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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、米国経済及び中国を中心とするアジア経済の動向に左右される等の脆弱性は見受けられるものの、好調な企業業績の継続による設備投資の増加、雇用者所得の緩やかな増加による底堅い個人消費など、景気の回復が続いています。

当業界を取り巻く経営環境としては、景気回復に伴う企業収益の改善を背景に、顧客企業の競争優位、収益力向上を目的とする情報システム投資が増加しており、ITの重要性は更に高まってきております。

こうした状況下、当社グループにおきましては、金融、情報通信向け案件を中心にシステム需要は好調に推移しました。ソフトウェア受託開発ビジネスにおきましては、高収益案件を選別的に受注することができ、また、プロジェクト管理の高度化による不採算案件の減少もあったことで、収益性について改善傾向が見られます。今後も案件の引合、見積もり段階からのチェック体制の質・量的拡充を進めるとともに、プロジェクト管理の精度を更に向上させ、案件の採算及び品質管理を徹底してまいります。

また、プロダクトソリューションビジネスにおきましても、戦略性・成長性を重視したターゲットビジネスへの経営資源再配分により収益性を向上するとともに、住商エレクトロニクス㈱との合併に伴うハードウェアの集中購買の実施等に伴いサーバ等汎用ハードウェアを含むハードウェア販売ビジネスの収益性も改善しております。

このような経営活動の結果、当連結会計年度の売上高は前期比14.2%増の137,344百万円となりました。経常利益は前期比32.4%増の8,892百万円となり、当期純利益は前期比60.8%増の4,377百万円となりました。

当連結会計年度においては以下の施策に取り組んでまいりましたが、次年度以降も顧客企業のIT・システム構築ニーズにスピード感を持って対応するため、これらの施策に継続的に取り組むとともに、新たな施策にチャレンジし、トップクラスのITサービス企業を目指し、成長力・競争力の強化を図ってまいります。

 

1 事業基盤の強化

・組織改編を実施するとともに人事制度並びに予算制度の刷新に取り組んでまいりましたが、これらの制度の更なる運用改編等の経営インフラ改革、戦略的注力事業の見直し等を継続的に進めてまいります。

・全社の委託先管理業務を集中化し、業務委託費の低減と効率的運営を進めております。

・案件の採算管理を強化するため、従来のプロジェクトチェック制度、見積リスクチェック制度の運用強化に加え、各事業部門とコーポレート部門にPMO(Project Management Office)を導入しております。

・技術基盤を強化するため、現場力強化推進室の設置等の組織的な整備に加えて、現場力強化のための研修を強化いたしました。平成18年10月にはIT基盤ラボラトリーを設立し、「新しい技術へのチャレンジ」と「市場を見据えた技術の提供」をテーマに取り組んでおります。

 

2 戦略的事業投資

事業の競争力強化と事業運営の更なる効率化を目的として以下のような戦略的事業投資を行いました。

・平成18年9月29日付にて、ケーブルテレビ局及びMSO(ケーブルテレビ統括会社)向けに、ケーブルテレビ局運営用の加入者管理課金コンピュータソフトウェアシステムを提供している当社グループの㈱ビリングソフトに追加出資を行い、株式持分を100%にしております。

・平成18年6月30日付にて、統合CRM(customer relationship management)パッケージのベンダーであるエンプレックス㈱へ出資を行い、資本・業務提携を行いました。

・平成18年9月29日付にてインターネットバンキング分野におけるシステム開発及び運用保守に強みを持つイーバンクシステム㈱に出資を行い新たに持分法適用関連会社としました。

・平成18年11月10日付にて中堅・中小企業向けにビジネスプロセス等の再構築をはじめとしたシステムコンサルティングサービスの提供及び内部統制システムの構築支援サービスに強みを持つ朝日アイティソリューション㈱に出資を行い、新たに子会社としております。

・中国に進出している日系企業のITサポートを行うことを目的に上海に子会社を設立し、また、大連にはオフショア開発拠点としての子会社を設立し、グローバルなサポート拠点を拡充しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期末より146百万円減少し、31,412百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は5,989百万円となりました。

主な増加要因は、税金等調整前当期純利益7,947百万円、減価償却費2,307百万円、たな卸資産の減少による資金の増加1,059百万円によるものであります。主な減少要因は、仕入債務の減少による資金の減少2,188百万円、法人税等の支払額2,777百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は1,632百万円となりました。

主な減少要因は、有形固定資産の取得1,138百万円、ソフトウェア等の無形固定資産の取得1,261百万円、資本・業務提携等による株式取得697百万円によるものであります。また主な増加要因は、資金運用のための債券の償還によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は4,538百万円となりました。

主な減少要因は、自己株式の取得による支出2,988百万円、平成18年3月期期末配当金(1株当たり13円00銭)の支払705百万円及び平成19年3月期中間配当金(1株当たり13円00銭)の支払705百万円によるものであります。

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門名称

生産高(百万円)

前期比(%)

ソフトウェア開発

47,609

+4.0

情報処理

34,467

+15.1

システム販売

54,946

+24.6

合計

137,023

+14.4

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度におけるソフトウェア開発の受注状況を示すと、次のとおりであります。

 

事業部門名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

ソフトウェア開発

49,323

+6.5

7,029

+25.1

(注) 1 情報処理等については、把握が困難なため省略しました。

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門名称

販売高(百万円)

前期比(%)

ソフトウェア開発

47,912

+3.6

情報処理

34,485

+15.2

システム販売

54,946

+24.6

合計

137,344

+14.2

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住友商事株式会社

14,761

12.3

14,570

10.6

(注) 当社は、平成17年8月1日付で住商エレクトロニクス㈱と合併しております。従って、前連結会計年度の数値には、住商エレクトロニクス㈱グループの平成17年4月1日から平成17年7月31日までの成績等は含まれておりません。

 

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

販売実績につきましては、当連結会計年度より従来の事業部門別3区分(ソフトウェア開発・情報処理・システム販売)にかえて、3つの新事業部門別区分に基づいて今後管理していくことといたしました。

ソリューション別に分類し集計することにより、当社グループの経営状況をより正確に伝えるための一助とするものであります。

当連結会計年度における販売実績を新事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

新事業部門名称

金額(百万円)

構成比(%)

業務系ソリューション

71,876

52.4

ERPソリューション

15,133

11.0

プラットフォームソリューション

50,334

36.6

合計

137,344

100.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望すると、好調な企業業績を背景に、各企業は意欲的にシステム投資を増やしており、競争力や事業運営の効率性を高めるための、より戦略的なシステムへの投資が増加しております。一方、企業価値向上に直接結びつかない既存システムの保守・運用といったコスト部分を圧縮する傾向が顕著になっていくと予想されます。

こうした状況下、現時点における当社の経営課題としては、各企業が真に求めるIT・システム構築ニーズに応えるために、中期的な企業成長を図るための各種施策が求められていると認識しております。

具体的には、事業基盤の強化及び収益成長力の確保を経営課題と捉えた上で各々の項目について事業施策を実行する所存であります。

事業基盤の強化につきましては、インターナル・コントロール、コンプライアンス、セキュリティ管理をはじめとする経営インフラの更なる強化を行うとともに、住友商事グループのITソリューション事業の中核企業として同グループとの更なる連携強化、パートナー企業を含めた組織的技術力の高度化・標準化の推進、プロジェクト管理の更なる徹底を図ってまいります。

次に、収益成長力の確保につきましては、ターゲットビジネス領域への経営資源の重点配分を行い、既存ソリューションビジネスの融合による付加価値向上と新規商権の発掘、新規顧客の獲得を目指してまいります。更にグローバルITサービス力の向上とグローバル展開の強化を機軸に当社グループの差別化戦略を推進し、顧客企業の海外展開にかかるITサポートをもって顧客企業への訴求力を高め、顧客満足度の向上とビジネス機会の拡大を行ってまいります。

こうした施策をスピード感を持って実現すべく、戦略的事業投資先と連携強化を併せて行ってまいります。当連結会計年度は、統合型CRMパッケージ「eMplex CRM」と当社の基幹ソフトウェアパッケージ「ProActive」の連携を視野に入れ、エンプレックス㈱と資本・業務提携を行うとともに、ビジネスパートナーとしての連携を強化すべくイーバンクシステム㈱の株主持分を引き上げました。また、中堅・中小企業の顧客向けに、システムのライフサイクル全てにおいて、高付加価値のソリューション提供を実現するため、朝日アイティソリューション㈱をグループ化しました。次年度以降も、資本・業務提携先とのパートナーシップをより強固なものとする一方で、新たな事業投資を積極的に推進し、更なる収益成長力の確保を図ってまいります。

 

 

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業(経営成績と財政状態)に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

1 事業環境の変化に伴う影響について

近年、当社グループが所属する情報サービス業界においては、競合他社との競争激化やハードウェアの価格低下を含む案件価格の低下傾向が続いております。このような環境の下、経済情勢の変化等により顧客企業の情報化投資動向が急速かつ大きく変化した場合や、業界内部での価格競争が現状を大幅に超える水準で継続した場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2 システム構築業務に伴うリスクについて

当社グループは顧客企業の各種情報システムの受託開発を行っておりますが、複雑化・短納期化するシステムの開発においては、計画通りの品質を確保できない場合や、開発期間内に完了しないことによるコスト増大の可能性があり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、専門部署による見積もり段階でのチェックや案件の進捗管理を実施し、リスクの低減に努めております。

また、システム構築においてソフトウェア・ハードウェア等を当社グループ以外のベンダーから仕入れる場合については、製品の受入・出荷検査等の品質チェックをはじめとして、これら仕入製品に不具合が生じないようにするための体制を構築するとともに、システムのカスタマイゼーションも含め、当社グループの納入するシステム全体に、予定しない不具合が生じないよう組織的に努力しております。しかしながら、システム構築・納入後、仕入れたIT関連製品に起因する不具合により、顧客企業の信頼を毀損または喪失し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

3 オフショア開発に伴うリスクについて

当社グループは、顧客企業のニーズでもあるITサービスのグローバルな対応や開発コスト低減の観点から、海外の技術リソースの活用促進(オフショア開発)を進めております。特に中国(大連)に当社の100%出資の住商信息系統(大連)有限公司を設立し、当社における開発技術標準の活用を含むオフショア開発体制の整備並びに強化を行っております。しかしながら、オフショア開発においては、法律、文化、言語、慣習等の相違及び為替変動に起因する事業リスクにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

4 技術革新への対応に伴う影響について

当社グループが属するITサービス業界は技術革新が激しいことから、当社グループが現在保有する技術・技能・ノウハウ等が陳腐化する可能性があります。また、当社グループの収益の源泉である顧客企業向けシステム構築に提供するソフトウェアあるいはハードウェア等の製品が、業界の技術標準の急速な変化により、その技術優位性あるいは価格優位性を失う可能性があります。

当社グループは技術革新に適時・的確に対応するために、従業員の有する能力開発を高め、新しい技術の組織的発掘及び習得を推進しております。また、システム構築にかかる技術力・製品調達力において分散化を図ると同時に、特定の技術・ノウハウ・製品に過度の収益を依存することなく、ビジネスを推進しております。

しかしながら、当社グループが市場からの支持を獲得できる新技術あるいは新製品を正確に予想し、その技術力を習得かつ業務上利用できるとは限らず、当社グループが業界の技術変化の方向性を十分に予測できない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

5 情報セキュリティリスクについて

当社グループでは、システム開発時から運用段階に至るまで、業務上、顧客企業が保有する個人情報や顧客企業のシステム技術情報等の各種機密情報を知り得る場合があります。コンピュータウイルス、不正アクセス、あるいは人為的過失その他の理由により、これら機密情報の漏洩や改竄が発生した場合や顧客システムの運用に障害が発生した場合、顧客企業等からの損害賠償請求や当社グループの信用失墜等の事態を招く可能性があります。このため、当社グループでは、コンプライアンスの徹底を図るとともに、物理的なセキュリティ対策を強化し、更には委託契約先を含めて啓蒙と教育を徹底する等の情報セキュリティ強化策を講じてまいります。

 

6 ベンチャー投資について

当社グループでは、業界の最先端分野における技術力、あるいは、最新のソフトウェア・ハードウェア等の製品調達力を確保するため、国内外のベンチャー企業に出資・融資等の信用供与・試作製品の購入その他の戦略的投資を行っております。

当該ベンチャー企業の技術力・製品力には、当社グループの技術・ノウハウ・投資経験等をもって最大限の吟味を行い各種投資リスクの回避に努めております。

しかしながら、財務力・技術力・製品力が完全には確立しない段階での企業に対する信用供与や投資、あるいは製品への投資が含まれるため、予測した成果を上げることなく損失を蒙り、当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。

 

7 訴訟を提起される可能性について

当社グループでは、当社グループ以外の開発・製造によるソフトウェア・ハードウェア等の製品を多数の顧客企業に対し販売・納入しており、これらの事業活動に関連して第三者が知的所有権の侵害を含む訴訟等を提起する可能性があります。これらの結果、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

8 固定資産の減損会計に伴う影響について

当社グループは、当連結会計年度末において、帳簿価額26,253百万円の土地・建物等を保有しており、オフィス・データセンター・寮・社宅として使用しております。前連結会計年度から導入された減損会計により、地価の動向や当社グループの収益の状況によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

ただし、キャッシュ・フローを生み出す合理的な単位でのグルーピングを行い、その回収可能性を判断することから、現時点における減損の必要性は低いと考えられます。なお、当連結会計年度において減損損失認識の対象となった固定資産はありません。

 

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、当社及び国内関係会社、米国、欧州の日米欧3拠点が一体となって、グローバルな視点から、最新IT動向を鋭敏に捉えつつ、緊密に情報交換、共有することによって、当社グループ全体としての最新のIT導入と技術レベルの高度化、充実を図るべく研究開発活動を推進しております。

 

① 高品質アプリケーション・システム構築のための標準プロセスに関する研究

 近年の企業システムへの顧客要求の複雑多様化とWeb技術の高度化及び基盤技術の進展などにより、企業基幹系アプリケーション・システム構築の技術的なスコープの広がりは増す一方であり、一方で品質向上と短期間でのシステム開発への要求は高まっています。当社では、自社標準プロセス、設計手法などを技術の進展に伴って継続的な見直しを図るとともに、現場実態に合わせた標準開発プロセスの確立、フレームワークの拡張強化及び開発手法の体系的再整備に取り組んでいます。また、その成果を基に、現場プロセスの改善とCMMI評価によるプロセス品質の見える化を積極的に推進し、システム品質向上と納期確保に努めております。

 

② RIA(Rich Internet Applications)技術を活用した新エンタープライズ・システムの研究

 最近のWeb2.0やAjaxなどの新しいインターネット技術の進展に伴い、高度なユーザーインターフェイスを持つ、リッチ化されたアプリケーションの要求が高まっております。当社は、数年前からこの分野に注目し、平成16年に次世代Web開発言語“Curl”の知財権を取得するとともに、Curlの高機能化や、リッチ化技術のエンタープライズ領域への適応研究を行ってまいりました。具体的には、最近注目されているSOA技術とRIA技術とをコラボレートしたフラット化技術の研究並びにエンタープライズ系システムへの適用やサーバーサイドとの親和性の向上による、使い易く開発生産性の高いシステム化技術を中心に研究を行っております。

 

③ オープンソース・システムを活用した低コストシステム構築に関する研究

 近年、急速に普及してきたオープンソース・システム(OSS)は、企業における基幹系システムやネットワーク・ビジネス等において重要な役割を担うようになりつつあります。官公庁・自治体、大手企業を中心とした情報システム及びWeb系システムのスケールアウト構成でのシステム基盤のOSS利用をはじめ、お客様の強いTCO削減要求と相俟ってOSSに対するサポート要請が急速に増加しております。当社では、OSSの適用性、性能評価や各プロダクトの解析等による技術ノウハウの蓄積・強化を行うとともに、お客様のニーズに対応すべくこれらの技術研究を行い最適なソリューション提供に努めております。

 具体的には、オープン基盤OSである“Linux”、OSSのスタンダードDBMS(Data Base Management System)になりつつある“MySQL”を中心に、アプリケーション・ソフトウェアを含む各種関連プロダクトの解析・研究を行っております。また、今後求められる大規模運用技術基盤を確立すべくOSの仮想化技術製品である“Linux/Xen”の適用研究も推進しております。

 

④ 新システム基盤技術の最適化に関する研究

 電子政府や最近話題のWeb2.0に代表されるように、インターネットを中心とした情報システムは、国家及び企業に不可欠なインフラとなっており、拡大の一途を辿っています。

 対象業務の複雑さ、システム規模の拡大及び技術の高度化など多面的に対応するには、業務の特性を的確に把握し具現化するとともに、特性にあった最適なシステムを構築する必要があります。当社では、情報システムを支えるIT基盤分野(ハードウェア、ミドルウェア、ネットワーク、セキュリティ、運用管理等)について、信頼性・可用性・拡張性・運用性及びパフォーマンスといった視点において、要素技術及びプロダクトの評価と選定、これらを組み合わせた稼動検証、性能検証等、常に最新の技術を用いたお客様に最適なシステム構成を提供するための技術研究を行っております。当該業務に特化した技術研究を行うための専門知識として、IT基盤ラボラトリーを設置し、IT基盤のユーティリティ化など次世代型のIT基盤モデルの研究を推進しております。

 

⑤ 新アプリケーションアーキテクチャに関する研究

 ユビキタスコンピューティングの浸透と新しいスタイルのモバイル端末・デバイスの出現、通信と放送の融合進展に伴う新しいITCサービスへの期待、Web2.0に代表されるユーザセントリックなインターネットシステムの新規潮流、IT技術の進歩は益々加速しながら、新しい技術コンセプト、新しい要素技術が現れてきております。このような新しい技術コンセプト、要素技術の中から将来のソリューションにつながる要素技術に着目し、提供するソリューションの中に組み入れて育てていくことが必要です。

 当社では各ソリューションに最新技術を取り込むことを推進する一方で、競争力の強化の観点から、既存ソリューションと一線を画して新しく出現した技術コンセプト、要素技術についても調査・検証する必要があると考えています。このような視点から専門的に技術調査、研究を行う組織としてアーキテクチャキッチンを設置し、新技術の影響力、ソリューションへの応用例、採用すべき開発手法やアーキテクチャ構造などを中心に調査・研究を推進しております。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は、1,386百万円であります。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

1 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠し作成しております。

この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与える見積り及び判断を必要としております。当社は過去の実績、または、現在の状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りを判断の基礎としております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の会計方針が連結財務諸表の作成において重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。

 

① たな卸資産の評価

当社グループのたな卸資産は主に仕掛品と商品に区分されます。仕掛品は個別に受注したソフトウェアで開発途中のものであり、期末の評価は、実際個別原価計算に基づき原価を集計し、その後、各契約単位で評価減の必要性の判定を行っております。具体的には、決算日以降に発生する原価と合わせ見積った原価が、予定する将来収益を超えると推測され、その原因が当期に起因すると判断した場合は所要の評価減を行っております。

また、商品は、期末時点で商品プロダクトごとに将来の販売可能価額を見積り、その見積販売可能価額が販売予定価額を下回ると判断した場合は、所要の評価減を行っております。

 

② 繰延税金資産

当社グループは、財務諸表と税務上の資産負債との間に生ずる一時的な差異に関わる税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しています。当連結会計年度において、将来減算一時差異が見積課税所得を上回っておりますので、繰延税金資産の回収可能性の判断を行い、解消時期の見通しが困難な将来減算一時差異については、繰延税金資産の回収不能分として評価性引当金を計上しております。各社において繰越欠損金がある場合は、将来5年間の事業計画に基づき合理的に回収可能な金額を算出し、それを限度とし計上しております。

 

③ 貸倒引当金

当社グループは、過去の貸倒実績率に基づき一般債権に対する貸倒引当金を算定しております。また、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を判断し、回収不能見込額を貸倒引当金として追加計上しております。

 

④ 市場販売目的のソフトウェアの償却

当社グループは市場販売目的のソフトウェアの償却は、①見込販売収益に基づく償却費と、②残存有効期間(3年以内)に基づく均等配分による償却費とを比較し、いずれか大きい額を償却費として計算することとしております。

 

⑤ 投資の減損

当社グループでは、営業上・戦略上の理由から事業会社の株式を保有しております。

当社グループでは、「金融商品に関する会計基準」に基づき、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、これら株式の減損を実施しております。具体的には、上場会社の株式は、期末時点で株価が帳簿価額に対し50%を下回った場合に減損を計上しております。非上場会社の株式については、当該会社の純資産価額の当社持分が、帳簿価額の50%を下回った場合に、また、このうち投資して間もない株式にあっては投資後2年間にわたり赤字が継続している場合に、将来の回復可能性を検討した上で、減損処理を行うこととしております。当連結会計年度においては、これらの基準に基づき、保有株式の減損の要否を判定した結果、9銘柄について、減損を認識する必要があると判断し、減損処理を行いました。

 

⑥ 退職給付費用と退職給付引当金

従業員の退職給付費用及び引当金は、保険数理計算により算出される退職給付債務に基づき計上しております。退職給付債務の割引率は、「退職給付会計に関する実務指針」に基づき、安全性の高い長期債券(20年国債)の利回りを基に直近5年平均値にて決定しており、この割引率により将来債務の割引計算を行っております。

 

⑦ 固定資産の減損に係る会計処理

当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針」に基づき、固定資産の減損処理の要否を判定しております。当連結会計年度において、減損の兆候のある固定資産はありますが、その回収可能性を判断した結果、減損損失の認識は不要と判定しております。

 

2 経営成績

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、景気回復に伴う企業収益の改善を背景にIT投資が拡大する中、金融業界向け案件を中心にシステム需要が好調であったことに加えて、住商エレクトロニクス㈱との合併の影響もあり、前連結会計年度に対し14.2%増の137,344百万円となりました。

 

 

事業部門名称

前連結会計年度

自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日

当連結会計年度

自 平成18年4月1日

至 平成19年3月31日

前期比

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

増減率

(%)

ソフトウェア開発

46,265

38.5

47,912

34.9

1,647

3.6

情報処理

29,943

24.9

34,485

25.1

4,541

15.2

システム販売

44,081

36.6

54,946

40.0

10,865

24.6

合計

120,290

100.0

137,344

100.0

17,054

14.2

 

(ソフトウェア開発)

ソフトウェア開発については、金融業界向けが大きく増加した他、住商エレクトロニクス㈱との合併の影響等もあり、前連結会計年度に対し3.6%増の47,912百万円となりました。

 

(情報処理)

情報処理については、住友商事㈱向けが増加した他、一部の開発案件が運用フェーズに入ったことによる増加に加え、住商エレクトロニクス㈱との合併の影響等もあり、前連結会計年度に対し15.2%増の34,485百万円となりました。

 

(システム販売)

システム販売については、通信業界向けが大きく増加したことに加えて、住商エレクトロニクス㈱との合併の影響等もあり、前連結会計年度に対し24.6%増の54,946百万円となりました。

 

 

売上高につきましては、当連結会計年度より従来の事業部門別3区分(ソフトウェア開発・情報処理・システム販売)にかえて、3つの新事業部門別区分に基づいて今後管理していくことといたしました。ソリューション別に分類し集計することにより、当社グループの経営状況をより正確に伝えるための一助とするものであります。

当該、新事業部門別による売上高は、次のとおりであります。

 

新事業部門名称

当連結会計年度

自 平成18年4月1日

至 平成19年3月31日

金額

(百万円)

構成比

(%)

業務系ソリューション

71,876

52.4

ERPソリューション

15,133

11.0

プラットフォームソリューション

50,334

36.6

合計

137,344

100.0

 

② 売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、個別案件の採算性の改善とプロジェクト管理の高度化による不採算案件の減少に加え、また、経営資源の再配分による収益性の向上等もあり前連結会計年度に対し、44.6%増の30,696百万円となりました。また、売上総利益率は前連結会計年度の17.7%から4.6ポイント上昇し22.3%となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、住商エレクトロニクス㈱との合併の影響等により、前連結会計年度に対し50.6%増の22,136百万円となりました。

 

④ 営業利益

以上により、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に対し31.1%増の8,560百万円となりました。

 

⑤ 営業外収益・営業外費用[純額]

当連結会計年度の営業外収益(費用)は、前連結会計年度の184百万円の収益[純額]から147百万円増加し332百万円の収益[純額]となりました。

 

⑥ 経常利益

以上により、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に対し32.4%増の8,892百万円となりました。

 

⑦ 特別損益[純額]

当連結会計年度の特別損益は、前連結会計年度の1,851百万円の損失[純額]から906百万円改善し945百万円の損失[純額]となりました。

特別利益71百万円の主な内訳は、投資有価証券売却益32百万円、受入和解金30百万円であります。特別損失1,016百万円の主な内訳は、固定資産除却損749百万円、投資有価証券評価損100百万円、保守契約清算損失121百万円であります。

 

⑧ 税金等調整前当期純利益

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に対し63.4%増の7,947百万円となりました。

 

⑨ 法人税等

当連結会計年度の法人税等は、前期比75.4%増の3,477百万円となりました。税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率(負担税率)は、前連結会計年度の40.8%から43.8%と3.0ポイントの増加となりました。

 

⑩ 少数株主利益

当連結会計年度の少数株主利益は、SCS・ITマネジメント㈱を合併したこと等により、前連結会計年度に対し42.2%減の92百万円となりました。

 

⑪ 当期純利益

当期純利益は、前連結会計年度に対し60.8%増の4,377百万円となりました。また、1株当たりの当期純利益は、前連結会計年度の53.29円に対し、80.91円となりました。

 

3 財政状態

① 資産の部

当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度末に対し8,846百万円減少し、116,218百万円となりました。

 

(a) 流動資産

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に対し2,641百万円減少し、71,443百万円となりました。

主に、住友商事フィナンシャルマネジメント㈱へ運用を委託している預け金(預け金勘定で計上)が1,070百万円増加しましたが、現金及び預金が1,116百万円、有価証券が償還等により1,199百万円、たな卸資産が1,059百万円それぞれ減少し、結果として2,641百万円減少しました。

 

(b) 固定資産

当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に対し6,204百万円減少し、44,775百万円となりました。

有形固定資産については、減価償却等により前連結会計年度末に対し353百万円減少しております。また、投資有価証券については、時価評価、償還までの期間が1年以内となったことによる流動資産への振替等により6,638百万円減少しました。

 

② 負債の部

当連結会計年度末の負債の部は、前連結会計年度末に対し4,822百万円減少し、24,964百万円となりました。

 

(a) 流動負債

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に対し2,424百万円減少し、24,299百万円となりました。主に、売上の期末集中度が減少した影響に伴い支払手形及び買掛金が2,184百万円減少したことによるものです。

 

(b) 固定負債

当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に対し2,397百万円減少し、664百万円となりました。

主に、有価証券の時価評価に伴い繰延税金負債が2,117百万円減少したことによるものです。

 

(c) 少数株主持分

当連結会計年度末の少数株主持分は、当連結会計年度より純資産の部に表示しております。

 

③ 純資産の部

当連結会計年度末の純資産の部は、前連結会計年度末の資本の部の94,763百万円に比べ3,509百万円減少しました。

主に、当期純利益により4,377百万円、当連結会計年度より少数株主持分を純資産に含めて表記することにより344百万円それぞれ増加しましたが、自己株式の取得により2,987百万円、その他有価証券評価差額金が3,858百万円それぞれ減少したことによるものです。

総資産に占める自己資本比率は前連結会計年度末の75.8%から78.2%となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末より34.51円減少し1,712.27円となりました。





出典: SCSK株式会社、2007-03-31 期 有価証券報告書