有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景とした設備投資の増加、雇用・所得環境の改善などに支えられ、景気の回復がより鮮明になってまいりました。しかし、原油価格高騰の長期化や未だ不安定な中東情勢など懸念材料もあり、予断を許さない状況が続いております。

このような経済情勢の中、各企業は競争優位の実現、収益力の向上につながる経営戦略を実現するために情報システムを構築・活用する機会が増加し、意欲的なシステム投資が増えていることや金融機関を中心とした業界再編による特需等も見られ、昨年の低調さが改善されつつあり、ITの重要性は更に高まってきております。

こうした状況下、当社グループは顧客企業にとって真に有用なシステムとなり得る提案を進めた結果、売上が増加傾向にあり、確かな手応えを感じられるようになりました。しかしながら、依然として一部に不採算案件が見られるなど、当期の業績にマイナスの影響を与える事態もあり、期初予定していた利益を上げることができませんでした。こうした事態を真摯に受け止め、プロジェクトチェックの精度を高めるとともに、チェック体制の質的・量的拡充を進め、案件の採算及び品質管理を徹底してまいります。

一方、当社は将来を見据え、平成17年8月1日付にて住商エレクトロニクス㈱と合併し、住友商事グループのIT分野における真の中核企業として新たな出発をしました。同時に両社の重複事業については、組織を一体化し、効率的な運営体制を構築しました。本合併により、従来以上に顧客基盤を強化するとともに、スピード感あるトータルソリューションを提供することが可能となっております。今後は当社事業基盤の拡充を目指し、両社合併によるビジネスシナジーを最大限発揮できるよう邁進していく所存です。

当連結会計年度の業績は住商エレクトロニクス㈱との合併の影響もあり、売上高は前期比70.4%増の120,290百万円となりました。一方、利益面においては、自社開発パッケージソフトウェア「ProActive E2」の製品ラインアップを拡充すべく、現在、前倒しで開発を進めており、そのソフトウェア開発費を計上した他、不採算案件による損失が発生しましたが、合併の影響もあり、経常利益は前期比31.7%増の6,716百万円となりました。また、当期純利益については、今後注力する事業分野をターゲットビジネスとして、経営資源の再配分を行った他、一連の改革による事業資産の見直しを行う等、様々な経営施策を実施した結果、特別利益及び特別損失が発生し、12.2%減の2,722百万円となりました。

上記のように、業績面では厳しい結果となりましたが、顧客企業のニーズにスピード感を持って対応するために、住商エレクトロニクス㈱との合併以外に次の施策を実施しました。次年度以降もこれら施策を含めた新たな取り組みにチャレンジし、業容の拡大に向け注力してまいります。

 

1 事業基盤の強化

・組織改革、人事制度改編等の経営インフラ改革、事業資産の見直し等を進め、トップクラスのITサービス企業を目指し、成長力・競争力の強化を図ってまいりました

・当社グループ企業との合併や当社グループ企業同士の統合により、経営資源の効率的活用と事業運営の効率化を進めてまいりました。

・全社の委託先管理業務を集中化し、業務委託費の低減と効率的運営を進めております。

・案件の採算管理を強化するため、従来のプロジェクトチェック制度に加え、新たに見積り段階での採算チェックを行うための見積リスクチェック制度を導入しております。

2 戦略的事業投資

当期は、グループウェア市場で強い事業基盤を有するサイボウズ㈱や各業界に精通した幅広い業務ノウハウを背景としたソフトウェア開発及びシステム運用管理等に強みを持つ㈱クエスト、主に中堅企業向けのシステムインテグレーションや高度なJava開発技術・ERP導入に強みを持つ㈱イーウェーヴと資本・業務提携をしました。次年度以降もパートナーシップを継続し、お互いの強みを活かした共同での事業展開をすることで、更なる事業基盤の拡充・強化を推進してまいります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期末より、12,295百万円増加しました。内訳としましては、住商エレクトロニクス㈱及びその連結子会社等との合併による8,920百万円の増加と、営業、投資及び財務活動等による3,374百万円の増加であります。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は7,518百万円となりました。

主な増加要因は、税金等調整前当期純利益4,864百万円、減価償却費2,568百万円、ソフトウェア一時償却額1,271百万円、たな卸資産の減少による資金の増加1,415百万円、仕入債務の増加による資金の増加6,137百万円によるものであります。主な減少要因は、売上債権の増加による資金の減少6,890百万円、法人税等の支払額1,262百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は2,780百万円となりました。

主な減少要因は、事務所移転等に伴う有形固定資産の取得1,220百万円、ソフトウェア等の無形固定資産取得1,758百万円、資本・業務提携等による株式取得3,531百万円によるものであります。また、主な増加要因は、株式の売却及び資金運用のための債券等の償還2,303百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は1,398百万円となりました。

主な減少要因は、平成17年3月期期末配当金(1株当たり13円)及び平成18年3月期中間配当金(1株当たり13円)の支払1,271百万円によるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門名称

生産高(百万円)

前期比(%)

ソフトウェア開発

45,772

+2.5

情報処理

29,954

+87.1

システム販売

44,081

+310.6

合計

119,807

+67.7

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

3 上記金額には住商エレクトロニクス㈱との合併により同社グループから平成17年8月1日をもって引き継いだ事業の同日以降の成績が含まれております。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度におけるソフトウェア開発の受注状況を示すと、次のとおりであります。

 

事業部門名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

ソフトウェア開発

46,300

+3.5

5,617

+0.6

(注) 1 情報処理等については、把握が困難なため省略しました。

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

3 上記金額には住商エレクトロニクス㈱との合併により同社グループから平成17年8月1日をもって引き継いだ事業の同日以降の成績が含まれております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門名称

販売高(百万円)

前期比(%)

ソフトウェア開発

46,265

+5.5

情報処理

29,943

+87.3

システム販売

44,081

+310.6

合計

120,290

+70.4

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住友商事株式会社

15,185

21.5

14,761

12.3

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

3 上記金額には住商エレクトロニクス㈱との合併により同社グループから平成17年8月1日をもって引き継いだ事業の同日以降の成績が含まれております。

 

3 【対処すべき課題】

今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望すると、好調な企業業績を背景に、各企業は意欲的にシステム投資を増やしていく中、競争力や事業運営の効率性を高めるための、より戦略的なシステムへの投資が増加する一方、企業価値向上に直接結びつかない既存システムの保守・運用といったコスト部分を圧縮する傾向がより顕著になっていくと予想されます。

こうした状況下、現時点における当社の経営課題としては、各企業が真に求めるニーズに応えるために、住商エレクトロニクス㈱との合併効果を最大限に追求するとともに中期的な企業成長を図るための各種施策が求められていると認識しております。

具体的には、収益成長力の確保及び事業基盤の強化を経営課題と捉えた上で各々の項目について事業施策を実行する所存であります。

まず、収益成長力の確保につきましては、住商エレクトロニクス㈱との合併において拡大した事業エリアの内、事業フォーカスを定め、将来の収益基盤となるターゲットビジネス領域を明確化しました。その上で、同ターゲットビジネス領域への経営資源の重点配分を行い、既存ソリューションビジネスの融合による付加価値向上と新規商権の発掘、新規商圏の獲得を目指してまいります。更に顧客企業の海外展開をサポートするため、グローバル展開を加速し、顧客企業への訴求力を高めるとともに、顧客満足度の向上とビジネス機会の深堀を行ってまいります。

次に事業基盤の強化につきましては、インターナル・コントロール、コンプライアンス、セキュリティ管理を始めとする経営インフラの更なる強化を行うとともに、住友商事グループのITソリューション事業の中核企業として同グループとの更なる連携強化、パートナー企業を含めた組織的技術力の高度化・標準化の推進、プロジェクト管理の更なる徹底を図ってまいります。

こうした施策をスピード感を持って実現すべく、戦略的事業投資先との連携強化も併せ行ってまいります。本年度は営業力の相乗効果とサービスの組み合わせによるワンストップサービスを実現するために、サイボウズ㈱と資本・業務提携を行うとともに、ビジネスパートナーとして共同での事業展開を行うべく、㈱クエスト及び㈱イーウェーヴと資本・業務提携を行いました。次年度以降、上記3社とのパートナーシップをより強固なものとする一方で、新たな事業投資を積極的に推進し、更なる収益成長力の確保を図ってまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業(経営成績と財務状態)に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

1 事業環境の変化に伴う影響について

近年、当社グループが所属する情報サービス業界においては、競合他社との競争激化や案件価格の低下傾向が続いております。このような環境の下、経済情勢の変化等により顧客企業の情報化投資動向が急速かつ大きく変化した場合や、業界内部での価格競争が現状を大幅に超える水準で継続した場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2 合併・事業投資に伴う影響について

当社は、平成17年8月1日、技術力/営業力/顧客基盤等の経営資源を統合させ、更なる成長・収益拡大を図るために、住商エレクトロニクス㈱と合併いたしました。現在合併効果を最大限に挙げるべく、組織再編をはじめとして種々の取り組みを行い、所期の目的の達成に鋭意努めておりますが、合併の効果が、当初期待通りには進展しない可能性があります。

 

3 ベンチャー投資について

当社グループでは、業界の最先端分野における技術力、あるいは、最新のソフトウェア・ハードウェア等の製品調達力を確保する為、国内外のベンチャー企業に出資・融資等の信用供与・試作製品の購入その他の戦略的投資を行っております。

当該ベンチャー企業の技術力・製品力には、当社グループの技術・ノウハウ・投資経験等をもって最大限の吟味を行い各種投資リスクの回避に努めております。

しかしながら、財務力・技術力・製品力が完全には確立しない段階での企業に対する信用供与や投資、あるいは製品への投資が含まれる為、予期した成果を上げることなく損失を蒙り、当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。

 

4 システム構築業務に伴うリスクについて

当社グループは顧客企業の各種情報システムの受託開発を行っておりますが、複雑化・短納期化するシステムの開発においては、計画通りの品質を確保できない場合や、開発期間内に完了しないことによるコスト増大の可能性があり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、専門部署による案件の進捗管理を実施し、リスクの低減に努めております。

また、システム構築においてソフトウェア・ハードウェア等を当社グループ以外のベンダーから仕入れる場合については、製品の受入・出荷検査等の品質チェックをはじめとして、これら仕入製品に不具合が生じないようにするための体制を構築すると共に、システムのカスタマイゼーションも含め、当社グループの納入するシステム全体に、予定しない不具合が生じないよう組織的に努力しております。しかしながら、システム構築・納入後、仕入れたIT関連製品に起因する不具合により、顧客企業の信頼を毀損または喪失し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

5 海外外注に伴うリスクについて

当社は、顧客企業のニーズでもあるITサービスのグローバルな対応や生産コストダウンの観点から、海外リソースの活用促進(海外オフショア開発)を進めております。特に中国(上海)に駐在員事務所を開設し、ベトナムには日越合計13社出資による合弁会社に資本参加し、積極的に海外への開発委託を進める体制整備を行っております。しかし、オフショア開発では法律、文化、言語、慣習等の相違により、いくつもの事業リスクが考えられます。言語の違いによるコミュニケーション不足から発生する仕様説明の手戻り作業やプロジェクト管理の失敗から発生する納期遅延、海外技術者の人件費高騰や為替変動等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

6 技術革新への対応に伴う影響について

当社グループが属するITサービス業界は技術革新が激しいことから、当社グループが現在保有する技術・技能・ノウハウ等が陳腐化する可能性があります。また、当社グループの収益の源泉である顧客企業向けシステム構築に提供するソフトウェアあるいはハードウェア等の製品が、業界の技術標準の急速な変化により、その技術優位性あるいは価格優位性を失う可能性があります。

当社グループは技術革新に適時・的確に対応する為に、従業員の有する能力開発を高め、新しい技術の組織的発掘及び習得を推進しております。また、システム構築にかかる技術力・製品調達力において分散化を図ると同時に、特定の技術・ノウハウ・製品に過度の収益を依存することなく、ビジネスを推進しております。

しかしながら、当社グループが市場からの支持を獲得できる新技術あるいは新製品を正確に予想し、その技術力を習得かつ業務上利用できるとは限らず、当社が業界の技術変化の方向性を十分に予測できない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

7 情報漏洩リスクについて

システム開発時から運用段階に至るまで、業務上、顧客企業が保有する個人情報や顧客企業のシステム技術情報など各種機密情報を知り得る場合があり、当該情報が漏洩した場合には、顧客企業等からの損害賠償請求や当社の信用失墜等の事態を招く可能性があります。このため、当社は、グループ関連会社を含め、物理的なセキュリティ対策は勿論のこと、コンプライアンスの徹底を図り、社員のみならず、委託契約先のシステム開発要員にも啓蒙と教育を徹底する等の情報セキュリティ強化策を講じて参ります。

 

8 訴訟を提起される可能性について

当社グループでは、当社グループ以外の開発・製造によるソフトウェア・ハードウェア等の製品を多数の顧客企業に対し販売・納入しており、これらの事業活動に関連して第三者が知的所有権の侵害を含む訴訟等を提起する可能性があります。これらの結果、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

なお、旧住商エレクトロニクス㈱が販売していた米国Tripos社製のFlexXという、主に創薬の際に必要となるソフトウェアが、自己の所有する特許(特許番号2621842号)を侵害しているとして㈱医薬分子設計研究所及び特許権者である板井昭子氏(“原告側”と総称)より販売の差し止めを求められていた訴訟については、平成17年6月7日付及び同年6月17日付の最高裁判決により当社敗訴が確定しましたが、平成18年3月24日に原告側と和解致しました。

 

9 固定資産の減損会計導入に伴う影響について

当社グループは、平成18年3月末において、帳簿価額26,701百万円の土地・建物を保有しており、オフィス・データセンター・寮・社宅として使用しております。当期から導入された減損会計により、地価の動向や当社の収益の状況によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

ただし、キャッシュ・フローを生み出すより大きい単位でのグルーピングを行い、その回収可能性を判断することから、現時点における減損の必要性は低いと考えられます。なお、当期において減損の対象となった土地・建物はありません。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社と住商エレクトロニクス㈱は、経営革新及び企業成長スピードの一層の加速を目的として平成17年8月1日付けで合併致しました。平成17年3月31日開催の各社の取締役会において、合併契約の承認を経て、同日付けにて合併契約書を締結し、平成17年6月28日開催の両社の定時株主総会において本契約は承認されました。

合併契約の概要は、次のとおりであります。

 

(1) 合併の方法

当社及び住商エレクトロニクス㈱は合併して、当社は存続し、住商エレクトロニクス㈱は解散する。

 

(2) 合併に際して割当て発行する株式及び割当

① 当社は、合併に際して普通株式10,702,838株を発行し、合併期日前日の最終の住商エレクトロニクス㈱の株主名簿に記載された株主のうち当社(その保有する住商エレクトロニクス㈱の株式は40,000株)を除く株主に対して、その所有する住商エレクトロニクス㈱の普通株式1株につき、住商情報システム㈱の普通株式0.58株の割合を持って割当交付する。

② 前項により発行する株式に対する利益配当金は、平成17年4月1日から起算する。

 

(3) 増加すべき資本金及び準備金等

合併により増加する当社の資本金、資本準備金、利益準備金及び任意積立金その他の留保利益の額は、次のとおりとする。但し、合併期日における住商エレクトロニクス㈱の資産及び負債の状態により、両社協議のうえ、これを変更することができる。

① 資本金

増加すべき資本金の額は0円とし、当社の資本金は21,152,847,708円となる。

② 資本準備金

商法第288条ノ2第1項第5号の超過額(合併差益の額)から第3号及び第4号の金額を控除した額

③ 利益準備金

合併期日における住商エレクトロニクス㈱の利益準備金の額

④ 任意積立金その他の留保利益の額

合併期日における住商エレクトロニクス㈱の任意積立金その他の留保利益の額

 

(4) 合併交付金

合併交付金は支払わないものとする。

 

(5) 合併期日

合併期日は平成17年8月1日とする。ただし、合併手続進行上の必要性、日本国内外の関係官庁等の承認又はこれらに対する届出その他の事由により、両社協議のうえ、これを変更することができる。

 

(6) 合併財産の引継

① 住商エレクトロニクス㈱は、平成17年3月31日現在の貸借対照表その他同日現在の計算書を基礎とし、これに合併期日前日までの増減を加除した一切の財産、負債及び権利義務を合併期日において当社に引き継ぐ。

② 住商エレクトロニクス㈱は、平成17年3月31日から合併期日に至る間の資産、負債及び権利義務の変更について、別に計算書を添付してその内容を当社に明示する。

 

(7) 被合併会社の合併時の資産・負債の状況

(平成17年7月31日現在)

科目

金額(百万円)

資産の部

流動資産

 

24,632

 

固定資産

 

4,703

 

 有形固定資産

2,234

 

 

 無形固定資産

171

 

 

 投資その他の資産

2,297

 

 

合計

 

29,335

負債の部

流動負債

 

9,769

 

固定負債

 

85

 

合計

 

9,855

 

6 【研究開発活動】

当社では、当社及び国内関連会社、米国、欧州の日米欧3拠点が一体となって、グローバルな視点から、最新IT動向を鋭敏に捉えつつ、緊密に情報交換、共有することによって、SCSグループ全体として最新のIT導入と技術レベルの高度化、充実を図るべく研究開発活動を推進しております。

 

(1) 開発プロセスおよびアプリケーション・フレームワークの高度化に関する研究

近年、企業基幹システムにおいても、Web技術を活用したマルチレイア・マルチティア構造のシステムへの移行が加速しており、技術的スコープが広がり難度が増す一方で、品質を確保しつつ短期間でシステムを開発することへの要求が高まっています。このようなシステムの構築には、専門的で高度な技術力と経験に加え、多様なリスクに対処しながら構築された開発プロセス、また、品質が担保され確立した基盤となるフレームワークとコンポーネントの再利用が極めて効果的です。

当社では、開発プロジェクトの適用事例を集約するとともに、新たな技術要素を加味し、オープンなシステムの構築に適した開発プロセス標準の改善と充実、多様なシステムニーズに対応できる標準的なフレームワーク、および、共通コンポーネントの充実に関する研究を行っています。これらはERPパッケージの導入時におけるプロセス標準の追加と周辺ツール強化、共通的な業務コンポーネントの大幅な充実をもたらしています。今後はSOA、AOP、Web2.0なども含めて、さらにそれらのレベルアップに向けた研究を進める予定にしています。

 

(2) オープンソースを利用したシステム構築技術の充実

企業内の情報システム構築において、従来から高機能サーバ上に堅牢性の高いミドルウェアを組み合わせた企業IT基盤を利用してきましたが、最近の動向として、ハードウェアシステムの単一規模を拡大せず、拡張性の高いシステムを実現するために、並列拡張型のIT基盤の利用技術も進んでいます。

このようなシステム基盤ではオープンソースソフトウェアの利用が重要なキーワードとなっており、新しい情報システム基盤の中で利用のノウハウ、技術力の向上・蓄積が重要な課題となっております。

弊社ではオープンソース・ソフトウェアに対して積極的な取組みを行い、主要なオープンソースの性能評価や適用性検証、プロダクト自体の解析・研究、などを行っております。

 

(3) 統合品質マネジメント・システムの研究

システム開発、システムインテグレーション、アプリケーション・アウトソーシングに求める内容はますます高度なIT技術を利用したものとなっています。総合力を活かしながら、より高度なIT技術を迅速かつ安定した品質で提供するには、これらサービスを一体的に結合し、一貫性を保ちながら品質保証をする統合的品質マネジメント・システムに発展させていくことが必要となります。

当社グループでは、従来からあるISO9000に基づく品質マネジメント・システムを基盤にして、ソフトウェアプロセス改善やサービスレベル・マネジメントシステム、システム運用標準、加えて客観的評価手法の研究、ITILをベースにした実践的な品質システムの研究、などで成果をあげてきました。それらの成果の上に、現場でのプロセスの可視化を強化し、現場での人材育成を推進する組織的フレームについて研究・調査を進め、プロジェクトマネジメント、CMMIによるプロセス改善を統合して取り入れながら、現場力強化推進マネジメントの研究・調査などに取組んでいます。

 

このほか、当社では、最近のWeb2.0やAjaxなどの新技術ブームにより、クライアントのリッチ化アプリケーションの有効性が評価されるようになりました。当社では数年前よりリッチクライアント技術に注目し、次世代Web開発言語“Curl”の知的財産権を保有し、この分野における研究をおこなってまいりました。この技術普及研究の一助として、当社独自ERPソフトウェアへの適用の最適化を積極的に推進しております。

 

なお、当連結会計年度の研究開発費は、1,816百万円であります。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

1 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠し作成しております。

この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与える見積り及び判断を必要としております。当社は過去の実績、または、現在の状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りを判断の基礎としております。従って、異なる前提条件のもとにおいては、結果が異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の会計方針が連結財務諸表の作成において重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。

 

① たな卸資産の評価

当社グループのたな卸資産は主に仕掛品と商品に区分されます。仕掛品は個別に受注したソフトウエアで開発途中のものであり、期末の評価は、実際個別原価計算に基づき原価を集計し、その後、各契約単位に評価減の必要性の判定を行っております。具体的には、決算日以降に発生する原価と合わせ見積もった原価が、予定する将来収益を超えると推測され、その原因が当期に起因すると判断した場合は所要の評価減を行っております。

また、商品は、期末時点で商品プロダクトごとに将来の販売可能価額を見積もり、その見積販売可能価額が販売予定原価を下回ると判断した場合は、所要の評価減を行っております。

 

② 繰延税金資産

当社グループは、財務諸表と税務上の資産負債との間に生ずる一時的な差異に関わる税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しています。当連結会計年度において、将来減算一時差異が見積課税所得を上回ることとなりました。よって、繰延税金資産の回収可能性の判断を行い、解消時期の見通しが困難な将来減算一時差異については、繰延税金資産の回収不確実分として評価性引当金を計上しております。各社において繰越欠損金がある場合は、将来5年間の事業計画に基づき合理的に回収可能な金額を算出し、それを限度として計上しております。

 

③ 貸倒引当金

当社グループは、過去の貸倒実績率に基づき一般債権に対する貸倒引当金を算定しております。また、個別に回収可能性を判断し、回収不能見込額を貸倒引当金として追加計上しております。

 

④ 市場販売目的のソフトウェアの償却

当社グループは市場販売目的のソフトウェアの償却は、①見込販売収益に基づく償却費と、②残存有効期間(3年以内)に基づく均等配分による償却費を比較し、いずれか大きい額を償却費として計算する事としております。

 

⑤ 投資の減損

当社グループでは、営業上・戦略上の理由から事業会社の株式を保有しております。

当社グループでは、「金融商品会計」に基づき、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、これら株式の減損を実施しております。具体的には、公開会社の株式は、期末時点で株価が取得価額に対し50%を下回った場合に減損を計上しております。非公開会社の株式については、当該会社の純資産価額の当社持分が、取得価額の50%を下回った場合に、また、このうち投資して間もない株式にあっては投資後2年間にわたり赤字が継続している場合に、将来の回復可能性を検討した上で、減損処理を行うこととしております。当連結会計年度においては、これらの基準に基づき、保有株式の減損の要否を判定した結果、6銘柄について、減損に係る損失を認識する必要があると判断し、減損処理を行いました。

 

⑥ 退職給付費用と退職給付引当金

従業員の退職給付費用及び引当金は、保険数理計算により算出される退職給付債務に基づき計上しております。退職給付債務の割引率は、「退職給付会計に関する実務指針」に基づき、安全性の高い長期債券(20年国債)の利回りを基に直近5年平均値にて決定しており、この割引率により将来債務の割引計算を行っております。なお、住商エレクトロニクス㈱との合併に伴い、平成18年3月31日付けで、退職金制度が統合され新退職年金規程が施行されました。

 

⑦ 固定資産の減損に係る会計処理

当社グループでは、当連結会計年度より「固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針」に基づき、固定資産の減損処理の要否を判定しております。当連結会計年度において、減損の兆候のある固定資産はありますが、その回収可能性を検討した結果、減損損失の計上は不要と判定しております。

 

2 経営成績

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度70,586百万円に対し49,703百万円(70.4%)増の120,290百万円となりました。

 

 

事業部門名称

前連結会計年度

自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日

当連結会計年度

自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日

前期比較

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

増減率

(%)

ソフトウェア開発

43,866

62.1

46,265

38.5

2,398

5.5

情報処理

15,985

22.6

29,943

24.9

13,958

87.3

システム販売

10,734

15.2

44,081

36.6

33,346

310.6

合計

70,586

100.0

120,290

100.0

49,703

70.4

 

(ソフトウェア開発)

ソフトウェア開発については、大型開発案件の反動減があったものの、金融、通信業向けが増加した他、住商エレクトロニクス㈱との合併の影響もあり、2,398百万円(5.5%)増の46,265百万円となりました。

(情報処理)

情報処理については、一部の開発案件が運用フェーズに入ったことによる増加に加え、住商エレクトロニクス㈱との合併の影響もあり、13,958百万円(87.3%)増の29,943百万円となりました。

(システム販売)

システム販売については、通信業向けが増加したことに加え、住商エレクトロニクス㈱との合併の影響もあり、33,346百万円(310.6%)増の44,081百万円となりました。

 

② 売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度11,303百万円に対し9,929百万円(87.9%)増加し、21,232百万円となりました。主な要因は、住商エレクトロニクス㈱との合併を主な要因とする親会社が9,483百万円、新たに連結対象となった子会社で701百万円それぞれ増加したためであります。

また売上総利益率は前連結会計年度の16.0%から1.7ポイント上昇し17.7%となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度6,325百万円に対し8,376百万円(132.4%)増加し、14,701百万円となりました。

主な要因は、住商エレクトロニクス㈱との合併を主な要因とする親会社が8,586百万円、新たに連結対象となった子会社で498百万円それぞれ増加したためであります。

 

④ 営業利益

以上により、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度4,978百万円に対し、1,553百万円(31.2%)増益となり6,531百万円となりました。

 

⑤ 営業外収益・営業外費用[純額]

当連結会計年度の営業外収益(費用)は前連結会計年度の120百万円の収益[純額]から63百万円増加し184百万円の収益[純額]となりました。

 

⑥ 経常利益

以上により、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度5,098百万円に対し、1,617百万円(31.7%)増益となり6,716百万円となりました。

 

⑦ 特別損益[純額]

当連結会計年度の特別損益は、前連結会計年度の60百万円の損失[純額]から1,791百万円減少し1,851百万円の損失[純額]となりました。

特別利益1,267百万円の主な内訳は、投資有価証券売却益1,260百万円であります。

特別損失3,118百万円の主な内訳は、ソフトウエア一時償却額1,271百万円、早期特別退職金640百万円、固定資産除却損584百万円および社員寮売却に伴う売却損323百万円であります。

 

⑧ 税金等調整前当期純利益

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の5,038百万円に対し、173百万円(△3.5%)減少し、4,864百万円となりました。

 

⑨ 法人税等

当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度の1,923百万円に対し、59百万円(3.1%)増加し1,982百万円となりました。税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率(負担税率)は、前連結会計年度の38.1%から40.8%と約2.7ポイントの増加となりました。

 

⑩ 少数株主利益

当連結会計年度の少数株主利益は、前連結会計年度の14百万円から144百万円(968.2%)増加し、159百万円となりました。主な増加要因は、SCS・ITマネジメント㈱の増益によるものであります。

 

⑪ 当期純利益

当期純利益は、前連結会計年度の3,100百万円に対し、378百万円(△12.2%)減少し2,722百万円となりました。また、1株当たりの当期純利益は、前連結会計年度の70.93円に対し、53.29円となりました。

 

3 財政状態

 資産、負債及び資本の状況

① 資産の部

当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度末に対し44,567百万円増加し、125,064百万円となりました。

 

(a) 流動資産

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に対し33,806百万円増加し、74,084百万円となりました。主な要因は、受取手形および売掛金が前連結会計年度に対し15,034百万円、住友商事フィナンシャルマネジメント㈱へ運用を委託している預け金(預け金勘定で計上)が前連結会計年度に対し10,050百万円それぞれ増加しております。

 

(b) 固定資産

当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に対し10,761百万円増加し、50,979百万円となりました。

この内、有形固定資産は、合併による受入れおよび新規取得により3,618百万円増加したものの、減価償却1,260百万円および当社所有の社員寮の売却549百万円等の減少により前連結会計年度末に対し、1,744百万円増加し結果として、29,173百万円となりました。

また、無形固定資産は、主にソフトウェアであり、合併による受入れ、新規製作および取得により1,905百万円増加したものの、販売用ソフトウェアの一時償却、除却および減価償却の計上により前連結会計年度末に対し1,222百万円減少し、2,927百万円となりました。

さらに、投資その他の資産は、前連結会計年度に対し10,239百万円増加し、18,878百万円となりました。その内、投資有価証券で9,323百万円増加しており、主な要因は、株式の取得、合併による受入れおよび評価益の増加によるものであり12,064百万円増加しました。一方で債券の償還日が一年以内となったことに伴う流動資産への振替により2,199百万円減少しております。

 

② 負債の部

当連結会計年度末の負債の部は、前連結会計年度末に対し18,910百万円増加し、29,786百万円となりました。

 

(a) 流動負債

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に対し17,193百万円増加し、26,724百万円となりました。主な要因は、支払手形および買掛金が前連結会計年度末に対し10,384百万円増加しております。

 

(b) 固定負債

当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に対し1,716百万円増加し、3,062百万円となりました。

主な要因は、繰延税金負債が前連結会計年度末に対し2,126百万円増加しております。

 

(c) 少数株主持分

当連結会計年度末の少数株主持分は、前連結会計年度末に対し139百万円減少し、514百万円となりました。主な要因は、SCS・ITマネジメント㈱の少数株主持分相当の株式を買取り、100%子会社化したことに伴い、少数株主持分が消滅したことによるものであります。

 

③ 資本の部

当連結会計年度末の資本の部は、前連結会計年度末に対し25,797百万円増加し、94,763百万円となりました。

資本剰余金は、住商エレクトロニクス㈱との合併により10,650百万円増加し31,299百万円となりました。

利益剰余金は、当期純利益により2,722百万円および住商エレクトロニクス㈱との合併により9,261百万円それぞれ増加し、配当金の支払等により1,283百万円減少した結果、37,450百万円となりました。

総資産に占める株主資本比率は前連結会計年度末の85.7%から75.8%となり、1株当たり株主資本は、前連結会計年度末より164.24円増加し1,746.78円となりました。

 

 





出典: SCSK株式会社、2006-03-31 期 有価証券報告書