年度の営業利益は10,354,806千円となり、前期比182,487千円(1.8%増)の増益となりました。
⑥ 営業外損益の純額
当事業年度の営業外損益の純額は158,742千円の利益となりました。主に、親会社のKDDI株式会社に対する短期貸付金に係る受取利息が115,016千円と、前期比26,461千円増加したことによるものであります。
⑦ 経常利益 
当事業年度の経常利益は10,513,549千円となり、前期比212,469千円(2.1%増)の増益となりました。
⑧ 特別損失 
周波数再編により、平成24年7月以降使用を停止する現行800MHz帯設備について、当該設備に対応した携帯電話端末の契約者が減少傾向であること等から帳簿価額を回収可能価額まで減額し、1,030,207千円の減損損失を計上いたしました。
⑨ 法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額
法人税、住民税及び事業税は前期比500,912千円増加(12.8%増)し4,400,817千円となり、法人税等調整額は前期比849,429千円減少し△915,092千円となりました。これは、税引前当期純利益が前期比減少したものの、減損損失による減価償却超過額の一時差異が発生したことなどによるものであります。
⑩ 当期純利益
当事業年度の当期純利益は5,997,615千円と、前期比469,221千円(7.3%減)の減益となりました。また、1株当たり当期純利益は、前事業年度の23,651.66円に対し、当事業年度は21,935.54円となりました。
(3)中長期的な経営戦略
当社は、KDDIグループの一員であると同時に、沖縄県を業務区域に携帯電話サービスを提供する電気通信事業者として、地域に根ざしたお客様視点での事業運営、高品質で安定的な通信ネットワークを基盤に、新たな価値提供の実現に取り組むとともに、環境保全活動や携帯電話サービスに関する社会的課題の解決へ向けた活動を通じて、社会の発展に積極的に貢献してまいります。このように、すべてのステークホルダーの皆様にご満足していただけるよう、TCS(トータル・カスタマー・サティスファクション)活動を一層推進し、持続的な企業クオリティーの向上を目指してまいります。
また、周波数再編および新たな通信システムの導入を見据え、効率的な設備投資と経費削減を徹底し、更なる財務体質の健全化に努め高収益企業体質の構築に取り組んでまいります。
(4)資本の源泉及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー 
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比153,669千円減少(1.6%減)し、9,304,871千円の収入となりました。この減少は主に、減損損失の発生や法人税等の支払額の減少等があったものの、携帯電話の割賦販売による売上債権の増加や税引前当期純利益の減少等によるものであります。
当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、親会社であるKDDI株式会社への短期貸付金による支出の増加や有形固定資産の取得による支出の増加等があったものの、KDDI株式会社への短期貸付金の回収による収入の増加等により、前期比119,484千円支出が減少(1.3%減)し8,899,150千円の支出となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、前期比34,184千円減少(7.8%減)の405,721千円となりました。
当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、1,912,493千円の支出となりました。配当金の支払額が前事業年度と同水準であったため前期並みとなりました。
② 流動性  
当事業年度末における当社の現金及び現金同等物の残高は1,089,372千円と、前事業年度末2,596,145千円と比較して1,506,772千円減少いたしました。これらのいわゆる手元流動性残高につきましては、当社の財政状態及び金融環境に応じ変動しております。
③ 資金需要
資金需要につきましては、設備資金等の所要資金は自己資金で賄っております。
④ 財政政策
当社は、資金調達に関し、低コストかつ安定的な資金の確保を基本に、財務状況や金融環境に応じ、最も有効と思われる調達手段を選択することを方針としております。




出典: 沖縄セルラー電話株式会社、2009-03-31 期 有価証券報告書