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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、中国をはじめとする新興国経済の堅調さを背景とした輸出の増加や企業業績の回復、さらには国内個人消費の底堅さなど景気持ち直しの動きはあったものの、円高の進行や政府の各種景気対策の終了を背景に足踏み状態ともいえる状況が続きました。そのような中、東日本大震災の発生により、企業の生産活動の低下や個人消費の落ち込みが見られるなど、景気の先行きは不透明な状況となっております。

 

当業界を取り巻く経営環境としては、ハード・ソフトといったITプロダクトに対する更新投資については、特に上半期において堅調に推移しました。一方、ソフト開発投資については、相当数の顧客企業において、リーマンショック後初めて、投資の本格的再開に向けた検討が進められてきました。特に下半期において、いくつかの大型商談を含むディールフローの増加を背景に、ソフト開発案件の受注状況は回復基調を示しました。3月に震災が発生しましたが、当社においては、施設損害などの直接的な被害はなく、懸念された期末需要の落ち込みも軽微でありました。

 

こうした状況下、当連結会計年度においては事業基盤・経営基盤の強化に向けた以下の施策に取り組んでまいりました。

 

・事業の選択と集中を強化するべく、全事業につき事業部門での計画をもとにスクリーニングを行い、重要性の高い個別テーマにつき、マネジメントレベルで戦略的な議論を進めてまいりました。

・グローバルサービスの強化を推進し、国内の顧客企業による海外展開に対してのグローバルサポート体制の強化に取り組んでまいりました。

・パッケージソフト事業の拡充を意図し、当社独自のERPパッケージソフトである「ProActive」において、パートナー支援策の実施並びに機能強化した販売管理モジュールのマーケティング施策の推進等同事業の強化拡充に注力してまいりました。

・ソフトウェア受託開発ビジネスにおける業務委託につきましては、業務委託先の選別等を通じ、生産性の改善及び業務委託支出の効率化に注力してまいりました。また、ソフト開発における品質の向上及び開発プロセスの効率化を図るべく、開発プロジェクトの品質管理の専門チームの設置を行い、問題案件の早期指摘などへの取り組みを行ってまいりました。

・当社の事業基盤の根幹を成す人材力と技術力につきましては、人材開発専門部署の設置等を通じて、高度IT人材、グローバル人材の育成等をテーマに、諸施策を検討・実行してまいりました。加えて、昨年秋には東京事務所の移転を行ったほか、禁煙・健康増進キャンペーンを実施するなど、従業員にとって真に働きやすい職場環境の整備に向けた取り組みを積極的に行ってまいりました。

 

以上の施策をもとに、当社グループの当連結会計年度の連結業績につきましては、製造業向け売上が減少したものの、流通業、金融業、サービス業向け等の売上が増加したことにより、売上高は前期比4.3%増の132,840百万円となりました。利益面においては、販売管理費の一部削減等もあり、営業利益は前期比10.2%増の7,076百万円となりました。当期純利益は、東京事務所移転にかかる特別損失の計上があったものの、前年度の一部事業整理にかかる特別損失計上の反動増、また、投資有価証券売却益の計上等もあり、前期比17.3%増の3,803百万円となりました。

 

 

セグメントの状況は以下のとおりであります。

 

流通・製造ソリューション事業

流通・製造ソリューション事業については、流通業向けの案件に対する需要が拡大しました。また、当該セグメントに含まれる通信業向けについても案件需要が堅調な推移を見せたことにより、売上高は36,574百万円、セグメント利益は2,022百万円となりました。

 

金融・ERPソリューション事業

金融ソリューション事業については、ソフト開発案件を中心に引き続き堅調に推移しました。一方、ERPソリューション事業については、サービス業並びに流通業向けの案件が好調だったものの、製造業向け案件需要は低位に推移しました。セグメント全体の売上高は26,240百万円、セグメント利益は708百万円となりました。

 

グローバルソリューション事業

グローバルソリューション事業については、流通業向けを中心に安定した案件需要があり、売上高は13,641百万円、セグメント利益は1,496百万円となりました。

 

プラットフォームソリューション事業

プラットフォームソリューション事業については、サービス業及び学術向け案件需要は堅調に推移したものの、製造業向け等の案件が低位に推移しました。売上高は48,337百万円、セグメント利益は3,248百万円となりました。

 

その他

売上高は8,046百万円、セグメント利益は237百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ310百万円減少し、25,892百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は7,080百万円となりました。

主な増加要因は、税金等調整前当期純利益6,954百万円、減価償却費3,430百万円、たな卸資産の減少による資金の増加1,717百万円によるものであります。主な減少要因は、売上債権の増加による資金の減少4,348百万円、法人税等の支払額1,845百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は4,815百万円となりました。

主な増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入2,035百万円であります。主な減少要因は、東京事務所の一部移転等にかかる有形固定資産の取得3,676百万円、ソフトウェア等の無形固定資産の取得1,729百万円、投資有価証券の取得による支出1,507百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は2,426百万円となりました。

主な減少要因は、平成22年3月期期末配当金(1株当たり16円)803百万円及び平成23年3月期中間配当金(1株当たり16円)の支払803百万円によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称
生産高(百万円)
流通・製造ソリューション事業
36,537
金融・ERPソリューション事業
25,166
グローバルソリューション事業
13,635
プラットフォームソリューション事業
48,353
その他
7,994
合計
131,686

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は販売価格によっております。

3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度におけるソフトウェア開発の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称
受注高(百万円)
受注残高(百万円)
流通・製造ソリューション事業
18,000
4,056
金融・ERPソリューション事業
21,994
3,032
グローバルソリューション事業
4,134
1,036
プラットフォームソリューション事業
1,927
303
その他
155
64
合計
46,211
8,494

(注) 1 情報処理等については、把握が困難なため省略しております。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称
販売高(百万円)
流通・製造ソリューション事業
36,574
金融・ERPソリューション事業
26,240
グローバルソリューション事業
13,641
プラットフォームソリューション事業
48,337
その他
8,046
合計
132,840

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績(直接販売)及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
住友商事㈱
16,072
12.6
14,478
10.9

3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

4 各報告セグメントの概要につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 セグメント情報等」をご参照ください。

 

また、生産実績・受注実績・販売実績について、サービス特性により分類したソフトウェア開発・情報処理・システム販売に分類すると、次のとおりであります。

(1) 生産実績

 
生産高(百万円)
前期比(%)
ソフトウェア開発
44,799
3.6
情報処理
37,298
3.5
システム販売
49,589
3.6
合計
131,686
3.6

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

上記各区分の概要は以下のとおりであります。

 

ソフトウェア開発:広範な業種の顧客に対する、最新の情報通信技術と長年蓄積された豊富な業務ノウハウによる、一貫した信頼性の高いトータルソリューションサービスの提供

情報処理:専用データセンターの構築・運営管理並びに、長年の経験と培われたノウハウ、「ISO9001」をベースにした運用管理技術による、安全で、信頼性の高いコンピュータ、通信ネットワークシステムの保守・運用サービスなどの提供

システム販売:各メーカーの各種サーバ、クライアント機器、ストレージ機器、通信ネットワーク関連機器及びパッケージ・ソフトウェア商品等を組み合わせたソリューションの提供

 

(2) 受注実績

 
受注高(百万円)
前期比(%)
受注残高(百万円)
前期比(%)
ソフトウェア開発
46,211
3.6
8,494
3.0

(注) 1 情報処理等については、把握が困難なため省略しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

 
販売高(百万円)
前期比(%)
ソフトウェア開発
45,964
6.0
情報処理
37,286
3.3
システム販売
49,589
3.6
合計
132,840
4.3

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1)事業環境の見通し

今後の当社グループを取り巻く事業環境を展望しますと、震災の影響も含め日本経済の先行きは不透明な状況となっており、ITサービス産業にとって重要な企業の設備投資動向についても当面は懸念が残る状況と考えられます。また、ITサービス産業は、現在、成長ステージから成熟化ステージへの移行期にあり、国内IT市場の成長には鈍化傾向が見られます。さらに、競争環境については、国内ITサービス専業の企業間の競合はもとより、ITハードベンダーのITサービス分野への進出、さらにはインド・中国も含めたグローバルな企業との競合など競争環境が一段と激化しております。一方で、社会生活・企業活動のあらゆる場面でITの活用が進んでおります。各顧客企業におけるIT投資に対するニーズも、これまでのコスト削減のためのIT投資から、生産性の向上、そして競争優位性の確保を目的とした戦略的IT投資へと多様化し、また企業活動のグローバル化の進展に伴って、ITシステムについてもグローバル体制の構築が強く求められる状況になっております。このように、IT需要が一層広がりを見せる中、業界再編の動きも含めた産業の構造的変化ともいうべき事態が進行している状況にあります。

 

(2)中期的な経営課題/経営戦略

こうした状況下、人材力と技術力をベースに、顧客企業の事業価値向上に繋がる高品質のITサービスを提供し、新たなビジネスバリューを顧客企業と共に創り上げていくこと、そして、これらの顧客企業の強固な事業パートナーとしての立ち位置を確保することが経営戦略上重要であり、また、この立ち位置をもって当社の中期的な企業成長を推進することが当社の課題と認識しております。

 

具体的には、①収益基盤の強化・拡大、②業務品質のより一層の向上、また、③これらを支える人材力と技術力の向上を経営課題と捉えた上で、各々の課題解決に向け各種の経営施策を遂行する所存であります。

 

①収益基盤の強化・拡大策

事業の選択と集中をより一層強化し、重点取り組み分野や新規分野へと経営資源を再配分することで事業・収益基盤の強化・拡大を図り、当社の提供するITサービスの価値向上と新規ITサービスの開拓を図ってまいります。また、日系企業のグローバル展開支援を中心としたグローバルビジネスの強化やクラウド関連サービスの強化に注力してまいります。

 

②業務品質の向上策

受託開発型からサービス型への環境変化を見据え、品質管理専門部署を中心に、品質管理の高度化や新たな技術標準の定着・徹底等の各種品質向上策を実行してまいります。また、開発業務の業務委託においても、更なる生産性・効率性の向上策を実行してまいります。

 

③人材力・技術力向上策

当社の事業基盤の根幹を成す人材力と技術力につきましては、人材開発専門部署を中心に、高度IT人材、グローバル人材の育成等をテーマに、諸施策を検討・実行してまいります。また、昨年秋には本社移転を実施しましたが、今後も従業員にとって真に働きやすい職場環境の整備に引続き取り組んでまいります。

 

これらの事業施策の遂行と同時に、当社グループ全体の内部統制・リスク管理、コンプライアンス、セキュリティ管理をはじめとする社内管理体制の整備につきましては、更なる強化を図ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業(経営成績と財政状態)に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

①事業環境リスク

近年、当社グループが属する情報サービス業界においては、競合他社との競争激化やハードウェアを中心とした価格の低下傾向が続いております。このような環境の下、経済情勢の変化等により顧客企業のIT投資動向が急速かつ大きく変化した場合や、業界内部での価格競争が現状を大幅に超える水準で継続した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②システム開発リスク

当社グループは、顧客企業の各種情報システムの受託開発業務を行っておりますが、複雑化・短納期化するシステムの開発においては、計画通りの品質を確保できない場合や、開発期間内に完了しないことによるコスト増大の可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、生産能力の確保、コストの効率化、技術力・ノウハウ活用のためにオフショアを含む多数の業務委託会社を活用しておりますが、期待した生産性や品質が維持できない可能性があります。

このため、専門部署による引合い・見積り段階でのチェックや案件の進捗管理、品質チェックの実施、さらには業務委託会社の総合的審査の実施や委託業務の進捗及び品質管理の徹底により、納入するシステム全体に、予定しない不具合が生じないよう組織的に努力し、リスクの低減に努めております。

 

③技術革新への対応に伴うリスク

当社グループが属する情報サービス業界は技術革新が激しいことから、当社グループが現在保有する技術・技能・ノウハウ等が陳腐化する可能性があります。また、当社グループの収益の源泉である顧客企業向けシステム構築やサービスに提供するソフトウェア・ハードウェア等の製品が、業界の技術標準の急速な変化により、その技術優位性あるいは価格優位性を失う可能性があります。したがって、当社グループが業界の技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、予測しえても適切に対応できない場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

当社グループは技術革新に適時・的確に対応するために、従業員の有する能力を高め、新しい技術の組織的発掘及び習得を推進しております。また、システム構築やサービス提供にかかる技術力・製品調達力において分散化を図ると同時に、特定の技術・ノウハウ・製品に過度の収益を依存することなく、ビジネスを推進しております。

 

④情報セキュリティリスク

当社グループでは、システム開発時から運用段階に至るまで、業務上、顧客企業が保有する個人情報や顧客企業のシステム技術情報等の各種機密情報を知り得る場合があります。コンピュータウイルス、不正アクセス、人為的過失、あるいは顧客システムの運用障害、その他の理由により、これら機密情報の漏洩や改竄等が発生した場合、顧客企業等からの損害賠償請求や当社グループの信用失墜の事態を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、コンプライアンスの徹底を図るとともに、物理的なセキュリティ対策を強化し、さらには各種機密情報を取り扱う業務委託会社も含めて、啓蒙と教育を徹底する等の情報セキュリティ強化策を講じております。なお、業務委託会社には必要に応じたオンサイトレビュー実施等を通じて、当社グループと同レベルの情報セキュリティの確保と情報管理の徹底を図っております。

 

 

⑤投資リスク

当社グループでは、ソリューション提供力強化、生産能力確保、最先端分野における技術力獲得・向上、最新のソフトウェア・ハードウェア等の製品調達力確保等を目的に国内外の事業会社やベンチャー企業への出資、融資等の信用供与、これら企業からの試作製品の購入を行っております。また重点分野や新規分野におけるパッケージソフト開発やサービス開発のための投資を行っております。

投資に際しては、事業投資先や投資に伴う事業計画、リスク・リターン等について十分に検討し、また、投資後であっても、計画進捗のチェックやモニタリングを行う等リスク管理体制を整えております。

しかしながら、こうした投資は事業投資先の業績悪化や計画未達成等のため、当初見込んだリターンが得られない、もしくは損失を被り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥訴訟リスク

当社グループでは、当社グループ以外の開発・製造によるソフトウェア・ハードウェア等の製品を多数の顧客企業に対し販売・納入しており、これらの事業活動に関連して第三者が知的財産権の侵害を含む訴訟等を提起する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦有形固定資産の減損リスク

当社グループは、当連結会計年度末において、帳簿価額28,876百万円の土地・建物等を保有しており、オフィス(賃貸用オフィスを含む)・データセンター・寮・社宅等として使用しております。データセンター、賃貸用オフィスはそれぞれが属する事業セグメントに、その他の資産は全社共用資産に区分しており、地価の動向や当社グループの収益の状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、事業セグメント単位でその回収可能性を判断した結果、当連結会計年度において減損損失認識の対象となった有形固定資産はありません。

 

⑧製品調達リスク

当社グループでは国内外から幅広く選りすぐりのソフトウェア・ハードウェア等の製品を調達して顧客企業に提供しております。

海外拠点・ネットワークを活用して海外製品の発掘・調達、技術動向の掌握に努めている他、国内外のベンダー各社とは事業戦略を共有しつつ、その動向把握と安定的な製品調達を図っております。しかしながらベンダー各社の事業戦略の突然の変更による製品仕様の変更・製品供給の停止等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨貸倒リスク

当社グループは、多くの顧客企業に製品販売、システム開発受託、サービス提供を行っております。多くの取引は代金回収が事後となるため、顧客企業の財政状態の悪化が当社債権の回収遅延、回収困難をもたらし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループとしては、事業部門から独立して与信管理並びに顧客企業の信用状況のチェックや適切な与信枠の設定を行うと共に、債権の滞留状況・回収状況の定期的モニタリングを実施しております。また、必要に応じて貸倒引当金の計上等、必要な会計上の対応を行っております。

 

⑩東日本大震災に関連するリスク

平成23年3月11日に発生した東日本大震災に伴い、今後、震災の影響が長期化し、被害が拡大した場合、電力・水道の使用制限による社会インフラの低下、物品の供給不足、物流機能の停滞、さらに日本市場の消費意欲の低下や企業の設備投資延期といった間接的な影響を受ける可能性があります。当社グループは、日本国内を中心とした事業展開を行っており、国内の経済情勢や景気動向が、当社グループの営業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

㈱CSKとの合併

当社は、㈱CSK(以下「CSK」という。)と平成23年2月24日に合併契約書を、また、平成23年5月19日に合併契約書に係る変更契約書を締結し、平成23年6月28日の定時株主総会において承認されました。

合併に関する事項の概要は、次のとおりであります。

 (1)合併の目的

当社は、住友商事㈱(以下「住友商事」という。)の子会社として昭和44年に設立された情報サービス事業者で、平成元年に㈱東京証券取引所(以下「東京証券取引所」という。)市場第2部に上場し、平成3年には同第1部に指定されました。平成17年8月には同じく住友商事の子会社であった住商エレクトロニクス㈱と合併し、事業領域の拡充を図っております。また、CSKとは、平成21年9月に業務・資本提携に向けた基本合意書を締結しています。

CSKは、昭和43年に設立された独立系大手の情報サービス事業者で、昭和57年に東京証券取引所市場第2部に上場し、昭和60年には同第1部に指定されました。近年は本業である情報サービス事業に加え、証券事業や不動産事業にも進出し、多角化を進めていましたが、平成21年3月期決算において不動産証券化ビジネス等の金融サービス事業の不振で多額の損失を計上いたしました。平成21年7月にアント・コーポレートアドバイザリー㈱(現ACA㈱)との間で結んだ基本合意に基づき、資本増強を実施の上、証券事業や不動産事業からの撤退、情報サービス事業への回帰を軸とした経営再建に取り組み、現在は純粋持株会社であった㈱CSKホールディングスにコア事業を吸収合併し、事業持株会社であるCSKとして事業・収益基盤の拡充を図っております。

今後の当社グループを取り巻く事業環境を展望しますと、本年3月に起こった震災の影響も含め日本経済の先行きは不透明な状況となっており、ITサービス産業にとって重要な企業の設備投資動向についても当面は懸念が残る状況と考えられます。また、ITサービス産業は、現在、成長ステージから成熟化ステージへの移行期にあり、国内IT市場の成長には鈍化傾向が見られます。更に競争環境については、国内ITサービス専業の企業間の競合はもとより、ITハードベンダーのITサービス分野への進出、更にはインド・中国も含めたグローバルな企業との競合など競争環境が一段と激化しております。一方で、社会生活・企業活動のあらゆる場面でITの活用が進んでおります。各顧客企業におけるIT投資に対するニーズもこれまでのコスト削減のためのIT投資から、生産性の向上、そして競争優位性の確保を目的とした戦略的IT投資へと多様化し、また、企業活動のグローバル化の進展に伴って、ITシステムについてもグローバル体制の構築が強く求められる状況になっております。このように、IT需要が一層の広がりを見せる中、業界再編の動きも含めた産業の構造的変化ともいうべき事態が進行している状況にあります。

両社は、平成21年9月の業務・資本提携に向けた基本合意書締結後、両社代表取締役を委員長とする業務提携委員会において、個々の事業面でのwin-winの効果を追求すべく協議を重ねてまいりました。前述の市場認識のもと、これらの協議を通じ、お互いの人的・技術的リソースを結集し、顧客基盤の強化、及びより顧客満足度の高い顧客サービスの拡充を図り、さらにはこれらのグローバル展開を推進することが、今後業界でのリーディングポジションを確立するために最善の選択肢であるとの考えに至りました。また、統合形態についても議論を重ねた結果、上記の目的を達成するためには合併という形態が最善であるという結論に至り、平成23年2月24日開催の両社の取締役会にて本合併契約の締結を決議いたしました。

合併新会社は、両社のサービスを統合することにより、システム開発、ITインフラ構築・マネジメント、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、ITハード・ソフト販売の全てのサービスを提供することが可能となります。さらに、住友商事をはじめとする顧客企業の世界各国におけるITシステム・ネットワークをサポートしてきた当社の知見、及びITサービス業界の独立系大手企業として培ったCSKの顧客基盤を組み合わせることにより、フルラインナップのグローバルITサービスカンパニーとして業界の明日を切り拓くリーディングカンパニーへの飛躍を目指してまいります。

 

当社及びCSKは、合併新会社としての経営基盤強化策として、以下を想定しています。

① 事業基盤の強化・拡大

両社が有するシステム開発、ITインフラ構築・マネジメント、BPO、ITハード・ソフト販売の各事業の有機的な統合により、顧客企業に対するワンストップサービスの提供が可能となります。これにより、多様化する顧客ニーズに対応できることとなり、顧客満足度の向上を図り、新たな顧客サービスの創出を期待することができます。

両社の得意とする産業分野は重なりがある一方、既存の顧客基盤は補完関係にあります。これらの産業分野における両社の技術力・ノウハウ・知財等を相互活用することにより、各々の産業分野において合併新会社ならではの特色を持つことができ、技術力及び顧客の広がりにおいて、産業分野ごとにトップポジションの確立を目指してまいります。今後の業界の流れであるクラウドビジネスの強化に関しては、事業規模・各種資本力・技術力の拡大をベースに、両社データセンター事業の統合によるインフラ基盤の拡充、クラウド基盤等への先行投資を行うとともに、CSKの特色・強みであるBPOも加えた付加価値の高いハイブリッド型クラウドサービスを展開できることになります。

ERP(統合型業務ソフトウェア)の分野では、両社のリソースを統合することにより、当社独自のERPパッケージソフト事業である「ProActive」も含めた強化策を図ることが可能となります。日本企業の海外進出が今後さらに加速することが予想される中、顧客企業において、グローバルベースのITガバナンスへのニーズが高まることが予想されます。当社の海外でのITサポートの実績・知見とCSKの優良な顧客基盤を活用し、顧客企業の海外進出をサポートすることにより事業のグローバル展開を強化し、ビジネス規模のさらなる拡大を目指してまいります。

② 経営インフラの強化・経営効率の向上

人材力の拡充に加え、住友商事のグループ会社としての信用力強化に伴う財務基盤の安定化が見込まれます。システム開発における生産性・品質の向上については、両社のニアショア・オフショア拠点、外部委託の効率的な活用により開発コストの適正化が見込まれます。さらに、両社の開発手法、プロジェクト管理方法を融合して生産性・品質の向上を図り、顧客企業ニーズの高度化・多様化に応える競争力の強化・顧客満足度の向上が期待できます。データセンター事業では、規模の経済を働かせ、効率化による運営コストの低減が見込まれます。また、各種ハード・ソフト製品の販売においても、集中購買により効率的な調達を図ってまいります。また、適正な人員配置により販売管理費の削減及び収益基盤の拡充を目指してまいります。

③ 技術力・人材力の強化・拡充

両社の技術者の融合による提案力・技術力・サービス提供力の向上により、高度化・多様化する顧客企業ニーズへの対応力を強化し、両社既存顧客への取引深耕、新規顧客開拓を推進します。また、大型案件への取り組みを強化するとともに、新たなサービスの創造を積極的に行ってまいります。また、両社のR&D関連のリソース統合により研究開発機能を強化し、最先端技術への取り組みを広げるとともに、新規事業の創出にも繋げてまいります。

また、合併新会社の第一の重点施策として人材の育成を推進してまいります。両社の人材育成のノウハウを統合することにより、人材強化を図るとともに、新しい企業文化の創出を目指してまいります。

当社及びCSKは、本合併による両社の統合の目的を迅速かつ円滑に推進することを目的として、統合に関する重要事項について協議し、両当事者間における一定のコンセンサスを形成するための機関として、共同で統合推進委員会を設置することに合意しており、上記各事項の詳細については、今後統合推進委員会で協議していく予定です。

 

 (2)合併の方法

本合併は、当社を存続会社、CSKを消滅会社とする吸収合併方式で行われ、CSKは平成23年10月1日の本合併の効力発生日をもって解散する予定です。

 

 

 (3)合併に際して交付する株式及び割当

当社
(吸収合併存続会社)
CSK
(吸収合併消滅会社)
普通株式 1
普通株式 0.24
A種優先株式 1
A種優先株式 1
B種優先株式 1
B種優先株式 1
普通株式 1
E種優先株式 2,400

 

 (4)合併に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い

当社は、本合併に際して、効力発生直前時におけるCSKのCSK130%コールオプション条項付第7回無担保転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者(当社及びCSKを除きます。)に対して、CSK割当対象新株予約権に代わる新株予約権として、その所有するCSK割当対象新株予約権1個につき、当社新株予約権1個の割合をもって、当社新株予約権を割当て交付いたします。

 

 (5)合併比率の算定根拠等

当社及びCSKは、本合併契約締結に際し、一連の取引の透明性・公平性を期すため、第三者算定機関として、当社は野村證券㈱に、CSKはみずほ証券㈱に、それぞれ普通株式に係る本合併対価の算定を依頼し、野村證券㈱は市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法の各手法を、みずほ証券㈱は市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法の各手法を用いて当社及びCSKの株式価値を算定しました。それぞれ入手した合併比率算定書における算定結果を参考として、両社の財務状況、資産状況、将来の見通し等を総合的に勘案し、両社で協議及び交渉を重ねた結果、最終的に上記合併比率が妥当であるとの判断に至り合意いたしました。

 

 (6)本合併の効力発生日

平成23年10月1日

 

 (7)相手会社の主な事業の内容、規模等

名称
㈱CSK
本店の所在地
東京都港区南青山二丁目26番1号
代表者の役職・氏名
代表取締役社長 中西 毅
事業内容
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業、ITマネジメント事業、システム開発事業、プリペイドカード事業、その他の事業
設立年月日
昭和43年10月7日
規模
連結売上高
140,387
百万円
(平成23年3月31日現在)
連結当期純損失(△)
△7,770
百万円
 
連結総資産
180,862
百万円
 
連結総負債
169,807
百万円
 
連結純資産
11,054
百万円
 
従業員数(連結)
8,755

 

大株主及び持株比率
合同会社ACAインベストメンツ
46.38
(平成23年3月31日現在)
CSKグループ社員持株会
3.30
 
日本トラスティ・サービス信託銀行㈱(信託口)
2.93
 
日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)
2.82
 
JPモルガン証券㈱
2.00
 
日本生命保険相互会社
1.56
 
資産管理サービス信託銀行㈱(証券投資信託口)
1.41
 
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC)
1.01
 
DEUTSCHE BANK AG LONDON 610
0.90
 
みずほ証券㈱
0.88
 
※持株比率は、発行済株式の総数から自己株式を控除して計算しております。

 

 (8)当該組織再編後の状況

 
吸収合併存続会社
(1) 名称
SCSK㈱
(2) 所在地
東京都中央区晴海一丁目8番12号
(3) 代表者の役職・氏名
代表取締役社長 社長執行役員 中井戸 信英
 
代表取締役 副社長執行役員 中西 毅
 
代表取締役 副社長執行役員 露口 章
(4) 事業内容
システム開発、ITインフラ構築・マネジメント、BPO、ITハード・ソフト販売
(5) 資本金
21,152 百万円(合併による資本金の増加はありません。)
(6) 決算期
3月31日

 

6 【研究開発活動】

当社では、国内関係会社、米国、欧州及びアジアの各拠点と一体となって、グローバルな視点から最新のIT動向を鋭敏に捉え、新たな市場創造に向けてSCSグループ全体として最新のIT導入と技術レベルの高度化、充実を図るべく研究開発活動を推進しております。また、お客様へのより最適な次世代サービスを実現させるために、中期的な技術戦略を基軸とした各技術施策を推進しております。

 

① 高品質アプリケーション・システム構築・運用のための標準プロセスに関する研究

 クラウドコンピューティングやSaaSなど、ITのサービス化を活用した利用形態が企業システムで大きな関心を集めています。ますます多様化、複雑化する企業システムを、タイムリーに構築・運用・保守し、TCOを低減させることは経営の大きな課題です。クラウドコンピューティングはこの課題に対する解の一つであると考えています。

当社では、お客様の要求するシステムをタイムリーかつ低コストに実現するため、クラウド関連技術やSOA技術の調査研究を引き続き推進してまいります。特に、オンプレミスな既存システムとSaaSなどの社外のクラウド・サービスを活用したハイブリッド型システムの構築は今後拡大することが見込まれます。当社ではこのハイブリッド型システム構築に適した開発方式の研究を重点的に進めてまいります。

 

 

② 新システム基盤技術の最適化に関する研究

 電子政府やクラウドコンピューティングに代表されるように、インターネットを中心とした情報システムは、国家及び企業に不可欠なインフラとなっており、拡大の一途を辿っています。

 対象業務の複雑さ、システム規模の拡大及び技術の高度化など多面的に対応するには、業務の特性を的確に把握し具現化するとともに、特性にあった最適なシステムを構築する必要があります。当社では、情報システムを支えるIT基盤分野(ハードウェア、ミドルウェア、ネットワーク、セキュリティ、運用管理等)について、信頼性・可用性・拡張性・運用性及びパフォーマンスといった視点において、要素技術及びプロダクトの評価と選定、これらを組み合せた稼動検証、性能検証等、常に最新の技術を用いたお客様に最適なシステム構成を提供する為の技術研究を行っております。 この一連の技術研究におきましては、システムの低コスト化を実現するために各種オープンソース・ソフトウェアに関する評価・検証も継続的に実施しております。また、今般、クラウド基盤に特化した専門組織である基盤テクノロジー室を設置し、クラウド基盤環境の構築・運用に関する技術強化やクラウド要素技術の実用化推進を行っています。

 

③ 新アプリケーションアーキテクチャに対する技術戦略研究

 ユビキタスコンピューティングの浸透とともにAndroidやiPadなど、モバイル端末のオープン化が進み今やスマート端末はPC端末並の性能を持ちつつあります。インターネットの普及により企業システムが抜本的に見直さざるを得なくなったように、このスマート端末の進展により、企業システムの抜本的な見直しが求められる時期がそこまで来ています。

 当社では、スマート端末を始めとする新技術調査、研究を行う組織として予てよりアーキテクチャキッチンを設置しており、新技術の影響力、ソリューションへの応用例、採用すべき開発手法やアーキテクチャ構造などを中心に調査・研究を推進しています。

 

④ クラウドコンピューティングに関する独自研究

クラウドコンピューティングは仮想化技術や大規模分散処理技術を用いることで、柔軟にコンピューティングリソースの変更、大規模・大量データの効率的な処理の実現など、新たなインターネットサービスを提供する技術として米国や国産メーカーが中心となって事業推進しています。

当社では、米国や国産メーカーの技術・製品を活用したクラウド・サービスを提供する一方で、エンタープライズ、アプリケーションの2つをキーワードに、当社独自のクラウド技術の研究・開発を推進しております。

 

 なお、当連結会計年度の研究開発費は、432百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠し作成しております。

この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与える見積り及び判断を必要としております。当社は過去の実績、または、現在の状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りを判断の基礎としております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の会計方針が連結財務諸表の作成において重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。

 

① たな卸資産の評価

当社グループのたな卸資産は主に仕掛品と商品に区分されます。

仕掛品の評価については、「工事契約に関する会計基準及び適用指針」を適用し、商品の評価については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用し、収益性の低下に基づく簿価切り下げ方法により適切に処理しております。

 

② 繰延税金資産

当社グループは、財務諸表と税務上の資産負債との間に生ずる一時的な差異に関わる税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。将来減算一時差異が課税所得を上回っておりましたので、繰延税金資産の回収可能性の判断を行い、解消時期の見通しが困難な将来減算一時差異については、繰延税金資産の回収不能分として評価性引当金を計上しております。各社において繰越欠損金がある場合は、将来の事業計画に基づき合理的に回収可能な金額を算出し、それを限度とし計上しております。

 

③ 貸倒引当金

当社グループは、過去の貸倒実績率に基づき一般債権に対する貸倒引当金を算定しております。また、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を判断し、回収不能見込額を貸倒引当金として追加計上しております。

 

④ 市場販売目的のソフトウェアの償却

当社グループは市場販売目的のソフトウェアの償却は、①見込販売収益に基づく償却費と、②残存有効期間(3年以内)に基づく均等配分による償却費とを比較し、いずれか大きい額を償却費として計算することとしております。

 

⑤ 投資の減損

当社グループでは、営業上・戦略上の理由から事業会社の株式を保有しております。

当社グループでは、「金融商品に関する会計基準」に基づき、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、これら株式の減損を実施しております。具体的には、上場会社の株式は、期末時点で株価が帳簿価額に対し50%を下回った場合に減損を計上しております。非上場会社の株式については、当該会社の純資産価額の当社持分が、帳簿価額の50%を下回った場合に、また、このうち投資して間もない株式にあっては投資後2年間にわたり赤字が継続している場合に、将来の回復可能性を検討した上で、減損処理を行うこととしております。当連結会計年度においては、これらの基準に基づき、保有株式の減損の要否を判定した結果、減損を認識する必要があると認められる株式はありません。

 

⑥ 退職給付費用と退職給付引当金

当社グループでは、従業員の退職給付費用及び引当金は、保険数理計算により算出される退職給付債務(一部の国内子会社は簡便法)に基づき計上しております。退職給付債務の割引率は、「『退職給付に係る会計基準』の一部改正(その3)」に基づき、安全性の高い長期債券(AA格社債)の期末時点における利回りを基に決定しており、この割引率により将来債務の割引計算を行っております。

 

⑦ 固定資産の減損に係る会計処理

当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針」に基づき、固定資産の減損処理の要否を判定しております。当連結会計年度において、減損の兆候のある固定資産はありますが、その回収可能性を判断した結果、減損損失の認識は不要と判定しております。

 

⑧ 工事契約に関する会計処理

当社グループでは、請負工事等にかかる収益の計上基準については、前連結会計年度より「工事契約に関する会計基準及び適用指針」を適用しており、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる契約については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の契約については工事完成基準を適用しております。

また、損失の発生が見込まれる工事契約について、将来の損失に備えるため、その損失見込額を工事損失引当金として計上しております。

 

 

(2)経営成績

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、製造業向け売上が減少したものの、流通業、金融業、サービス業向け等の売上が増加したことにより、前連結会計年度に対し4.3%増の132,840百万円となりました。

 

 

 
当連結会計年度
自 平成22年4月1日
至 平成23年3月31日
金額
(百万円)
構成比
(%)
流通・製造ソリューション事業
36,574
27.5
金融・ERPソリューション事業
26,240
19.8
グローバルソリューション事業
13,641
10.3
プラットフォームソリューション事業
48,337
36.4
その他
8,046
6.1
合計
132,840
100.0

 

(流通・製造ソリューション事業)

流通・製造ソリューション事業については、流通業向けの案件に対する需要が拡大しました。また、当該セグメントに含まれる通信業向けについても案件需要が堅調な推移を見せたことにより、売上高は36,574百万円となりました。

 

(金融・ERPソリューション事業)

金融ソリューション事業については、ソフト開発案件を中心に引き続き堅調に推移しました。一方、ERPソリューション事業については、サービス業並びに流通業向けの案件が好調だったものの、製造業向け案件需要は低位に推移しました。セグメント全体の売上高は26,240百万円となりました。

 

(グローバルソリューション事業)

グローバルソリューション事業については、流通業向けを中心に安定した案件需要があり、売上高は13,641百万円となりました。

 

(プラットフォームソリューション事業)

プラットフォームソリューション事業については、サービス業及び学術向け案件需要は堅調に推移したものの、製造業向け等の案件が低位に推移しました。売上高は48,337百万円となりました。

 

(その他)

売上高は8,046百万円となりました。

 

また、当連結会計年度における売上高実績をソフトウェア開発・情報処理・システム販売に分類すると次のとおりであります。

 

 

 
前連結会計年度
自 平成21年4月1日
至 平成22年3月31日
当連結会計年度
自 平成22年4月1日
至 平成23年3月31日
前期比
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
増減率
(%)
ソフトウェア開発
43,376
34.1
45,964
34.6
2,587
6.0
情報処理
36,083
28.3
37,286
28.1
1,202
3.3
システム販売
47,856
37.6
49,589
37.3
1,732
3.6
合計
127,317
100.0
132,840
100.0
5,523
4.3

 

② 売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、金融業向け及び流通業向けの売上高の増加に伴う増加はあったものの、製造業向けの売上高の減少に伴う売上総利益の減少などにより、前連結会計年度に対し0.4%減の29,048百万円となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、オフィス移転関連費用、人材力拡充などのマネジメント基盤強化等の戦略的投資による費用増加があったものの、新基幹システム関連費用を業務委託先の絞り込みを通じた業務委託費の支出抑制、昨年度において実施した事業の整理、撤退の反動減等の減少があったため、前連結会計年度に対し3.4%減の21,971百万円となりました。

 

④ 営業利益

以上により、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に対し10.2%増の7,076百万円となりました。

 

⑤ 営業外収益・営業外費用[純額]

当連結会計年度の営業外収益(費用)は、前連結会計年度の764百万円の収益[純額]から497百万円減少し267百万円の収益[純額]となりました。

 

⑥ 経常利益

以上により、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に対し2.2%増の7,343百万円となりました。

 

⑦ 特別損益[純額]

当連結会計年度の特別損益[純額]は389百万円の損失となりました。主な内訳は、投資有価証券売却益508百万円を計上する一方、有価証券売却損189百万円、移転関連費用481百万円を計上したものであります。

 

⑧ 税金等調整前当期純利益

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に対し37.2%増の6,954百万円となりました。

 

 

⑨ 法人税等

当連結会計年度の法人税等は、前期比73.1%増の3,163百万円となりました。前連結会計年度に計上した連結子会社の整理に伴う税金費用への影響等もあり、税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率(負担税率)は、前連結会計年度の36.1%から45.5%と9.4ポイントの増加となりました。

 

⑩ 少数株主損益

当連結会計年度の少数株主損失は、11百万円となりました。

 

⑪ 当期純利益

当期純利益は、前連結会計年度に対し17.3%増の3,803百万円となりました。また、1株当たりの当期純利益は、前連結会計年度の64.90円から11.23円増加し76.13円となりました。

 

(3)財政状態

① 資産、負債及び純資産の状況
(資産の部)

当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度末に対し3,739百万円増加し、121,284百万円となりました。

 

(a) 流動資産

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に対し2,600百万円増加し、65,122百万円となりました。

主に、売上高の増加に伴う売上債権の増加によるものです。

 

(b) 固定資産

当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に対し1,138百万円増加し、56,161百万円となりました。

主に、本社事務所の一部移転に伴う建物及び構築物の増加によるものです。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債の部は、前連結会計年度末に対し1,853百万円増加し、26,715百万円となりました。

 

(a) 流動負債

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に対し641百万円増加し、23,435百万円となりました。

買掛債務の減少はあったものの、未払法人税等の増加などにより、前連結会計年度に対し流動負債が増加しました。

 

(b) 固定負債

当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に対し1,211百万円増加し、3,280百万円となりました。

資産除去債務の会計基準適用、賃貸オフィスに係る保証金の計上などにより増加したものです。

 

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産の部は、前連結会計年度末に対し1,885百万円増加し、94,568百万円となりました。

主に、利益剰余金の増加によるものです。

総資産に占める自己資本比率は77.6%となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末より36.83円増加し1,884.78円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 





出典: SCSK株式会社、2011-03-31 期 有価証券報告書