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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、内外の各種経済対策の効果もあり、景気に持ち直しの動きが見られました。しかしながら、国内民間需要の自律的な回復力はなお弱く、雇用情勢についても完全失業率が高水準で推移するなど厳しい状況が続きました。

在庫調整の進捗やアジアを中心とする新興国経済の回復などを背景に、輸出や生産は増加基調に転じました。また、企業収益についても持ち直しの動きが見られ、企業の業況感は製造業大企業を中心に改善傾向にありました。しかしながら、その一方で中小企業における業況認識には依然として慎重な見方が強く、設備投資についても、下げ止まりつつはあるものの、設備過剰感が依然として高く、年度を通じて低調な推移を示しました。

 

当業界を取り巻く経営環境としては、当連結会計年度において日本企業のソフトウェア投資は大きく減少する傾向にありました。各企業は個々のIT投資についてその必要性・妥当性を厳しく評価・検討する姿勢を強め、投資対象を、新規需要を獲得できる戦略的投資、あるいはコスト削減などの費用対効果が明確に認められる投資に限定するなど、今までにも増してIT投資の選別が行われました。このような企業側の姿勢により、案件数の減少、案件規模の縮小などの傾向が強まっており、当業界の競争環境は大変厳しいものでありました。

一方、中長期的な事業展開・企業成長に向けてのIT投資の戦略的重要性は企業経営者に強く意識されるところであり、大企業を中心とした研究開発分野へのIT投資、また、企業グループの経営効率化あるいは企業再編に伴う経営基盤強化を目的とした基幹系システム更新関連のIT投資は比較的堅調に推移しました。

 

こうした状況下、当連結会計年度においては事業基盤・経営基盤の強化に向けた以下の施策に取り組んでまいりました。

 

・事業の選択と集中を推進し、特に事業子会社において不採算事業の整理・撤退を含む事業の収益性の改善・強化に取り組み、グループとしての総合事業基盤を強化してまいりました。

・グローバルサービスの強化を推進し、海外拠点の強化を含む顧客に対してのグローバルサポート体制の強化に取り組んでまいりました。

・パッケージソフト事業の拡充を意図し、当社独自のERPパッケージソフトである「ProActive」において、販売管理モジュールの機能強化及びマーケティング施策の推進等同事業の強化拡充に注力してまいりました。

・既存顧客、中でも内需関連企業他の当連結会計年度における重点顧客とのより一層の取引深耕を図ってまいりました。

・ソフトウェア受託開発ビジネスにおける委託業務を中心に、オフショアを含むグループ内の内製化を推進し、生産性の改善及び業務委託支出の効率化に注力してまいりました。また、ソフト開発における品質の向上及び開発プロセスの効率化を図り、システム構築のための自社標準プロセスの継続的な見直しを実施してまいりました。

・内部統制のさらなる強化、情報セキュリティの高度化に向けたオペレーションの見直しを遂行してまいりました。特に、全ての業務処理にかかる効率性向上を実現するための当社の基幹系システムの全面的再構築に向けて、準備を進めてまいりました。

 

 

以上の施策をもとに、当社グループの当連結会計年度の連結業績につきましては、流通業向け売上が増加したものの、輸出関連の製造業向け並びに証券業を含む金融業向け売上の減少や、ネットワーク関連のハードウェア販売の減少等があり、売上高は前期比5.2%減の127,317百万円となりました。利益面においては、上記の各産業向けビジネスの落ち込みに伴う減益等により、経常利益は前期比24.5%減の7,188百万円となりました。当期純利益は、連結子会社の整理にかかる特別損失や関連するのれん・ソフトウェアにかかる評価損計上等もあり、前期比18.2%減の3,242百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,064百万円減少し、26,202百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は6,688百万円となりました。

主な増加要因は、税金等調整前当期純利益5,068百万円、減価償却費3,157百万円によるものであります。主な減少要因は、売上債権の増加による資金の減少2,122百万円、法人税等の支払額3,018百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は6,786百万円となりました。

主な減少要因は、データセンターの増強を中心とした有形固定資産の取得1,704百万円、ソフトウェア等の無形固定資産の取得2,959百万円、投資有価証券の取得2,608百万円、敷金及び保証金の差入1,350百万円によるものであります。主な増加要因は、有価証券の償還による収入1,521百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は3,004百万円となりました。

主な減少要因は、社債の償還による支出750百万円、平成21年3月期期末配当金(1株当たり16円)の支払803百万円及び平成22年3月期中間配当金(1株当たり16円)の支払803百万円によるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループにおける業務系ソリューション、ERPソリューション、プラットフォームソリューションごとの販売実績は、次のとおりであります。

 

 
販売高(百万円)
前期比(%)
業務系ソリューション
62,329
△6.9
ERPソリューション
14,850
△9.7
プラットフォームソリューション
50,137
△1.4
合計
127,317
△5.2

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

なお、生産実績等をソフトウェア開発・情報処理・システム販売に分類すると、次のとおりであります。

(1) 生産実績

 

 
生産高(百万円)
前期比(%)
ソフトウェア開発
43,230
△12.0
情報処理
36,033
0.8
システム販売
47,856
△3.1
合計
127,120
△5.3

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度におけるソフトウェア開発の受注状況を示すと、次のとおりであります。

 

 
受注高(百万円)
前期比(%)
受注残高(百万円)
前期比(%)
ソフトウェア開発
44,593
△11.3
8,247
17.3

(注) 1 情報処理等については、把握が困難なため省略しております。

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

 

 
販売高(百万円)
前期比(%)
ソフトウェア開発
43,376
△11.8
情報処理
36,083
1.1
システム販売
47,856
△3.1
合計
127,317
△5.2

(注) 1 上記金額は販売価格によっております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
住友商事㈱
13,071
9.7
16,072
12.6

3 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望しますと、世界の金融資本市場危機を契機とする世界経済悪化や外国為替市場・商品市場の大幅な変動等は、景気動向に多大な影響を与えております。このような状況に加え、アジアを中心とした新興国市場の台頭などもあり、世界経済の構造変化が起こりつつあると考えられます。この経済構造の大きな変化に直面する顧客企業においては、事業モデルの再構築が必要とされるとともに、IT投資が当該事業再構築のために最も重要な事業活動の一つと位置付けられると考えられます。一方、IT投資についてはその価値認識が高まるがゆえに、顧客企業において企業価値向上の観点からIT投資を吟味し、より選別的に投資の可否判断を行う傾向が今後強まるものと考えられます。また、クラウドコンピューティングに代表される「ITのサービス化」の進展に伴い、今後は高品質なITソリューションを最適な形態で提供していく必要があると考えられます。

こうした状況下、人材力と技術力をベースに、顧客企業の事業価値向上に繋がる高品質のITサービスを提供し、新たなビジネスバリューを顧客企業と共に創り上げていくこと、そして、これらの顧客企業の強固な事業パートナーとしての立ち位置を確保することが経営戦略上重要であり、また、この立ち位置をもって当社の中期的な企業成長を推進することが当社の課題と認識しております。

具体的には、①顧客企業と共に行う新たな事業価値創造を可能とする当社の事業・収益基盤の強化・拡大、②サービス品質のより一層の向上、また、③これらを支える人材力と技術力の向上を経営課題と捉えた上で、各々の課題解決に向け各種の経営施策を遂行する所存であります。

 

①事業基盤拡充策

事業の選択と集中をより一層強化し、重点取り組み分野や新規分野へと経営資源を再配分することで事業基盤の強化拡充を図り、当社の提供するITサービスの価値向上と新規ITサービスの開拓を図ってまいります。

 

②サービス品質向上策

受託開発型からサービス型への環境変化を見据え、品質管理の高度化や新たな技術標準の確立をテーマに、専門部署の設置等を検討し、品質向上策を実行してまいります。

 

③人材力・技術力向上策

当社の事業基盤の根幹を成す人材力と技術力につきましては、人材開発専門部署の設置等を通じて、高度IT人材、グローバル人材の育成等をテーマに、諸施策を検討・実行してまいります。加えて、平成22年秋に予定している本社移転を含め、従業員にとって真に働きやすい職場環境の整備に引き続き取り組んでまいります。

 

これらの事業施策の遂行と同時に、当社グループ全体の内部統制・リスク管理、コンプライアンス、セキュリティ管理をはじめとする社内管理体制の整備につきましては、従来同様更なる強化を図ってまいります。

 

以上の経営施策について当社グループとしてスピード感をもって推進するとともに、戦略的事業提携並びに同投資の推進にも注力し、当社グループの中期的成長軌道を確固たるものにしてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業(経営成績と財政状態)に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。 

 

①事業環境リスク

近年、当社グループが属する情報サービス業界においては、競合他社との競争激化やハードウェアを中心とした価格の低下傾向が続いております。このような環境の下、経済情勢の変化等により顧客企業のIT投資動向が急速かつ大きく変化した場合や、業界内部での価格競争が現状を大幅に超える水準で継続した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②システム開発リスク

当社グループは、顧客企業の各種情報システムの受託開発業務を行っておりますが、複雑化・短納期化するシステムの開発においては、計画通りの品質を確保できない場合や、開発期間内に完了しないことによるコスト増大の可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、生産能力の確保、コストの効率化、技術力・ノウハウ活用のためにオフショアを含む多数の業務委託会社を活用しておりますが、期待した生産性や品質が維持できない可能性があります。

このため、専門部署による引合い・見積り段階でのチェックや案件の進捗管理、品質チェックの実施、さらには業務委託会社の総合的審査の実施や委託業務の進捗及び品質管理の徹底により、納入するシステム全体に、予定しない不具合が生じないよう組織的に努力し、リスクの低減に努めております。

 

③技術革新への対応に伴うリスク

当社グループが属する情報サービス業界は技術革新が激しいことから、当社グループが現在保有する技術・技能・ノウハウ等が陳腐化する可能性があります。また、当社グループの収益の源泉である顧客企業向けシステム構築に提供するソフトウェア・ハードウェア等の製品が、業界の技術標準の急速な変化により、その技術優位性あるいは価格優位性を失う可能性があります。したがって、当社グループが業界の技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、予測しえても適切に対応できない場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

当社グループは技術革新に適時・的確に対応するために、従業員の有する能力を高め、新しい技術の組織的発掘及び習得を推進しております。また、システム構築にかかる技術力・製品調達力において分散化を図ると同時に、特定の技術・ノウハウ・製品に過度の収益を依存することなく、ビジネスを推進しております。

 

④情報セキュリティリスク

当社グループでは、システム開発時から運用段階に至るまで、業務上、顧客企業が保有する個人情報や顧客企業のシステム技術情報等の各種機密情報を知り得る場合があります。コンピュータウイルス、不正アクセス、人為的過失、あるいは顧客システムの運用障害、その他の理由により、これら機密情報の漏洩や改竄等が発生した場合、顧客企業等からの損害賠償請求や当社グループの信用失墜の事態を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、コンプライアンスの徹底を図るとともに、物理的なセキュリティ対策を強化し、さらには各種機密情報を取り扱う業務委託会社も含めて、啓蒙と教育を徹底する等の情報セキュリティ強化策を講じております。なお、業務委託会社には情報セキュリティの徹底のための説明会の開催、必要に応じたオンサイトレビュー実施等を通じて、当社グループと同レベルの情報セキュリティの確保と情報管理の徹底を図っております。

 

 

⑤投資リスク

当社グループでは、ソリューション提供力強化、生産能力確保、最先端分野における技術力獲得・向上、最新のソフトウェア・ハードウェア等の製品調達力確保等を目的に国内外の事業会社やベンチャー企業への出資、融資等の信用供与、これら企業からの試作製品の購入を行っております。また重点分野や新規分野におけるパッケージソフト開発やサービス開発のための投資を行っております。

投資に際しては、事業投資先や投資に伴う事業計画、リスク・リターン等について十分に検討し、また、投資後であっても、計画進捗のチェックやモニタリングを行う等リスク管理体制を整えております。

しかしながら、こうした投資は事業投資先の業績悪化や計画未達成等のため、当初見込んだリターンが得られない、もしくは損失を被り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥訴訟リスク

当社グループでは、当社グループ以外の開発・製造によるソフトウェア・ハードウェア等の製品を多数の顧客企業に対し販売・納入しており、これらの事業活動に関連して第三者が知的財産権の侵害を含む訴訟等を提起する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦有形固定資産の減損リスク

当社グループは、当連結会計年度末において、帳簿価額26,726百万円の土地・建物等を保有しており、オフィス・データセンター・寮・社宅として使用しております。これらの資産は共用資産に区分しており、地価の動向や当社グループの収益の状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、キャッシュ・フローを生み出す合理的な単位でのグルーピングを行い、その回収可能性を判断した結果、当連結会計年度において減損損失認識の対象となった有形固定資産はありません。

 

⑧製品調達リスク

当社グループでは国内外から幅広く選りすぐりのソフトウェア・ハードウェア等の製品を調達して顧客企業に提供しております。

海外拠点・ネットワークを活用して海外製品の発掘・調達、技術動向の掌握に努めている他、国内外のベンダー各社とは事業戦略を共有しつつ、その動向把握と安定的な製品調達を図っております。しかしながらベンダー各社の事業戦略の突然の変更による製品仕様の変更・製品供給の停止等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨貸倒リスク

当社グループは、多くの顧客企業に製品販売、システム開発受託、サービス提供を行っております。多くの取引は代金回収が事後となるため、顧客企業の財政状態の悪化が当社債権の回収遅延、回収困難をもたらし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループとしては、事業部門から独立して与信管理並びに顧客企業の信用状況のチェックや適切な与信枠の設定を行うと共に、債権の滞留状況・回収状況の定期的モニタリングを実施しております。また、必要に応じて貸倒引当金の計上等、必要な会計上の対応を行っております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社では、国内関係会社、米国、欧州及びアジアの各拠点と一体となって、グローバルな視点から最新のIT動向を鋭敏に捉え、新たな市場創造に向けてSCSグループ全体として最新のIT導入と技術レベルの高度化、充実を図るべく研究開発活動を推進しております。今般、技術戦略企画室を設置し、当社の中期的な技術戦略を定め、お客様により最適な次世代サービスの提供のために各技術施策を進めてまいります。

 

① 高品質アプリケーション・システム構築・運用のための標準プロセスに関する研究

 クラウドコンピューティングやSaaSなど、ITのサービス化を活用した利用形態が企業システムで大きな関心を集めています。ますます多様化、複雑化する企業システムを、タイムリーに構築・運用・保守し、TCOを低減させることは経営の大きな課題です。クラウドコンピューティングはこの課題に対する解の一つであると考えています。

当社では、お客様の要求するシステムをタイムリーかつ低コストに実現するため、クラウド関連技術やSOA技術の調査研究を引き続き推進してまいります。特に、オンプレミスな既存システムとSaaSなどの社外のクラウド・サービスを活用したハイブリッド型システムの構築は今後拡大することが見込まれます。当社ではこのハイブリッド型システム構築に適した開発方式の研究を重点的に進めてまいります。

 

② 新システム基盤技術の最適化に関する研究

 電子政府やクラウドコンピューティングに代表されるように、インターネットを中心とした情報システムは、国家及び企業に不可欠なインフラとなっており、拡大の一途を辿っています。

 対象業務の複雑さ、システム規模の拡大及び技術の高度化など多面的に対応するには、業務の特性を的確に把握し具現化するとともに、特性にあった最適なシステムを構築する必要があります。当社では、情報システムを支えるIT基盤分野(ハードウェア、ミドルウェア、ネットワーク、セキュリティ、運用管理等)について、信頼性・可用性・拡張性・運用性及びパフォーマンスといった視点において、要素技術及びプロダクトの評価と選定、これらを組み合せた稼動検証、性能検証等、常に最新の技術を用いたお客様に最適なシステム構成を提供する為の技術研究を行っております。当該業務に特化した技術研究を行う為の専門組織としてIT基盤ラボラトリーを設置し、次世代型IT基盤モデルの研究を推進しており、今期は仮想化技術を応用したDRサイト構築・切替の迅速化やオープンソースソフトウェア組込みによるローコスト運用管理システムの検証評価などを実施中です。

 

③ 新アプリケーションアーキテクチャに対する技術戦略研究

 ユビキタスコンピューティングの浸透とともにAndroidやiPadなど、モバイル端末のオープン化が進み今やスマート端末はPC端末並の性能を持ちつつあります。インターネットの普及により企業システムが抜本的に見直さざるを得なくなったように、このスマート端末の進展により、企業システムの抜本的な見直しが求められる時期がそこまで来ています。

 当社では、スマート端末を始めとする新技術調査、研究を行う組織として予てよりアーキテクチャキッチンを設置しており、新技術の影響力、ソリューションへの応用例、採用すべき開発手法やアーキテクチャ構造などを中心に調査・研究を推進しています。

 

④ クラウドコンピューティングに関する独自研究

クラウドコンピューティングは仮想化技術や大規模分散処理技術を用いることで、柔軟にコンピューティングリソースの変更、大規模・大量データの効率的な処理の実現など、新たなインターネットサービスを提供する技術として米国や国産メーカーが中心となって事業推進しています。

当社では、米国や国産メーカーの技術・製品を活用したクラウド・サービスを提供する一方で、エンタープライズ、アプリケーションの2つをキーワードに、当社独自のクラウド技術の研究・開発を推進しております。

 

 なお、当連結会計年度の研究開発費は、975百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠し作成しております。

この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与える見積り及び判断を必要としております。当社は過去の実績、または、現在の状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りを判断の基礎としております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の会計方針が連結財務諸表の作成において重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。

 

① たな卸資産の評価

当社グループのたな卸資産は主に仕掛品と商品に区分されます。

たな卸資産の評価については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用し、収益性の低下に基づく簿価切り下げ方法により適切に処理しております。

 

② 繰延税金資産

当社グループは、財務諸表と税務上の資産負債との間に生ずる一時的な差異に関わる税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。将来減算一時差異が課税所得を上回っておりましたので、繰延税金資産の回収可能性の判断を行い、解消時期の見通しが困難な将来減算一時差異については、繰延税金資産の回収不能分として評価性引当金を計上しております。各社において繰越欠損金がある場合は、将来の事業計画に基づき合理的に回収可能な金額を算出し、それを限度とし計上しております。

 

③ 貸倒引当金

当社グループは、過去の貸倒実績率に基づき一般債権に対する貸倒引当金を算定しております。また、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を判断し、回収不能見込額を貸倒引当金として追加計上しております。

 

④ 市場販売目的のソフトウェアの償却

当社グループは市場販売目的のソフトウェアの償却は、①見込販売収益に基づく償却費と、②残存有効期間(3年以内)に基づく均等配分による償却費とを比較し、いずれか大きい額を償却費として計算することとしております。

 

⑤ 投資の減損

当社グループでは、営業上・戦略上の理由から事業会社の株式を保有しております。

当社グループでは、「金融商品に関する会計基準」に基づき、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、これら株式の減損を実施しております。具体的には、上場会社の株式は、期末時点で株価が帳簿価額に対し50%を下回った場合に減損を計上しております。非上場会社の株式については、当該会社の純資産価額の当社持分が、帳簿価額の50%を下回った場合に、また、このうち投資して間もない株式にあっては投資後2年間にわたり赤字が継続している場合に、将来の回復可能性を検討した上で、減損処理を行うこととしております。当連結会計年度においては、これらの基準に基づき、保有株式の減損の要否を判定した結果、2銘柄について、減損を認識する必要があると判断し、減損処理を行いました。

 

⑥ 退職給付費用と退職給付引当金

当社グループでは、従業員の退職給付費用及び引当金は、保険数理計算により算出される退職給付債務(一部の国内子会社は簡便法)に基づき計上しております。退職給付債務の割引率は、「『退職給付に係る会計基準』の一部改正(その3)」に基づき、安全性の高い長期債券(AA格社債)の期末時点における利回りを基に決定しており、この割引率により将来債務の割引計算を行っております。

 

⑦ 固定資産の減損に係る会計処理

当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針」に基づき、固定資産の減損処理の要否を判定しております。当連結会計年度において、減損の兆候のある固定資産はありますが、その回収可能性を判断した結果、減損損失の認識は不要と判定しております。

のれんの一部について減損の兆候が認められたため、減損テストを行った結果、減損損失の認識が必要と判定し、減損損失を計上しております。

 

⑧ 工事契約に関する会計処理

当社グループでは、請負工事等にかかる収益の計上基準については、従来、工事完成基準を適用しておりましたが、当連結会計年度より「工事契約に関する会計基準」(企業会計基準第15号 平成19年12月27日)及び「工事契約に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第18号 平成19年12月27日)を適用し、当連結会計年度に着手した本会計基準の範囲に該当する契約から、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる契約については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の契約については工事完成基準を適用しております。

これにより、売上高は4,058百万円増加、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ733百万円増加しております。

また、損失の発生が見込まれる工事契約について、将来の損失に備えるため、その損失見込額を工事損失引当金として計上しております。

 

2 経営成績

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、流通業向け売上が増加したものの、輸出関連の製造業向け並びに証券業を含む金融業向け売上の減少や、ネットワーク関連のハードウェア販売の減少等があり、前連結会計年度に対し5.2%減の127,317百万円となりました。

 

 

 
前連結会計年度
自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日
当連結会計年度
自 平成21年4月1日
至 平成22年3月31日
前期比
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
増減率
(%)
業務系ソリューション
66,968
49.9
62,329
49.0
△4,639
△6.9
ERPソリューション
16,440
12.2
14,850
11.7
△1,589
△9.7
プラットフォーム
ソリューション
50,854
37.9
50,137
39.3
△717
△1.4
合計
134,263
100.0
127,317
100.0
△6,946
△5.2

 

(業務系ソリューション)

業務系ソリューションについては、流通業及び通信・運輸業向け等の売上が増加したものの、製造業及び証券業を含む金融業向け等の売上が減少したことにより、また、前連結会計年度における子会社吸収合併時の会計処理上の加算にかかる反動減等もあり、前期比6.9%減の62,329百万円となりました。

 

(ERPソリューション)

ERPソリューションについては、製造業及び金融業向け等の売上が増加したものの、流通業向け等の売上が減少したことにより、前期比9.7%減の14,850百万円となりました。

 

(プラットフォームソリューション)

プラットフォームソリューションについては、流通業向け売上が増加したものの、通信業向け等の売上が減少したことにより、前期比1.4%減の50,137百万円となりました。

 

また、当連結会計年度における売上高実績をソフトウェア開発・情報処理・システム販売に分類すると次のとおりであります。

 

 
前連結会計年度
自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日
当連結会計年度
自 平成21年4月1日
至 平成22年3月31日
前期比
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
増減率
(%)
ソフトウェア開発
49,182
36.6
43,376
34.1
△5,805
△11.8
情報処理
35,702
26.6
36,083
28.3
381
1.1
システム販売
49,379
36.8
47,856
37.6
△1,522
△3.1
合計
134,263
100.0
127,317
100.0
△6,946
△5.2

 

② 売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、製造業向け及び金融業向けの売上高の減少に伴う売上総利益の減少などにより、前連結会計年度に対し9.3%減の29,176百万円となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人材力拡充、新基幹システム関連費用などのマネジメント基盤強化等の戦略的投資による費用増加があったものの、間接部門、事業部門の販管費の効率的使用による減少があったため、前連結会計年度に対し1.6%減の22,752百万円となりました。

 

④ 営業利益

以上により、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に対し28.8%減の6,423百万円となりました。

 

⑤ 営業外収益・営業外費用[純額]

当連結会計年度の営業外収益(費用)は、前連結会計年度の494百万円の収益[純額]から269百万円増加し764百万円の収益[純額]となりました。

 

⑥ 経常利益

以上により、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に対し24.5%減の7,188百万円となりました。

 

⑦ 特別損益

当連結会計年度の特別損失2,129百万円の主な内訳は、固定資産除却損135百万円、ソフトウェア一時償却額414百万円、移転関連費用367百万円、のれん償却額793百万円であります。

 

⑧ 税金等調整前当期純利益

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に対し31.2%減の5,068百万円となりました。

 

⑨ 法人税等

当連結会計年度の法人税等は、前期比50.2%減の1,827百万円となりました。連結子会社の整理に伴う税金費用への影響等もあり、税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率(負担税率)は、前連結会計年度の49.8%から36.1%と13.7ポイントの減少となりました。

 

⑩ 少数株主損益

当連結会計年度の少数株主損失は、前連結会計年度に対し99.6%減の1百万円となりました。

 

⑪ 当期純利益

当期純利益は、前連結会計年度に対し18.2%減の3,242百万円となりました。また、1株当たりの当期純利益は、前連結会計年度の78.10円から13.20円減少し64.90円となりました。

 

3 財政状態

① 資産、負債及び純資産の状況
(資産の部)

当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度末に対し3,334百万円増加し、117,545百万円となりました。

 

(a) 流動資産

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に対し1,922百万円減少し、62,521百万円となりました。

主に、投資有価証券の取得並びに敷金及び保証金の支出に伴う現金及び預金の減少によるものです。

 

(b) 固定資産

当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に対し5,257百万円増加し、55,023百万円となりました。

時価の回復などによる投資有価証券の増加要因に加え、投資有価証券の取得による増加などにより、前連結会計年度に対し固定資産は増加しました。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債の部は、前連結会計年度末に対し597百万円増加し、24,862百万円となりました。

 

(a) 流動負債

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に対し339百万円減少し、22,793百万円となりました。

工事進行基準の適用に伴う買掛金の増加はあったものの、未払法人税等の減少、前期末の大口の仕入債務の減少などにより、前連結会計年度に対し流動負債が減少しました。

 

(b) 固定負債

当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に対し937百万円増加し、2,068百万円となりました。

社債の償還による減少があったものの、リース債務が増加したため、前連結会計年度に対し固定負債が増加しました。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産の部は、前連結会計年度末に対し2,736百万円増加し、92,683百万円となりました。

主に、利益剰余金の増加に加え、時価の回復によるその他有価証券評価差額金の増加によるものです。

総資産に占める自己資本比率は前連結会計年度末と変わらず78.5%となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末より53.64円増加し1,847.95円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。





出典: SCSK株式会社、2010-03-31 期 有価証券報告書